色付く赤とんぼたち [トンボ目]
このところの雨で夏渇水していた湿地は水で満ちていた。
水辺では、多くのトンボたちが飛び交い、中でも赤く色付いた赤トンボが目にとまった。
赤トンボの代表である「アキアカネ」も成熟して山から下りてきた。
まだそれほど数は多くないが、これから増えてくるだろうか?
この日最も多かったのが「マユタテアカネ」。
交尾個体も見られた。
体中が真っ赤に染まっていたのでナツアカネかと思ったが、翅先に斑がある「コノシメトンボ」だった。
湿地の中の抽水植物にとまっていたのは「ネキトンボ」。
翅の付け根のオレンジ色が美しい。
ここで見られるのは稀なので、他で育った個体がやってきているのだろうか。
2015年9月22日 東京都
トンボ目トンボ科 アキアカネ、マユタテアカネ、コノシメトンボ、ネキトンボ
CANON EOS50D EF70-200 F2.8 L IS USM/EXTENDER EF 1.4×Ⅱ、EOS70D EF100mm F2.8L IS USM
スズメバチか? [チョウ目]
秋分を迎えていよいよ夏から秋へと季節の変わり目。
fieldでもセミからコオロギへ声の主役がバトンタッチ。
ヤマガラやメジロなど鳥たちの声も耳に届くようになってきた。
スズメバチの巣もいよいよ最大級になっている頃と思われるが、今年は昨年に比べてハチたちも巣自体も見る機会が少ない。以前の勤務先ではハチアレルギーの検査が必須で、病院で検査してもらった。
小学生の頃、ミツバチやアシナガバチには散々刺されたが、アシナガバチ、スズメバチ共に問題なしだった。
それでもアシナガバチに刺されて亡くなった方がいると聞けば、ちょっとおっかなびっくりだなぁ。
林縁でスズメバチが餌を探索中かと思ったら、何か違う。
ハチに擬態したスカシバガの仲間だった。
餌ではなく産卵する食草を探しているようだったが、飛ぶ様はまさにスズメバチだ。
ニガイチゴやモミジイチゴの葉を選んでは腹端を曲げて産卵していた。
スカシバガの仲間はたまにしか出逢わないので、種を全く覚えていない。
帰ってスカシバガについてかなり詳しく載っている月刊むしブックスの「擬態する蛾スカシバガ」で調べると、初見の「セスジスカシバ」のようだ。
この色合いや形、スズメバチに擬態していると思われるが、なぜスズメバチに似れば安全だということがわかってそれに似せた進化を遂げるのだろうか?
本当に不思議である。
チョウ目スカシバガ科 セスジスカシバ CANON EOS7D SIGMA 17-70mmDC MACRO OS HCM
今年もリスアカネ [トンボ目]
以前はあまり見かけなかったが昨年いきなり多産した「リスアカネ」。
ここ数週間でまたその姿が見られるようになってきた。

湿地周りの木柵にとまっているものばかり。
そういったところが好きなのか?
草や木の枝にとまる個体を散々探して、やっと見つけた。
やはりこの方がいいなぁ。

浅い場所で連結して打空産卵をしているカップルがいた。
産み落とされた卵が偶然写っていた。
この湿地もそうだが、各谷戸の水辺は雨で上流から流れ出る土砂で年々埋まって陸地化してきている。
また、流れ出る湧水の量も減っているようで、夏には渇水することが多くなってきた。
これらがトンボたちの生息に影響を与えているように思う。
種によって好む環境が異なるため、いなくなるもの、新たに現れるもの、見られる種も変わってくるのかもしれない。

2015年9月22日 東京都
トンボ目トンボ科 リスアカネ
CANON EOS50D EF70-200 F2.8 L IS USM/EXTENDER EF 1.4×Ⅱ、EOS70D EF100mm F2.8L IS USM
ようやくヒメアカネ [トンボ目]
よく通うfieldで「ヒメアカネ」が見られる場所が4か所あるが、昨年はほとんど見られないか、数が少なく気になっていた。
早ければ7月から見られるのだが、今年も姿が見られずちょっと心配していた。
が、今日ようやく1か所で2頭のオスが確認できた。
よく見られるマユタテアカネよりやや小さく、顔が白い。
秋が深まる11月ごろまで見られるので、まだこれから数が増えていくと思われ他の場所でも期待したい。
トラロープにとまっているのは個人的にいまいちだが、まぁ致し方ないなぁ。
2015年9月22日 埼玉県
トンボ目トンボ科 ヒメアカネ(埼玉県準絶滅危惧)
CANON EOS50D EF70-200 F2.8 L IS USM/EXTENDER EF 1.4×Ⅱ、EOS70D EF100mm F2.8L IS USM
にこちゃん大王は赤い実がお好き? [カメムシ目]
仕事中、コブシの木の前を通った。
名の通りこぶしのような実が熟して裂開し、中から赤い種子が露出していた。
その種子にかぶりついているものがいた。
真ん丸に褐色のラメ、白い模様は「アカスジキンカメムシ」の幼虫。
成虫になればカメムシの仲間の中でも、トップクラスの美しさだ。
あたりの枝を見回すと、あちこちの葉にその姿が見られた。
お腹の模様が、離れた目に大きく笑った口、そんな顔に見えるだろうか?
この顔を見ていると、何かほっとする。そんな顔があちこちに!
こちらの葉では、数匹が一緒に身を寄せ合っていた。
越冬前までこうして集まって過ごし、寒い冬にはちりぢりになって落ち葉の下。
冬も落ち葉の下で集まればあったかいと思うのだが、そこは虫、人とは感覚が違うのだろう。
赤い実のヤマボウシでもよく見られると聞いたので、今度見に行ってみたい。
同じように実を吸う姿が見られるだろうか?
2015年9月19日 東京都
カメムシ目カメムシ科 アカスジキンカメムシ CANON EOS7D SIGMA 17-70mmDC MACRO OS HCM
ウンモンヒロバカゲロウ [アミメカゲロウ目]
今朝、少し晴れ間がのぞいていたがあっという間に曇ってしまった。
玄関先に小さな来訪者があった。
大きさは3cm弱のアミメカゲロウの一種。
よく見かける緑色のクサカゲロウの仲間やこの褐色で翅の広い仲間は、手持ちに詳しい図鑑がないために撮っても不明種ホルダーにたまっていくばかりだ。
今日は一応図鑑で調べてみたら、翅の褐色の紋から「ウンモンヒロバカゲロウ」でよさそうだ。
幼虫は谷川などにすみ小さい昆虫の体液を吸うとあるが、これ以上の詳しい記載はない。
近くに小さな川はあるが、そこで発生しているのか?
この仲間には、生態がわからない種や幼虫が見つかっていない種もある。
まだまだ未知の仲間たちのようである。
2015年9月18日 埼玉県
アミメカゲロウ目ヒロバカゲロウ科 ウンモンヒロバカゲロウ RICOH WG-4
クモ食い オナガグモ [クモ目]
林縁を観察していると細いクモの糸に松葉が引っかかっていた。
なぁんて、松葉のように見えるが実は大きさ2~3cmほどのクモ。
数本の粘着性のない糸を張って、そこで足を伸ばして獲物を待っているお尻(腹部)の長い「オナガグモ」だ。
その待機姿勢を撮ろうとしたら、こちらに気付いて逃げだした。
オナガグモの獲物とはこの糸を伝わってくるクモ、クモ食いのクモなのだ。
しかしそんなに思惑通りにクモがやって来るのだろうか?
少しの間、じっと見ていたがそんなわずかな間に運よく獲物がやって来るはずもなく、こちらを気にして元の待機姿勢に戻ることもなかった。
松葉に擬態?しているところを載せられずに残念。
また、次回に。
2015年9月13日 東京都
クモ目ヒメグモ科 オナガグモ CANON EOS70D EF8-10mm F4LフィッシュアイUSM/MT-24EX
蓼食う虫も好き好き いろいろ [コウチュウ目]
田んぼの周りでは、イヌタデがピンク色の蕾をつけていた。
いわゆるあかまんま。
これが蕾なのか開花後なのか定かではないが、そういえば開花しているのを見た覚えがほとんどないとふと思った。
畔にのあちこちにチョウジタデが生えていた。
黄色い花が特徴で葉はまさにタデ。
タデと名に付くが実はタデ科ではなくアカバナ科なのだ。
確かにアカバナのように葉が赤く色付く。
その葉にたくさんの虫食いが見られ、葉上で黒い幼虫が食事中。
形からハムシの幼虫に違いない。
尾園さんのハムシハンドブックでチョウジタデが食草のハムシを探してみると「カミナリハムシ」がいた。
普通種なのだが、過去に撮影したハムシの中にカミナリハムシはない。
図鑑では成虫越冬とあるので、そのうち成虫も見られるかな。
アカバナに付くものにアカバナカミナリハムシというのもいる。
継続観察することとした。
蓼食う虫も好き好き いろいろ さてカミナリハムシだろうか?
2015年9月14日 埼玉県
ナデシコ目タデ科 イヌタデ
フトモモ目アカバナ科 チョウジタデ
コウチュウ目ハムシ科 カミナリハムシ? CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM
つかの間の晴れ間か [自然]
日曜日から遅い夏休み、前半は所用を済ませて中盤から遠出をと思っていたが、また雨の予報が・・・。
特に予定を立てていたわけではないので、気の向くままに過ごそう!
貴重な晴れなので何時もの谷戸へ行ってみた。
ノハラアザミやツリガネニンジン、オトコエシなど秋の花が咲き、たくさんの虫たちが集まって、いやはや賑やかで楽しい!
そんな中、吸蜜するでもなく花の周りを優雅に飛び回っていた「ジャコウアゲハ」のオス。
林縁の葉で小休止ばかり。
何が目的なのだろう?
このあたりに幼虫の食草のウマノスズクサがあっただろうか。
イヌキクイモの花には「ヒメアカタテハ」がやってきていた。
こちらはしきりのストローを伸ばしてお食事に夢中。
様々な虫たちが活動すると、それらを捕食するものたちも忙しい。
オギの葉裏では、蛾を捕らえた「ヤハズハエトリ」のオス。
花にはシロオビノメイガなどの昼行性の小さな蛾が集まり、草地を歩くとシバツトガなどが飛び出る。
ハエトリにとっては、獲物が活発に活動してくれればそれだけチャンスが増えるというもの。
低く垂れ下がったコナラの枝で目が合ったのは樹上生活者の「ハラビロカマキリ」。
こんな枝にいてどんな獲物がやって来るのだろうか?
獲物を捕獲するには効率が悪い気がするが、ここを生活の場所として選んでいるからには何らかの策があるに違いない。
2015年9月15日 東京都
チョウ目アゲハチョウ科 ジャコウアゲハ
チョウ目タテハチョウ科 ヒメアカタテハ
クモ目ハエトリグモ科 ヤハズハエトリ
カマキリ目カマキリ科 ハラビロカマキリ CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/内臓ストロボ