秋の秩父昆虫観察ツアーその2 [昆虫観察ツアー]
壁には秩父銘仙の織物が飾られていた。
朝宿を立つ際にムベとアケビが這っていた葉の上に新開さんが見つけた成虫越冬の「アケビコノハ」。
奇麗な翅で羽化してさほど経っていないようだった。
宿のおかみさんに丁寧にアケビコノハを説明する新開さん。
この後宿に近い四季の道へ。
大きな葉の裏に集まっていた「マルカメムシ」たち。
越冬の準備だろう。さらに寒くなればどこか他の場所へ移動すると思われる。
形がゲゲゲの鬼太郎の子泣き爺の顔に似ているような。
歩いていくと小鹿野の山並みが見えて落葉広葉樹の黄葉が進んでいた。
ちょうどこの中段の山あたりには毎月仕事で訪れていて、越後屋旅館から1本入った道をいつも通っていた。
そこに宿があるとは知らず何とも奇遇だった。
ここでもカモドキサシガメを探していくつか伊藤さんが見つけ、その近くのアラカシの葉裏にいた「アカスジキンカメムシ」の幼虫たちの集団も。高さは4-5mあっただろう。
新開さん曰く、すぐ近くにあったスギの球果を吸什していたのだろうとのこと。
道脇の「イロハモミジ」が奇麗だったので。
ここから山間部のキャンプ場へ移動した。
幹にいた「トホシカメムシ」。
大きくていかり肩がカッコイイカメムシだ!
山地性だが、過去数回fieldの狭山丘陵でも見掛けたことがあった。
コテージの壁面にいた「モンキツノカメムシ」。
小楯板に黄色の紋があり角が長い。
いつものfieldでは見る機会は少ない。
すぐ近くにいたそっくりさんの「エサキモンキツノカメムシ」。
こちらも同じように黄色の紋があるが、紋の上面に切れ込みがありハートの形になっていることとモンキより角が短いので見分けられる。
さらには「ツノアカツノカメムシ」もいた。
この種も山地性だろうか?fieldでは見たことが無い。
こうしてここまで撮った写真を見ると今回はまるでカメムシツアー!
明後日は秩父を離れた平地へ。
2022年11月16日 埼玉県(丘陵外) チョウ目ヤガ科 アケビコノハ、カメムシ目マルカメムシ科 マルカメムシ、キンカメムシ科 アカスジキンカメムシ、カメムシ科 トホシカメムシ、ツノカメムシ科 モンキツノカメムシ、エサキモンキツノカメムシ、ツノアカツノカメムシ
朝宿を立つ際にムベとアケビが這っていた葉の上に新開さんが見つけた成虫越冬の「アケビコノハ」。
奇麗な翅で羽化してさほど経っていないようだった。
宿のおかみさんに丁寧にアケビコノハを説明する新開さん。
この後宿に近い四季の道へ。
大きな葉の裏に集まっていた「マルカメムシ」たち。
越冬の準備だろう。さらに寒くなればどこか他の場所へ移動すると思われる。
形がゲゲゲの鬼太郎の子泣き爺の顔に似ているような。
歩いていくと小鹿野の山並みが見えて落葉広葉樹の黄葉が進んでいた。
ちょうどこの中段の山あたりには毎月仕事で訪れていて、越後屋旅館から1本入った道をいつも通っていた。
そこに宿があるとは知らず何とも奇遇だった。
ここでもカモドキサシガメを探していくつか伊藤さんが見つけ、その近くのアラカシの葉裏にいた「アカスジキンカメムシ」の幼虫たちの集団も。高さは4-5mあっただろう。
新開さん曰く、すぐ近くにあったスギの球果を吸什していたのだろうとのこと。
道脇の「イロハモミジ」が奇麗だったので。
ここから山間部のキャンプ場へ移動した。
幹にいた「トホシカメムシ」。
大きくていかり肩がカッコイイカメムシだ!
山地性だが、過去数回fieldの狭山丘陵でも見掛けたことがあった。
コテージの壁面にいた「モンキツノカメムシ」。
小楯板に黄色の紋があり角が長い。
いつものfieldでは見る機会は少ない。
すぐ近くにいたそっくりさんの「エサキモンキツノカメムシ」。
こちらも同じように黄色の紋があるが、紋の上面に切れ込みがありハートの形になっていることとモンキより角が短いので見分けられる。
さらには「ツノアカツノカメムシ」もいた。
この種も山地性だろうか?fieldでは見たことが無い。
こうしてここまで撮った写真を見ると今回はまるでカメムシツアー!
明後日は秩父を離れた平地へ。
2022年11月16日 埼玉県(丘陵外) チョウ目ヤガ科 アケビコノハ、カメムシ目マルカメムシ科 マルカメムシ、キンカメムシ科 アカスジキンカメムシ、カメムシ科 トホシカメムシ、ツノカメムシ科 モンキツノカメムシ、エサキモンキツノカメムシ、ツノアカツノカメムシ
2022-11-21 21:05
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秋の秩父昆虫観察ツアーその1 [昆虫観察ツアー]
毎年の恒例で今年は秋の秩父昆虫観察ツアーに先日行って来た。
同行させていただいたのは昆虫写真家の新開孝さんと絵本作家の伊藤知紗さん。
観察場所に着いて最初に見つけたのは「センチコガネ」だった。
背中の一部のブルーの輝きが美しくオオセンチコガネかと思ったが頭楯(口の上にある板状のもの)の形が違った。
虫目の達人と歩くと自分では見つけられない色々な虫たちに出会えるので楽しい!
虫を探すお二人。
アラカシの葉裏で見つかった今回のターゲットの一つ。
さてどこにいるかわかるだろうか?
同行させていただいたのは昆虫写真家の新開孝さんと絵本作家の伊藤知紗さん。
観察場所に着いて最初に見つけたのは「センチコガネ」だった。
背中の一部のブルーの輝きが美しくオオセンチコガネかと思ったが頭楯(口の上にある板状のもの)の形が違った。
虫目の達人と歩くと自分では見つけられない色々な虫たちに出会えるので楽しい!
虫を探すお二人。
アラカシの葉裏で見つかった今回のターゲットの一つ。
さてどこにいるかわかるだろうか?
葉裏にいたのはカメムシの仲間のカモドキサシガメの一種。
足が長くカ(といってもガガンボ?)に似ている事から名付けられたのだろうか?
前脚はカマキリの鎌のようで肉食性だ。
netで調べたら「ウスイロカモドキサシガメ」の可能性がある。
コナラの根元の苔にいたのは「シリブトガガンボ」の一種の幼虫だそうだ。
まさに肉質突起がコケそのもので教えてもらわなければ全く気付かなかった。
ちなみに左が頭とのこと。
クスノキの葉裏にいたのは近年あちこちで見つかるようになった中国原産の外来種「クスベニヒラタカスミカメ」の幼虫。埼玉県や都心でも見つかっていて、集団発生すると常緑のクスノキの葉が褐色に色変わりして落葉し害虫とされている。幼虫は粘着物質を纏っているそうだ。外来種だがとても美しい。
近くには成虫も見つかった。
葉が赤くなっているのはこの虫たちのしわざだ。
すぐ近くでは「オオトビモンシャチホコ」と卵が見つかった。
卵は毛で覆われていた。
幼虫の食草はブナ科と言われているが、クスノキも食べるのだろうか?
アラカシの葉裏では冬の観察対象の「ヒゲナガサシガメ」の幼虫がいた。
いつもは低いヤツデの葉裏で見られるが、こんな高い所にもいるとは思わなかった。
冬にアラカシの葉裏もチェックしてみよう!
2022年11月15日 埼玉県(丘陵外) コウチュウ目センチコガネ科 センチコガネ、カメムシ目サシガメ科 ウスイロカモドキサシガメ?、ヒゲナガサシガメ、 ハエ目シリブトガガンボ科 シリブトガガンボの一種、カメムシ目カスミカメムシ科 クスベニヒラタカスミカメ、チョウ目シャチホコガ科 オオトビモンシャチホコ
2022-11-19 19:30
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奄美大島昆虫観察ツアー その6 [昆虫観察ツアー]
奄美大島での虫撮影もいよいよ終盤だが、紹介したい虫が多すぎてきりがないので一旦ここで締めようと思う。(※写真を大きくしようとしたらはみ出てしまった。修正がきかないので全体をご覧になるには写真をクリックしてください。)
この日は再び、竜郷町の奄美自然観察の森へ今回のターゲットの一つ、葉っぱに擬態するバッタの仲間を探しに。
林内で時折目にした「アマミモリバッタ」。奄美大島、加計呂麻島、徳之島、沖永良部島に分布する。
伊藤さんが教えてくれたのは葉の上に鎮座する「ダルマウンカ」。5mmほどと小さいので目を凝らさなければなかなか見つからない。
まるで埴輪のような顔をしていた。
こちらも葉上にいた「アオヒメハナムグリ」。
関東で見られるようだが見たことが無い。前胸背両脇のクリーム色の縁取りが特徴のハナムグリだ。
移動中に道脇のセンダングサの仲間にやって来た「ベニモンアゲハ」。
普段チョウをはあまり撮っていないのでダメ写真ばかりでまだましな写真を。
結局ターゲットは同行お二人のこれ以上にない虫目を凝らしても見つからず。
ホテルへの帰り道、パーキングに立ち寄った。
ここからは宿泊していた名瀬の街が一望できた。
ここでも虫探しでブーゲンビリアにいたのは南九州から沖縄に分布する「アカホシカメムシ」。背中は人面でお腹側は白と黒に赤が美しかった。
イネ科の草にいた日本最大のバッタの1種「タイワンツチイナゴ」かと思ったが普通のツチイナゴだった。
翌日の最終日はもう一つのターゲット、キラキラのカメムシを求めて北へ。
道端の朽ち木から新開さんが「アマミコカブトムシ」のメスを見つけてくれた。コカブトムシは関東でも見られるが、ここのは前胸背の窪みが小さい亜種のようだ。
暫くすると伊藤さんが溝に落ちていたオスを見つけてくれた。
脚が傷んでいる様子でうまく歩けないようだった。頭部に小さな角があるのがオス。
この状況は九州昆虫観察ツアーでダイコクコガネを撮りに行った時と同じで、またまたお二人に感謝だ。
最後にもう一度、蒲生崎観光公園へ。
ここでは見たかったシジミチョウを撮ることが出来たが、それは後日の番外編で。
前回来た時に伊藤さんが見つけた「アオウバタマムシ」はいきなりの通り雨で雨の後にとったもののうまく撮れなかったのだが、今回もまた見つかりお二人に気を使っていただいて撮ることが出来た。
関東で見られるウバタマムシより緑色が濃く、亜種「アオウバタマムシ」とされる。
フラッシュをたくより自然光の方がやはり奇麗だ。
今回亜種という言葉がよく出てきたが、亜種とは同一の種でありながら地域によって大きさや形、色彩などに違いがあるもののこと。基亜種というのが一番最初に公的に記載された標本の事でそれ以外に地域個体差の大きい種が亜種とされるのだ。
残念ながら今回のターゲット、葉っぱに擬態したバッタの仲間とキラキラのカメムシには出会うことが叶わなかった。
またいつか、必ずと誓って島を後にした。
2021年10月7-8日 奄美大島 バッタ目バッタ科 アマミモリバッタ、ツチイナゴ、カメムシ目マルウンカ科 ダルマウンカ、コウチュウ目コガネムシ科 アオヒメハナムグリ、アマミコカブトムシ、タマムシ科 アオタマムシ、チョウ目アゲハチョウ科 ベニモンアゲハ
この日は再び、竜郷町の奄美自然観察の森へ今回のターゲットの一つ、葉っぱに擬態するバッタの仲間を探しに。
林内で時折目にした「アマミモリバッタ」。奄美大島、加計呂麻島、徳之島、沖永良部島に分布する。
伊藤さんが教えてくれたのは葉の上に鎮座する「ダルマウンカ」。5mmほどと小さいので目を凝らさなければなかなか見つからない。
まるで埴輪のような顔をしていた。
こちらも葉上にいた「アオヒメハナムグリ」。
関東で見られるようだが見たことが無い。前胸背両脇のクリーム色の縁取りが特徴のハナムグリだ。
移動中に道脇のセンダングサの仲間にやって来た「ベニモンアゲハ」。
普段チョウをはあまり撮っていないのでダメ写真ばかりでまだましな写真を。
結局ターゲットは同行お二人のこれ以上にない虫目を凝らしても見つからず。
ホテルへの帰り道、パーキングに立ち寄った。
ここからは宿泊していた名瀬の街が一望できた。
ここでも虫探しでブーゲンビリアにいたのは南九州から沖縄に分布する「アカホシカメムシ」。背中は人面でお腹側は白と黒に赤が美しかった。
イネ科の草にいた日本最大のバッタの1種「タイワンツチイナゴ」かと思ったが普通のツチイナゴだった。
翌日の最終日はもう一つのターゲット、キラキラのカメムシを求めて北へ。
道端の朽ち木から新開さんが「アマミコカブトムシ」のメスを見つけてくれた。コカブトムシは関東でも見られるが、ここのは前胸背の窪みが小さい亜種のようだ。
暫くすると伊藤さんが溝に落ちていたオスを見つけてくれた。
脚が傷んでいる様子でうまく歩けないようだった。頭部に小さな角があるのがオス。
この状況は九州昆虫観察ツアーでダイコクコガネを撮りに行った時と同じで、またまたお二人に感謝だ。
最後にもう一度、蒲生崎観光公園へ。
ここでは見たかったシジミチョウを撮ることが出来たが、それは後日の番外編で。
前回来た時に伊藤さんが見つけた「アオウバタマムシ」はいきなりの通り雨で雨の後にとったもののうまく撮れなかったのだが、今回もまた見つかりお二人に気を使っていただいて撮ることが出来た。
関東で見られるウバタマムシより緑色が濃く、亜種「アオウバタマムシ」とされる。
フラッシュをたくより自然光の方がやはり奇麗だ。
今回亜種という言葉がよく出てきたが、亜種とは同一の種でありながら地域によって大きさや形、色彩などに違いがあるもののこと。基亜種というのが一番最初に公的に記載された標本の事でそれ以外に地域個体差の大きい種が亜種とされるのだ。
残念ながら今回のターゲット、葉っぱに擬態したバッタの仲間とキラキラのカメムシには出会うことが叶わなかった。
またいつか、必ずと誓って島を後にした。
2021年10月7-8日 奄美大島 バッタ目バッタ科 アマミモリバッタ、ツチイナゴ、カメムシ目マルウンカ科 ダルマウンカ、コウチュウ目コガネムシ科 アオヒメハナムグリ、アマミコカブトムシ、タマムシ科 アオタマムシ、チョウ目アゲハチョウ科 ベニモンアゲハ
2021-10-15 21:52
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奄美大島昆虫観察ツアー その5 [昆虫観察ツアー]
奄美市住用町の道脇の民家の花にたくさんの「ナガサキアゲハ」が訪れていた。
関東では見られない白化したメスも多かった。尾状突起のある有尾型が見られればもっとよかったのだが。
林道に入って間もなく林縁に大きな蛾の姿を見つけて車を停めた。
羽化して間もないと思われる「シンジュサン」だった。
見るのはこれが2度目と嬉しい出会いでその大きさと美しさは素晴らしかった。
あたりに羽化した繭を探したがさすがに見つからなかった。
ナイトツアーの下見を兼ねて林道を流し、奥で車を停めてしばし虫探し。
丹念に林縁を探す同行のお二人。
関東では見られない白化したメスも多かった。尾状突起のある有尾型が見られればもっとよかったのだが。
林道に入って間もなく林縁に大きな蛾の姿を見つけて車を停めた。
羽化して間もないと思われる「シンジュサン」だった。
見るのはこれが2度目と嬉しい出会いでその大きさと美しさは素晴らしかった。
あたりに羽化した繭を探したがさすがに見つからなかった。
ナイトツアーの下見を兼ねて林道を流し、奥で車を停めてしばし虫探し。
丹念に林縁を探す同行のお二人。
少し幅の広い林道わきで同行の伊藤さんがハンミョウを見つけてくれた。
奄美大島、徳之島で見られる日本固有種「アマミハンミョウ」で、奄美産は写真の赤系、徳之島は青系のようだ。
ハンミョウに小さなハエがたかっているというので写真を撮って見ると確かに赤い眼のハエがまとわりついていた。主に胸辺りに多い時は7匹がとまっていたが、体から美味しいものでも出ているのだろうか?
(写真をクリックすると少し大きな画像でハエがよく見えます)
同行した新開さんも過去にblogに書かれていたようだ。
このあとはフナンギョの滝へ。
その昔、舟を作るために木を伐り出したことで名付けられてそうな。
道脇で木くずが出ている木があり見ると大きなクワガタのメスがいた。
今回、甲虫をあまり目にしていなかったのとその大きさにちょっと興奮!
大きさは約4㎝近くある「スジブトヒラタクワガタ」のメスだった。
奄美諸島で見られる日本固有種で名の通りの太い筋が洒落ている。
これは是非オスを見たいと探したが、残念ながら見つからなかった。
この日は2度目の夜の林道観察でお目当ては、奄美と言えばこの丸い糞の落とし主「アマミノクロウサギ」だ。
奄美大島、徳之島のみに生息し全身褐色の毛に覆われ短い耳や足など原始的な姿が特徴で絶滅が危惧されている。環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠB類。
糞は昼間あちこちの林道の道脇にたくさん落ちているのを見ていた。
前日の夜に1頭見ていたので、少し心に余裕はあったもののさて何頭見られるかと期待していた。
林道を走り出してすぐに1頭、その後も次々と見ることが出来て何とか証拠写真も。
途中、パトロールの車や現地のガイドツアーと思われる車数台とすれ違い、車の通った後では警戒して出てこないのではないかと思ったがそんなことは無かった。
慣れているのか?気になった。
今月末からこの林道は夜間規制が始まるそうで自由に見られる最後の機会だった。
2021年10月6日 奄美大島 チョウ目アゲハチョウ科 ナガサキアゲハ、ヤママユガ科 シンジュサン、コウチュウ目ハンミョウ科 アマミハンミョウ、クワガタムシ科 スジブトヒラタクワガタ、ウサギ科 アマミノクロウサギ
2021-10-13 20:49
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奄美大島昆虫観察ツアー その4 両・爬編 [昆虫観察ツアー]
この日は夜の林道で生き物観察。
一番の目的はあの哺乳類だが、他に何が見られるか?
陽が落ちかけた林道わきに車を停めて探しているとクワズイモの葉上でカナヘビ発見。
いつも見ているカナヘビとはちょっと異なり妙に尻尾が長い。
南西諸島に生息する日本固有種の「アオカナヘビ」の幼体だった。
別の場所でも同じくらいの大きさの幼体がいた。
最初に見たのは背中が褐色だったが、こちらは緑色の個体。
時折雨が降る不安定な天候で、小雨がぱらついていた。
車を低速で走らせていると路上のあちこちに白っぽいものがいくつも目に付いた。
何だろうと降りて近寄るとすべてカエル!
雨で道に出てきたようだ。
そのほとんどが奄美大島、徳之島で見られる日本固有種の「アマミハナサキガエル」。
環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類の希少種だ。
少しして色見が違うのがいたのでまた降りて確認。
何とそれは、今回是非見たいと思っていた緑色が美しい「アマミイシカワガエル」だった。
近年アマミとオキナワの2種に分けられ、境省レッドリスト絶滅危惧ⅠB類に指定されているこちらも希少種。
2枚撮って逃げないようにガードして同行の二人を呼んだ瞬間に大きくジャンプして林内に消えてしまった。
ああっ、何という失態(T_T)
この後も、道の上のカエルたちをよけながら進む。
途中、奄美大島と加計呂麻島のみに生息する日本固有種で環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠB類の「オットンガエル」にも出会った。ヒキガエルかと思ったが、残念ながら撮影する前に逃げられてしまった。
走れば次々と路上にカエルたちが現れ轢かないように注意しながら走ったが、そんなことを知らない人は多くのカエルたちを轢いてしまうだろう。何らかの対策が必要だと思った。
これだけカエルがいればそれを狙うやつもいる。
林道の真ん中にいたのはヘビの「アカマタ」。
車を降りると林内に逃げ込んだので、こんな機会は二度とないと申し訳なかったが尻尾を掴んで引きずり出した。
1mを超えよく太り精悍な顔付きで気性が荒いと聞いていたがまさしくだった。
雨のお陰でたくさんのカエルたちが見られ、運よく一番の目的の哺乳類にも1度出会うことが出来て満足のナイトツアーだった。
2021年10月5日 奄美大島 有隣目カナヘビ科 アオカナヘビ、ナミヘビ科 アカマタ、無尾目アカガエル科 アマミハナサキガエル、アマミイシカワガエル
一番の目的はあの哺乳類だが、他に何が見られるか?
陽が落ちかけた林道わきに車を停めて探しているとクワズイモの葉上でカナヘビ発見。
いつも見ているカナヘビとはちょっと異なり妙に尻尾が長い。
南西諸島に生息する日本固有種の「アオカナヘビ」の幼体だった。
別の場所でも同じくらいの大きさの幼体がいた。
最初に見たのは背中が褐色だったが、こちらは緑色の個体。
時折雨が降る不安定な天候で、小雨がぱらついていた。
車を低速で走らせていると路上のあちこちに白っぽいものがいくつも目に付いた。
何だろうと降りて近寄るとすべてカエル!
雨で道に出てきたようだ。
そのほとんどが奄美大島、徳之島で見られる日本固有種の「アマミハナサキガエル」。
環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類の希少種だ。
少しして色見が違うのがいたのでまた降りて確認。
何とそれは、今回是非見たいと思っていた緑色が美しい「アマミイシカワガエル」だった。
近年アマミとオキナワの2種に分けられ、境省レッドリスト絶滅危惧ⅠB類に指定されているこちらも希少種。
2枚撮って逃げないようにガードして同行の二人を呼んだ瞬間に大きくジャンプして林内に消えてしまった。
ああっ、何という失態(T_T)
この後も、道の上のカエルたちをよけながら進む。
途中、奄美大島と加計呂麻島のみに生息する日本固有種で環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠB類の「オットンガエル」にも出会った。ヒキガエルかと思ったが、残念ながら撮影する前に逃げられてしまった。
走れば次々と路上にカエルたちが現れ轢かないように注意しながら走ったが、そんなことを知らない人は多くのカエルたちを轢いてしまうだろう。何らかの対策が必要だと思った。
これだけカエルがいればそれを狙うやつもいる。
林道の真ん中にいたのはヘビの「アカマタ」。
車を降りると林内に逃げ込んだので、こんな機会は二度とないと申し訳なかったが尻尾を掴んで引きずり出した。
1mを超えよく太り精悍な顔付きで気性が荒いと聞いていたがまさしくだった。
雨のお陰でたくさんのカエルたちが見られ、運よく一番の目的の哺乳類にも1度出会うことが出来て満足のナイトツアーだった。
2021年10月5日 奄美大島 有隣目カナヘビ科 アオカナヘビ、ナミヘビ科 アカマタ、無尾目アカガエル科 アマミハナサキガエル、アマミイシカワガエル
2021-10-12 21:21
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奄美大島昆虫観察ツアー その3 [昆虫観察ツアー]
3日目は湯湾岳麓にあるフォレストポリスという森林浴公園にある「マテリアの滝」を訪れた。
本当に美しい太陽の滝つぼと称されたこの滝は観光スポットとなっている。
この日は小雨が降ったり晴れ間が出たりと不安定な天候で、太陽の滝つぼは拝めなかった。
若いカップル2組がたて続けに訪れ水着になって滝つぼに入る様はなかなか目のやり場に困った。
ここはインスタ映えで有名な場所なのだろうか?
ここでのターゲットは「リュウキュウハグロトンボ」。
早々にオスが見つかったが遠くて思うように写せず。
かろうじて撮れたピンボケだが、翅表の青が美しかった。
メスは地味だがいつも見掛けるハグロトンボよと比べると胸の緑色が美しい。
滝の近くに複数のオスがいて翅を開いたところを撮ろうと粘ったが残念ながら叶わなかった。
角度によっては翅裏も鮮やかな青に輝いていた。
お昼休憩で停めた駐車場脇の草地で見たことの無い小さなチョウたちが飛び交っていた。
近寄るとこちらもオスは美しい輝く青い翅を持つ「アオタテハモドキ」だった。
図鑑でしか見たことが無く、キタテハより一回り小さいだろうか?
こんなに小さいとは思ってもみなかった。
オスは翅を広げてしきりにメスにアピールしていた。
林道を車で走っているとあちこちでまさに南国を思わせる木を見かけた。
日本最大のシダ植物と言われる「ヒカゲヘゴ」。
樹皮には特徴的な丸い跡が残されていた。
成長と共に葉を落としていった跡、葉痕のようだ。
林道脇に車を停めて木々を眺めていると黒っぽいチョウが来て産卵をしているようだった。
近くの木に飛び移り翅を開いたところを撮って見ると「スミナガシ」だった。
林道の路上にはこの日降った雨を吸いに「ツマベニチョウ」があちこちで見られた。
とにかく敏感で近寄らせてくれないうえ、給水中は翅を閉じて開いてくれない。
ようやく林縁の葉にとまってその美しいオレンジ色を見せてくれた。
この後は夜の林道観察なのだが、その様子は次回に。
2021年10月5日 奄美大島 トンボ目カワトンボ科 リュウキュウハグロトンボ、チョウ目タテハチョウ科 アオタテハモドキ、スミナガシ、シロチョウ科 ツマベニチョウ、ヘゴ目ヘゴ科 ヒカゲヘゴ
本当に美しい太陽の滝つぼと称されたこの滝は観光スポットとなっている。
この日は小雨が降ったり晴れ間が出たりと不安定な天候で、太陽の滝つぼは拝めなかった。
若いカップル2組がたて続けに訪れ水着になって滝つぼに入る様はなかなか目のやり場に困った。
ここはインスタ映えで有名な場所なのだろうか?
ここでのターゲットは「リュウキュウハグロトンボ」。
早々にオスが見つかったが遠くて思うように写せず。
かろうじて撮れたピンボケだが、翅表の青が美しかった。
メスは地味だがいつも見掛けるハグロトンボよと比べると胸の緑色が美しい。
滝の近くに複数のオスがいて翅を開いたところを撮ろうと粘ったが残念ながら叶わなかった。
角度によっては翅裏も鮮やかな青に輝いていた。
お昼休憩で停めた駐車場脇の草地で見たことの無い小さなチョウたちが飛び交っていた。
近寄るとこちらもオスは美しい輝く青い翅を持つ「アオタテハモドキ」だった。
図鑑でしか見たことが無く、キタテハより一回り小さいだろうか?
こんなに小さいとは思ってもみなかった。
オスは翅を広げてしきりにメスにアピールしていた。
林道を車で走っているとあちこちでまさに南国を思わせる木を見かけた。
日本最大のシダ植物と言われる「ヒカゲヘゴ」。
樹皮には特徴的な丸い跡が残されていた。
成長と共に葉を落としていった跡、葉痕のようだ。
林道脇に車を停めて木々を眺めていると黒っぽいチョウが来て産卵をしているようだった。
近くの木に飛び移り翅を開いたところを撮って見ると「スミナガシ」だった。
林道の路上にはこの日降った雨を吸いに「ツマベニチョウ」があちこちで見られた。
とにかく敏感で近寄らせてくれないうえ、給水中は翅を閉じて開いてくれない。
ようやく林縁の葉にとまってその美しいオレンジ色を見せてくれた。
この後は夜の林道観察なのだが、その様子は次回に。
2021年10月5日 奄美大島 トンボ目カワトンボ科 リュウキュウハグロトンボ、チョウ目タテハチョウ科 アオタテハモドキ、スミナガシ、シロチョウ科 ツマベニチョウ、ヘゴ目ヘゴ科 ヒカゲヘゴ
2021-10-11 23:12
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奄美大島昆虫観察ツアー その2 [昆虫観察ツアー]
ツアー2日目は泊まっていた名瀬の町から車で北へ。
途中、山肌が大きく削られて土砂を採掘している光景が目にとまり一体何なのだろうと話題になったが、どうやら辺野古の埋め立てのために採掘しているようだ。豊かな自然を破壊しそこで得たものでさらに自然を破壊することは何ともやりきれない。世界自然遺産に指定されたことでこのような愚行は無くなってくれるのだろうか?
そう思いたい!
着いた先は龍郷町の奄美自然観察の森。
ここで今回のターゲットの一つである虫を探す。
個人的には是非本土では見られないセミの姿と鳴き声を確認することも楽しみの一つだった。
まず、見つけたのは「オオシマゼミ」。
奄美大島、沖縄、久米島などに産し、ツクツクボウシの仲間で最大の種。
頭や胸の緑色が濃く、腹節の青色が美しかった。
図鑑の鳴き声はカンカンカンという金属的な音とあるので実際に聞いて見たかった。
鳴き終わりに連れ間隔が早くなっていくのはまるでウルトラマンのカラータイマーのようだ!
鳴き声はこちら。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
途中、山肌が大きく削られて土砂を採掘している光景が目にとまり一体何なのだろうと話題になったが、どうやら辺野古の埋め立てのために採掘しているようだ。豊かな自然を破壊しそこで得たものでさらに自然を破壊することは何ともやりきれない。世界自然遺産に指定されたことでこのような愚行は無くなってくれるのだろうか?
そう思いたい!
着いた先は龍郷町の奄美自然観察の森。
ここで今回のターゲットの一つである虫を探す。
個人的には是非本土では見られないセミの姿と鳴き声を確認することも楽しみの一つだった。
まず、見つけたのは「オオシマゼミ」。
奄美大島、沖縄、久米島などに産し、ツクツクボウシの仲間で最大の種。
頭や胸の緑色が濃く、腹節の青色が美しかった。
図鑑の鳴き声はカンカンカンという金属的な音とあるので実際に聞いて見たかった。
鳴き終わりに連れ間隔が早くなっていくのはまるでウルトラマンのカラータイマーのようだ!
鳴き声はこちら。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
次は「リュウキュウアブラゼミ」。
my fieldでアブラゼミはポピュラーな存在だが、リュウキュウアブラゼミはどう違うのか?
一見似ていたが、よく見ると前胸背や翅の支脈の緑色が目立つ。
鳴き声は似てはいるがアブラゼミがずっと鳴き続けているのに対して、リュウキュウは鳴き出してから5~10秒で鳴き止み間をおいてまた鳴き出す。聞けば違いは明白だった。
鳴き声はこちら
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
3種目は「クロイワツクツク」。
この種もツクツクボウシの仲間、見た目はそっくりで少し大きい。九州大隅半島から南から久米島まで生息しているが、千葉県では移入種として根付いている。
鳴き声は複数が鳴いてとにかくやかましい印象だった。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
奄美自然観察の森の展望園地からはエメラルドグリーンが素晴らしい龍郷湾が一望できた。
こんな奇麗な色の海を見たのは、いったい何十年ぶりだろうか?
ここからさらに北に向かい蒲生崎観光公園へ。
車を停めて歩き出すと足元からトンボが飛び立った。
ん~、シオカラトンボ?と考えていると新開さんが「ハラボソトンボ」と教えてくれた。
この種は九州から南西諸島にかけて生息し、名のとおり腹部が非常に細いのが特徴。
テリトリーを張っていて何度も飛んでは同じ場所に戻ってきていた。
園路の上の大きな蜘蛛の巣は「オオジョロウグモ」。
存在は知っていたが見るのは今回が初めてで、巣も体もいつも見ているジョロウグモよりも大きく迫力があった。いくつか見たが皆脚が欠けているものが多かった。
歩いていると「イシガケチョウ」が目の前を飛んだ。
タテハチョウの仲間で、幼虫はイヌビワガジュマルなどを食べ近畿地方から南西諸島に分布している。
翅の模様が美しく好きなチョウの一つだがかなり翅が傷んでいた。
この日はいったん宿に戻り、また宿の近くのおがみ山公園へ夜の観察。
前の日に見た「アマミサソリモドキ」がこの日はあちこちで見られ、前脚を伸ばして歩く姿を初めて確認した。
普段は縮めているがまるでザリガニのような大きなハサミを持っていたことにビックリ。
暫くして新開さんがサソリモドキが何かを捕えていると知らせてくれた。
ゴミムシか?バッタか?
よく見るとどうやらゴキブリを捕まえていた。
サソリモドキは捕まえた獲物を消化液で溶かして摂取するようで確かにクモに近い仲間のようだ。
帰り道、草の上が揺れたので何かいるなと目を凝らすと「ヤモリ」だった。
この島の家屋の壁では夜、あちこちでヤモリの姿を目にした。
埼玉県ではニホンヤモリだが、奄美では数種のヤモリがいるようだ。
これが何の種かはわからない。
2021年10月4日 奄美大島 カメムシ目セミ科 オオシマゼミ、リュウキュウアブラゼミ、クロイワツクツク、トンボ目トンボ科 ハラボソトンボ、クモ目ジョロウグモ科 オオジョロウグモ、チョウ目タテハチョウ科 イシガケチョウ、サソリモドキ目サソリモドキ科 アマミサソリモドキ、有隣目ヤモリ科
my fieldでアブラゼミはポピュラーな存在だが、リュウキュウアブラゼミはどう違うのか?
一見似ていたが、よく見ると前胸背や翅の支脈の緑色が目立つ。
鳴き声は似てはいるがアブラゼミがずっと鳴き続けているのに対して、リュウキュウは鳴き出してから5~10秒で鳴き止み間をおいてまた鳴き出す。聞けば違いは明白だった。
鳴き声はこちら
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
3種目は「クロイワツクツク」。
この種もツクツクボウシの仲間、見た目はそっくりで少し大きい。九州大隅半島から南から久米島まで生息しているが、千葉県では移入種として根付いている。
鳴き声は複数が鳴いてとにかくやかましい印象だった。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
奄美自然観察の森の展望園地からはエメラルドグリーンが素晴らしい龍郷湾が一望できた。
こんな奇麗な色の海を見たのは、いったい何十年ぶりだろうか?
ここからさらに北に向かい蒲生崎観光公園へ。
車を停めて歩き出すと足元からトンボが飛び立った。
ん~、シオカラトンボ?と考えていると新開さんが「ハラボソトンボ」と教えてくれた。
この種は九州から南西諸島にかけて生息し、名のとおり腹部が非常に細いのが特徴。
テリトリーを張っていて何度も飛んでは同じ場所に戻ってきていた。
園路の上の大きな蜘蛛の巣は「オオジョロウグモ」。
存在は知っていたが見るのは今回が初めてで、巣も体もいつも見ているジョロウグモよりも大きく迫力があった。いくつか見たが皆脚が欠けているものが多かった。
歩いていると「イシガケチョウ」が目の前を飛んだ。
タテハチョウの仲間で、幼虫はイヌビワガジュマルなどを食べ近畿地方から南西諸島に分布している。
翅の模様が美しく好きなチョウの一つだがかなり翅が傷んでいた。
この日はいったん宿に戻り、また宿の近くのおがみ山公園へ夜の観察。
前の日に見た「アマミサソリモドキ」がこの日はあちこちで見られ、前脚を伸ばして歩く姿を初めて確認した。
普段は縮めているがまるでザリガニのような大きなハサミを持っていたことにビックリ。
暫くして新開さんがサソリモドキが何かを捕えていると知らせてくれた。
ゴミムシか?バッタか?
よく見るとどうやらゴキブリを捕まえていた。
サソリモドキは捕まえた獲物を消化液で溶かして摂取するようで確かにクモに近い仲間のようだ。
帰り道、草の上が揺れたので何かいるなと目を凝らすと「ヤモリ」だった。
この島の家屋の壁では夜、あちこちでヤモリの姿を目にした。
埼玉県ではニホンヤモリだが、奄美では数種のヤモリがいるようだ。
これが何の種かはわからない。
2021年10月4日 奄美大島 カメムシ目セミ科 オオシマゼミ、リュウキュウアブラゼミ、クロイワツクツク、トンボ目トンボ科 ハラボソトンボ、クモ目ジョロウグモ科 オオジョロウグモ、チョウ目タテハチョウ科 イシガケチョウ、サソリモドキ目サソリモドキ科 アマミサソリモドキ、有隣目ヤモリ科
2021-10-10 22:42
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奄美大島昆虫観察ツアー その1 [昆虫観察ツアー]
10月3日から昆虫写真家新開孝さん、絵本作家伊藤知紗さんと奄美大島昆虫観察ツアーに行って来た。
コロナの状況によってはキャンセルも考慮されていたが、運よく緊急事態宣言が解除されたことで決行した。
今までに仕事や旅行で北は北海道最北端から南は九州最南端まで網羅してきたが、鹿児島より南は未踏の地で是非とも行きたかったのだ。
宣言が解除されたばかりだからか羽田のターミナルは思ったほど混んではいなかった。
羽田から奄美大島への直行便は無く、鹿児島空港で乗り継いでのフライト。
鹿児島空港への着陸航路から見えた霧島連山は絶景だった。
左の尖ったのは高千穂峰だろうか?
乗り継ぎ待ちの時間が長く、羽田を出たのが13時で奄美大島に着いたのは18時。
名瀬のホテルに一旦チェックインして近くのおがみ山公園で灯り巡りと出掛けたものの、灯りが全く無く懐中電灯で園路周りを照らして歩いた。
葉の上にいた白い小さな蛾。
九州から台湾にかけて分布している「コウセンポシロノメイガ」のようだ。
幼虫の食草はクワ科らしい。
葉上で何かを食べていたたぶん「コバネコロギス」の幼虫。
柵があってちょっと遠かった。
こちらも葉上にいた小さなヒシバッタの仲間。
とりあえず撮ってあとで調べたら、奄美大島、徳之島で見られる「アマミヒラタヒシバッタ」。
前胸が左右に大きく張り出しているのが特徴。
最も多かったのは奄美大島以南に分布する「マダラコオロギ」。
あちこちに群れており低木や下草上で見られた。
一見姿はコオロギだが分類はマツムシ科だ。シッ、シッと鳴くらしいが鳴き声は気付かなかった。
写真は産卵器のあるメス。
園路脇の崖に灯りを当てるとさっと動いて隠れる黒い影。
今回見たかった1つの「アマミサソリモドキ」だ。
大きなハサミとお尻に長い角があり一見サソリのようだが、全く異なり分類上はクモの仲間に近い。
オキナワにいるのはタイワンサソリモドキという近縁種らしい。
たたんだハサミが大きな目のように見えて、この部分がどうなっているのか見たかったがそれは後日に。
真っ暗な中、樹上で見つかったのはまるで小さな恐竜のような「オキナワキノボリトカゲ」。
遠くてこれが付けていたレンズでは精いっぱい。
こんな種を見ると南の島へ来たなぁと実感!
見るのも嫌という方も多いかもしれないが、日本では最大級のG。
九州南部から沖縄にかけて見られる「ワモンゴキブリ」。
胸の輪のような紋が特徴。
こんな季節に黄色い小さな灯りがふわふわと飛んでいた。
捕まえて見るとやはりホタル。
似た種にオキナワスジボタルがいるが大きさから「クロイワボタル」だろう。
公園の草地でもあちこちで点滅していて、こんな時期にホタルが見られるのも南国ならではなのだろう。
2021年10月3日 鹿児島県 チョウ目ツトガ科 コウセンポシロノメイガ、バッタ目コロギス科 コバネコロギス、ヒシバッタ科 アマミヒラタヒシバッタ、マツムシ科 マダラコオロギ、サソリモドキ目サソリモドキ科 アマミサソリモドキ、有隣目アガマ科 オキナワキノボリトカゲ、ゴキブリ目ゴキブリ科 ワモンゴキブリ、コウチュウ目ホタル科 クロイワボタル
コロナの状況によってはキャンセルも考慮されていたが、運よく緊急事態宣言が解除されたことで決行した。
今までに仕事や旅行で北は北海道最北端から南は九州最南端まで網羅してきたが、鹿児島より南は未踏の地で是非とも行きたかったのだ。
宣言が解除されたばかりだからか羽田のターミナルは思ったほど混んではいなかった。
羽田から奄美大島への直行便は無く、鹿児島空港で乗り継いでのフライト。
鹿児島空港への着陸航路から見えた霧島連山は絶景だった。
左の尖ったのは高千穂峰だろうか?
乗り継ぎ待ちの時間が長く、羽田を出たのが13時で奄美大島に着いたのは18時。
名瀬のホテルに一旦チェックインして近くのおがみ山公園で灯り巡りと出掛けたものの、灯りが全く無く懐中電灯で園路周りを照らして歩いた。
葉の上にいた白い小さな蛾。
九州から台湾にかけて分布している「コウセンポシロノメイガ」のようだ。
幼虫の食草はクワ科らしい。
葉上で何かを食べていたたぶん「コバネコロギス」の幼虫。
柵があってちょっと遠かった。
こちらも葉上にいた小さなヒシバッタの仲間。
とりあえず撮ってあとで調べたら、奄美大島、徳之島で見られる「アマミヒラタヒシバッタ」。
前胸が左右に大きく張り出しているのが特徴。
最も多かったのは奄美大島以南に分布する「マダラコオロギ」。
あちこちに群れており低木や下草上で見られた。
一見姿はコオロギだが分類はマツムシ科だ。シッ、シッと鳴くらしいが鳴き声は気付かなかった。
写真は産卵器のあるメス。
園路脇の崖に灯りを当てるとさっと動いて隠れる黒い影。
今回見たかった1つの「アマミサソリモドキ」だ。
大きなハサミとお尻に長い角があり一見サソリのようだが、全く異なり分類上はクモの仲間に近い。
オキナワにいるのはタイワンサソリモドキという近縁種らしい。
たたんだハサミが大きな目のように見えて、この部分がどうなっているのか見たかったがそれは後日に。
真っ暗な中、樹上で見つかったのはまるで小さな恐竜のような「オキナワキノボリトカゲ」。
遠くてこれが付けていたレンズでは精いっぱい。
こんな種を見ると南の島へ来たなぁと実感!
見るのも嫌という方も多いかもしれないが、日本では最大級のG。
九州南部から沖縄にかけて見られる「ワモンゴキブリ」。
胸の輪のような紋が特徴。
こんな季節に黄色い小さな灯りがふわふわと飛んでいた。
捕まえて見るとやはりホタル。
似た種にオキナワスジボタルがいるが大きさから「クロイワボタル」だろう。
公園の草地でもあちこちで点滅していて、こんな時期にホタルが見られるのも南国ならではなのだろう。
2021年10月3日 鹿児島県 チョウ目ツトガ科 コウセンポシロノメイガ、バッタ目コロギス科 コバネコロギス、ヒシバッタ科 アマミヒラタヒシバッタ、マツムシ科 マダラコオロギ、サソリモドキ目サソリモドキ科 アマミサソリモドキ、有隣目アガマ科 オキナワキノボリトカゲ、ゴキブリ目ゴキブリ科 ワモンゴキブリ、コウチュウ目ホタル科 クロイワボタル
2021-10-09 19:32
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九州昆虫観察ツアー 宮崎 [昆虫観察ツアー]
最後5種目のターゲットは「オオカマキリモドキ」だった。
カマキリモドキの仲間はカマキリのような前脚を持ち、夜行性で小さな昆虫などを捕食する。
関東ではキカマキリモドキやヒメカマキリモドキが見られるが、オオカマキリモドキは四国や九州にのみ分布する。
新開さんによるとfieldのカキの木で数日前に数頭見られたとの事だったが、夜、昼と探したが残念ながら今回は見つからなかった。事前に採集していたものを見せていただいたが、見つかるだろうと残念ながら写真を撮っていなかった。
代わりに夜、探索中に見つけた高所のカキの実を吸汁しているガの仲間の「イチジクヒトリモドキ」を貼っておく。南方系のなかなかの美麗種で、幼虫はイチジクやイヌビワを食べる。
当初のターゲットではなかったが、最終日新開さんご自宅の林で「ニホンホホビロコメツキモドキ」の探索を行った。ニホンホホビロコメツキモドキはオオキノコムシ科に属し大きさは2㎝弱とコメツキモドキの仲間では最大。メダケ、リュウキュウチク、アズマネザサなどの枯れた竹に集まり、成虫は春から秋にかけて見られる。一度は見ておきたい種だった。
メスは竹の1節に1つ産卵し、方形で両側に窪みのある特徴的な産卵痕を残す。
幼虫は節内で蛹となり羽化して内側から方形の穴をあけて脱出する。
その羽脱痕がこちら。
林内の枯れた竹をかなりの数切り出していただいたが、産卵痕はあるもののなかなか見つからない。
そろそろタイムアップというところでようやく幼虫が見つかった。
この竹の中で幼虫は一体何を食べているのかと思ったが、メスが産卵時に酵母菌を内部に植え付け幼虫が内部を動き回ることで菌を広げそれが餌となっていることがわかってきたそうだ。
間もなくたて続けに成虫も見つかったのだが、何と春に脱出するための僅かに材を残した方形の穴を既にこの時期に掘っていたのにはびっくりした。
この虫の大きな特徴はメスの頭部が非対称で左側に大きく肥大している事だ。
初めて見たが確かに不思議な容姿である。
一方、オスはほぼ対象なことからメスのみ行う産卵行動に関連しているようだ。
こちらが顔がスリムなオス。
1本の竹を割ると根元の太い節間から大きい成虫、先にいくに従って細くなる節間の太さと比例して小さな成虫が5頭でてきた。まるでマトリョーシカみたいと皆で笑いあったのだった。
この種は北は岩手県まで分布しており、関東ではアズマネザサに依存していると思われ是非fieldでも見つけてみたい。
帰りの飛行機から見た夕景はそれはそれは美しかった。
2020年10月2日 宮崎県 チョウ目ヤガ科 イチジクヒトリモドキ、コウチュウ目オオキノコムシ科 ニホンホホビロコメツキモドキ
カマキリモドキの仲間はカマキリのような前脚を持ち、夜行性で小さな昆虫などを捕食する。
関東ではキカマキリモドキやヒメカマキリモドキが見られるが、オオカマキリモドキは四国や九州にのみ分布する。
新開さんによるとfieldのカキの木で数日前に数頭見られたとの事だったが、夜、昼と探したが残念ながら今回は見つからなかった。事前に採集していたものを見せていただいたが、見つかるだろうと残念ながら写真を撮っていなかった。
代わりに夜、探索中に見つけた高所のカキの実を吸汁しているガの仲間の「イチジクヒトリモドキ」を貼っておく。南方系のなかなかの美麗種で、幼虫はイチジクやイヌビワを食べる。
当初のターゲットではなかったが、最終日新開さんご自宅の林で「ニホンホホビロコメツキモドキ」の探索を行った。ニホンホホビロコメツキモドキはオオキノコムシ科に属し大きさは2㎝弱とコメツキモドキの仲間では最大。メダケ、リュウキュウチク、アズマネザサなどの枯れた竹に集まり、成虫は春から秋にかけて見られる。一度は見ておきたい種だった。
メスは竹の1節に1つ産卵し、方形で両側に窪みのある特徴的な産卵痕を残す。
幼虫は節内で蛹となり羽化して内側から方形の穴をあけて脱出する。
その羽脱痕がこちら。
林内の枯れた竹をかなりの数切り出していただいたが、産卵痕はあるもののなかなか見つからない。
そろそろタイムアップというところでようやく幼虫が見つかった。
この竹の中で幼虫は一体何を食べているのかと思ったが、メスが産卵時に酵母菌を内部に植え付け幼虫が内部を動き回ることで菌を広げそれが餌となっていることがわかってきたそうだ。
間もなくたて続けに成虫も見つかったのだが、何と春に脱出するための僅かに材を残した方形の穴を既にこの時期に掘っていたのにはびっくりした。
この虫の大きな特徴はメスの頭部が非対称で左側に大きく肥大している事だ。
初めて見たが確かに不思議な容姿である。
一方、オスはほぼ対象なことからメスのみ行う産卵行動に関連しているようだ。
こちらが顔がスリムなオス。
1本の竹を割ると根元の太い節間から大きい成虫、先にいくに従って細くなる節間の太さと比例して小さな成虫が5頭でてきた。まるでマトリョーシカみたいと皆で笑いあったのだった。
この種は北は岩手県まで分布しており、関東ではアズマネザサに依存していると思われ是非fieldでも見つけてみたい。
帰りの飛行機から見た夕景はそれはそれは美しかった。
2020年10月2日 宮崎県 チョウ目ヤガ科 イチジクヒトリモドキ、コウチュウ目オオキノコムシ科 ニホンホホビロコメツキモドキ
2020-10-08 19:22
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九州昆虫観察ツアー 日南 [昆虫観察ツアー]
4種目のターゲットを求めて日南市へ。
現地で「みなみかぜ通信」のYさんにご案内いただき、群生したホウライチクに付くツノアブラムシの1種を捕食しているという。白いアブラムシの中にいる小さな赤いのは兵隊アブラムシだそうだ。
これがなかなか見つからなかったが、見つけたのはやはりYさん。
ターゲットは日本三大オオテントウ(個人で勝手にグルーピング)の一種、大きさ約12mmとナナホシテントウの約1.5倍の「オオテントウ」だ。
過去にカメノコテントウ、ハラグロオオテントウは見ているが、この種はfieldにいないので未見だったのだ。
幼虫は比較的多く見られ、写真の大きいのは脱皮中のようだった。
ツノアブラムシのコロニー近くに産み付けられた艶のある奇麗な黄色の卵も見つかった。
海岸線に移動してオオバナノセンダングサを見ていると、南西諸島や九州南部に分布している「クロボシセセリ」がいた。イチモンジセセリの後翅の白斑が黒い感じだ。幼虫の食草がヤシ科なのでヤシの仲間があるところにしかいない。
卵も面白いと教えていただいた。
確かに卵とは思えない目を惹くデザインだ。
葉上にウラナミシジミ?何か違うと思ったらこちらも南西諸島や九州南部で見られる「クロマダラソテツシジミ」だった。近年、関東の湾岸部でも確認されている。
花に来たオオスカシバと思いきやこれは「リュウキュウオオスカシバ」だという。
幼虫の食樹はオオスカシバと同じクチナシやギョクシンカ、ツキヌキニンドウ、タニワタリノキ。
海を見ると千畳敷の向こうに陸続きの島。
和むいい景色だった。
2020年10月1日 宮崎県 コウチュウ目テントウムシ科 オオテントウ、チョウ目セセリチョウ科 クロボシセセリ、シジミチョウ科 クロマダラソテツシジミ、チョウ目スズメガ科 リュウキュウオオスカシバ
現地で「みなみかぜ通信」のYさんにご案内いただき、群生したホウライチクに付くツノアブラムシの1種を捕食しているという。白いアブラムシの中にいる小さな赤いのは兵隊アブラムシだそうだ。
これがなかなか見つからなかったが、見つけたのはやはりYさん。
ターゲットは日本三大オオテントウ(個人で勝手にグルーピング)の一種、大きさ約12mmとナナホシテントウの約1.5倍の「オオテントウ」だ。
過去にカメノコテントウ、ハラグロオオテントウは見ているが、この種はfieldにいないので未見だったのだ。
幼虫は比較的多く見られ、写真の大きいのは脱皮中のようだった。
ツノアブラムシのコロニー近くに産み付けられた艶のある奇麗な黄色の卵も見つかった。
海岸線に移動してオオバナノセンダングサを見ていると、南西諸島や九州南部に分布している「クロボシセセリ」がいた。イチモンジセセリの後翅の白斑が黒い感じだ。幼虫の食草がヤシ科なのでヤシの仲間があるところにしかいない。
卵も面白いと教えていただいた。
確かに卵とは思えない目を惹くデザインだ。
葉上にウラナミシジミ?何か違うと思ったらこちらも南西諸島や九州南部で見られる「クロマダラソテツシジミ」だった。近年、関東の湾岸部でも確認されている。
花に来たオオスカシバと思いきやこれは「リュウキュウオオスカシバ」だという。
幼虫の食樹はオオスカシバと同じクチナシやギョクシンカ、ツキヌキニンドウ、タニワタリノキ。
海を見ると千畳敷の向こうに陸続きの島。
和むいい景色だった。
2020年10月1日 宮崎県 コウチュウ目テントウムシ科 オオテントウ、チョウ目セセリチョウ科 クロボシセセリ、シジミチョウ科 クロマダラソテツシジミ、チョウ目スズメガ科 リュウキュウオオスカシバ
2020-10-07 19:45
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