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スミナガシ [チョウ目]

先日歩いていると目の前にチョウの「スミナガシ」がいた。
今年2度目の遭遇。
花には来ず、主に樹液や獣糞などに集まる。

古風な名前は、翅の模様が墨汁を水に流した時に出来る模様やそれを写し撮ったもの 墨流しに似ている事から名付けられたようだ。
この色合いの組み合わせは素晴らしく絶妙で、写っていないが赤いストローの口もワンポイント、ファンも多い。
私自身、墨流しというものを見たことが無いのだが、このチョウの翅から何となく想像している。

この日のスミナガシが来ていたのは、どうやら干からびたヘビの死骸だった。
コチャバネセセリの姿も見られ、こんな状態のものでも何か得るものがあるのだろう。
スミナガシ0709_1.jpg



















2018年7月9日 東京都 チョウ目タテハチョウ科 スミナガシ

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テントウムシをボディーガードに テントウハラボソコマユバチ [ハチ目]

サクラの葉を見ていたらナミテントウがいた。
が、なんだか変で前脚は動かすものの体の向きを一向に変えず逃げようともしない。
これはもしかして・・・案の定だった。
持ち帰って撮ってみた。
正面から見ると何の変哲もないナミテントウだ。
テントウハラボソコマユバチ0715-1_1.jpg



















しかし横から見るとお腹の下に糸で覆われた繭のような物がある。
これは繭で「テントウハラボソコマユバチ」の幼虫がテントウムシの体内で成長して腹を食い破って出て作ったと言われるものとそっくりだ。
テントウハラボソコマユバチ0715-2_1.jpg



















後から見るとこんな感じ。
体内を幼虫に食われたテントウムシが生きている事が不思議だが、さらにはこの繭を外敵から守っているという。
確かに、近づくと前脚をばたつかせて威嚇しているようにも見える。
後脚で繭を抱えているように見えるが、繭と体が繋がれているのかは見ているだけではわからない。

netで検索するとNATIONAL GEOGRAPHICの記事で解説されていた。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/4669/
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/4670/
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/4671/
ゾンビ化されるという表現にはなかなか恐ろしいものがある。

昨年にはナナホシテントウで同じような状況を確認していた。
https://hirokou2.blog.so-net.ne.jp/archive/20170325
テントウムシとこの繭の状況だけで成体を同定したわけではないが、テントウハラボソコマユバチとしておこう。
テントウハラボソコマユバチ0715-3_1.jpg



















2018年7月15日 東京都 ハチ目コマユバチ科 テントウハラボソコマユバチ

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田んぼでアキアカネ羽化する [トンボ目]

稲がすくすく育っている田んぼだが、梅雨以降まとまった雨が降っていないのがちょっと心配だ。
西日本では大きな災害となっているのに・・・。
田んぼ0711_1.jpg



















ここの田んぼは冬季は水を引かない。
春、その状態で荒起し、代掻きを行いようやく水が入る。
昨年、産卵したアキアカネの卵はこんな過酷な状況を経て孵化する。

1週間ほど前から「アキアカネ」の羽化が見られるようになった。
先日休みに羽化した個体を見に行った。
すると田んぼの周りは泥だらけ、何々、そういえばこの前日200名を超える高校生たちの体験活動で雑草抜きが行われていた。
これでは、ヤゴたちは踏み潰されているのではないだろうか?
と心配したが、まだ水が残る田んぼで羽化を終えてイネに捉まるアキアカネがいた。
アキアカネ0711-1_1.jpg



















数面ある田んぼを見回ったところ、水が豊富な1面で最も多く見られた。
だが、踏み潰されたヤゴたちもいたに違いない。
田んぼの雑草抜きの日程、後2週間程ずらしてくれればありがたいのだが・・・。
アキアカネ0711-2_1.jpg



















無農薬なので薬の影響はないものの、ここ数年春から初夏にかけて渇水に見舞われるので毎年心配している。
そんな中、僅かでも羽化して飛び立っていく個体がいれば嬉しい!
これから避暑地に向かい、秋に真っ赤になって仲間を連れて帰って来てくれることを楽しみにしている。
アキアカネ0711-3_1.jpg



















2018年7月11日 東京都 トンボ目トンボ科 アキアカネ

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笑える写真絵本 「虫・むし・オンステージ」のご紹介 [本]

昆虫写真家 森上信夫さんの新刊「虫・むし・オンステージ!」がフレーベル館から本日12日に発売されますのでご紹介。

ご本人曰く、「幼稚園の小さなお子さんから大人まで楽しんでいただける「笑える写真絵本」」。
と言われるだけあって、個性的な85種類の虫たちが様々なステージでその独特の姿や特技を面白おかしく披露してくれています。おおっ、なるほど、そうなんだ~ってことも満載。
また、登場した虫たちの解説もばっちり載っていてもちろん図鑑としても役立ちます。
私もほんの少しだけ協力させていただきました。
ぜひ、みなさんも虫たちのステージ見てくださいね!

詳細は森上さんのblog「昆虫写真家・森上信夫のときどきブログ」で。



虫・むし・オンステージ.JPG






























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朝起きたらカーテンに コミスジ [チョウ目]

今日は休み、ちょっと遅めに起きてパソコンの前に。
ふとカーテンを見るとチョウがとまっていた。
おやっ、いったいどこから入ったのだろうか?
そのまま、アクセントにしても良いような!
コミスジ0711-1_1.jpg



















いつもは寝ぼけた頭なのだが今朝は衝撃的な夢を見た後だったので、おおっ、あの「コミスジ」が羽化したか!
7月8日に黄金の蛹として紹介したコミスジの蛹を撮影してテーブルの上に置いたままだったのだ。
7月2日に終令幼虫、8日に蛹になったのを見つけ11日に羽化とは。
8日に見つけた蛹がいつ蛹化したのだろうか?それにしても早い!
羽化間近は蛹の色も色付いていただろうに、見過ごしてしまった。
今の時期に羽化する個体は春に見られるものより大きく、一瞬ミスジチョウかと思ってしまう。
コミスジ0711-2_1.jpg



















早速、蛹を見つけた場所へ放しに行った。
幼虫時代に食べていたクズの蔓がまだ残っていた。
草刈りされても運よく無事に残った蛹から羽化したのだから、きっとこれからも役割を果たして命を全うできるだろう!
コミスジ0711-3_1.jpg



















突っつくと奥のカシの葉に飛び移った。
今度は翅を閉じて、綺麗な翅裏を見せてくれた。
コミスジ0711-4_1.jpg



















2018年7月11日 東京都 チョウ目タテハチョウ科 コミスジ

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夏の風物詩のセミ 今はニイニイゼミの天下 [カメムシ目]

今日も暑かった。
西日本では未曾有の災害となっているが、fieldでは長らくまとまった雨が降っていない。
それでも今日は大気が不安定で、晴れてはいるもののあちこちで積乱雲が発達して雷鳴も聞かれた。
が雨は降らず・・・。
昼前に、東の空に鮮やかなパステル調の色が。

これは大雨の予兆かと思ったが肩すかしだった。
これはどういう現象だろうか?
※sinoさんから環水平アークまたは環天頂アークではと教えていただきました。
発生位置と色の配置から環水平アークでした、。ありがとうございました。
空0709_1.jpg



















湿度が高くムシムシする中、「ニイニイゼミ」の声がとにかく賑やかで暑さを助長する。
ミンミンゼミの声も時折聞かれるがアブラゼミはまだ一回だけだ。
サクラやケヤキを好むニイニイゼミだが、アカマツにとまっていても体の模様は樹皮に似て鳴いていなければ見つける事は難しいだろう。
ニイニイゼミ0706_1.jpg



















朝9時、羽化しているニイニイゼミを見つけた。
その数時間後に見ると既に飛び立った後だった。
ニイニイゼミ0708_1.jpg



















薄暗い林内に「ヒグラシ」の抜け殻があった。
多くのセミの鳴き声は暑い夏を象徴しているが、このヒグラシだけは朝夕や曇った時に鳴き、物悲しさを感じさせてくれる。
まだ鳴き声や成虫の姿は見ていないが、もう間もなくだろう。
どの種のセミの鳴き声も夏の風物詩、その声を聞けば夏がやって来たと思うヒグラシ0707_1.jpg





















2018年7月 東京都 カメムシ目セミ科 ニイニイゼミ、ヒグラシ

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まるで黄金のエジプトのミイラ? コミスジ蛹 [チョウ目]

少し前に見つけたコミスジの幼虫がそろそろ蛹になったころかと見に行った。
その場所は何と草刈りがされており、あぁ駄目かと思ったのだが幼虫がいたあたりを探してみるとラッキーなことに刈られたクズの葉裏で蛹を見つけた。
蛹化し運よく草刈りにも逃れていたようだ。
その蛹の色に驚いた。
コミスジは以前我が家で越冬幼虫から羽化させた事があったが、こんな色だったっけ?
コミスジ0708-1_1.jpg



















まぁ、年を取ると忘れっぽいのでそれは置いといて、なんと美しい。
色や形からエジプトの黄金のミイラを思い出した。
ミイラ自体ではなくまばゆい金色のケース。
ミイラは将来再び生き返るとの願いを込められたと記憶している。
まさにこの金色のミイラ、いや蛹から命が大空に飛び立つ。
その日まで見守りたいと思う。
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2018年7月8日 東京都 チョウ目タテハチョウ科 コミスジ

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久しぶりのアカスジキンカメムシ成虫 [カメムシ目]

ミズキの葉裏のエサキモンツノカメムシを探していると、隣のサクラの葉裏で「アカスジキンカメムシ」を見つけた。
幼虫はよく見るが成虫はなかなか見つからない。
アカスジキンカメムシ0703-1_1_1.jpg



















fieldで見られるカメムシの仲間でもとびっきりの美しさ。
よく見ると背中の緑色はまるでスパンコールのよう。

その美しさを写し撮ることが出来なかったのは残念、ぜひ実物を見ていただきたい。
神出鬼没?

ここに行けば見られるという場所が見当たらないのでアドバイスができないのだが・・・・。
アカスジキンカメムシ0703-2_1_1.jpg



















2018年7月3日 東京都 カメムシ目カメムシ科 アカスジキンカメムシ

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幻のコガネグモ、こんなところに 灯台下暗し [クモ目]

今までfieldでご本家のコガネグモを10年来探してきたが、見つけられないでいた。
ナガコガネグモ、チュウガタコガネグモ、まれにコガタコガネグモは見られるのだが・・・。
いやいやよく見かけるよという方もいるかもしれないが、この長きにわたり出会えなかった。

先日、職場のバックヤードで同僚が日本のクモ図鑑を持って何やら調べていた。
聞くと目の前にいるクモはコガネグモではないかと言う。
見ると確かに、今まで見たコガネグモたちとは異なり圧倒的な迫力と存在感だ。
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図鑑と見比べてもまぎれもなく待望の「コガネグモ」だった。
今まで探してきたがこんなところにいたとは、まさに灯台下暗しだ。
左の2番目の脚が細く小さいので、何らかの事故で失い再生したと思われる。
東京都でも埼玉県でもレッドデータに記載されている種。
繁殖力は強いそうなのでここで子孫を増やしてくれれば嬉しいが、オスがいるかどうかは未確認だ。
コガネグモ0703-2_1.jpg



















2018年7月3日 東京都 クモ目コガネグモ科 コガネグモ

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青い瞳 ヤマクダマキモドキの幼虫 [バッタ目]

オカトラノオやリョウブ、カンゾウなどの夏の花が咲き始めているが、足元で小さな可愛らしい花を見つけた。
上を向いた紫色の花弁が特徴の「ヒメヤブラン」。
葉は細く丈も小さく、同じくらいの大きさのジャノヒゲやヤブコウジなどと比べると、ここでは群生するほどでもないのでよく探さないと見落としがちだ。
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そんな足元から勢いよく飛んだバッタ。
ヒナバッタかと思ったが、後脚に二本の黒い線が特徴の「イボバッタ」だった。
体にいぼいぼの突起があるのでこの名がある。
触るといぼが出来るからではない、風評被害の無いように!
イボバッタ0701_1.jpg



















田んぼ脇のヨシの葉上で「ヤマクダマキモドキ」の幼虫を見つけた。
青い目と長い後脚、胸部から腹部にかけての俵のような形がいい。
前脚が赤いのでヤマとしたが、まぁ間違いはないだろう。
クダマキとは糸を撚り合わせる時の機械の部品で糸を紡ぐ時に出る音がクツワムシの鳴き声に似ている事からクツワムシは別名クダマキと呼ばれている。
モドキは似ているものの意味でクツワムシに似ている事からクダマキモドキという名のようだ。
クツワムシはクツワムシ科、クダマキモドキはツユムシ科と分類は異なる。
この名はちょっと可哀想か。
ヤマクダマキモドキ0702_1.jpg



















2018年7月 東京都 キジカクシ目キジカクシ科 ヒメヤブラン、バッタ目バッタ科 イボバッタ、ツユムシ科 ヤマクダマキモドキ

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