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トンボたち続々! [トンボ目]

シオヤトンボがちらほら見られるようになってきた。
ここではトンボ科の中で一番手に現れる。
この仲間、羽化して間もない時期はオスもメスもほぼ同じような色をしているが、オスは成熟するにつれて体から粉をふいて色変わりする。
現れて間もない時期は、みな褐色で腹や尾端をよく見ないとオスメスの区別がつかない。
シオヤトンボ0428-1_1.jpg


















が、すでに交尾をしているカップルを見つけた。
オスは背や腹が水色に色付いていた。
シオヤトンボ0428-2_1.jpg


















数枚撮ると交尾を解いてしまった。
なんだか申し訳ない!
シオヤトンボ0428-3_1.jpg


















ハラビロトンボ」も数頭でていた。
この個体は、腹端の形状からメスのようだ。
ハラビロトンボ0429-1_1.jpg


















ハラビロトンボ0429_1.jpg



























オスも1頭確認した。
成熟すると体が黒く腹が水色に変わっていく。
ハラビロトンボ0429-2_1.jpg


















目の前を水色に色付いたシオカラトンボのオスが飛んでいった。
いよいよ湿地もにぎやかになってきた。


2015年4月29日 東京都
トンボ目トンボ科 シオヤトンボ ハラビロトンボ  
EOS70D EF100mm F2.8L IS USM  EOS50D EF70-200 F2.8 L IS USM/EXTENDER EF 1.4×Ⅱ


しゃがんで見渡すと [自然]

雨と晴れ間が適度に続き、草の伸びもすさまじい!
湧き出る水の流れも、今のところはよどみなく流れている。
草の中でしゃがんであたりを見回してみると、いろいろな虫たちの生活が見えてくる。湿地0426_1.jpg




























スゲの葉の先端を食べているのは、「マメドクガ」の幼虫。
ドクガと名に付くが特に毒はないようだが、この毛を見ると触りたくないなぁと思う。
皮膚の弱い方は、かぶれることもあるという。
マメドクガ0426_1.jpg


















スゲといえばこの虫。
赤、青、金色と個体によって異なるが、これは青く輝く「スゲハムシ」。
スゲハムシ0426_1.jpg


















色々な植物が葉を展開する中、芋虫たちもせっせと葉を食べて成長している。
食うもの食われるもの、不運にも強者に見つかったものはその命の糧となる。

葉上で「フタモンアシナガバチ」が捕まえた芋虫を団子にこねていた。
今の時期、まだ働き蜂は生まれていないと思われ、このハチは越冬した女王蜂なのだろう。
芋虫の命が、他の命を繋いでいく。
フタモンアシナガバチ0428_1_1.jpg



























2015年4月28日 東京都
チョウ目ドクガ科 マメドクガ
コウチュウ目ハムシ科 スゲハムシ
ハチ目スズメバチ科 フタモンアシナガバチ  EOS70D EF100mm F2.8L IS USM


湿地にトンボたち! [トンボ目]

そろそろかなぁと湿地に行った。
お目当てはトンボ。
湿地脇を歩くと、足元からキラキラが飛んで視界から消えた。
羽化したばかりのトンボの翅はまるで光を反射した薄いガラスのように輝く。
きっとシオヤトンボに違いない、じっくり見られなかったのが残念だった。

湿地の上では、今年初見のクロスジギンヤンマの占有飛行。
こちらもあっという間に飛んで行ったしまった。

低い草の上をしゃがんでじっくり見ていると、小さなオレンジのトンボが飛ぶのが目についた。
とにかく小さいので目が慣れるのに時間がかかる。
まだ未成熟な「アジアイトトンボ」のメス。
緑で覆われてきた草地にこのオレンジは印象的。
アジアイトトンボ0426_1.jpg


















しかしオスのほうが多く見られた。
目の後ろの1対、背中の筋、腹端の僕の好きな淡い水色。
オスもメスもこんなにきれいな色の種だが、単に湿地を眺めるているだけではまず目に入らないだろう。
それほど小さくて華奢なイトトンボなのだ。
アジアイトトンボ0426-1_2.jpg



























2015年4月26日 東京都
トンボ目イトトンボ科 アオイトトンボ   EOS70D EF100mm F2.8L IS USM


ノイバラの枝?キエダシャク [チョウ目]

ずっと探していて自力で見つけられないでいた秀逸な擬態の持ち主を、今日観察会に参加して教えていただいた。
ノイバラの枝に擬態した「キエダシャク」の幼虫、エダシャクと名がつくことからこの幼虫も尺取虫だ。
危険を感じるとシャキッと枝に変身。
この角度ではわからないが・・・。
キエダシャク0426-1_1.jpg


















角度を変えてみると体にトゲ、これまさしくノイバラの棘なのだ。
ここまで真似をされると、もうすごいとしか言いようがない!
キエダシャク0426_1.jpg


















2015年4月26日 埼玉県
チョウ目シャクガ科 キエダシャク  EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/内臓ストロボ

レンゲ [植物]

その昔、春の田んぼといえば赤紫色のレンゲが一面に咲いていた記憶がある。
田んぼの緑肥として植えられ、土に漉き込まれたのだが、近年ではすっかりそんな光景も見られなくなってしまった。
室町時代に渡来した中国原産だそうだ。
谷戸の田んぼで久しぶりに見かけて、気分ほっこり!
レンゲ0418_1.jpg



























昔からレンゲと呼んでいたが、標準和名は「ゲンゲ」。
レンゲソウやゲンゲソウとも呼ばれる。
上から見ると花が輪になっているように見えることから仏像を安置する蓮華座に見立てて名付けられたという説があり、そうであれば当初はレンゲという名だったのだろう。
花をよく見ると確かにマメ科の花である。
春の風物詩、子供の頃を思い出す懐かしい花だ。
レンゲ0418-1_1.jpg


















2015年4月18日 埼玉県
マメ目マメ科 ゲンゲ
      EOS70D EF100mm F2.8L IS USM

生か死か [自然]

色とりどり、命の息吹を感じさせてくれる湿地。
水際では「オオジシバリ」が黄色を演出。
オオジシバリ0418_1.jpg



























水底から茎を伸ばして白い小さな花を咲かせているのは「ノミノフスマ」。
数mmの小さな花だ。
ノミノフスマ0418_1.jpg


















一見春の暖かさで華やかに見える湿地だが、ここにも厳しい現実がある。
岸辺を歩いていると、ガサガサと足元で何かが動いた。
そうっと見てみると、草の奥でじっとしていたのは「ヤマカガシ」だった。
僕が子供の頃、このヘビは毒蛇とは思われていなかったが1970年代初期毒蛇だとわかった。
喉の奥の牙から毒を出すため、深く噛まれない限り大丈夫なようだ。
ただ、頸腺から毒を飛ばすこともあるそうなので目に入らぬよう注意が必要。
ヤマカガシはカエルが大好物であちこちからシュレーゲルアオガエルの鳴き声が聞こえていた。
ヤマカガシ0418_1.jpg


















少し離れた園路際でも何かがガサガサ。
またヤマカガシかと思ったが、見ると「アズマヒキガエル」。
もう産卵はほとんど終わったと思われるが、遅れてやって来たのか?
ヤマカガシの持つ毒は、このアズマヒキガエルの毒を蓄積しているとのこと。
ヤマカガシにとっては最も食したいカエルに違いない!
さて、この2匹が出会うかどうか、ともに命をかけた運命だ。

色とりどりの花々が咲き生きものたちが躍動する美しい湿地で、こういった命の駆け引きが行われていることを気付く人がどれだけいるのだろうか?
アズマヒキガエル0418_1.jpg


















2015年4月18日 東京都
キク目キク科 オオジシバリ
ナデシコ目ナデシコ科 ノミノフスマ
有鱗目ユウダ科 ヤマカガシ
無尾目ヒキガエル科 アズマヒキガエル                EOS70D EF100mm F2.8L IS USM


湿地も賑わい [季節]

アカガエルやアズマヒキガエルの宴が終わりしばらく静まり返っていた湿地に、シュレーゲルアオガエルの声が響き渡り、再び賑わいが帰ってきた。
湿地0418_1.jpg


















湿地周りはアオカモジグサをはじめ緑がどんどん濃くなってきた。
岸辺を歩くと、目の前にblueの輝きを見つけた。
ヤマトシジミかと思ったが、尾端突起があったので「ツバメシジミ」。
ツバメシジミ0418_1.jpg


















足元からぴょんと飛び出したのは、キリギリスの仲間の「ヒメギス」の小さな小さな幼虫。
見ているだけではわからないが、草の中では虫たちの営みが始まっている。
ヒメギス0419_1.jpg


















タンポポでは特に春型が美しい「ベニシジミ」がお食事中。
以前見つけた幼虫も無事チョウになっただろうか?
ベニシジミ0418_1.jpg


















あちこちで濃い紫色の本家「スミレ」も花盛り。
色とりどり、命が輝きだした湿地はいつまでいても飽きずに楽しい場所だ。
スミレ0418_1.jpg


















2015年4月18日 東京都
チョウ目シジミチョウ科 ツバメシジミ
バッタ目キリギリス科 ヒメギス
チョウ目シジミチョウ科 ベニシジミ
キントラノオ目スミレ科 スミレ
CANON EOS50D EF-S10-22mm USM ,EOS70D EF100mm F2.8L IS USM


春から初夏へ [季節]

久しぶりに埼玉側の雑木林を歩いてみた。
木々が葉を展開して、景色はすでに初夏の装いだ。
左の淡い黄緑は「コナラ」、真ん中の濃い緑は「エゴノキ」、右は「イヌシデ」だ。
木によって色合いが少しづつ異なるのが面白い!木々の芽吹き0418_1.jpg



















「ミズキ」は枝葉を上に伸ばしてきれいな黄緑。
名前の通りこれからの時期水をたくさん吸い上げて、傷ついた枝などからぽたぽた水がしたたり落ちるほど。
ミズキ0418_1.jpg


















林縁では白い花が目立っていた。
かわいらしい星形の花を下向きに付ける「チゴユリ」。
小さな花をつけるユリの仲間なので稚児ユリと名付けられたようで今が見ごろ。
チゴユリ0418_1.jpg


















早春のモミジイチゴは花が終わったが、続いて開花しているのが「ニガイチゴ」。
モミジイチゴの葉は先が尖り花が下向きに咲くのに対して、ニガイチゴは葉が丸っこく花は上向きに咲くので区別しやすい。
ニガイチゴ0418_1.jpg


















目の前にチョウのスプリングエフェメラル「ミヤマセセリ」が飛んできた。
翅に白い斑が目立つメス。
このチョウもそろそろ見納めだろう。
ミヤマセセリ0418_1.jpg


















園路で日向ぼっこをしていた「ヒオドシチョウ」。
厳しい冬を無事に乗り越えたその翅はぼろぼろだ。
エノキの葉も芽吹いて枝先に産卵する姿も時折見られる。
昨年は、あちこちのエノキで幼虫が見られ大発生の年だったが、さて今年はどうだろうか。
ヒオドシチョウ0418_1.jpg



























2015年4月18日 埼玉県
ブナ目ブナ科 コナラ
カキノキ目絵エゴノキ科 エゴノキ
ブナ目カバノキ科 イヌシデ
ミズキ目ミズキ科 ミズキ
チョウ目セセリチョウ科 ミヤマセセリ
チョウ目タテハチョウ科 ヒオドシチョウ
CANON EOS50D EF-S10-22mm USM ,EOS70D EF100mm F2.8L IS USM


第36回日本自然科学写真協会SSP展「自然を楽しむ科学の目2015-2016」開催のご案内 [告知]

日本自然科学写真協会の「SSP展」の東京展が、来月5月15日(金)から21日(木)まで六本木の東京ミッドタウンにある富士フィルムフォトサロンで開催され、様々な分野のプロ、アマチュア写真家の素晴らしい写真が展示されます。

私も選考いただき、今年も何とか出展することができました。
今年は昆虫ではなくクモ!
過去にblogで紹介しましたが、別カットの写真を展示します。

東京と大阪は全写真を展示、それ以外の各地は展示スペースの関係で各出展者で選別するので私の写真が必ず展示されるとは限りませんが、見ごたえのある作品ばかりです。

東京を皮切りに下記の日程で全国の会場で開催されますので、是非足を運んでいただければ幸いです。

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春と言えども曇っていると・・・・ [カメムシ目]

晴れて気温が上がるとチョウをはじめ様々な虫たちを見ることが出来る季節となった。
しかし、曇りの日はチョウやアブなどもすっかり身をひそめてよほど探さねば虫たちが見つからない。

この日も朝から雨で昼過ぎに曇り空、一瞬晴れ間も見えたがすぐ曇り、また雨がぱらついた。
切り株から萌芽した若い枝でようやく見つけた「クリオオアブラムシ」の幼虫たち。
さすがに寒かろうが逃げ場所がなくじっとしている。
アリたちが集まっているところを見ると甘露でも出しているのだろう。
クリオオアブラムシ0411_1.jpg


















少し陽が差すと、どこからともなくハエが現れた。
黄色にエンジに黒とハエにしてはちょっとおしゃれだが体から生える剛毛がちょっと怖い。
ヤドリバエの仲間だろうか?
ヤドリバエの仲間_1.jpg


















川沿いのヤナギの幹で大物発見!
蚊のお化け「マダラガガンボ」。
マダラガガンボ0411_1.jpg


















蚊に似ているが科が異なり、血は吸わない。
よく見ると、口、触角、胸の厚さに腰の細さなど個々のパーツとその組み合わせのアンバランスが異様さを醸し出している。

近年、オスの交尾器が異なるものがいることからマダラガガンボは2種類に分けられるという研究発表がなされている。
この個体はメスだが、さて、本来のマダラガガンボなのか、もう1種なのか?
マダラガガンボ0411-1_1_1.jpg


















2015年4月11日 東京都
カメムシ目アブラムシ科 クリオオアブラムシ
ハエ目ヤドリバエ科
ハエ目ガガンボ科 マダラガガンボ        CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/430EXⅡ