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秋の湿地 [季節]

湿地周りを歩くとその景色はすっかり秋の風景。
ススキの穂がキラキラ輝いて美しい。
湿地1015_1.jpg


















ここはもと草はらだったところに脇を流れる湧水の小川の水を引いて作った湿地ビオトープ。
その際に土を掘り返したお蔭で、埋土種子から「タカアザミ」が発芽し、2mを超える茎の先端に毎年花を咲かせている。
タカアザミ1015_1.jpg



























「ミゾソバ」も金平糖のような花が見ごろ。
一時姿を見せなかった「テングチョウ」があちこちで吸蜜していた。
テングチョウ1015_1.jpg


















湿地脇でめだっていた高さ50cmほどのニガナ、「オオニガナ」。
丘陵奥で絶滅に瀕していたのを、公園管理者が前例のない増殖に苦心を重ねて成功しこの湿地に移植したもの。
ヒョウモンチョウたちには人気の花だが、この時の訪問者は翅の傷んだツマグロヒョウモンのメスだけだった。
オオニガナ1015_1.jpg


















この前日に撮影した「カトリヤンマ」。
いつもいる場所はわかっていたが、じっくり撮ったことがなかったので100mmマクロで挑戦したがさすがに近寄らせてくれず、写真はかなりトリミングしたもの。
この日望遠ズームで再チャレンジに出かけたのだった。
3時間ほど粘り、ようやく姿を現したので体制を整えようといったんカメラを置いたところ、安定が悪く畔を転がり泥の小川へ落ちてしまった。カメラもレンズも泥に埋まり、水が入ったのか勝手にシャッターが切れる始末。
果たして治るのか、いったいいくらかかるのか?
ショックである。
カトリヤンマ1014-1_1_1.jpg



























2015年10月15日 東京都
キク目キク科 タカアザミ
タデ目タデ科 ミゾソバ
チョウ目タテハチョウ科 テングチョウ、ツマグロヒョウモン
トンボ目ヤンマ科 カトリヤンマ

CANON  EOS50D EF70-200mm F2.8 L IS USM/EXTENDER EF 1.4×Ⅱ


アオマツムシの誘惑腺 [バッタ目]

朝晩肌寒くなり、夜、樹上からのアオマツムシの鳴き声もトーンダウンしてきた感がある。
涼しい昼間でも鳴き声が聞かれるようになった。
この日も、センニンソウの葉上から聞こえてきた。
アオマツムシ1014-1_1.jpg


















何枚か撮っていたら、オスの前にメスがいることにようやく気が付いた。
色も葉に似ていて意外とわからないものだ。
どうやらこのメスに向かって一生懸命鳴いているようだ。
メスは両方の触角が短く切れていてちょっと弱々しい。
アオマツムシ1014-2_1.jpg


















少しの間鳴きやんでまた熱いラブコールを送っていた。
しかしメスは一向に動く気配なし。
アオマツムシ1014-3_1.jpg


















見ているとしばらくして体を反転させ、メスにお尻を向けて鳴き続けていた。
この後、この恋が実ったかどうか、結末を見ることなく立ち去った。

家で写真を整理していて、おや、このしぐさ以前に見た記憶が・・・。
以前、カンタンのオスが背中にある誘惑腺からの誘引物質でメスを誘っているのを思い出した。
アオマツムシもカンタンと同じマツムシ科で調べると誘惑腺がありそうだ。
今度是非確かめてみたい。
アオマツムシ1014-4_1.jpg


















以前に見たカンタンのオスの誘惑腺を舐めるメス。
カンタン誘惑腺_1.jpg


















2015年10月14日 東京都
バッタ目マツムシ科 アオマツムシ、カンタン(長野県)  CANON  EOS70D EF100mm F2.8L IS USM


田んぼの畔の小さな穴 [コウチュウ目]

田んぼの畔を歩いていると、小さな穴があちこちに空いている。
アリの巣?と思ったが、アリなど歩いていない。
少しの間立ち止まって観察していると、穴が何かに塞がれた。
写真の左下の穴には白い蓋が・・・・。
トウキョウヒメハンミョウ1014_1.jpg


















そーっと近づくと、蓋に見えるのは虫の頭。
この穴はハンミョウの仲間の巣であった。
ハンミョウといってもあのカラフルなハンミョウではない。
ここでシーズンに見られるのは「トウキョウヒメハンミョウ」。
恐らくその幼虫かと思われる。
トウキョウヒメハンミョウ1014-1_1.jpg


















大きな顎を持ち、巣の上を通る小さな虫などを顎で捉えて巣に引きずり込んで食べる。
地面を歩く小さな生きものにとっては恐るべき悪魔だが、アップで見ると白いおかっぱ頭でひょうきんな顔つきだ。
よく見ると目が複数ある。
調べると、大きな2対の単眼とその周りに小さな4対の単眼、合わせて12個の目を持っている。
これらの目で、遠くの敵や目の前の獲物を捕らえるのだ。
近くの草でハンミョウ釣りを試みたが、全くのボウズでこれは手ごわい。
日を改めて再挑戦したい。うまく釣れたなら、幼虫の体の全貌をお見せしたい!
トウキョウヒメハンミョウ1014-2_1.jpg


















2015年10月14日 東京都
コウチュウ目ハンミョウ科 トウキョウヒメハンミョウ?
CANON EOS50D SIGMA 17-70mmDC MACRO HCM、EOS70D EF100mm F2.8L IS USM


オオウラギンスジヒョウモン [チョウ目]

谷戸の田んぼ周りでは、ノハラアザミが咲いている。
夏から咲き始めるアザミだが、秋の花、花期は長い。
夏眠を終えたヒョウモンチョウたちが吸蜜に訪れる花でもある。

例年見ていて多いチョウはメスグロヒョウモン、ミドリヒョウモンあたり。
この日もいくつかが集まっていた。
珍しいのはいないか?
オオウラギンスジヒョウモン_1.jpg


















パッと見ではなかなか種がわからないのでとにかくじっくり見て、さらに撮ってあとで同定。
翅表だけでは頼りない場合があるので、しっかり翅裏も撮らねばならない。
さほど知識がないということ・・・。
オオウラギンスジヒョウモン2_1_1.jpg


















どうやらこれは「オオウラギンスジヒョウモン」のようだ。
ここ数年よく見かける種で、ある谷戸では多くの個体が産卵していたとの情報もいただいた。
時折、珍しいクモガタヒョウモンやウラギンヒョウモンなども混じるのでよく見ないと!
皆だいぶ翅が傷んでいて、あとどれくらい姿を見られるだろうか。
オオウラギンスジヒョウモン3_2.jpg


















2015年10月8日 東京都
チョウ目タテハチョウ科 オオウラギンスジヒョウモン


ムツアカネ [トンボ目]

数年前に撮った八ヶ岳の「ムツアカネ」。
ここ数年、見に行けずにいる。
近々行ってみようと思うが、まだいるだろうか?
ムツアカネ_2.jpg


















ついでにキャンプしたいなぁ!
キャンプ.JPG


















2013年8月 長野県
トンボ目トンボ科 ムツアカネ CANONEOS40D EF-8-15mm f/4L FISHEYE USM

続・ススキ原っぱ [自然]

いよいよ秋本番、風になびく「ススキ」にも花が咲いていた。
ススキは風媒花、黄色いのは雄しべで雌しべとは熟す時期が異なるようだ。
ススキ1007_1.jpg


















ススキの周りでは「コセンダングサ」が花をつけていた。
この花にはたくさんの虫たちがやって来る。
ヒョウモンチョウの仲間で今の時期多く見られるのが、元来南方系の種の「ツマグロヒョウモン」。
コセンダングサは、北アメリカ原産の外来種で外来生物法で要注意外来生物に指定され駆除対象だが、今の時期虫たちには貴重な吸蜜源だ。
ツマグロヒョウモン1007_1_1.jpg


















「ナナホシテントウ」も多く見られた。
茎に付くアブラムシを食べているようだ。
ススキ原っぱは私たちの原風景でもあり、さらにはバッタやトンボを始めたくさんの虫たちも育んでいる。
ナナホシテントウ1007_1.jpg


















2015年10月7日 東京都
イネ目イネ科 ススキ
チョウ目タテハチョウ科 ツマグロヒョウモン
コウチュウ目テントウムシ科 ナナホシテントウ

イカリモンガ [チョウ目]

今日は朝から曇り。
トンボもチョウも姿を見せず、どんよりと薄暗い空から今にも雨粒が落ちてきそう。
こんな日は出逢う虫たちの数がぐっと減る。

そんな中、ユウガギクの花にチョウが訪れていた。
大きさと色からテングチョウ?、裸眼では老眼が進み見えないがファインダーを通すと久しぶりの「イカリモンガ」だった。
いやぁ、写真に撮ったのは3年ぶりでこの10年ほどで3回ほどしか出逢っていない。
僕にとって会いたいと思っていてもなかなか出逢えない、とてもレアな虫なのだ。
オレンジ色が美しく、日中花を訪れ翅をたたんでとまるその姿はまるでチョウ。
翅のオレンジ色が船の錨(碇)に見えることから錨(碇)紋蛾。
幼虫の食草はシダ類、イノデとよく書かれているが、このあたりにイノデはそんなに多くあるわけではないので少ないのだろうか?他のシダはたくさんあるのだが・・・。

このガを見ていると、人がチョウとガを分けていることに意味があるのかといつも思う。
現在ガは約6000種とも言われ、チョウはそれに比べるとたった240種ほど、昔ならった記号で表現すると ガ∋チョウ、なのに分類ではなぜチョウ目なのだろうか?
イカリモンガ1010_1.jpg


















キク目キク科 ユウガギク
チョウ目イカリモンガ科 イカリモンガ    CANON EOS7D SIGMA 17-70mmDC MACRO OS HCM

カラフルなマダラバッタ [バッタ目]

歩いていて道に飛び出たバッタ。
色が見慣れないバッタだったので、写真を撮ろうとするとすかさず飛んで逃げた。
とにかく敏感で写真を撮るのをあきらめて捕獲を試みた。
捕虫網がないのでこれまた一苦労。
ようやく捕まえて、我が家までお越しいただいた。
はてさて、何バッタか?
ヒナバッタ1009_1.jpg


















体に散りばめられたピンク色と翅の縁の緑色、図鑑に載っている種で同じ色のものはいないがどうやら「マダラバッタ」。
当初ヒナバッタとしていたが、詳しい方からのご指摘でマダラバッタに訂正した。
以前に見たマダラバッタは緑色型だったが、こんな色の物もいるのだなぁ。
見つけた場所では初確認だった。

ヒナバッタ1009-2_1.jpg


















2015年10月9日 東京都
バッタ目バッタ科 マダラバッタ                  CANON  EOS70D EF100mm F2.8L IS USM


ススキ原はバッタ天国 [バッタ目]

昨日訪れたススキ原っぱ。
いくつもの大きな株のススキの穂が風に揺れてキラキラ輝いていた。

ススキの小径1007-1_1.jpg



















中に入るとススキの小路。
ちょっとわくわく、子供たちならきっと大喜びするに違いない。
ちょっとした基地でも作ろうか!
ススキの小径1007_1.jpg



























喜ぶのは子供たちだけではない。
ススキ原の住人、バッタたちも。

歩いていると、ススキや周りに生えたコセンダングサなどから華麗に飛び去るのは「ツユムシ」。
丘陵で見られるツユムシは、セスジツユムシ、アシグロツユムシとこのご本家ツユムシがいるが、ススキ原のような草原性を好むのはツユムシだけ。他の2種は林縁を好むのだ。
ツユムシ1007-1_1.jpg



























ススキの根元にいたのは、口が赤いことから血吸いバッタとも呼ばれる「クビキリギス」。
噛まれると首が切れるまで離さないことから名付けられたほどその顎の力は恐ろしい・・・。
と書くと恐ろしすぎるが、噛まれたら間違いなく痛い。
クビキリギス1007_1.jpg


















足元から飛ぶのは「クルマバッタモドキ」。
モドキと名が付くが、クルマバッタより断然見る機会が多いのはちょっとかわいそうな命名。
クルマバッタモドキ1007_1.jpg


















クルマバッタより飛距離を稼いで音を立てて飛ぶのは、バッタの中でも最大級の大きさ、名の通りの「トノサマバッタ」だ。
飛んでしまうとかなり先に着地。
追っかけるのが大変だ。
トノサマバッタ1007_1.jpg


















この日の目的は、バッタではない。
おぉ、見つけたと思いきやお腹の大きな「オオカマキリ」のメスだった。
3時間ほど探し回ったが結局見つけられず。
時期的には遅いなぁと思っていたら、今日職場の同僚が「昨日、ススキ原でオスを見つけましたよ」って。
えぇっ!さすが、だが自分の見る目のなさにがっくりだ。
また、出直そうと思うが、残された時間は多くはないのだ。
オオカマキリ1007_1.jpg


















2015年10月8日 東京都
イネ目イネ科 ススキ
バッタ目ツユムシ科 ツユムシ
バッタ目キリギリス科 クビキリギス
バッタ目バッタ科 クルマバッタモドキ、トノサマバッタ
カマキリ目カマキリ科 オオカマキリ 
CANON EOS50D SIGMA 17-70mmDC MACRO  HCM、EOS70D EF100mm F2.8L IS USM


ススキ原のミヤマアカネ [トンボ目]

今日は少し風が強かったが、雲一つない青空だった。

ススキの原っぱで見かけた「ミヤマアカネ」のオス。
夏に見たころよりお尻が真っ赤に色づいていた。
翅先の縁紋の淡いピンク色が絶妙の色合い!
好きな赤トンボの1種だが、丘陵では見られる場所が限られそれほど多くない印象。
ミヤマアカネ1007_1.jpg
























こちらを向くと鼻の頭まで赤かった。
自然が色付く秋の先取り!
ミヤマアカネ1007-1_1.jpg


















葉や枝先にとまっているのはよく見かけるが、石の上にも。
近づくと飛び去りまたこの石の上に戻ってくる。
周りには止まりやすそうな葉や枝や他にも石があるのに、この石の上が居心地がいいようだ。
影に映る翅の褐色の紋が面白い。
ミヤマアカネ1007-2_1.jpg


















2015年10月7日 東京都
トンボ目トンボ科 ミヤマアカネ                    CANON  EOS70D EF100mm F2.8L IS USM