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秋の虫たち 生と死と [季節]

短い草の生えた場所を歩くと何かが足元から飛び去った。
バッタの仲間には違いなく、今の時期ならツチイナゴに違いない。
一応確認しておこうと着地点を見てみると、おやおやツチイナゴではなくもう終盤の褐色の「トノサマバッタ」だった。早いものは初夏の頃から成虫が見られるので、まだ傷みのない成虫がいるということは年2回の発生なのだろう。ここでは個体数が少ないので、無事役目を果たしたのか心配だ。
トノサマバッタ1107.JPG



















林内のコマユミにミノウスバが産卵に来ていないか見ていると、何といたのは「ノコギリクワガタ」のオスだった。まだミノウスバの姿は見られない。
ノコギリクワガタは初夏までに羽化した成虫は夏に活動し、秋以降に羽化した成虫は木の中にとどまり翌年活動するそうだ。基本的に羽化して木から出たものは越冬できずに死んでしまうようだ。
この個体は傷みもないとても奇麗な体で外に出て間もないように思えた。
寒さの影響だろう、とにかく動きが緩慢でこんな時期にお前は何故出てきたんだ!と思ったが、まぁ出てきてしまったのはしょうがない。
ノコギリクワガタ1107.JPG



















今年もセンノカミキリがいないかとずっと見てきたタラノキ、残念ながらお目当ては見つけることが出来なかったが、紅葉した葉の上に「アオマツムシ」のメスがいた。
昼間にオスの鳴き声が時折寂し気に聞こえるほどで、もう間もなく・・・。
アオマツムシ1108.JPG



















林縁を見ているとヒサカキの葉上にカミキリムシを見つけた。
白い模様は何の種だったっけと写真を撮りながら・・・?
結論は、すでに息を引き取った「キボシカミキリ」。
生きている時は鞘翅の斑は黄色いが死んでしまうと白く変わる。
死んで標本になった個体で命名されたシロスジカミキリと同じだ。
ボーベリアなどの昆虫病原糸状菌に侵されてはいないようなので自然死なのかもしれない。
キボシカミキリ1108.JPG



















2020年11月7-8日 東京都 バッタ目バッタ科 トノサマバッタ、クワガタムシ科ノコギリクワガタ、バッタ目マツムシ科 アオマツムシ、コウチュウ目カミキリムシ科 キボシカミキリ

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