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虫で季節を感じる [季節]

今日は木枯らし1号並みの強風が吹いてコナラの黄葉した葉が舞い上がってとても寒い一日だった。
一年を4つの季節に均等に区切るなら、春は3~5月、夏は6~8月、秋は9~11月、冬は12~2月かな。
いよいよ季節は秋から冬へ。
見られる虫たちでも季節を感じる。

トイレの灯りに来ていたのは懐かしい昭和の時代を感じさせるシックなコートを着た貴婦人「ニトベエダシャク」。
まさに秋から冬への頃に現れる。
ニトベエダシャク12227.JPG



















葉が全て落ちたクワの枝にしがみついていた「キボシカミキリ」。
触角が長く体が小さいのでオスだろうか?
ここで見られるカミキリムシの仲間では、寒さに強く12月に入っても見られる。
枝から降りてもらって撮ってまた枝に。
キボシカミキリ1127.JPG



















道の真ん中で鮮やかな黄緑色を見つけた。
大きさ1㎝ほどの小さな「ヒメツユムシ」。
ツユムシとつくがツユムシ科ではなくササキリモドキ科に属する。
樹上性でなかなか目に付かないが、11~12月によく見られコンビニの灯りにも飛んでくる。
ヒメツユムシ1228.JPG



















コナラの幹に目を凝らしてようやく見つけたのは1cmにも満たない小さな「ヒゲナガサシガメ」の幼虫。
淡い黄緑色に鮮やかな赤がセルロイドのおもちゃっぽい。
幼虫越冬なので真冬にヤツデの葉裏を探すと見つかる。
真冬の神経衰弱ゲーム、楽しみの一つだ。
ヒゲナガサシガメ1227.JPG



















2020年11月27-28日 東京都 チョウ目シャクガ科 ニトベエダシャク、コウチュウ目カミキリムシ科 キボシカミキリ、バッタ目ササキリモドキ科 ヒメツユムシ、カメムシ目サシガメ科 ヒゲナガサシガメ

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ビオトープの水面にハエハエハエ [ハエ目]

先日ヒメアカネのいた湿地のビオトープでトンボたちを探していると、ある一角の水面に目が留まった。
黒っぽい小さな何かがたくさん集まっていた。
よく見るとハエだ。
ハエ1126-1.JPG



















まるでアメンボのように水面に浮いて時折飛んではまた着地していた。
どうやら水面に浮いた何かを食べているようなのだが・・・。
ハエ1126-2.JPG



















水辺のハエと言えばカマバエを思い出したが、撮った写真を拡大してみても前脚はカマのようではないので別の種だ。
はて、なぜこんなに集まっているのか?
いったい何を食べているのか?
とても気になった。
ハエ1126-3.JPG



















2020年11月26日 東京都 ハエ目 不明種

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雲とキタテハとクロスジフユエダシャク [季節]

昨日は雨から曇りだったが、今日は朝からいい天気。
良く乾くなとたまった衣類を洗濯してからfieldへ。

見上げると青空に横縞の白い雲の列ができていた。
地上ではほとんど風を感じなかったが、きっと上空はかなり強く吹いているのだろう。
縞々が細かな尾を引きながらどんどん流されていった。
雲1126-1.JPG





























中にはこんな複雑な模様のものも。
細かい縦と横の筋はいったいどうやったらできるのだろう?
雲1126-2.JPG



















陽だまりでは「キタテハ」が暖かそうなお日様色の翅を広げ光をいっぱい浴びていた。
翅が太陽なら黒い点は太陽黒点、青い点はフレアみたい。
フクラスズメが翅に銀河を持つガというのを聞いたことがある、ならばキタテハは翅に太陽を持つチョウと言えるだろう。
キタテハ1126.JPG



















林縁では無数の「クロスジフユエダシャク」が舞っていた。
今年も発生数がなかなか多く、歩くと足元から次々に飛び立つ。
クロスジフユエダシャク1126-1.JPG



















チヂミザサの粘着力のある種子に捕まって必死にもがいているのがいた。
人にとってもこの種子は厄介で、靴やズボンに付くと取るのに苦労するうえに手がベタベタになる。
これがこの植物の種子散布の戦略だが、小さな蛾にとっては命取りになりかねない。
この後、無事逃れて飛び去って行った。
クロスジフユエダシャク1126-2.JPG



















2020年11月26日 東京都 チョウ目タテハチョウ科 キタテハ、シャクガ科 クロスジフユエダシャク

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前翅に白線の無いエゾギクキンウワバ [チョウ目]

灯りに来たキンウワバの仲間。
さて、何だろうと調べて見たが該当するものがない。
紫や水色の輝きで珍しい種なのかと期待したが・・・。
エゾギクキンウワバ1123.JPG



















残念、内横線、外横線、外縁の形などから初めて見る「エゾギクキンウワバ」の前翅に白線の無いタイプだった。
エゾギクキンウワバ1123-1.JPG



















光の当たる角度によって見える色が変わる。
体を覆う毛の質感や模様のデザイン、ごつごつした形などキンウワバ亜科の種は個性的でとても興味深い!
エゾギクキンウワバ1123-2.JPG



















こちらが白線のある標準タイプ。
エゾギクキンウワバ1102.JPG



















2020年11月23日 東京都 チョウ目ヤガ科 エゾギクキンウワバ

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灯りにクワコ、ニッコウトガリバ [チョウ目]

そろそろウスタビガが来ないかと期待しているもののまだ姿が見られない。
このところ多いのは「クワコ」だ。
この日は3頭がやって来た。
カイコはこのクワコを改良したもの。
クワコ1120.JPG



















頭の黄色、腹部の黒色の毛束が特徴の「ニッコウトガリバ」。
幼虫の食べ物は不明のようだ。
ニッコウトガリバ1120.JPG



















これも翅を閉じたニッコウトガリバで上とは別個体。
色が薄茶色っぽくて一見同じ種には見えない。
ニッコウトガリバ1120-2.JPG



















10月末にも見られた「ウスチャヤガ」。
この種も幼虫の食べ物は不明。

やって来る種が時期によって変わっていくのが面白い。
ウスチャヤガ1120-3.JPG



















2020年11月20日 東京都 チョウ目カイコガ科 クワコ、カギバ科 ニッコウトガリバ、ヤガ科 ウスチャヤガ

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緑色の強いセンチコガネ [コウチュウ目]

fieldでは紫色のセンチコガネが多いことを黒いセンチコガネの記事で書いたが、今日は緑色の強いセンチコガネを見つけた。
センチコガネ1123-1.JPG



















緑がかった金色に前胸背や鞘翅の縁、脚が青色に輝いていた。
光の加減ではやはり紫色にも見える。
センチコガネ1123-2.JPG



















これはひょっとしてオオセンチコガネではないかと期待して頭楯の形を見ると、残念ながらきれいな半円形。
オオセンチは台形なのでやはりセンチコガネだった。
今日はこのような緑色の強い個体を2個体見た。
それにしてもこんな色のセンチがいるとは。
初めて見たがセンチコガネも色々な色がいるのだなぁとびっくりだ。
センチコガネ1123-3.JPG



















2020年11月23日 東京都 コウチュウ目センチコガネ科 センチコガネ

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アオマツムシもいよいよ・・・ [バッタ目]

サクサク落ち葉を踏みしめながら歩いていてふと足元に目を落とすと、おや、「アオマツムシ」のメス。
標本にでもされたかのように翅を開いているが、いったいどうしたことか?ビックリだ。
オスの鳴き声も聞かれなくなって、木々の樹皮には産卵痕が見られるようになった。
アオマツムシ1119.JPG



















すぐ近くの落ち葉の上には「セスジツユムシ」のメスがいた。
セスジツユムシもオスの姿は見られず、いるのはメスばかり。
枯葉に緑はめだつよ。
セスジツユムシ1119.JPG



















手前に「オオカマキリ」、奥には「ハラビロカマキリ」がいた。
ハラビロカマキリの動きに反応したオオカマキリだったが少し離れていたので、ハラビロカマキリは命拾いしたな。
さすがのハラビロカマキリも体格差からしてオオカマキリにはかなわないだろう。
いよいよ厳しい寒さ。
このところ見られるのは、コバネイナゴにオンブバッタ、ヒナバッタ、成虫越冬のツチイナゴとクビキリギス。
寂しい季節になってきた。

オオカマキリ1119.JPG



















2020年11月19日 東京都 バッタ目マツムシ科 アオマツムシ、ツユムシ科 セスジツユムシ、カマキリ目カマキリ科 オオカマキリ、ハラビロカマキリ

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時折見かける オオアオイトトンボ [トンボ目]

夏の間よく林縁で見られた「マユタテアカネ」だが、ここ数年見られる数が減っていた。
大丈夫かなと思っていたが、先日のビオトープではオスもメスも飛び交っていて少しホッとした。
マユタテアカネ1119.JPG



















水辺沿いを飛ぶイトトンボを見つけて後を追った。
止まったところを見ると「オオアオイトトンボ」だった。
オオアオイトトンボ1119-1.JPG



















ここではイトトンボの仲間で比較的遅くまで見られる種だ。
先とは別個体。
オオアオイトトンボ1119-2.JPG



















卵越冬なのであとどれくらい見ることが出来るだろうか?
オオアオイトトンボ1119-3.JPG



















オオアオイトトンボは時折目にするが、このところアオイトトンボがすっかり見られなくなってしまった。
今年出会ったのは何度だっただろう。
来年もあの青い目を見たい!
アオイトトンボ_1.jpg



















2020年11月19日 東京都 トンボ目アオイトトンボ科 オオアオイトトンボ

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久しぶりのヒメアカネ [トンボ目]

湿地のビオトープ、どんなトンボが見られるか、カヤネズミの巣があるかなぁと覗いてみた。
アキアカネ、マユタテアカネを見ているとすぐ近くからヒーヒー♪という声が聞こえてきた。
見上げると「ジョウビタキ」のメス、ジョビコがいた。
居心地がいいのか先月からずっとここに住み着いているが、こんなに近くで見たのはこの日が初めて。
それでも250mmmのレンズ(35mm換算で400㎜)ではこれ位の大きさにしか撮れないのは残念。
ジョウビタキ1119.JPG





























午前中、気候も良くトンボたちは縄張りを争ったり、食事をしたりととにかく忙しい。
目の前で止まっては飛ぶを繰り返す赤とんぼ、マユタテアカネだろうと撮った。
ヒメアカネ1119.JPG



















近付いてファインダーを覗くとマユタテの特徴であるお尻の先(尾部上付属器)が上に反っていない。
確かに少し小さいような。

おやっ、ひょっとして。
ヒメアカネ1119-1.JPG



















正面に回ってお顔を拝見。
白っぽくて一対の黒斑がない事から「ヒメアカネ」だった。
以前はこの近くの林縁で毎年姿が見られたのだが、ここ数年見られなくなっていた。
この地域では東京都のレッドリストで準絶滅危惧に指定されている。
久しぶりのヒメアカネ。
特にこのあたりの水辺環境が変わったということは無く見られなくなった原因がわからないのだが、今後もずっと見たい種である。
ヒメアカネ1119-2.JPG



















2020年11月19日 東京都 スズメ目ツグミ科 ジョウビタキ、トンボ目トンボ科 ヒメアカネ

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クロスジフユエダシャク 現る [季節]

いよいよコナラも色付き始め、まもなく雑木林が黄金色の見頃を迎えそうだ。
黄葉1119.JPG



















そんなコナラの林の中をある虫を探して歩いた。
残念ながらまだ少し早かったようで全く見つからず。
ついでにキノカワガがいないかと見ていると先日初めて見た「ナカオビキリガ」がコナラの樹皮に溶け込んでいた。樹皮の褐色の斑が翅のそれとそっくりでお見事!
ナカオビキリガ1119.JPG



















雑木林を歩くときは足元に注意が必要だ。
気を付けているとあったあった、タヌキのため糞。
比較的新しいが、糞の中に好物の銀杏が見当たらない。
この辺りにイチョウがないという事だ。
阿蘇でダイコクコガネを見てからというもの糞の中に糞虫はいないかと気になりほじくるのだが、この中や下には何も見つからなかった。
タヌキのため糞1119.JPG



















コナラの樹名板をひっくり返してみると下にいたのはすでに息絶えた「クロシデムシ」だった。
この虫を初めて見たのは数か月前、公園の仕事で林縁の猫の死体を埋葬しようとした際に数個体が集まっていた。
日本で見られるシデムシ科の中でも大きさは5cm弱と最大で、よく見るオオヒラタシデムシの倍はある。
地表徘徊性だが、目の高さの樹名板の裏にいるということは木にも上るのだろうか?
クロシデムシ1119.JPG



















林内を歩いていると足元から飛び立つ白い蛾が目に付いた。
今シーズン2種目のフユシャク、「クロスジフユエダシャク」だ。
昨日に数個体見かけていたが、風が強く飛ばされて撮れずにいた。
今日も10個体近くを見つけたが、敏感で撮れたのはこの個体だけだった。
個人の目撃は、2017年が11月17日、18年も17日、19年が25日なのでほぼ例年通りの発生のようだ。
さて今年はどれくらいの数が見られるだろうか?
クロスジフユエダシャク1119.JPG



















2020年11月19日 埼玉県 コウチュウ目シデムシ科 クロシデムシ、チョウ目ヤガ科 ナカオビキリガ、シャクガ科 クロスジフユエダシャク

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