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草の上に誘導されミイラとなる ショウリョウバッタたち [菌類]

今日は朝から非常に不安定な天候で、曇っていたかと思えば晴れ間が見え、少しすると突然の雨。
大形の台風10号がもたらす湿った空気の影響のようで、まだ鹿児島県の南にあるというのに脅威だ。
進路にあたる方々は十分注意していただき、大きな被害がないことを願う。


先日、仕事を終えてしゃがんで草はらをじっと眺めていると草の上のあちこちに褐色のものが目に付いた。
近寄って見ると、草にしがみついて死んだオスのショウリョウバッタだった。
ショウリョウバッタ0812-1.JPG



















干からびてミイラ化し触角が根元から折れてなくなっていた。
これは、バッタカビの一種の「エントモファガ・グリリ」のしわざと思われる。
昆虫病理研究会の用語集によるとバッタカビ(locust fungus)は昆虫疫病菌の1種のEntomophaga grylli (Fressenius) Batko。バッタ、イナゴなどに感染し宿主は茎の高い場所に登って午後遅くから夕方にかけて死に、その後1時間ほどで体の表面に胞子が作られ飛散するそうだ。
宿主を操るものは他にもオサムシタケやハリガネムシなどがあるが、いったいどうやって操るのかとても不思議で興味深い。

ショウリョウバッタ0812-2.JPG



















こちらにも草をしっかり抱いたオスのショウリョウバッタの骸があった。
ショウリョウバッタ0812-3.JPG



















大きなメスはよく目立つ。

ここでは他にヒナバッタやクルマバッタモドキ、オンブバッタ、コバネヒメギスなどが見られるが、毎年菌に侵されているのはほとんどがショウリョウバッタ。
ショウリョウバッタが侵されやすい何かがあるのだろうか?
ショウリョウバッタ0812-4.JPG



















目の前をふわっと小さな何かが飛んだ。
小さな「アジアイトトンボ」にちょっと癒された。
アジアイトトンボ0812.JPG




















2019年8月12日 東京都 Entomophaga grylli (Fressenius) Batko、バッタ目バッタ科 ショウリョウバッタ、トンボ目イトトンボ科 アジアイトトンボ


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つばさ2号

こんばんは
確かにこのミイラは平地ではほとんどショウリョウですね。
大きなメスだと一瞬ぎょっとします^^。
山地だとフキバッタ系が多い感じです。
以前トノサマのオスは栃木で撮ったことがあります。
そう言えばキリギリス類で侵されたのは見ませんね。

前記事の返信コメントにあるオオクサキリは自宅から1時間
で生息地ですが、夕食が遅くなり顰蹙を買うのでナイターは
なかなか腰が上がりません(笑)。
by つばさ2号 (2019-08-14 18:47) 

hirokou

つばさ2号さん コメントが遅くなりすみません。
フキバッタやトノサマバッタは見た記憶がありませんが、あるんですね。
オオクサキリも見たいですが、今年もカヤキリは無理そうです・・・(T_T)
by hirokou (2019-09-05 09:47) 

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