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中国原産の外来セミ タケオオツクツクの抜け殻 [カメムシ目]

先日お邪魔したお宅の庭の隅に作られた抜いた雑草を入れる囲いの中に大きなセミの抜け殻があった。
埼玉県の一部で数年前から発生している中国原産の外来種「タケオオツクツク」の抜け殻だという。
よろしかったらどうぞと言われていただいてきた。

タケオオツクツクは2016年に埼玉県で初めて確認された中国原産のセミで、モウソウチクやマダケなどのタケ類をホストとする。大きさは日本最大級のクマゼミとほぼ同等、発生時期は7月下旬から8月上旬がピークで日没後1時間程度と早朝に鳴く。6年1世代だそうだ。

侵入経路は卵の産み付けられた中国製の竹箒ではないかと言われており、そうであればムネアカハラビロカマキリと同じだ。

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気になっているセミなのだが、残念ながら自身まだその姿や鳴き声を見たことも聞いたことも無い。

成虫の姿は昆虫写真家の森上信夫さんのブログで紹介されている。
鳴き声は埼玉昆虫談話会のHPで聞くことが出来る。(TOPページ左「会誌寄せ蛾記」→上部の「連動記事」をクリック)


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抜け殻のサイズはアブラゼミより一回り大きく、手持ちのクマゼミと比べると少し小さかったが個体差かもしれない。

このセミの抜け殻の特徴は腹部先端が尖っている事で、これはクマゼミやアブラゼミ、ミンミンゼミにはないので種を特定するのに役立つ。
タケオオツクツク0808-4.JPG



















クマゼミ(右)とアブラゼミ(左)の抜け殻と並べてみた。

このセミの侵入経路が中国製の竹箒であれば、ひょっとしたら既にあちこちの寺社などの竹林に定着している可能性がある。鳴く時間が日没後と早朝なので気付きにくいと思われ、今後新たな産地が見つかる可能性が高い。
是非、みなさんの周りの竹林で、その時間聞きなれない声がしていないか、チェックして欲しい!


(タケオオツクツクの情報は埼玉昆虫談話会「寄せ蛾記」から)
タケオオツクツク0808-3.JPG



















2019年8月8日 埼玉県 カメムシ目セミ科 タケオオツクツク

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