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クリの花のレストランは大繁盛 チョウ [チョウ目]

毎年楽しみにしているクリの木の花が咲いて満開だ。
独特の匂いで季節を感じさせてくれる。
この花を楽しみにしているのは人ではなく虫たちで、花に集まる虫たちを楽しみにしている人たちはとりまきだ。
クリ0607_1.jpg



















この日のクリの花のレストランのチョウのお客様をご紹介。

最も多いお客は「メスグロヒョウモン」のオスたち。
珍しい種がいないか目を凝らしても、どれを見てもメスグロのオスばかり。
メスグロヒョウモン0607-1_1.jpg



















そんな中、僅かに2頭だけメスがいた。
蜜を吸っているオスたちがいい寄ってきてなかなか落ち着いて食事にありつけないようだった。
右下はテングチョウ。
メスグロヒョウモン0607-2_1.jpg



















ヒョウモンの仲間では他に「ミドリヒョウモン」を1頭だけ見つけた。
普通種ではあるがメスグロばかりなので、ちょっと嬉しい。
ミドリヒョウモン0607_1.jpg



















今年はイチモンジチョウも例年以上によく見られ、クリの花にもやって来ていた。
イチモンジチョウ0607_1.jpg



















そろそろ終盤の「アカシジミ」もあちらこちらで。
ウラナミアカシジミはたまたまだろうが見つけられなかった。
アカシジミ0607_1.jpg



















シジミチョウの仲間では一瞬ウラゴマダラシジミかと思った「ルリシジミ」。
1年で今の時期に最もよく見られると思う。
ルリシジミ0607_1.jpg



















セセリチョウの仲間で多かったのが翅裏のジグザグの白斑が特徴の「オオチャバネセセリ」。
普段はせわしなく飛び回っているが、この時ばかりは蜜の味をじっくりと堪能していたようだ。
オオイチモンジセセリ0706_1.jpg



















翅色の明るい「キマダラセセリ」もぽつぽつご来店。
キマダラセセリ0607_1.jpg



















成虫越冬のキタテハの今年生まれの新成虫も多くご来店だ。
右はメスグロのオス、手前はイチモンジチョウ。
キタテハ0607_1.jpg



















普段シロツメクサの常連「スジグロシロチョウ」もこの時ばかりは季節限定のレストランへ。
スジグロシロチョウ0607_1.jpg



















ちょっと珍しいなと思った珍客その1「キアゲハ」。
この後、蜜を吸っていたが残念ながらお見せできないピンボケ写真だった。
キアゲハ0607_1.jpg



















珍客その2は春型の「アカボシゴマダラ」。
この個体、とにかく大きく、数年前に時々オオゴマダラがいたとの話を聞いたが、まずこのチョウの見間違いに違いない。
それほど大きいということ!
雑木林の昆虫酒場ではよく見かけるが、クリの花にも来るんだなぁ。
アカボシゴマダラ0607_1.jpg



















2018年6月7日 東京都 チョウ目タテハチョウ科 メスグロヒョウモン、ミドリヒョウモン、テングチョウ、イチモンジチョウ、キタテハ、アカボシゴマダラ、シジミチョウ科 アカシジミ、ルリシジミ、セセリチョウ科 オオチャバネセセリ、キマダラセセリ、シロチョウ科 スジグロシロチョウ、アゲハチョウ科 キアゲハ

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道を横断 ウスタビガの幼虫 [チョウ目]

雑木林の間の舗装された道を「ウスタビガ」の終令幼虫が歩いていた。
この色なので道の上ではとにかく目立つ。
体に寄生された痕もなくとても綺麗な個体だ。
ウスタビガ0605-1_1.jpg



















車は通らないが、人に踏まれる可能性もあるので林縁に放した。
つまみ上げるとキューキューと鳴いた。
敵に襲われた時にこの声で威嚇するのだろうが、果たして効果があるのだろうか?
ウスタビガ0605-2_1.jpg



















そろそろ蛹になる頃、ヤマカマスとも言われる形が特徴的な緑色の繭は葉が茂っている季節は色が保護色となって見つけるのが難しい。
葉が落ちて繭が目立つ頃にはすでに羽化していて中はもぬけの殻、うまく考えたものだ。
ウスタビガ繭_1.jpg



















成虫は10-11月頃に見られ、翅を開くと10cmほどで翅に半透明の目玉模様を持つもふもふの蛾だ。
無事に蛹から成虫になって ウスタビガの恩返し? 変身した姿を再び見せて欲しい!
ウスタビガ成虫_1.jpg



















2018年6月5日 東京都 チョウ目ヤママユガ科 ウスタビガ

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鳥たちの巣立ちの季節 ハシブトガラス [鳥類]

歩いていると目の前に「ハシブトガラス」がいた。
いつも見るすらっとした姿とは何だか違いやぼったい。
樹上では、カァカァと煩いほどの鳴き声が聞こえる。
ハシブトガラス0605-1_1.jpg



















どうやらハシブトガラスの巣立った雛のようだ。

尾羽が短く目が青いのも巣立ち雛の特徴。
樹上で騒がしいのは子を守るために親が威嚇していたのだった。
こういった場合、親が攻撃してくる可能性もあるので、近づかず速やかに通り過ぎる事が望ましい。
ハシブトガラス0605-2_1.jpg



















今の時期、シジュウカラやエナガなども巣立った雛が枝先で親に餌をねだる姿がよく見られる。
シジュウカラやスズメなどの巣立ち雛はあまり飛べずに道にいたりすることがあるが、親がしっかり見守っているので基本的には手を貸さない事だ。
毎年、日本野鳥の会ではHPで雛とのかかわり方を紹介しているので詳細はこちらで。

産毛の残るあまり飛べない何とも愛らしい雛を見つけてしまったら、つい手を差し伸べてしまいたくなるのが人情だが、そこは我慢なのである。

2018年5月6日 東京都 スズメ目カラス科 ハシブトガラス

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雑木林の掃除屋たち [自然]

6月6日の今日、関東も梅雨入りし一日雨模様だった。
晴れ間が待ち遠しい季節になった。

先週の雨上がりに見つけたナメクジ、今頃喜んでいるのだろう。
ナメクジ0531_1.jpg



















足元には「オオヒラタシデムシ」。
地面を歩き回って主にミミズや生きものの死体などを好んで食べるシデムシの仲間で、森の掃除屋、スカベンジャーと呼ばれ雑木林では重要な役割を担っている。
同じ種で地域によって飛ぶものと飛べないものがいる事はとても興味深い。
翅の下の腹部上面はとてもきれいな青色なのだが、なかなか見る事は出来ない。
オオヒラタシデムシ0531_1.jpg



















草の上にとまっていたのは「ヤマトシリアゲ」のメス。
こちらも主に死んだ虫を餌とする掃除屋さんだ。
弱って死にかけた虫やクモの巣にかかった虫を食べているところを見掛けるが、元気なものに襲い掛かり捕食することはないと思っている。
オスは腹部先端にハサミを持ちサソリのようにあげている事から名が付いたのだろう。
年に2回発生し、夏以降に見られる個体は体がベッコウ色をしていてまるで別種のようだ。
ヤマトシリアゲ0531_1.jpg



















2018年5月31日 埼玉県 コウチュウ目シデムシ科 オオヒラタシデムシ、シリアゲムシ目シリアゲムシ科 ヤマトシリアゲ

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煌めくblueが美しい シロシタホタルガ [チョウ目]

今の時期、サワフタギの木の周りにたくさんの蛾たちが見られる。
マダラガ科の仲間の「シロシタホタルガ」だ
近い種にはホタルガがいて幼虫の食樹はヒサカキなどで丘陵にはたくさんあり、圧倒的にホタルガの方が多く見られる。
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いでたちはとてもよく似ているが、シロシタの翅の白い線が横に走っているのに対してホタルガは白い線が斜め下に走っているので識別ができる。
さらには体に纏うこの煌めくblue、ホタルガにはここまでの輝きは無い。
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頭が赤い事、ホタルの時期に現れる事からかホタルと名付けられているが、光りはせずともホタルを超える身体の美しさだと思う。
ご本家のホタルガはこの種より少し遅れてもうすぐ発生するだろう。
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2018年6月5日 東京都 チョウ目マダラガ科 シロシタホタルガ

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湿地のキリギリス、ヒメギス [バッタ目]

湿地を歩いていると何かが葉上から逃げていく。
その正体は「ヒメギス」だった。
キリギリスの仲間で、湿地などで見られ成虫は夏にシリシリシリ♪と鳴く。

色彩変化もあり、これは褐色型の幼虫。

バッタやキリギリスの仲間は一部例外があるが翅が腹端まであるかどうかで成虫か判断する。
翅が無いので幼虫だ。
ヒメギスにはもう1種、翅が短いコバネヒメギスがいて湿地ではなく乾燥した場所に生息している。
名前の通り成虫になっても翅が短い。
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こちらはヒメギスの黒色型で、色は違えど同じ種類だ。
葉を食べている間は夢中なのか、全く逃げずにいてくれた。
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2018年5月31日 埼玉県 バッタ目キリギリス科 ヒメギス

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薪場にいた愛嬌者 アズマヒキガエル [両生類]

キイロトラカミキリのいた薪場で何かいないか探していると、足元から大きなものが飛び跳ねた。
ん~?
跳ねた先にいたのは最大級の「アズマヒキガエル」だった。
これだけ大きいのは久しぶりに見た。
アズマヒキガエル0531-1_1.jpg



















春先に産卵のために水場に集まってくる頃はよく見掛けたが、その後はめっきり出会う機会がなかった。
雨が降ったので出てきたのだろう。
じっとしていたのでそぉっと回り込んで数枚撮っていると、危険を感じたのか薪の方へジャンプ ジャンプ!
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どうするかと見ていると、薪を登りはじめた。
どうやら薪の間の隙間に隠れようとしているようだ。
この伸ばした足が可愛い!
うまく登れず何度も繰り返すその姿は、不器用な人間と重なった。
それが自分だったりするのだが、こういったところを見るとどうにも憎めないんだなぁ!
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2018年5月31日 無尾目ヒキガエル科 アズマヒキガエル

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薪にキイロトラカミキリ [コウチュウ目]

伐採した木を薪にして積んだ薪場。
その昔はあちこちでこんな風景が見られたのだろう。
里山の雑木林は、15-20年のローテーションで切られて人々の生活の糧となった。
そのお蔭で若い林から老熟した林まで様々な環境があり、それぞれを好むたくさんの生き物たちが見られただろう。
燃料革命以降、里山の雑木林はすっかり役割を失い全国的に老熟した林ばかりになってしまった。
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積まれた薪に何かいないかと見ていると、小さなカミキリムシが目に付いた。
裸眼ではよくわからなかったが、ファインダーを覗くと「キイロトラカミキリ」だった。
キイロトラカミキリ0531-1_1.jpg



















図鑑を見るとクリの花や広葉樹の枯れ木に集まるそうだ。
探すと2頭が見つかった。
脚が長いので注意しないと脚先がフレームアウトしてしまう。
キイロトラカミキリ0531-2_1.jpg



















トラカミキリの仲間はあわただしく歩き回り撮影するのに苦労するが、この日は共にじっとしていてくれた。

クリの花が咲き始めたので、花でまた出会えるかもしれない。
キイロトラカミキリ0531-3_1.jpg



















2018年5月31日 埼玉県 コウチュウ目カミキリムシ科 キイロトラカミキリ

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ジョウカイボンの仲間では深い青が美しい アオジョウカイ [コウチュウ目]

湿地の葉上からこちらを見ているちょっとコミカルな顔の虫。
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正面からよく見ると大きな顎があることから肉食性がうかがえ、コミカルな顔からは想像できない小さな虫たちにとっては天敵だ。花粉なども食べるところがちょっと愛らしいか。
体長2cmほどで深い青と胸を縁取る黄色のコントラストが美しい「アオジョウカイ」。
ジョウカイボンという虫の仲間で、分類的にはホタルの仲間に近く前翅なども柔らかい。
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ジョウカイボンの仲間は大小非常に多いがまだはっきりとした同定がなされていないものもあり、研究者に期待したい虫の1種で個人的にはジョウカイボン図鑑がぜひ欲しい。
アオジョウカイ0531-2_1.jpg



















こちらがよく見るご本家の「ジョウカイボン」。
変な名前の由来はこちら
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2018年5月31日 埼玉県 コウチュウ目ジョウカイボン科 アオジョウカイ

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