SSブログ

生か死か [自然]

色とりどり、命の息吹を感じさせてくれる湿地。
水際では「オオジシバリ」が黄色を演出。
オオジシバリ0418_1.jpg



























水底から茎を伸ばして白い小さな花を咲かせているのは「ノミノフスマ」。
数mmの小さな花だ。
ノミノフスマ0418_1.jpg


















一見春の暖かさで華やかに見える湿地だが、ここにも厳しい現実がある。
岸辺を歩いていると、ガサガサと足元で何かが動いた。
そうっと見てみると、草の奥でじっとしていたのは「ヤマカガシ」だった。
僕が子供の頃、このヘビは毒蛇とは思われていなかったが1970年代初期毒蛇だとわかった。
喉の奥の牙から毒を出すため、深く噛まれない限り大丈夫なようだ。
ただ、頸腺から毒を飛ばすこともあるそうなので目に入らぬよう注意が必要。
ヤマカガシはカエルが大好物であちこちからシュレーゲルアオガエルの鳴き声が聞こえていた。
ヤマカガシ0418_1.jpg


















少し離れた園路際でも何かがガサガサ。
またヤマカガシかと思ったが、見ると「アズマヒキガエル」。
もう産卵はほとんど終わったと思われるが、遅れてやって来たのか?
ヤマカガシの持つ毒は、このアズマヒキガエルの毒を蓄積しているとのこと。
ヤマカガシにとっては最も食したいカエルに違いない!
さて、この2匹が出会うかどうか、ともに命をかけた運命だ。

色とりどりの花々が咲き生きものたちが躍動する美しい湿地で、こういった命の駆け引きが行われていることを気付く人がどれだけいるのだろうか?
アズマヒキガエル0418_1.jpg


















2015年4月18日 東京都
キク目キク科 オオジシバリ
ナデシコ目ナデシコ科 ノミノフスマ
有鱗目ユウダ科 ヤマカガシ
無尾目ヒキガエル科 アズマヒキガエル                EOS70D EF100mm F2.8L IS USM


nice!(0)  コメント(6)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 6

mtana2

ヤマカガシの毒はある意味マムシより怖いとか。
それが、ヒキガエルに起因しているとは・・・。
知らなかったです。
by mtana2 (2015-04-21 06:13) 

hirokou

mtana2さん コメントありがとうございます。
ヤマカガシの毒はマムシなどと同じ出血毒ですが、噛まれてすぐには症状が出ないことが異なるようです。
WIKIではハブの10倍、マムシの3倍とあります。
さわらぬ神にたたりなしですね!
by hirokou (2015-04-21 20:19) 

kaochan

どちらの目線から見るかで、
応援する対象が変わってきますが、
どちらのも生きるために一生懸命ですね。
ヘビもカエルも怖いけど、観察会で
見る時は可愛く見えるのは不思議です。
by kaochan (2015-04-21 20:28) 

つばさ2号

こんばんは
そちら方面は武蔵野の自然が残っていていいですね!
こちらは壊滅状態で、仕方なくドライブするので撮影時間
が短くなり、じっくり観察できません。

ヤマカガシは以前東秩父エリアでヒキガエルを飲もうと
していた場面に遭遇したことがありました。
カメラをセットしていたら気付かれ、東南アジア製の冷凍
焼き鳥のように下半身が圧縮されたカエルを吐き出して
逃走されました。かなり大きく太い個体でした。
子供の頃、小学校の壁貼りニュースでヤマカガシが毒蛇
だと報じられた記事を憶えています。
by つばさ2号 (2015-04-21 22:35) 

hirokou

kaochanさん コメントありがとうございます。
どちらの目線で見るか、そう考えられるのは両方の立場で見ることが出来きて自然を見る目が広がるように思います。
彼らは生きること、子孫を残すことがすべてなんですね!
普段怖いものも観察会で見ると可愛い、いい時間です(^^)
by hirokou (2015-04-22 20:21) 

hirokou

つばさ2号さん コメントありがとうございます。
つばさ2号さんのfieldよりこちらの方が自然が残っているんですね。
ヤマカガシがカエルを飲み込んでいるところを幾度と見ましたがやはり逃走、でもしばらく待っているとまた戻ってきました。
ヘビが執念深いと言われるのはこんな事も起因しているのでしょうね。
by hirokou (2015-04-22 20:25) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0