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旭川昆虫観察ツアー その5 直翅と蜘蛛 [昆虫観察ツアー]

最終日は初日に行った展望台の草地へ。
イネ科の葉上で見られたササキリの仲間の幼虫のメス。
北海道に生息するササキリの仲間は、キタササキリとエゾコバネササキリ、本州でも見られるウスイロササキリ。
ウスイロササキリとは異なるので、キタかエゾコバネだ。
キタササキリ0715-1.JPG



















近くにオスの幼虫がいて、こちらを見ると頭部の黒斑から「キタササキリ」ではないかと思われた。
キタササキリ0715-2.jpg



















今回最も多く見られたのは「サッポロフキバッタ」だった。
顔から胸にかけての水色がとても美しい。
サッポロフキバッタ0715.JPG



















こちらはその幼虫と思われた。
成虫に比べるととても地味な色をしている。
サッポロフキバッタ0715-1.JPG



















見たことの無いバッタがいた。
調べると恐らく「ナキイナゴ」のメスではないかと思う。オスは長い翅があるがメスは短翅のようだ。
本州でも山地でよく見られるが、fieldでは見られないため知見が無い。
ナキイナゴ0715.JPG



















ここの草地で多く見られた北海道と青森県にのみ生息するクモの仲間の「キバナオニグモ」。
張られた円網の真ん中にいた大きなメス。
黄色いお腹に幾何学模様、赤と白の脚が特徴だ。
キバナオニグモ0715-1.JPG



















こちらはオスでメスよりかなり小さいが色味は同じだ。
キバナオニグモ0715-2.JPG



















この草地ではなく数日前の林道で、今までのツアーで探して出会えないでいたオニグモにようやく出会えた。
淡い緑色と黒の美しい「コケオニグモ」で苔に擬態し夜間に活動する希少種だ。
昼間だが曇り空の薄暗い林縁でカメラの絞りを絞ったため背景が暗く落ちてしまった。
コケオニグモ0712-1.JPG



















オスだったが、今後是非大きなメスを見てみたい!

また来年、旭岳でターゲットのチョウや北海道のキリギリス、アカオニグモなどこの地でリベンジしなければ!
コケオニグモ0712-2.JPG



















2023年7月12,15日 北海道旭川市 直翅目キリギリス科 キタササキリ、バッタ科 サッポロフキバッタ、ナキイナゴ、クモ目オニグモ科 キバナオニグモ、コケオニグモ

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旭川昆虫観察ツアー その4 [昆虫観察ツアー]

今回の日程で最も天気が良い予報のこの日、旭岳ロープーウェイに乗って姿見駅周辺で観察する予定だった。
麓駅の予報は天候曇り、視界良好。
大雪山旭岳ロープーウェイ0714.JPG



















大雪山旭岳ロープーウェイ0714-1.JPG



















しかし駅について歩き始めようとすると雨がぽつぽつ、少し待っていると霧まで出てきた。
この後雨が強まり2時間ほど待ったが回復する見込みがなく断念し麓へ降りた。
今回のツアーはここがメインだったことから、皆でリベンジを誓った。
旭岳0714.JPG



















一方麓は曇り空で晴れ間もあった。
国道沿いの林道で気を取り直して散策。
今回ヒョウモンチョウの仲間で唯一の「ウラギンヒョウモン」。
ウラギンヒョウモン0714.JPG



















眼状紋の周りが白い「ヒメウラナミジャノメ」がたくさんいた。
家の方ではこんな感じのものはあまり見られないような。
ヒメウラナミジャノメ0714.JPG



















忠別川の河原付近。
河原0714.JPG



















小さなヤナギで伊藤さんが見つけた大きくてオレンジ色が美しい「ドロノキハムシ」。
本種にもいるが見たことが無かった。
ドロノキハムシ0714-1_1.jpg



















河原でテリを張っていた「チャイロオオイシアブ」。
胸周りや脚にクリーム色の毛が目立っていた。
マルハナバチ擬態だろうか?
チャイロオオイシアブ0714.JPG



















翌日見つけたマルハナバチの毛の色とそっくりだった。
マルハナバチの仲間0714.JPG



















ホテルに帰ってシャワーを浴びていると脇腹の背中側に何かできものが出来ている様で鏡で見るとダニだった。
新開さんにご指南いただき色々試したが取れず、仕方なく医者に行くことに。
取ってもらったのを見ると普段見るマダニとは異なり、ヤマトマダニかシュルツェマダニのようだ。
今回ダニ対策には気を使ったが甘かったようだ。
ダニ0714-1.JPG



















2023年7月14日 北海道旭川市 チョウ目タテハチョウ科 ウラギンヒョウモン、ヒメウラナミジャノメ、コウチュウ目ハムシ科 ドロノキハムシ、ハエ目ムシヒキアブ科 チャイロオオイシアブ、ハチ目ミツバチ科 マルハナバチ sp.

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旭川昆虫観察ツアー その3 [昆虫観察ツアー]

旭川市内の公園を散策。
午前中は曇りや晴れ間がのぞいてくれた。
北海道や本州の山地で見られるセセリ用の仲間では大型の「キバネセセリ」。
幼虫の食草はハリギリのようだ。
キバネセセリ0712-1.JPG



















花に鮮やかな色の「スジカミキリモドキ」がいた。
この種も本州にもいるが山地性のようで見たことが無い。
スジカミキリモドキ0712.JPG



















緑の草の上に目立つピンク色のバッタ。
恐らくヒナバッタかな。
いつものfieldでも見られる種だが、ピンク色は見たことが無い。
ヒナバッタ?0712.JPG



















イケマの花に「キバネセセリ」が集まっていた。
この周辺でかなりの数が見られた。
午後からは雨となりほとんど観察は出来なかった。
キバネセセリ0712-2.JPG



















今回の北海道で最も多く見られたのはマイマイガとクスサンの幼虫だった。
特に大きく白い長い毛のクスサンの幼虫は遠目で見てもすぐにわかり、道路でも良く轢かれていた。
この2種は成虫が大発生するのではないかとも思われた。
クスサン0712.JPG





























翌日は、貯水池のほとりの南丘森林公園へ。
ここでもマイマイガとクスサンの幼虫たちがダケカンバなどの葉を食い尽くしていた。
ひこばえで見つけた初めて見る「アシアカカメムシ」。
北海道、本州、四国、九州の山地で見られる種。
アシアカカメムシ0713.JPG



















樹皮にいたのは1.5cmほどの「ミヤマオビオオキノコ」。
お目当てのキノコがこの近くにあったのだろうか?
ミヤマオビオオキノコ.JPG



















以前トイレだったのだろうか、今は使われていない建屋の屋根から顔を出していた「アオダイショウ」。
ここに住みついている様で、あちこちに脱皮殻があった。
アオダイショウ0713.JPG



















屋根の下の地面にあった大きな脱皮殻に「センチコガネ」が来ていた。
脱皮殻をむしゃむしゃ。何でも食べる雑食性なんだな。
センチコガネ0713.JPG



















根元の樹液で見つけた「ミヤマクワガタ」のオス。
山地性で見たのは何年ぶりだろう。
よく見るとオスの下にメスがいてガードしているようだった。
ミヤマクワガタ0713-1.JPG



















別の木にも大きなオス。湾曲した大顎と横に張り出した頭部がカッコイイ!
ミヤマクワガタ0713-2.JPG





























近くの針葉樹の幹にも大きなメスがいた。
この後、若い男女二人がやって来てこれらを根こそぎ捕っていった。
一体何が目的なのか、残念な気分に。
ミヤマクワガタ0713-3.JPG



















この後、帰り際に林道に立ち寄った。
今にもクマが出そうだったが、鈴を鳴らして。
時折飛び立った「ベニシタヒトリ」。
ベニシタヒトリ0713.JPG



















草の中から茎をのばし花を咲かせていたのはランの仲間の「クモキリソウ」だろうか?
クモキリソウ?0713.JPG





























2023年7月12-13日 北海道旭川市 チョウ目セセリチョウ科 キバネセセリ、ヤママユガ科 クスサン、ヒトリガ科 ベニシタヒトリ、バッタ目バッタ科 ヒナバッタ、コウチュウ目カミキリモドキ科 スジカミキリモドキ、オオキノコムシ科 ミヤマオビオオキノコ、センチコガネ科 センチコガネ、クワガタムシ科 ミヤマクワガタ、有隣目ナミヘビ科 アオダイショウ、キジカクシ目ラン科 クモキリソウ?

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旭川昆虫観察ツアー その2 [昆虫観察ツアー]

翌日は旭岳の麓へ。
滞在中旭岳の天気が最も良いのは後半だったので、この日は情報収集。
着いたのが早くて旭岳ビジターセンターはまだ開館前で、ビジターセンターの駐車場もさほど混んではいなかった。
旭川ビジターセンター.JPG



















この日は曇り空だったが旭岳山頂がよく見えた。
旭岳0711.JPG



















まずはセンター裏の湿地へ。
旭岳へのロープーウェイが湿地の上を。
旭岳麓湿地1.JPG



















木道周りで咲いていた初見の「オオウバユリ」。
地元のfieldでウバユリは見られるがこの種はたくさんの花が開花しているのが見ごたえがある。
オオウバユリ0711.JPG





























黄色い花には様々な色の「スゲハムシ(キヌツヤミズクサハムシ)」たちがいた。
赤い色。
スゲハムシ0711-1.JPG



















銅色の個体。
スゲハムシ0711-2.JPG



















茶色のチョウが飛んで来てとまった。
翅に白い帯があり初見のチョウかと思ったが「クロヒカゲ」だった。
クロヒカゲ0711.JPG



















イラクサ科の葉にいた見たことのない恐らくタテハチョウ科の幼虫。
帰って調べたらどうやら「コヒオドシ」の幼虫ようだ。
成虫を見たかったが発生時期の端境期だったかもしれない。
コヒオドシ幼虫?0711.JPG



















湿地から林内の遊歩道へ。
カエデの枝先が折れて葉が束ねられていた。
これは「イタヤハマキチョッキリ」のしわざと教えていただいた。
これほど大きな揺籃は見たことが無かった。
イタヤハマキリョッキリ0711-2.JPG



















近くでしわざの主が見つかった。
煌めく赤い体がとても美しいオトシブミの仲間だ。
イタヤハマキリョッキリ0711-1.JPG



















目の前を横切った弱弱しく飛ぶ虫がいた。
とまった先にいたのはシリアゲムシの仲間。
本州で見られるプライアシリアゲに似ていて以前は同種とされていたが、その後北海道に分布するものは「エゾシリアゲ」という別種とされるようになったようだ。
長野県霧ケ峰で見たプライアシリアゲより翅の斑の色が薄かった。
エゾシリアゲ0711.JPG



















葉裏で見つかったのは蛾の仲間の「キマダラコウモリ」。
コウモリガに似ているが翅に白斑がある。
本州にも分布するが、写真に撮ったのは初めてだった。
キマダラコウモリ0711.JPG



















時折飛んでいた蛾の仲間。
とまったところを見ると見たことが無い種。
調べると「ヒメキシタヒトリ」というヒトリガ科の仲間だった。
北海道と本州中部の亜高山帯に分布している。
ヒメキシタヒトリ0711.JPG



















2023年7月11日 北海道旭川市 ユリ目ユリ科 オオウバユリ、チョウ目タテハチョウ科 クロヒカゲ、コヒオドシ、コウモリガ科 キマダラコウモリ、ヒトリガ科 ヒメキシタヒトリ、シリアゲムシ目シリアゲムシ科 エゾシリアゲ、コウチュウ目ハムシ科 スゲハムシ(キヌツヤミズクサハムシ)、オトシブミ科 イタヤハマキチョッキリ

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旭川昆虫観察ツアー その1 [昆虫観察ツアー]

今年の恒例昆虫観察ツアーは北海道旭川市。
昆虫写真家新開孝さんと絵本作家伊藤知紗さんとご一緒させていただいた。

1年ぶりの羽田はコロナが第5類に移行されて久しぶりに人が多かった。
羽田0710-1.JPG



















ANAと鬼滅の刃のコラボ。
先日、刀鍛冶の里編が終わって鬼滅ロス・・・。
羽田0710-2.JPG



















相変わらず飛行機は苦手で窓際の席でずっと外の景色を見ていた
羽田0710-4.JPG



















乗った飛行機はポケモンアローラロコンジェット北海道。
左側はアローラロコン、右側はロコンで右側は写せなかったのが残念。
旭川0710.JPG



















この日は嵐山展望台へ。
翅の長いフキバッタはその通り「ハネナガフキバッタ」。
北海道から九州まで分布しているようだが初めて見た。
ハネナガフキバッタ0710.JPG



















次に現れたのは「オオヒカゲ」。
北海道から本州の山地で見られる大型のヒカゲチョウ。
ゆったりと飛んでいたが、大きいので存在感があった。
オオヒカゲ0710.JPG



















樹上からコンコンコンとキツツキが木をつつく音が聞こえ、音のする方を探してみると「オオアカゲラ」のオスだった。fieldでは冬季にアカゲラが見られるがオオアカゲラを見たのは初めてだった。
オオアカゲラ0710.JPG





























草地で素早く飛んでいたセセリチョウ。
こちらも初見の「コキマダラセセリ」。東京都ではほとんどの地域で絶滅している。
コキマダラセセリ0710.JPG



















林縁でスッと花茎を伸ばしていたランの仲間の「オニノヤガラ」。
菌類と共生し葉緑素を持たない腐生植物だ。
花が緑色なのでオニノヤガラの品種であるアオテンマかと思ったが、アオテンマは花も茎も緑色のようでこれは茎が褐色なのでその中間種か?
狭山丘陵のfieldでも探しているのだが、数年前に1度見ただけでそれ以来見ていなかった。

旭川昆虫観察ツアーの記事はしばらく続きます。
アオテンマ0710_1.jpg





























2023年7月10日 北海道旭川市 バッタ目バッタ科 ハネナガフキバッタ、チョウ目タテハチョウ科 オオヒカゲ、セセリチョウ科 コキマダラセセリ、キツツキ目キツツキ科 オオアカゲラ、ラン目ラン科 オニノヤガラ

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秋の秩父昆虫観察ツアー最終日 [昆虫観察ツアー]

ツアーの最終日は埼玉県中部の里山へ。
途中のコンビニで今年初見の「ヒメヤママユ」と出会う。
高くて間近に見られなかったのは残念だった。
ヒメヤママユ1118.JPG



















目的地で新開さんが拾った落ち葉のホオノキの葉裏にいた「カモドキサシガメ」の一種。
こんなのところにもいるのかとビックリ!
カマのような前脚を持ち上げて歩くさまは、まるでフランキー見たい!!
カモドキサシガメ1118.JPG



















ようやくカマの前脚を伸ばしたところを見ることが出来た。
カマの内側にカマキリのような大きな棘は見られなかったが、このカマで虫を捕えて他のサシガメのように体液を吸うのだろうか?
是非食事の場面を見てみたい。
他の足は細長く、確かにガガンボのようだった。
カモドキサシガメ1118-1.JPG



















道の脇では「クロヤツシロラン」の実が裂開していた。
種は本当に小さいので既にこの隙間から零れ落ちているに違いない。
似た種にアキザキヤツシロランがあり実の色がクロヤツシロランの方が黒いとも言われクロヤツシロランとしたが、花を見なければ自信がない。
クロヤツシロラン1118.JPG



















足元の草に動くものあり。
「セスジツユムシ」のメスだった。
ツユムシの仲間のメスは比較的遅くまで見られるが、そろそろ厳しい。
すでに産卵を済ませただろうか?
セスジツユムシ1118.JPG



















石の下で伊藤さんが見つけたのは初めて見る「ガロアムシ」だった。
一見シロアリを大きくしたような、またコオロギのようでもありコオロギモドキとも呼ばれる。
成虫になっても翅が無く、不完全変態の昆虫の中では原始的な姿をとどめていて昆虫の生きた化石と言われている。
山地の洞窟や土中、石の下などに棲み、埼玉県ではLP:絶滅の恐れがある地域個体群に指定されている希少種だ。

ここで今回のツアーのもう一種のターゲットを探したが、残念ながら見つからず。
翌日新開さんと伊藤さんは別の場所で遭遇できたとのこと。
残念ながら僕は仕事で同行できなかった。
また改めて・・・。
ガロアムシ1118_1.jpg



















2022年11月18日 埼玉県(丘陵外) チョウ目ヤママユガ科 ヒメヤママユ、カメムシ目サシガメ科 カモドキサシガメの一種、キジカクシ目ラン科 クロヤツシロラン?、バッタ目ツユムシ科 セスジツユムシ、ガロアムシ目ガロアムシ科 ガロアムシ

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秋の秩父昆虫観察ツアーその2 [昆虫観察ツアー]

この日の宿は小鹿野町の越後屋旅館さん。
創業明治8年、囲炉裏と郷土料理の温泉宿で囲碁将棋の宿としても知られているそうな。
越後屋1115-1.JPG



















玄関横にある囲炉裏の部屋。

壁には秩父銘仙の織物が飾られていた。
越後屋1115-2.JPG



















朝宿を立つ際にムベとアケビが這っていた葉の上に新開さんが見つけた成虫越冬の「アケビコノハ」。
奇麗な翅で羽化してさほど経っていないようだった。
アケビコノハ1116.JPG



















宿のおかみさんに丁寧にアケビコノハを説明する新開さん。
女将さん1116.JPG



















この後宿に近い四季の道へ。
大きな葉の裏に集まっていた「マルカメムシ」たち。
越冬の準備だろう。さらに寒くなればどこか他の場所へ移動すると思われる。
形がゲゲゲの鬼太郎の子泣き爺の顔に似ているような。
マルカメムシ221116.JPG



















歩いていくと小鹿野の山並みが見えて落葉広葉樹の黄葉が進んでいた。
ちょうどこの中段の山あたりには毎月仕事で訪れていて、越後屋旅館から1本入った道をいつも通っていた。
そこに宿があるとは知らず何とも奇遇だった。
小鹿野町の山並み.JPG



















ここでもカモドキサシガメを探していくつか伊藤さんが見つけ、その近くのアラカシの葉裏にいた「アカスジキンカメムシ」の幼虫たちの集団も。高さは4-5mあっただろう。
新開さん曰く、すぐ近くにあったスギの球果を吸什していたのだろうとのこと。
アカスジキンカメムシ1116.JPG





























道脇の「イロハモミジ」が奇麗だったので。
イロハモミジ1116.JPG



















ここから山間部のキャンプ場へ移動した。
幹にいた「トホシカメムシ」。
大きくていかり肩がカッコイイカメムシだ!
山地性だが、過去数回fieldの狭山丘陵でも見掛けたことがあった。
トホシカメムシ1116.JPG



















コテージの壁面にいた「モンキツノカメムシ」。
小楯板に黄色の紋があり角が長い。
いつものfieldでは見る機会は少ない。
モンキツノカメムシ1116.JPG



















すぐ近くにいたそっくりさんの「エサキモンキツノカメムシ」。
こちらも同じように黄色の紋があるが、紋の上面に切れ込みがありハートの形になっていることとモンキより角が短いので見分けられる。
エサキモンキツノカメムシ1116.JPG



















さらには「ツノアカツノカメムシ」もいた。
この種も山地性だろうか?fieldでは見たことが無い。

こうしてここまで撮った写真を見ると今回はまるでカメムシツアー!
明後日は秩父を離れた平地へ。
ツノアカツノカメムシ1116.JPG



















2022年11月16日 埼玉県(丘陵外) チョウ目ヤガ科 アケビコノハ、カメムシ目マルカメムシ科 マルカメムシ、キンカメムシ科 アカスジキンカメムシ、カメムシ科 トホシカメムシ、ツノカメムシ科 モンキツノカメムシ、エサキモンキツノカメムシ、ツノアカツノカメムシ

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秋の秩父昆虫観察ツアーその1 [昆虫観察ツアー]

毎年の恒例で今年は秋の秩父昆虫観察ツアーに先日行って来た。
同行させていただいたのは昆虫写真家の新開孝さんと絵本作家の伊藤知紗さん。
観察場所に着いて最初に見つけたのは「センチコガネ」だった。
背中の一部のブルーの輝きが美しくオオセンチコガネかと思ったが頭楯(口の上にある板状のもの)の形が違った。
センチコガネ1115.JPG



















虫目の達人と歩くと自分では見つけられない色々な虫たちに出会えるので楽しい!
虫を探すお二人。
虫探しの達人たち1115.JPG



















アラカシの葉裏で見つかった今回のターゲットの一つ。
さてどこにいるかわかるだろうか?

カモドキサシガメ1115-1.JPG



















葉裏にいたのはカメムシの仲間のカモドキサシガメの一種。
足が長くカ(といってもガガンボ?)に似ている事から名付けられたのだろうか?
前脚はカマキリの鎌のようで肉食性だ。
netで調べたら「ウスイロカモドキサシガメ」の可能性がある。
カモドキサシガメ1115-2.JPG



















コナラの根元の苔にいたのは「シリブトガガンボ」の一種の幼虫だそうだ。
まさに肉質突起がコケそのもので教えてもらわなければ全く気付かなかった。
ちなみに左が頭とのこと。
シリブトガガンボの仲間1115.JPG



















クスノキの葉裏にいたのは近年あちこちで見つかるようになった中国原産の外来種「クスベニヒラタカスミカメ」の幼虫。埼玉県や都心でも見つかっていて、集団発生すると常緑のクスノキの葉が褐色に色変わりして落葉し害虫とされている。幼虫は粘着物質を纏っているそうだ。外来種だがとても美しい。
クスベニヒラタカスミカメ幼虫1115.JPG



















近くには成虫も見つかった。
葉が赤くなっているのはこの虫たちのしわざだ。
クスベニヒラタカスミカメ成虫1115.JPG



















すぐ近くでは「オオトビモンシャチホコ」と卵が見つかった。
卵は毛で覆われていた。
幼虫の食草はブナ科と言われているが、クスノキも食べるのだろうか?
オオトビモンシャチホコ1115.JPG



















アラカシの葉裏では冬の観察対象の「ヒゲナガサシガメ」の幼虫がいた。
いつもは低いヤツデの葉裏で見られるが、こんな高い所にもいるとは思わなかった。
冬にアラカシの葉裏もチェックしてみよう!
ヒゲナガサシガメ1115.JPG



















2022年11月15日 埼玉県(丘陵外) コウチュウ目センチコガネ科 センチコガネ、カメムシ目サシガメ科 ウスイロカモドキサシガメ?、ヒゲナガサシガメ、 ハエ目シリブトガガンボ科 シリブトガガンボの一種、カメムシ目カスミカメムシ科 クスベニヒラタカスミカメ、チョウ目シャチホコガ科 オオトビモンシャチホコ

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奄美大島昆虫観察ツアー その6 [昆虫観察ツアー]

奄美大島での虫撮影もいよいよ終盤だが、紹介したい虫が多すぎてきりがないので一旦ここで締めようと思う。(※写真を大きくしようとしたらはみ出てしまった。修正がきかないので全体をご覧になるには写真をクリックしてください。)
この日は再び、竜郷町の奄美自然観察の森へ今回のターゲットの一つ、葉っぱに擬態するバッタの仲間を探しに。
林内で時折目にした「アマミモリバッタ」。奄美大島、加計呂麻島、徳之島、沖永良部島に分布する。
アマミモリバッタ1007.JPG

































伊藤さんが教えてくれたのは葉の上に鎮座する「ダルマウンカ」。5mmほどと小さいので目を凝らさなければなかなか見つからない。
まるで埴輪のような顔をしていた。
アマミマルウンカ1007.JPG

































こちらも葉上にいた「アオヒメハナムグリ」。
関東で見られるようだが見たことが無い。前胸背両脇のクリーム色の縁取りが特徴のハナムグリだ。
アオヒメハナムグリ1007.JPG

































移動中に道脇のセンダングサの仲間にやって来た「ベニモンアゲハ」。
普段チョウをはあまり撮っていないのでダメ写真ばかりでまだましな写真を。
ベニモンアゲハ1007-1.JPG

















































結局ターゲットは同行お二人のこれ以上にない虫目を凝らしても見つからず。
ホテルへの帰り道、パーキングに立ち寄った。
ここからは宿泊していた名瀬の街が一望できた。
名瀬の街.JPG

































ここでも虫探しでブーゲンビリアにいたのは南九州から沖縄に分布する「アカホシカメムシ」。背中は人面でお腹側は白と黒に赤が美しかった。
アカホシカメムシ1107.JPG

































イネ科の草にいた日本最大のバッタの1種「タイワンツチイナゴ」かと思ったが普通のツチイナゴだった。
タイワンツチイナゴ1007.JPG

































翌日の最終日はもう一つのターゲット、キラキラのカメムシを求めて北へ。
道端の朽ち木から新開さんが「アマミコカブトムシ」のメスを見つけてくれた。コカブトムシは関東でも見られるが、ここのは前胸背の窪みが小さい亜種のようだ。
アマミコカブトムシ-1.JPG

































暫くすると伊藤さんが溝に落ちていたオスを見つけてくれた。
脚が傷んでいる様子でうまく歩けないようだった。頭部に小さな角があるのがオス。
この状況は九州昆虫観察ツアーでダイコクコガネを撮りに行った時と同じで、またまたお二人に感謝だ。
アマミコカブトムシ-2.JPG

































最後にもう一度、蒲生崎観光公園へ。
ここでは見たかったシジミチョウを撮ることが出来たが、それは後日の番外編で。
前回来た時に伊藤さんが見つけた「アオウバタマムシ」はいきなりの通り雨で雨の後にとったもののうまく撮れなかったのだが、今回もまた見つかりお二人に気を使っていただいて撮ることが出来た。
関東で見られるウバタマムシより緑色が濃く、亜種「アオウバタマムシ」とされる。
フラッシュをたくより自然光の方がやはり奇麗だ。

今回亜種という言葉がよく出てきたが、亜種とは同一の種でありながら地域によって大きさや形、色彩などに違いがあるもののこと。基亜種というのが一番最初に公的に記載された標本の事でそれ以外に地域個体差の大きい種が亜種とされるのだ。
アオウバタマムシ1008.JPG

































残念ながら今回のターゲット、葉っぱに擬態したバッタの仲間とキラキラのカメムシには出会うことが叶わなかった。
またいつか、必ずと誓って島を後にした。
鹿児島空港1008.JPG

































2021年10月7-8日 奄美大島 バッタ目バッタ科 アマミモリバッタ、ツチイナゴ、カメムシ目マルウンカ科 ダルマウンカ、コウチュウ目コガネムシ科 アオヒメハナムグリ、アマミコカブトムシ、タマムシ科 アオタマムシ、チョウ目アゲハチョウ科 ベニモンアゲハ

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奄美大島昆虫観察ツアー その5 [昆虫観察ツアー]

奄美市住用町の道脇の民家の花にたくさんの「ナガサキアゲハ」が訪れていた。
関東では見られない白化したメスも多かった。尾状突起のある有尾型が見られればもっとよかったのだが。
ナガサキアゲハ1006.JPG



















林道に入って間もなく林縁に大きな蛾の姿を見つけて車を停めた。
羽化して間もないと思われる「シンジュサン」だった。
見るのはこれが2度目と嬉しい出会いでその大きさと美しさは素晴らしかった。
あたりに羽化した繭を探したがさすがに見つからなかった。
シンジュサン1006.JPG



















ナイトツアーの下見を兼ねて林道を流し、奥で車を停めてしばし虫探し。
丹念に林縁を探す同行のお二人。

アマミ虫探し1006.JPG



















少し幅の広い林道わきで同行の伊藤さんがハンミョウを見つけてくれた。
奄美大島、徳之島で見られる日本固有種「アマミハンミョウ」で、奄美産は写真の赤系、徳之島は青系のようだ。
ハンミョウに小さなハエがたかっているというので写真を撮って見ると確かに赤い眼のハエがまとわりついていた。主に胸辺りに多い時は7匹がとまっていたが、体から美味しいものでも出ているのだろうか?
(写真をクリックすると少し大きな画像でハエがよく見えます)
同行した新開さんも過去にblogに書かれていたようだ。
アマミハンミョウ1006.JPG



















このあとはフナンギョの滝へ。
その昔、舟を作るために木を伐り出したことで名付けられてそうな。
フナンギョの滝1006.JPG





























道脇で木くずが出ている木があり見ると大きなクワガタのメスがいた。
今回、甲虫をあまり目にしていなかったのとその大きさにちょっと興奮!
スジブトヒラタクワガタ1006-1.JPG



















大きさは約4㎝近くある「スジブトヒラタクワガタ」のメスだった。
奄美諸島で見られる日本固有種で名の通りの太い筋が洒落ている。
これは是非オスを見たいと探したが、残念ながら見つからなかった。
スジブトヒラタクワガタ1006-2.JPG



















この日は2度目の夜の林道観察でお目当ては、奄美と言えばこの丸い糞の落とし主「アマミノクロウサギ」だ。
奄美大島、徳之島のみに生息し全身褐色の毛に覆われ短い耳や足など原始的な姿が特徴で絶滅が危惧されている。環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠB類。
糞は昼間あちこちの林道の道脇にたくさん落ちているのを見ていた。
アマミノクロウサギ1006-1.JPG



















前日の夜に1頭見ていたので、少し心に余裕はあったもののさて何頭見られるかと期待していた。
林道を走り出してすぐに1頭、その後も次々と見ることが出来て何とか証拠写真も。
途中、パトロールの車や現地のガイドツアーと思われる車数台とすれ違い、車の通った後では警戒して出てこないのではないかと思ったがそんなことは無かった。
慣れているのか?気になった。
今月末からこの林道は夜間規制が始まるそうで自由に見られる最後の機会だった。
アマミノクロウサギ1006-2.JPG



















2021年10月6日 奄美大島 チョウ目アゲハチョウ科 ナガサキアゲハ、ヤママユガ科 シンジュサン、コウチュウ目ハンミョウ科 アマミハンミョウ、クワガタムシ科 スジブトヒラタクワガタ、ウサギ科 アマミノクロウサギ

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