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ツチグリの道でようやくツチグリ [菌類]

数年前に広い公園を管理するのに必要だと園路にスタッフ共有の名前を付けた。
その中で毎年キノコの仲間の「ツチグリ」が見られることからツチグリの道と僕が命名した園路があった。
しかしその後確認するもツチグリは一向に見られない。
命名したのに見られないのはうまくない。

先日、ツチグリの道を歩いていると斜面にきらりと光るものを見つけた。
おおっ何、と近づいてみると銀色に輝く発生したばかりの「ツチグリ」だった。
外皮が開いて間もないツチグリは内皮表面がこんなに奇麗に輝くのかと思った。
ツチグリ1027-1.JPG



















すぐ隣にはツチグリ4兄弟。
まだ若くドームのような内皮のてっぺんに胞子を噴出する穴が大きく開いていない。
ツチグリ1027.JPG



















一方こちらは少し経っていて胞子を噴出する穴が開いていた。
雨粒がドームに当たった時や乾燥して外皮がドームを包んだ時に胞子を噴出するらしい。
ツチグリは雨が降り水分を吸収すると星形の外皮が開き、乾燥すると閉じて丸くなって斜面を転がり落ちる、移動するキノコなのだ。
ツチグリ1027-2.JPG



















その星形の外皮が無くなり、内皮も破れて中が見える無残な姿のものがあった。
その周りにはキラキラ光る道が・・・。
どうやらこれはナメクジかカタツムリが這ってその粘液が残った跡で外皮や内皮は食べられてしまったようだ。
なるほど、1枚目の銀色に輝いていたのは運よく食べられなかったもののそれらが歩いて残した粘液が光って輝いていたようで、ツチグリの内皮が輝いているのでなかった。
ちょっと残念だが、この日ここで十数個のツチグリが見られたので園路の命名者としてはホッとしたのだった。
ツチグリ1027-3.JPG
















2020年10月27日 東京都 ニセショウロ目ツチグリ科 ツチグリ

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今年はハラビロカマキリに良く出会う [カマキリ目]

木柵の上にいた「ハラビロカマキリ」と目が合った。
近付くといきなりファインティングポーズ。
ハラビロカマキリ1024.JPG



















後日水辺の杭の上にいた褐色型。
川の中に入れてみたらやはりハリガネムシが出てきた。
出終わって岸に。
スッキリしたかなぁ。
ハラビロカマキリ1027-1.JPG



















同じ日、小川沿いのメナモミにも褐色型が。
やはりポーズをとってくれた。
この個体からもハリガネムシが。
今まで確認したところ、現時点で8割が寄生されていた。
ハラビロカマキリ1027.JPG



















2020年10月24,27日 東京都 カマキリ目カマキリ科 ハラビロカマキリ

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忍法 隠れ身の術! シブイロカヤキリ [バッタ目]

ススキの原っぱを歩いていると、茎が折れてお辞儀しているススキの穂の中に違和感が。
よく見ると流線型の形をした何かが隠れている。
ははぁん、奴だな!
シブイロカヤキリ1024-1.JPG



















近付いてよく見ると、思った通り「シブイロカヤキリ」の幼虫だった。
キリギリスの仲間で似た種に知名度の高いクビキリギスがいるが、クビキリギスは口が赤く後ろ脚が長いのに対してこの種は口が黒く後ろ脚が短いのが特徴でようく見れば見分けられる
シブイロカヤキリ1024-2.JPG



















さらにアップで見ると何だかエビのように見えてきた。
ススキの穂に隠れているが、体色や触角も長いのでまさにエビ!
茹でると赤くなるだろうか?
想像すると可愛そうに思えるが、エビはそう思えないところが虫とエビの違いなのか?
シブイロカヤキリ1024-3.JPG



















2020年10月24日 東京都 バッタ目キリギリス科  シブイロカヤキリ

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北原のり子さん個展「little wing ちいさな翅 Entomorogical Souvenirs」のご紹介 [告知]

10月23日(金)~11月2日(月)まで東京谷中にあるギャラリーHOW HOUSE EASTの1F gallery-Gで開催中のkemonoya 北原のり子 個展「little wing ちいさな翅 Entomorogical Souvenirs」を見に行った。
小さな翅20101028.JPG





























小さな翅というタイトル通り中に入ると翅を持った色々な虫や生きものたちが出迎えてくれた。
一番のお目当てはこの「トラツリアブ」だった。下からのアングルもいいが上から見るとさらに可愛い!
fieldでよく見るビロードツリアブのお仲間だが、岡山県など一部の地域でしか見られない希少種のようだ。
小さな翅20101028-1.JPG



















これからの季節に見られるもふもふの「ウスタビガ」たち。
ちゃんと眼状紋は透けている。大きいのは頭に被れるらしい・・・。
小さな翅20101028-2.JPG



















「オオスカシバ」も。
小さな翅20101028-3.JPG



















他にも青いゾウムシ、テントウムシにルリボシカミキリやカブトムシ、あっ、翅がないのにタコもいた!足が翅!
そうそうこのドードーは顔が木でできている。
小さな翅20101028-4.JPG



















2Fのgallery-Rでは Mima Kanokogi exhibition「NEXT いきものの命、次への扉」も同時開催され、こちらも蝶をはじめ様々な生きものたちが作者独特の視点で描き出されている。
一番大きな絵はきっとイボタガでとても印象的な一枚だった。

ギャラリーHOW HOUSE EAST 東京都台東区谷中5-6-9 03-5832-9080

11月2日(金)まで11:00~17:00 
鹿子木美NEXT 〜いきものの命、次への扉〜.JPG



















2020年10月28日 東京都

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乾いた鳥糞に集まる オスのウラギンシジミ、ツバメシジミ [チョウ目]

田んぼ脇の木の橋の上の乾いた鳥の糞にチョウたちが集まっていた。
集まっていたのは「ウラギンシジミ」と「ツバメシジミ」のオスたち。
ウラギンシジミ1016-1.JPG



















最も多い時がウラギン1、ツバメシジミ3だった。
皆、ストローを伸ばして吸うことに夢中で近づいても逃げない。
何故オスばかりなのか?
ウラギンシジミ1016-2.JPG



















調べてみると鳥や獣の糞にオスが集まるのは、テリトリーを張ったりメスを探したりする行動、さらには精子を作るのに糞に含まれるミネラル(ナトリウム分)やアンモニアが必要だからという。
したがって乾いた糞にメスは来ないようだ。
ウラギンシジミ1016-3.JPG



















2020年10月16日 東京都 チョウ目シジミチョウ科 ウラギンシジミ、ツバメシジミ

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鬼か甲冑か、歌舞伎役者か? ウシカメムシの幼虫 [カメムシ目]

今日職場で駐車場のチェーンをかけようとした時に金具の先に何かがいた。
とても小さいので眼鏡をかけてみると「ウシカメムシ」の幼虫だった。
これは久しぶりと思わずGET。
持ち帰って撮ってみた。

ウシカメムシの特徴は前胸の左右に伸びた角で名の由来、成虫になってもこれは変わらずかっこいい。
ウシカメムシ1024-1.JPG



















幼虫の時期は翅が無いのでお腹の模様がよくわかる。
背中から見るとまるで鬼か甲冑か、はたまた歌舞伎役者か!
デビルマンの異名も持つ人気のあるカメムシで、とにかくかっこいいのだ。
ウシカメムシ1024-2_1.jpg



















測ってみると5㎜と小さいうえに、触角をピコピコ動かしながら小股でちょこちょこ動き回る様がとても可愛い。
飼ってみたい気もするが、何を食べるかよくわからないので今日放しに行こう。
成虫越冬のようで、成虫になって無事に越冬できるといいね!
ウシカメムシ1024-3.JPG



















2020年10月24日 東京都 カメムシ目カメムシ科 ウシカメムシ

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腹に子沢山 アメリカザリガニ [甲殻類]

少し前、田んぼの畔を歩いていてふと足元を見ると、両腕をあげて威嚇する大きくて真っ赤な「アメリカザリガニ」がいた。
おおっ、危ないアブナイ!踏むところだった。
アメリカザリガニ1010-1.JPG



















こんなところで何を?どこへ行こうとしているのだろうと思ってしゃがんで見ると、何やらお腹のあたりが盛り上がっている。
卵を持っているのか?
アメリカザリガニ1010-2.JPG



















いやいや、よくよく見るとすっかり親と同じ形の小さな子供たちが鈴なりになっていた。
こんな子供たちがまだ親のお腹にしがみついていることにビックリ。
この母ザリガニは水のほとんどない田んぼから、水のある子供たちが安住できる場所を求めてさまよっていたのだろうか・・・。
アメリカザリガニ1010-3.JPG



















2020年10月10日 東京都 エビ目アメリカザリガニ科 アメリカザリガニ

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休耕田はいよいよ草紅葉 [季節]

水辺では金平糖のような「ミゾソバ」の花が見頃となってきた。
写真は残念ながら蕾で尖った一つ一つが開いて咲く。
葉の形から牛の額とも呼ばれるが、額ではなく顔ではといつも思う。
ミゾソバ1021.JPG





























お米を作らなかった田んぼでは様々な植物たちが我が物顔。
滅多に無い事なので、今を謳歌して欲しいものだ。
いち早く紅葉してきたのは「ヤノネグサ」でその向こうの筆のようなのは「ヌメリグサ」、その奥がミゾソバだ。
こうしてみるとヌメリグサもアクセントとなっている。
葉を揉むとヌルヌルするからヌメリグサだが、まだ体験はしていない。
もう少しするとコブナグサなども加わっていい色の景色になるだろうなぁ。
ヤノネグサ1021.JPG



















今年は稲が無いのでイナゴの数も少ないように思う。
ススキで交尾中の「ハネナガイナゴ」のカップル。
以前はコバネイナゴしかいなかったのだがだいぶ前にハネナガイナゴが突然現れて、今年はコバネがめっきり数を減らしている。
ハネナガイナゴ1021.JPG



















谷戸のあちこちで「モズ」が賑やかだ。
カキの木にいたモズの女の子。
全く鳴かずにおしとやかだった。
モズ1021.JPG



















2020年10月21日 東京都 ナデシコ目タデ科 ミゾソバ、ヤノネグサ、イネ目イネ科 ヌメリグサ、スズメ目モズ科 モズ

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水辺のハラビロカマキリから やはりハリガネムシ [カマキリ目]

田んぼ畔の横の小さな水路沿いでメスの「ハラビロカマキリ」を見つけた。
水辺に近づくとはさては・・・
ハラビロカマキリ1021-1.JPG





























その顛末を確認しようと後を追った。
水路の水は少なくハラビロカマキリの腹が付く程度で何の変化も起こらない。
難無く渡って田んぼへ向かったが田んぼに水はない。
ハラビロカマキリ1021-2.JPG



















しかし水辺に来たことには理由があるはずと、申し訳なかったがすぐそばの水のたまった小さな堰に入れてみた。
すると思った通り、奴が腹端から現れた。
ハラビロカマキリ1021-3.JPG



















見る見るうちに姿を現し水の中へ。
時間差でもう1匹も現れた。
このカマキリのお腹の中には2匹の「ハリガネムシ」の一種がいたのだった。
ハリガネムシの仲間は水生の生き物で、カマキリ、バッタ、トンボなどの体に寄生して成長し、成熟すると寄生しているものを操って入水させ水の中へ戻る。寄生された虫たちは死にはしないものの生殖機能を失うと言われれている。何とも虫たちにとっては恐ろしい生き物だ。
ハラビロカマキリ1021-4.JPG



















自力、というよりはハリガネムシに誘導されて入ったと思われる浅い水路では、ハリガネムシはまだカマキリのお腹から出る機会ではないと思ったのだろうか?
2匹が出た後、このカマキリは先ほどまでとは一転して全く動かなくなった。
陸に引き上げたが僅かに脚を動かすだけでほぼ絶命の状態だった。

今年、水辺と異なる場所で見つけたハラビロカマキリをあえて水に浸けてみると、おおよそ8割の確率でハリガネムシが潜んでいた。ただ、ハリガネムシが出た後は死ぬことなく何事もなかったかのようにカマキリたちは元気に去っていった。
さて、今回のカマキリは何故このような状態になったのだろう。
このところ田んぼの水に浮いて死んでいるハラビロカマキリをいくつか見たが、恐らくこういう事なのだろう。

水辺ではない環境にいる個体はハリガネムシに操られていない。その状態で水に浸けるとハリガネムシは出てくるがその後もカマキリはいたって元気だ。
一方今回のように恐らくハリガネムシに操られて水辺に来たものは、ハリガネムシが出てしまうと魂を抜かれたように動けなくなってしまった。
この操られていない、操られているが生死を分けるのだろうか?
過去に水辺に来たカマキリからハリガネムシが出てくるのを何度も見たが、出た後も元気な個体もあったように思う。
ハリガネムシが出た後に命を落とすのは個体差なのだろうか?
ん~、とても興味深い!

※この後職場で見つけたハラビロを水に浸けてみると、ハリガネムシは出なかったが上記個体のように全く動かなくなってしまった。恐らく大きさなどから数日前にハリガネムシが出た後元気に逃げて行った同一個体と思われた。近くの切り株の上に置いて半日後に見ると姿がなく探すと近くの葉上で見つかった。このことから一時的に仮死状態のようになるのではと上記個体がいた場所を確認したところ、やはりその姿は消えていた。数日たっていたので鳥などに捕食された可能性もあるが、今後検証が必要だなと思ったのだった。
ハラビロカマキリ1021-5.JPG



















2020年10月21日 東京都 カマキリ目カマキリ科 ハラビロカマキリ、ハリガネムシ目 ハリガネムシsp.

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秋の谷戸をちょっとだけぶらり [季節]

朝から秋晴れに恵まれたものの午前中は都合で午後からいつもの谷戸へ。
あちこちで咲いているノハラアザミに来ていた、たぶん「キンケハラナガツチバチ」。
触角の短いメスと後から来た触角の長いオス。
キンケハラナガツチバチ1021.JPG



















アズマネザサの表面にストローを伸ばしていた「コミスジ」。
何か甘いものが付いているのかな。
右の翅が痛々しいがまだまだ元気だ。
コミスジは幼虫越冬なので、既に次世代に命をつないだだろうか?
コミスジ1021.JPG



















カナムグラの葉の上には翅の美しい「キタテハ」。
成虫越冬なのでこの個体はこの先厳しい冬を迎えるのだろう。
キタテハ1021.JPG



















ここまで30分くらいだったが、急に雲が出て陽が陰り、今まで飛んでいたチョウやトンボも姿を消してしまった。
ああっ、こんなに早く曇るとは残念だった。
林縁のクワの葉上では「ヤマトシジミ」が休んでいた。
カタバミの生える草地などを見ていると、1年を通じて今が最も個体数が多いように思う。
ヤマトシジミ1021.JPG



















2020年10月21日 東京都 ハチ目ツチバチ科 キンケハラナガツチバチ、チョウ目タテハチョウ科 コミスジ、キタテハ、シジミチョウ科 ヤマトシジミ

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