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雨の上がった湿地まわりで [コウチュウ目]

週の半ばの休みにはこのところ毎週雨が降り、来週もと予報を見てがっくり・・・。

雨の止んでいる午前中、湿地に行ってみた。
湿地ではヨシがグングンと成長し、そろそろオオヨシキリの声が聴かれそうだ。
湿地0531_1.jpg



















草の間のXの隠れ帯はコガネグモの仲間の網、水回りでよく見られるのはナガコガネグモだが隠れ帯は直線が多い。
背を向けているので断定できないが、チュウガタコガネグモではなかろうか。
チュウガタコガネグモ0531_1.jpg



















葉上で多く見られたのは、見事な触角が目にとまる「ヒゲナガハナノミ」のオス。
幼虫は水中や泥の中に生息し成虫は水辺で見られる。
ヒゲナガハナノミ0531-1_1.jpg



















生活史やその形、現れる時期も同じ頃なのでホタルに近い仲間と思われる。
ヒゲナガハナノミ0531-2_1.jpg



















ススキの葉上で見つけたホタル。
ヘイケボタルかと思ったが小さい。
ムネクリイロボタル0531-2_1_1.jpg



















真上から見ると、左の触覚が途中で切れた「ムネクリイロボタル」だった。

この蛍の幼虫は陸上で生活する。落ち葉の下や浅い土の中で陸生貝やミミズなどを食べている。
オスメス共に発光器を持ち僅かに発光するらしいが、光るのをまだ見たことが無い。
日本のホタルの仲間は54種(亜種含む)いるが水中で生活するのは、ヘイケボタル、ゲンジボタル、クメジマボタルくらいでほとんどが陸上生活だ。
ムネクリイロボタル0531-1_1.jpg



















2018年5月31日 東京都 クモ目コガネグモ科 チュウガタコガネグモ、コウチュウ目ナガハナノミ科 ヒゲナガハナノミ、ホタル科 ムネクリイロボタル

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バッタたちもすくすくと [バッタ目]

5月中旬、草地で耳を澄ますとシリシリシリ♪と鳴き声が聞こえた。
歩くと飛び出してきたのは「ヒナバッタ」のメス。
翅がしっかりあることから既に成虫だ。
鳴いていたのは別のオス。
今年生まれのバッタの中では最も早く成虫になるようだ。
ヒナバッタ0514_1.jpg



















草が刈られた場所で、草刈りから逃れて生き延びた「トノサマバッタ」の幼虫。
胸の盛り上がりや目を通る線が特徴。
ヒナバッタに次いで成虫が見られるだろう。
トノサマバッタ0519_1.jpg



















上2種が分類でバッタ科なのに対して、葉上で見つけたこの虫はキリギリス科で成虫は肉食、樹上生活の「ヤブキリ」のオス。
既に小さな翅があるので、こちらも6月には成虫の鳴く声が聞かれそうだ。
ヤブキリ0529_1.jpg



















2018年5月 東京都 バッタ目バッタ科 ヒナバッタ、トノサマバッタ、キリギリス科 ヤブキリ

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やはりオオムラサキの幼虫はでかかった [チョウ目]

ツユクサの仲間で南アメリカ原産の「ノハカタカラクサ」(トキワツユクサ)。
一見真っ白で美しい印象だが、環境省の生態系被害防止外来種リストでは重点対策外来種に指定されている。

毎年花を確認しているが、ほとんど生息域が拡大しておらず逆に縮小しているので少し安心した。
ノハカタカラクサ0522_1.jpg



















低く垂れたエノキの枝先にびっくりするほど丸々太った「オオムラサキ」の幼虫を見つけた。
5月初旬に見つけその後何度か探していたが見つからなかった同じ個体だと思う。
その時も大きいなぁと感じたのだがさらに成長していた。
オオムラサキ0527-1_1.jpg



















間もなく蛹化すると思われ、今いる枝で蛹になってくれれば見ることが出来る事に期待している。

先月来、継続観察していたイチモンジチョウの蛹は、跡形もなく無くなってしまった。
状況から恐らく人により持ち去られたものと思われとても残念。
改めて場所が特定できる写真の掲載について反省した次第だ。
オオムラサキ0527-2_1.jpg



















2018年5月22、27日 東京都 ツユクサ目ツユクサ科 ノハカタカラクサ、チョウ目タテハチョウ科 オオムラサキ

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歩いていた ヒメヤママユの幼虫 [チョウ目]

林内を歩いていると土の道の上を蛍光色に近い緑色の毛虫が歩いていた。
ヤママユガの仲間ではあるが、この仲間の幼虫をどうにも覚えられないでいる。
ヒメヤママユ0526-1_1.jpg



















蛹化場所を探して彷徨っていると思われる「ヒメヤママユ」の幼虫だった。
よく見ると頭に枯葉を付けているが、前が見えているのだろうか?
ここでは踏まれてしまうので、林縁に移動した。
無事この初冬、成虫になれれば良いのだが。
成虫はこんな綺麗なもふもふの蛾だ。

ヒメヤママユ_1.jpg



















2018年5月26日 東京都 チョウ目ヤママユガ科 ヒメヤママユ

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初夏の田んぼとフクラスズメ [季節]

10日ほど前の里山の田んぼ、水は引かれたがまだ荒起しは行われずミズニラやオオアブノメなどの希少な田んぼ雑草を見ることが出来た。
この後荒起しが行われ、希少な植物はボランティアさんたちが別の場所へ避難させていた。
昨日一部の田から代掻きが始められ、いよいよ田植えを待つ状態に。
田んぼ0517_1.jpg



















この季節、田んぼ脇のカラムシでは体色が黒、黄色、オレンジとカラフルなたくさんの毛虫たちがもりもりむしゃむしゃ、葉を食い尽くしている。毛があるが毒は無く、触ると頭を振って威嚇するフレンドリーな蛾の「フクラスズメ」の幼虫だ。
写真右に写った3連のうんちが面白い。
フクラスズメ0517_1.jpg





























この蛾、大人になると一見地味に見えるのだがようく見ると褐色の翅に青い小さな斑、後翅にも青い模様がある。
数年前に蛾が好きな女性が、翅に銀河を持つ蛾と表現していたのがとても印象深い。
確かに、青く散りばめられた斑は銀河に散らばる小さな星のようだ。
翅を開いたところは撮っていないので、今後是非撮って銀河の全貌と見てみたい。
フクラスズメ_1.jpg



















2018年5月17日 東京都 チョウ目ヤガ科 フクラスズメ

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ハルジオンとアオハナムグリ [コウチュウ目]

春からあちこちで白い花を咲かせているハルジオン。
ヒメジョオンの花が咲き始めそろそろバトンタッチだろう。

少し前のハルジオンの花で見掛けた「アオハナムグリ」。
花に来るハナムグリの仲間では鞘翅に毛が多いコアオハナムグリがメジャーだが、それより一回り大きく鞘翅にほとんど毛が無く体が紫色なのがアオハナムグリだ。
アオハナムグリ0515-1_1.jpg



















他にもよく似たナミハナムグリやキョウトアオハナムグリ、ホソコハナムグリなどがいるようだがまだ出会ったことが無い。
というより見ていても識別出来ないでいるだけかもしれない。
たかがハナムグリなれど奥は深いものだ・・・。
アオハナムグリ0515-2_1.jpg



















2018年5月15日 コウチュウ目コガネムシ科 アオハナムグリ

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昆虫酒場を覗いて見ると サトキマダラヒカゲ祭り! [季節]

いよいよあちこちで昆虫酒場がオープンして様々な虫たちが訪れている。
少し前にその存在を知ったお店に行ってみた。
入り口のウグイスカグラで控えている店員の「クロヒカゲ」のチェックを受けて入店。
奥に見えているのがコナラで営業しているお店だ。
クロヒカゲ0517_1.jpg



















近づくにつれておいしそうな香りが辺りに漂い、いい気分なのか悪酔いしたのかチョウやガたちが飛び交っていた。
一番多いお客はチョウの「サトキマダラヒカゲ」だった。
中には酒場を独り占めする困った客の「オオスズメバチ」もいたが、この時は大人しく酒場を楽しんでいた。
大人の女性のようだ。
サトキマダラヒカゲ0517_1.jpg



















じっくり見ていると、漆黒を纏った紳士が・・・。
邪魔が入ったかのように酒場を後にしたのは「スジクワガタ」だった。
今年初めての対面、以前はコクワガタより多く見られていたがここ数年出会いが減っていたので嬉しい。
スジクワガタ0517_1.jpg



















数日後、別の酒場では「チャイロスズメバチ」の御婦人にお目にかかった。
昔は幻のスズメバチと言われたそうだが、今は毎年コンスタントに見ることが出来る。
キイロスズメバチやモンスズメバチの巣を乗っ取る事から御夫人の本格的な活動はキイロやモンが巣を作ってから、もう少し先だろうか。
チャイロスズメバチ0519_1.jpg



















2018年5月17,19日 東京都 チョウ目タテハチョウ科 クロヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、ハチ目スズメバチ科 オオスズメバチ、チャイロスズメバチ、コウチュウ目クワガタムシ科 スジクワガタ

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アカ、ウラナミ、ミズイロオナガシジミ 今年は多いような [チョウ目]

そろそろかと注意して見ていたら、先週くらいからアカシジミとウラナミアカシジミがポツポツと。
今週月曜日には、皆伐して成長した実生や萌芽更新した若木をはじめ各所でたくさんの両種が見られた。
最も多かったのは「アカシジミ」。
アカシジミ0521_2.jpg



















続いて「ウラナミアカシジミ」、この2日fieldに出ていないが共にさらに数が増えているだろうなぁ。
ウラナミアカシジミ0522_1.jpg



















例年多くはない「ミズイロオナガシジミ」だが、先週の終わりからよく見かけるようになった。
今年はキアシドクガが大発生しているが、さらにテングチョウとこれらゼフィルスの仲間も個体数が多いように思う。
降雪量や早春の暖かさが影響しているのだろうか?
ミズイロオナガシジミ0522_1.jpg





























雑木林の下草で「アゲハモドキ」を見つけた。
毒のあるジャコウアゲハに擬態していると言われ、小さくてとても可愛いので見たい蛾の1種だがなかなか思うように出会えないので嬉しい限りだ!
アゲハモドキ0521_1.jpg



















2018年5月21,22日 東京都 チョウ目シジミチョウ科アカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、アゲハモドキガ科 アゲハモドキ

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アオシャクの淡い青に癒される スジモンツバメアオシャク、キバラヒメアオシャク [チョウ目]

たくさんの幼虫を継続観察していたキマエアオシャク。
その後幼虫、蛹を見る事は無く、未だ成虫にも出会えないでいる。

林床で見つけたアオシャクはキマエアオシャクではなく別の種だった。
以前にも記載した「スジモンツバメアオシャク」にまた再会。
もちろん別の個体だ。
スジモンツバメアオシャク0514_1.jpg



















こちらは「キバラヒメアオシャク」。
翅の模様が微妙で図鑑などとは絵合わせだ。

アオシャクの翅色は古来の日本色で見るとシアン色系、柔らかさがあり澄んだ涼しさのある浅青瓷釉色や秘色、枝緑、白群、浅緑、裏柳あたりだろうか。
とても癒される色彩に心が和む。


この仲間は似たものが多いので、同定には苦労する。
間違っていればお知らせください。
キバラヒメアオシャク0521_1.jpg



















2018年5月14、21日 東京都 チョウ目シャクガ科 スジモンツバメアオシャク、キバラヒメアオシャク

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とても優しい絵本のご紹介 [本]

先日、My fieldにお越しいただいた絵本作家・イラストレーターの伊藤知紗さんの絵本がとても素敵なのでご紹介!

伊藤さんはうんち好き、ではなくうんちみたいなむしがお好きなよう。
子供たちはどうしてだろうか?うんちがダイスキだからきっと大喜びに違いない。
自然の中でうんちに似ているとどうなの?っていうのがよくわかって、むしたちスゴイって思える一冊!
これ香川照之が読んだらきっと吠えるよ
昆虫すごいぜ! って


月刊かがくのとも6「うんちみたいなむしがいた」福音館書店
うんちみたいなむしがいた.JPG





























この絵本を見た数日後、小さな蛾を見つけて撮ってあとで調べようと。
ん、どこかで見たような・・・。
そう、「うんちみたいなむしがいた」の表紙を飾った虫だった。
アトモンヒロズコガ。ちょっとびっくり。
アトモンヒロズコガ0511_1.jpg






















もう1冊は子供の頃、じいちゃんに教えられ竿に結んだ糸の先に玉ねぎを付けて釣った思い出のキリギリスが主人公。
鳴く虫好きにはこんなステージがあったら絶対聞きたいと思うストーリー!
こどものとも「キリギリスくんとよるのおんがくたい」福音館書店


優しい色使いやなんだかほっとするタッチの生き生きしたむしたちの絵、つい引き込まれるストーリーは大人でも見ていて楽しくなる。
さすが日々、fieldで虫たちを観察されているだけあって絵本ながらにリアルで登場する虫は少しマニアック(笑


ぜひ子どもたちに読み聞かせたいな。
キリギリスくんとよるのおんがくたい.JPG




















2018年5月11日 東京都 チョウ目ヒロズコガ科 アトモンヒロズコガ

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