SSブログ

田んぼの周りでは [季節]

朝から曇り空でいつ雨が降ってもおかしくないような空模様。
少しの間、田んぼの周辺を歩いてみた。

畔では「オンブバッタ」が名前の通りメスがオスをおんぶしていた。
交尾はしていなかったが、オスはこのメスをキープなのだろう。
オンブバッタ0914_1.jpg


















曇り空でも元気だったのは「ヤマトシジミ」たち。
陽は射していないが翅を広げているもの
ヤマトシジミ0914-1_1.jpg


















草にとまって動かず眠りについている?もの
ヤマトシジミ0914_1.jpg



























メスにアピールしているもの 
シャッターを押した瞬間メスがフレームアウトしてしまった・・・ 申し訳ない!
ヤマトシジミ0914-2_1.jpg


















草陰で獲物をじっと待つ「ナガコガネグモ」。
オンブバッタもヤマトシジミもこの網に掛かったら、逃れられずに命を落としてしまう。
刹那が死と隣り合わせ、それぞれが生きるためであるとはいえ何とも厳しい世界だ。
ナガコガネグモ0914_1.jpg


















2015年9月14日 埼玉県
バッタ目オンブバッタ科 オンブバッタ
チョウ目シジミチョウ科 ヤマトシジミ
クモ目コガネグモ科 ナガコガネグモ           CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM

タラノキのセンノカミキリ [コウチュウ目]

タラノキにたくさんカミキリムシがいると教えていただいた。
数本の小さなタラノキがあったが、何故かそのうちの1本に5頭ほどのカミキリムシが集まっていた。
例年この木の前はしょっちゅう通っているが、今まで気付かなかった。
幹に古い食痕が見られるので、毎年発生しているようだ。
調べたらウコギ科の植物に集まる「センノカミキリ」だった。
センノカミキリ0913-2_1.jpg


















こちらは上の個体より体は大きいが、触角が長いのでオスだろう。
タラノキはそれほど多くはないので、食害により枯れてしまえばこのカミキリ自体も見られなくなっていくのではとちょっと心配になってしまう。
センノカミキリ0913-1_1.jpg


















2015年9月13日 東京都
コウチュウ目カミキリムシ科 センノカミキリ  CANON EOS70D EF8-10mm F4LフィッシュアイUSM/MT-24EX


草の中のバッタは見つけにくい [バッタ目]

先日見つけたシンジュサンの幼虫を撮り直しに行ってみたが、残念ながらいなくなっていた。
周囲の木にも姿がなく、周りにガビチョウがいたので鳥に食べられたのか、人に見つかって持ち去られたか。
シンジュサンの蛹化は樹上であり、地面に降りることは考えにくい。
大きさ的にも蛹化にはまだ早いと思うのだが・・・。

気を取り直して草地に行ってみた。
歩くとイナゴたちが飛び跳ねる。
以前は、コバネイナゴが多かったが今年はほとんどが「ハネナガイナゴ」と思われる個体ばかり。
コバネはどこへ?
ハネナガイナゴ0913_1.jpg


















「ショウリョウバッタ」もすっかり成虫になった。
特にメスは、トノサマバッタ、タイワンツチイナゴと並んで日本最大級の大きさ。
威風堂々といったところだ。
ショウリョウバッタ0913_1.jpg


















オギの葉で見つけた「サトクダマキモドキ」。
一枚撮るとこちらの気配にあっという間に奥のオギへ飛んで行ってしまった。
この後、通り過ぎたオギから別のサトクダマキモドキであろう、100m以上も離れた雑木林のコナラに飛び去った。
飛ぶのは得意、じっくり撮りたかったのにとても残念だった。

これら3種とも、とまっている植物と色が似ていてよく見て歩かないと意外と気付かないものだ。
サトクダマキモドキ0913_1.jpg


















2015年9月13日 東京都
バッタ目バッタ科 ハネナガイナゴ、ショウリョウバッタ
バッタ目ツユムシ科 サトクダマキモドキ        CANON EOS70D EF8-10mm F4LフィッシュアイUSM/MT-24EX


ゴンズイの葉を食うものは? [チョウ目]

園路脇に葉っぱをかなり食われたゴンズイの若木を見つけた。
おや ゴンズイを食べるとはいったい何者の仕業か?
探してみるとすぐに見つかった。
写真の中に犯人がいるのだが、おわかりだろうか。シンジュサン0910_1.jpg



















葉っぱを食べていたのは、まるでフィギアのような「シンジュサン」の幼虫だった。
成虫は一度も見たことがなく、今シーズンは見たいとずっと探していたが叶わずじまい。
そうはいっても幼虫も過去に数回しか見ていないので、うれしい再開だ。
シンジュやニガキを食べると思っていたが、調べるとミカン科、ブナ科、エゴノキ科なども食べる広食性とのこと。
ミツバウツギ科のゴンズイも食べるのは新たな発見だった。

葉を揺らすと、体を縮めて頭を下げた。
まるで人見知りをする子供のようでかわいい。
シンジュサン0910-2_1.jpg


















顔がよく見えないので枝を寄せて撮ってみた。
茎と葉の間から覗く顔がさらにかわいい!
かわいいとは思うのだが、どうにもいもむしは触れないのだった。
シンジュサン0910-1_1.jpg


















2015年9月10日 東京都
チョウ目ヤママユガ科 シンジュサン


コエビガラスズメ [チョウ目]

先日夜、食料調達に近所のスーパーに立ち寄ったところ入口地面にいた見慣れないスズメガの仲間。
持ち帰り調べると「コエビガラスズメ」だった。
エビガラスズメはfieldで何度も見ているが、この種は初めて。
コエビガラスズメ0905-2_1_1.jpg


















エビガラスズメより翅のデザインはかっこいい!
幼虫の食草は、イヌツゲ、イボタノキ、ガマズミ、ユキヤナギなどだそうだ。
撮影した後、玄関の壁にとまらせていたら2日経っていなくなった。
よほど居心地がよかったのだろうか?
コエビガラスズメ0905_1_1.jpg


















追記 腹部のピンク色はエビガラスズメと似ているな。
コエビガラスズメ0905-1_1_1_1.jpg



















2015年9月5日 埼玉県
チョウ目スズメガ科 コエビガラスズメ  CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX


オオチャバネセセリ [チョウ目]

キツネノマゴが開花して、花から花へ飛び回るセセリチョウたち。
最も目にとまるのはイチモンジセセリだが、よく見ると後翅裏の白斑がジグザクのものがいる。
イチモンジセセリはその名の通り白斑が一文字に並ぶが、ジグザクは「オオチャバネセセリ」だ。
オオチャバネセセリ0905_1.jpg


















この日は曇りで今にも泣きだしそうな空だったが、それでも花から花へ蜜を求めて飛び回っていた。
外見はほとんど変わらず、翅の白斑の並びで種が違うとは。
どちらか白斑の並びだけでは判断が付きづらいものもいるのは悩ましい。
オオチャバネセセリ0905-1_1.jpg


















イチモンジセセリが見られる前から姿を見かけるオオチャバネセセリ。
この仲間ではよく見られるセセリチョウの1種だ。
オオチャバネセセリ0905-2_1.jpg


















2015年9月5日 埼玉県
チョウ目セセリチョウ科 オオチャバネセセリ       CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM

ハネナガイナゴ [バッタ目]

久しぶりに谷戸の田んぼに行ってみると、稲穂が頭を垂れていた。
畔を歩くとイナゴがピョンピョン飛び跳ね稲穂の中へダイブ!
こんなにも稲が実っていること、イナゴがすっかり成虫になっていることにびっくり、秋を実感したのだった。
ハネナガイナゴ0905_1.jpg


















狭山丘陵にいるイナゴの中に翅が長いものがいて、コバネイナゴの長翅型と思っていたのだが、昨年東京都側の個体の標本を知り合いを通じて日本直視類学会の著名な方や昆虫に詳しい方に見ていただいたところ「ハネナガイナゴ」との見解をいただいた。
過去、コバネイナゴもハネナガイナゴも水田を生息場所としていたが、農薬の使用で共に激減した。
その後コバネの方が早くに回復し各地で見られるようになったが、ハネナガは回復が遅れ局地的にしか見られないとされてきた。
この埼玉側の田んぼでも、ハネナガの特徴を有する個体が多く見られたことは喜ばしい事である。
ハネナガイナゴ0905-1_1.jpg


















2015年9月5日 埼玉県
バッタ目バッタ科 ハネナガイナゴ              CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM

八島ヶ原湿原植物観察 [自然]

横谷峡の翌日は八島ヶ原湿原に向かったが、あいにくの雨。
霧ヶ峰はまさに名の通り真っ白な霧の世界だった。
湿原に着くと霧はかなり晴れていたが、風雨はおさまらず。湿原0830_1.jpg



















この雨ではチョウも飛ばず虫はあきらめムード。
木道を歩いていたら、シシウドの上に大きなイモムシ。
唯一の「キアゲハ」の幼虫だった。
キアゲハ0830_1_1.jpg


















湿原でまず目に入った色は、淡いピンク色の「タチフウロ」。
タチフウロ0830_1.jpg



























さらに大柄で濃いピンクは「アサマフウロ」。
霧ケ峰はアサマフウロの群生地の一つのようだ。
アサマフウロ0830_1.jpg


















薄紫は「マツムシソウ」。
マツムシが鳴くころに咲く、実が巡礼の時に持つ松虫鉦に似ているからなどの説があるようだ。
マツムシソウ0830_1.jpg


















湿地を眺めるとあちこちに白いものが見える。
ワタスゲ?ではなくイワショウブというらしい。
八島ヶ原湿原0830-2_1.jpg


















黄色い花は秋の七草のひとつ「オミナエシ」。オミナエシ0830_1.jpg



















すっと伸びた紫色の花は「ヤナギラン」。
葉がヤナギ、花がランに似ているからこの名が付いたそうだが、ラン科ではなくアカバナ科。
葉や茎が赤く色付いているものを見るとなるほど、アカバナのようだ。
ヤナギラン0830_1.jpg


















アザミも見られたがアザミに似た花、「タムラソウ」も群生していた。
晴れていればチョウをはじめたくさんの虫たちを見ることが出来ただろうに、残念。
また、改めて訪れたい場所の一つだ。
八島ヶ原湿原0830_1.jpg


















2015年8月30日 長野県諏訪郡     RICOH WG-4


蓼科横谷峡植物観察 [自然]

先週末、長野県蓼科横谷峡と八島ケ原湿原に植物観察に行ってきた。
一行の目的は植物観察であるが、虫もいればもちろん見るつもりだった。

横谷峡は奥蓼科温泉郷にあり渋川に沿っていくつかの滝がある。
これは霧降の滝だったかな?
霧降りの滝0829_1.jpg


















足元からバッタが飛んだ。
イナゴの仲間かとよく見るとどうもフキバッタのようだが翅が長い。
フキバッタは翅が小さく飛べないため生息域が限られ、地域ごとに種の分化が進んでいるのが特徴なのだが。
帰って調べると「ハネナガフキバッタ」という種のようだ。
翅の長いフキバッタがいるのを初めて知った。
ハネナガフキバッタ0829_1.jpg


















道端の草には「ヒナバッタ」。ヒナバッタも各地の高山帯などで種が分化している。
ヒナバッタ0829_1.jpg


















アザミの葉上には「ハンミョウ」。
遊歩道を歩いたが見つかったのはこの1頭だけだった。
ハンミョウ0829_1.jpg


















やがて注連縄をかけられた大きな岩があらわた。岩の上にはノキシノブが陽を浴びて輝いていた。
こんな神々しい光景の中を、白と黒の縞々の小さな蚊のような虫がまるで無重力の中を移動するがごとくいくつも飛んでいた。
捕まえてみると小さな翅をもったガガンボのようだった。
残念ながら写真に収めることはできなかったが、調べるとエサキヒメコシボソガガンボ。
次回は是非飛んでいる姿を撮りたいものだ。
ノキシノブ0829_1.jpg


















岩の周辺には「オツネントンボ」が集団で見られた。
オツネントンボ0829_1.jpg


















遊歩道脇の切り立った崖のあちこちに大きなキイロスズメバチの巣。
崖の庇を利用してうまく作るものだ。
ほとんどが以前に作られたものだが、中には製作中のものもあった。
キイロスズメバチ0829_1.jpg


















このあたりにはたくさん咲いていたキク科の「オタカラコウ」。
沢沿いなどに生えるそうだが背丈が1m以上、葉も30cmほどあり園芸種かと思ってしまった。
オタカラコウ0829_1.jpg


















サトイモ科の葉にいたのは「ビロードスズメ」の幼虫たち。
よく見ると奥に1周り大きな茶色の個体もいた。
黄色に黒目がかわいい。
ビロードスズメ0829_1.jpg















この日の散策を終え帰りがけに、「アキアカネ」発見。
間もなく避暑を終え成熟して山を降りるだろう。
数年来、農薬や稲作の時期の変化などの影響で数が激減していると問題になっている。
さて今年はどのくらいの数が地元の里山の空を舞うのだろう。
アキアカネ0829_1.jpg


















2015年8月29日 長野県茅野市              CANON EOS70D SIGMA 17-70mmDC MACRO