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四国昆虫巡り ツノクロツヤムシ [コウチュウ目]

四国2日目は、山地のブナ帯に生息する「ツノクロツヤムシ」探し。
この虫は今まで知らなかった甲虫で、体長約20mm、四国、九州のブナ帯にのみ生息し、ブナなどの朽木の中で一生を過ごす。親虫は噛み砕いた朽木を幼虫に与えて育てるそうだ。前翅は左右固着し後翅は退化して飛べない。

訪れた場所では大きなブナが太い幹に蔓植物を纏い枝を広げて凄い存在感だった。
ブナ0822_1.jpg



















道沿いの朽木の中で手で割れるようなものがよく、8月に羽化するので羽化した飴色の個体も見られるかもしれないとのことだった。
いくつか割っていると、でた~!
黒いのは成虫で、飴色のなのは羽化したての個体だそうだ。
ツノクロツヤムシ0822-1.JPG



















早速、撮影。
ツノクロツヤムシ0822.JPG



















確かに名前の通り角があって艶のある黒色だ。
でも黒くて角がよくわからない。
ツノクロツヤムシ0822-2.JPG



















アップで撮るとなるほど。
左右に1対のへら状の角がある。
まるで漆黒の鎧を纏っているみたいだが、一生を朽木の中で過すならこんな重装備は要らないのではと思ってしまう。
ツノクロツヤムシ0822-2a.JPG



















羽化間もない飴色個体はとても美しい。
まだ体が硬化しておらず、強く握ると潰してしまいそうな柔らかさだった。
ツノクロツヤムシ0822-3.JPG



















こちらの個体はまだ蛹殻を付けていた。
朽木内はいくつもの坑道が掘られていて、1つの朽木から全部で8個体ほどが出てきた。
飛ぶことが出来ず一生を朽木の中で過す生態は、この環境があり続けることで成り立つものだろう。
ここで見つけた虫たちは、すべて別の朽木に移動した。
新たな住まいで次世代を繋いでいって欲しいと願って。
ツノクロツヤムシ0822-4.JPG



















2019年8月22日 愛媛県 甲虫目クロツヤムシ科 ツノクロツヤムシ

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四国昆虫巡り クロツバメシジミ [チョウ目]

8月末、何年ぶりかに夏休みを取って昆虫写真家の新開孝さん絵本作家のIさんとご一緒させていただき四国の昆虫巡りに出掛けた。
元来飛行機は大の苦手だが、車で行くより時短、安価なので致し方なく辛抱した。
とにかく怖いので終始外の景色を眺めていたが、普段見られない風景を堪能できた。
飛行機0821_1.jpg



















初日のターゲットは「クロツバメシジミ」。
図鑑やblog仲間のサイトでは見たことがあるが、実際に見るのは初めてだった。
山岳の集落の石垣のあちこちに生えたツメレンゲがこのチョウの幼虫の食草。
ツメレンゲ0821_1.jpg



















タイトゴメやマンネングサなどの仲間の多肉植物。
開花はもう少し先のようで花は見られなかった。

ツメレンゲは生息環境の喪失で全国的に数を減らしていて、当然ながらこのチョウも環境省の準絶滅危惧となっている。
ツメレンゲ0821-1_1.jpg



















あたりを探しているとツメレンゲの生えた石垣に沿って飛ぶチョウを発見。
止まったところを見るとどうやらこれが「クロツバメシジミ」のようだ。
一見、翅表の色はヤマトシジミ、や後翅のオレンジや青の斑と尾端突起はツバメシジミに似ている。
地元では見られないチョウだ。
クロツバメシジミ0821-4_1.jpg



















高い石垣に止まってなかなか降りてこなかったが、しばらく待つと足元の花で吸蜜し始めた。
花の周りでは3頭ほどが飛んでいた。
クロツバメシジミ0821-2_1.jpg



















翅を開くと濃い茶色で確かにヤマトやツバメとはちょっと違う色合いだ。
この後も数頭を確認したが、残念ながらどれもツメレンゲには止まってくれなかった。
クロツバメシジミ0821-3_1.jpg



















チョウを撮影する新開さんとIさん。
この産地は昔から変わらず今でもツメレンゲやクロツバメシジミが見られる貴重な場所だ。
これからもこの環境が変わらず続くことを願っている。
新開さんとIさん0821_1.jpg



















この後、面河山岳博物館主催の新開さんの特別講演会に参加して煌めく虫たちの美しい写真や、撮影時のポイント、工夫などを教えていただいた。
今まで見たことのない虫たち、四国昆虫巡りはもう少し続きます。
面河山岳博物館特別講演会.JPG



















2019年8月21日 愛媛県松山市 チョウ目シジミチョウ科 クロツバメシジミ

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花を訪れる赤いハチ、青いハチ [ハチ目]

里山の道端でキツネノマゴやメハジキが咲き始めた。
共にさまざまな虫たちに人気だが、中でもハチの仲間がよく目立つ。
クマバチは大きな羽音を立ててやってくる。
少し甲高い羽音の小さなハチたちも花の周りを素早く飛び回ってにぎやかだ。

そんな小さなハチの中にお尻の赤いハチがいる。
ちょっと舌を噛むような名前の「ハラアカヤドリハキリバチ」。
名前にあるようにオオハキリバチが作った巣を乗っ取って、卵や幼虫を殺して自分の卵を産み付ける。
ハラアカヤドリハキリバチ0810_1.jpg



















一方、ハラアカより少し小さい青いハチもやってくる。
幸せの青いハチ、ブルービーなどと呼ばれ黒に青いラインが美しい「ルリモンハナバチ」だ。
こちらもケブカハナバチなどの仲間の巣を乗っ取って卵を産む。

両種とも、他の種が自分の幼虫のためにせっせと集めた花粉や蜜を巣ごと横取りして自分のものにしてしまう。
これを労働寄生という。
見た目に似合わず何とひどいことをと思うが、それぞれ種が存続するために選んだ生き方なのだろう。
ルリモンハナバチ0812_1.jpg



















2019年8月10,12日 東京都 ハチ目ミツバチ科 ハラアカヤドリハキリバチ、ルリモンハナバチ

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草の上に誘導されミイラとなる ショウリョウバッタたち [菌類]

今日は朝から非常に不安定な天候で、曇っていたかと思えば晴れ間が見え、少しすると突然の雨。
大形の台風10号がもたらす湿った空気の影響のようで、まだ鹿児島県の南にあるというのに脅威だ。
進路にあたる方々は十分注意していただき、大きな被害がないことを願う。


先日、仕事を終えてしゃがんで草はらをじっと眺めていると草の上のあちこちに褐色のものが目に付いた。
近寄って見ると、草にしがみついて死んだオスのショウリョウバッタだった。
ショウリョウバッタ0812-1.JPG



















干からびてミイラ化し触角が根元から折れてなくなっていた。
これは、バッタカビの一種の「エントモファガ・グリリ」のしわざと思われる。
昆虫病理研究会の用語集によるとバッタカビ(locust fungus)は昆虫疫病菌の1種のEntomophaga grylli (Fressenius) Batko。バッタ、イナゴなどに感染し宿主は茎の高い場所に登って午後遅くから夕方にかけて死に、その後1時間ほどで体の表面に胞子が作られ飛散するそうだ。
宿主を操るものは他にもオサムシタケやハリガネムシなどがあるが、いったいどうやって操るのかとても不思議で興味深い。

ショウリョウバッタ0812-2.JPG



















こちらにも草をしっかり抱いたオスのショウリョウバッタの骸があった。
ショウリョウバッタ0812-3.JPG



















大きなメスはよく目立つ。

ここでは他にヒナバッタやクルマバッタモドキ、オンブバッタ、コバネヒメギスなどが見られるが、毎年菌に侵されているのはほとんどがショウリョウバッタ。
ショウリョウバッタが侵されやすい何かがあるのだろうか?
ショウリョウバッタ0812-4.JPG



















目の前をふわっと小さな何かが飛んだ。
小さな「アジアイトトンボ」にちょっと癒された。
アジアイトトンボ0812.JPG




















2019年8月12日 東京都 Entomophaga grylli (Fressenius) Batko、バッタ目バッタ科 ショウリョウバッタ、トンボ目イトトンボ科 アジアイトトンボ


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ススキ原っぱの仲間たち [季節]

エビイロカメムシがいたススキをしゃがんでじっくり眺めていると、それまでに気付かなかったが目の前の葉の上にいた「ショウリョウバッタモドキ」の幼虫。
ショウリョウバッタに似ているが、目から腹端、さらには触角にかけての赤い色が特徴。
東京都では絶滅危惧種だ。
ショウリョウバッタモドキ0809_1.jpg



















今日もススキの株を眺めていると、いたいた「アカハネナガウンカ」。
エロな目が面白い!
これ以上近づくと、逃げられそうなので・・・。
アカハネナガウンカ0810_1.jpg



















時々見られる、お尻が赤く色付いた「ミヤマアカネ」のオス。
近くに水辺は無いのだがなぁ(*_*)
ミヤマアカネ0810_1.jpg



















2009年8月9-10日 東京都 バッタ目バッタ科 ショウリョウバッタモドキ、カメムシ目ハネナガウンカ科 アカハネナガウンカ、トンボ目トンボ科 ミヤマアカネ

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夏限定、ススキ原っぱのアイドル えびちゃん [カメムシ目]

ススキの葉を丹念に見ていると、少し離れた葉上に目立つオレンジ色が。
おおっ、あれはちっちゃなえびちゃん!
エビイロカメムシ0809-1_1.jpg



















えびちゃんとはススキに付く「エビイロカメムシ」の幼虫の事だ。
半透明の淡いクリーム色にオレンジ色のデザインがなかなか美しく体は薄っぺらい。
チャームポイントは体の形や透明感、色もさる事ながら、小さな目と2つに割れた頭の形が見ていて可愛くとても癒されるのだ。
エビイロカメムシ0809-2_1.jpg



















別の株ではもっと大きな終齢の幼虫を見つけた。
体の形は孵化した頃はまん丸で成長するにつれてだんだん長くなっていく。
成虫になると褐色の普通のカメムシになってしまうから残念だ。
名前のエビイロは幼虫の体の色から来ているのだろうな!

ちょうど今頃が成虫になる時期、このcuteなえびちゃんが見られるのもあと僅か。

アイドルに会いたい方はススキ原っぱに急げ!
エビイロカメムシ0809-3_1.jpg



















2019年8月9日 東京都 カメムシ目 エビイロカメムシ幼虫

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中国原産の外来セミ タケオオツクツクの抜け殻 [カメムシ目]

先日お邪魔したお宅の庭の隅に作られた抜いた雑草を入れる囲いの中に大きなセミの抜け殻があった。
埼玉県の一部で数年前から発生している中国原産の外来種「タケオオツクツク」の抜け殻だという。
よろしかったらどうぞと言われていただいてきた。

タケオオツクツクは2016年に埼玉県で初めて確認された中国原産のセミで、モウソウチクやマダケなどのタケ類をホストとする。大きさは日本最大級のクマゼミとほぼ同等、発生時期は7月下旬から8月上旬がピークで日没後1時間程度と早朝に鳴く。6年1世代だそうだ。

侵入経路は卵の産み付けられた中国製の竹箒ではないかと言われており、そうであればムネアカハラビロカマキリと同じだ。

タケオオツクツク0808-1.JPG




















気になっているセミなのだが、残念ながら自身まだその姿や鳴き声を見たことも聞いたことも無い。

成虫の姿は昆虫写真家の森上信夫さんのブログで紹介されている。
鳴き声は埼玉昆虫談話会のHPで聞くことが出来る。(TOPページ左「会誌寄せ蛾記」→上部の「連動記事」をクリック)


タケオオツクツク0808-2.JPG



















抜け殻のサイズはアブラゼミより一回り大きく、手持ちのクマゼミと比べると少し小さかったが個体差かもしれない。

このセミの抜け殻の特徴は腹部先端が尖っている事で、これはクマゼミやアブラゼミ、ミンミンゼミにはないので種を特定するのに役立つ。
タケオオツクツク0808-4.JPG



















クマゼミ(右)とアブラゼミ(左)の抜け殻と並べてみた。

このセミの侵入経路が中国製の竹箒であれば、ひょっとしたら既にあちこちの寺社などの竹林に定着している可能性がある。鳴く時間が日没後と早朝なので気付きにくいと思われ、今後新たな産地が見つかる可能性が高い。
是非、みなさんの周りの竹林で、その時間聞きなれない声がしていないか、チェックして欲しい!


(タケオオツクツクの情報は埼玉昆虫談話会「寄せ蛾記」から)
タケオオツクツク0808-3.JPG



















2019年8月8日 埼玉県 カメムシ目セミ科 タケオオツクツク

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まだ見ぬホタル、またチャイロホソヒラタカミキリ [コウチュウ目]

今日は休みだったが、埼玉のとある河川敷で調査の下見。
たった2時間ほどだったが、木陰が無く全身汗びっしょり。
どうやら37℃の猛暑日だったようだ。
いやはや、My Fieldの暑さと比べ物にならない厳しさでげっそりだ。
そんなことで今日も過去の写真から。

大顎が立派な「コクワガタ」のオス。
以前はスジクワガタをよく見掛けたが、ここ数年コクワガタの方が良く見られるようになった。
あくまで個人的な感想だが。
コクワガタ0601_1.jpg



















樹皮の割れ目で胸の赤いカミキリムシを見つけた。
おおっ、ホタルカミキリかと思ったが、よく見たら4月にも職場のゴミ箱で見つけた「チャイロホソヒラタカミキリ」だった。
ん~、残念。
頭に木屑が付いているなとよく見ると、どうやらダニの集合体のようだ。
これでは目もよく見えないのではないか?
脚で振り払う事は出来ないのだろうかなぁ。
チャイロホソヒラタカミキリ0601_1.jpg





























2019年6月1日 東京都 コウチュウ目クワガタムシ科 コクワガタ、カミキリムシ科 チャイロホソヒラタカミキリ

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庭のビオトープで [自然]

昨日は飯能市にある職場の元同僚の家に遊びに行ってきた。
エクステリアもインテリアもこだわりの一戸建てで素晴らしく、さらには庭にビオトープをこさえている。

ビオトープ(Biotop)とはドイツ語で「生きものたちの棲む場所」という意味で、トンボや水生昆虫を呼ぶために池や水辺を作ることが知られるが、その意味から本来草地、雑木林など色々なビオトープが存在するのだ。
ここの庭もプラ船に豊かな田んぼの土を入れて本来の田んぼ雑草を育て、周りには草地を作るべくチガヤを育成し、外周には虫たちが好むウワミズザクラやウツギ、ユスラウメに柚子の若木を植えている。
ユスラウメや柚子は虫だけでなく人もその恵みをいただけて一石二鳥だ。
他にも希少種の草本が花を咲かせていたり何とも贅沢な羨ましい空間だった。


その庭で見つけたのは、My Fieldではほとんど見ることが出来ない「ニホンアマガエル」。

東京都ではレッドリストに記載されていて生息場所は局所的だ。
アマガエル0804-1_1.jpg



















このお宅の前には田んぼがありそこからやって来ているとのこと。
歩くとあちこちから飛んで踏んでしまいそうで・・・。
もちろんシオカラトンボなども産卵してヤゴも育っていた。
アマガエル0804-2_1.jpg



















柚子の木を見ていると「ナミアゲハ」の終齢と思われる幼虫が太陽に向かって体を反らせていた。
この体勢はアカボシゴマダラの幼虫もよくやっていたなぁとふと思い出した。
トンボが厳しい陽射しを避けるために、尻を上げてオベリスク姿勢をとるのときっと同じことなのだろうなぁ。

このお庭のビオトープ、周りにいない種を期待するのは無理だが周囲は自然豊かな土地なので、これからその基礎になる植物たちがどんどん生育してどんな生きものたちがやって来て命を繋いでいってくれるのかとても楽しみ!
期待してます!!
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2019年8月4日 埼玉県 無尾目アマガエル科 ニホンアマガエル、チョウ目アゲハチョウ科 ナミアゲハ

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瑠璃色の輝き ルリカミキリ [コウチュウ目]

梅雨明け以来厳しい暑さが続いており、休みの日はもうぐったりでエアコンの効いた部屋でまったりとして外に出掛ける気にならずである。
なので前に撮った中から。

瑠璃色が名に付く虫も様々。

このあたりで見られるものではルリタテハ、ルリシジミ、ルリイロスカシクロバ、ルリボシカミキリなど、どの種も皆美しい。
中でも前から見たいと思っていた「ルリカミキリ」に5月の終わり、カマツカの葉上で初めて出会った。

ルリカミキリ0522-1_1.jpg




















頭胸部や脚のオレンジ色と翅の輝く瑠璃色のコントラストがとても目を惹いた。
図鑑によるとカマツカやナシ、ヒメリンゴ、セイヨウカナメモチなどのバラ科の生木に付くようで、大きさは約1cm程と小さい。
これがシロスジカミキリやゴマダラカミキリほどの大きさであれば、さらに見応えがあるのだが。

今回コンデジしかもっておらず一眼で撮り直したいのだが、出現時期が5月なので来年へ持越しとなってしまった。
ルリカミキリ0522-2_1.jpg



















2019年5月22日 東京都 コウチュウ目カミキリムシ科 ルリカミキリ

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