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美味しそうな花の陰には・・・ [自然]

カエンタケを見に行った折、花や虫も探してみた。
「チダケサシ」は見頃を少し過ぎた頃だろうか。
下から上へ咲きあがるのはオカトラノオと同じで、これらの花はいつが見頃といえばよいかいつも悩んでしまう。
チダケサシ0716_1.jpg





























丘陵のfieldではまだ蕾もついていない「メハジキ」がもう咲いていた。
ここはおおむね1週間ほど植物の開花が早い。
メハジキ0716_1.jpg





























メハジキの花に翅の傷みの無い奇麗な「ダイミョウセセリ」が訪れていた。
5月頃によく見られたが一旦姿を消しまたこの頃2化目が見られるようになってきた。
ダイミョウセセリ0716-1_1.jpg



















不自然なとまり方はやはりクモに捕まっていた。
メハジキの花の色に紛れる真っ白な姿からアズチグモのメスだろう。
美味しい蜜にありついたと思った瞬間に捕らえられて命を奪われる。
チョウにとって運が悪かったではすまされない、このクモにとってはこれが生きるために得た戦略。
ダイミョウセセリ0716-2_1.jpg



















林内を歩いていると足元から目の前に飛び出した「クロコノマチョウ」。
このチョウも落ち葉の上ではアズチグモに負けず劣らずの擬態で動かなければわからないが、こうして飛んで葉上にとまると目立ってしまう。きっと動かなかったら僕に見つからなかったろうに。
獲物を捕まえるための攻撃擬態(ペッカム型擬態)、敵から身を守る隠蔽擬態、それぞれ巧みな技だ。
クロコノマチョウ0716_1.jpg



















2020年7月16日 東京都 ユキノシタ目ユキノシタ科 チダケサシ、シソ目シソ科 メハジキ、チョウ目セセリチョウ科 ダイミョウセセリ、タテハチョウ科 クロコノマチョウ、クモ目カニグモ科 アズチグモ

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コバネヒメギスとヒメギスと [バッタ目]

今の時期、乾燥した草地で見られるキリギリスの仲間に翅の小さな「コバネヒメギス」がいる。
ヒメギスに似ているが名前の通り成虫でも翅が小さい。
幼虫の時期から腹部下側が黄褐色、黄緑色をしているのでヒメギスと見分けられるようだ。

これはオスだがよく見ると小さな翅に発音器があることから立派な成虫だ。
小さな声でチリ、チリ♪と鳴く。
コバネヒメギス.JPG



















こちらメスにもオスよりさらに小さな翅がある。
コバネヒメギス0710-2.JPG



















湿地や田んぼの畔で見られるのが「ヒメギス」。
褐色型と緑色型があり翅の長い長翅型も見られ、オスはシリシリシリ♪と鳴く。
平地ではほぼ本種だが、山地には近似種がおり識別には注意が必要だ。
ヒメギス0710-1_1.jpg



















頭頂部から背中、翅にかけて緑色の緑色型。
翅をこすり合わせて鳴いていた。
ヒメギス0710-2.JPG



















コバネヒメギスがいた近くのクズの葉上で、片方の後ろ脚をなくした「キリギリス」が体を日に向けて日光浴中だった。雨が一旦止んで晴れ間が出たおかげであちこちでこの姿が見られた。
キリギリス0710_1.jpg



















2020年7月10日 東京都 バッタ目キリギリス科 コバネヒメギス、ヒメギス、キリギリス

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猛毒キノコ カエンタケを見た [菌類]

キノコの中でも食べると死に至る可能性があり、触れるだけでも皮膚の炎症を起こす猛毒の「カエンタケ」。
どんなキノコか一度は見てみたいと今まで探していたが見つからず、ちょうど1週間前に丘陵外だが発生しているとの情報を聞いた。その時は都合で見に行けず、今日になってまだあるだろうかと半信半疑で見に行ってみた。
詳しい場所は聞いていなかったが林内のこの辺だろうと歩いていると、ドンピシャ当たりで情報通り切り株の周りに生えているのを見つけた。
カエンタケ0716-1_1.jpg



















1週間経っていたので諦めモードだったのでこれは嬉しかった。
新しいものは赤みが強く、時間が経ったものは赤みが薄れ黄色くなるような感じだ。
形は様々で、すでに人が折ったであろうものもいくつかあった。
これは人の手のような形のもの。
カエンタケ0716-2_1.jpg



















こちらも折れていたが、まだ赤みが強く二股に分かれた音叉のような形。
カエンタケ0716-4_1.jpg



















1本の棒のようなものもある。
表面に小さな顆粒が付着していたがカビなのか胞子なのかよくわからない。
胞子を吸い込むのも体に影響があるという事だったがとりあえずマスクはしていたので大丈夫だろう。
カエンタケ0716-5_1_1.jpg



















まだ発生したばかりと思われる小さなカエンタケもあった。
とにかくメマトイと蚊の大群に囲まれながら撮影したのちそそくさと避難したのだが、露出していた右の腕や手の甲がピリピリと痛んで蚊に刺されたのかキノコのせいなのかわからず近くにあったトイレで洗い流した。
その後すぐにおさまったが、蚊に刺された跡はなかったので触らずともこのきのこの影響かもしれないと思ったのだった。
傷みの原因は定かではないが、とにかく触らぬ神に祟りなしのカエンタケだ。
カエンタケ0716-3_1.jpg



















2020年7月16日 東京都 ボタンタケ目ボタンタケ科 カエンタケ

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水色の斑が奇麗 マルウンカ [カメムシ目]

キク科、ウマノミツバだったかの葉上にいた小さな虫。
何だかよくわからなかったのでまぁいいかといったん通り過ぎたものの気になって踵を返した。
丸いのでマルカメムシ、テントウムシか?
カメラをマクロモードにして液晶を見ると、おおっ、「マルウンカ」ではないか。
マルウンカは大きさは5mmほどで植物の汁を吸い林や草地で見られるウンカの仲間。
まん丸の体は敵に対して臭いのある液体を出すテントウムシに擬態しているともいわれる。
マルウンカ0713-1.JPG



















体の色や模様は個体変異が大きく濃い褐色や斑が白いものなど様々で、そんな中でもこの色の個体を見られたのは嬉しい!
この後、ピョーンと飛んで姿をくらました。
このままブローチにしたい色とデザインで、誰かこのブローチ作ってくれないかなぁ!
マルウンカ0713-2.JPG



















近くのアズマネザサの葉上には「ササキリ」の若齢幼虫がいた。
体の何倍もある長い触角、黄色、オレンジ、黒の鮮やかな色合いと艶はまるでガラス細工のよう。
成虫になると体は緑と黒色になるのでこの姿は今だけの期間限定だ。
ササキリ0713.JPG



















2020年7月13日 カメムシ目マルウンカ科 マルウンカ、バッタ目キリギリス科 ササキリ

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ピンクのソックス カシワマイマイのメス [チョウ目]

雨が止んだ薄暗い林内を歩いていると針葉樹の幹の根元に白っぽいものがとまっていた。
ドクガ科の仲間の「カシワマイマイ」のメスだった。
カシワマイマイ0713-1.JPG
















幼虫の食樹はカシワ、クヌギ、コナラなどのブナ科、バラ科、カエデ科などで成虫は舞うように飛ぶことから名付けられた。似た仲間にマイマイガがいて共に大量発生することで知られている。
カシワマイマイ0713-2_1.jpg
















ドクガ科ではあるが成虫に毒は無いようだが、1令幼虫は有毒といわれている。
メスは白地に褐色の翅模様に脚先にはピンク色のソックスをはいているような美しい蛾だ。
オスは褐色に白い波模様があり黄色いソックスをはいているが今まで撮ったことが無く、是非今年は出会いたいと思う。
カシワマイマイ0713-3.JPG
















2020年7月13日 東京都 チョウ目ドクガ科 カシワマイマイ

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昆虫は皮を脱いで大きくなるのだ [バッタ目]

7月に入りヤブキリたちもすっかり成虫になってあちこちからシリシリシリ♪と鳴き声が聞かれるようになった。
5月末、「ヤブキリ」の脱皮の瞬間に出会っていた。
昆虫は人間など哺乳類と異なり、外骨格という固い鎧をまとっているため大きくなるためにはその鎧を脱がなければ成長できない。
種によって何回脱げば大人になれるかは様々だ。
多くは脱いだ殻を食べているようで美味しいのか?栄養があるのか?
ヤブキリ0531.JPG



















先日はツバキの葉裏で「オオカマキリ」が脱皮していた。
脱皮した体は柔らかく、カマキリとてもっとも無防備で危険な瞬間だ。
セレンゲティで水を飲むキリンを思い出す。
オオカマキリ0712.JPG



















昆虫が成虫になるための最後の脱皮を羽化という。
以前に撮った羽化して間もないオオカマキリはまだ翅が伸びていないちょっと変わった姿だった。
オオカマキリ.JPG





























バッタ、カマキリ、カメムシの仲間など幼虫時代と成虫の姿がほとんど変わらず棲む場所も食べ物も同じ昆虫が脱皮して成長する様を不完全変態という。
一方、チョウやコウチュウ、ハエ、ハチなど幼虫時代と成虫の姿が一変して棲む場所や食べ物も変わる種は、成虫になる前に蛹というステージがありこれらは完全変態と呼ばれる。食べ物が変わることから口や体の構造が全く異なり幼虫と成虫が共通して持つ基本的な器官以外はすべてが再構築されるというすごいことが行われるのだ。

前者は幼虫時代と食べ物が同じなので成虫になっても探す手間はないが、たくさんの個体がいれば食べ物が無くなったりその場所に何かあれば全滅するリスクがある。
一方後者は、幼虫時代と食べ物が異なるので自ら探しに行かなければならないが、飛翔能力が高く前者のようなリスクは無い。また蛹になることで寒さを乗り越えられる。

昆虫の進化の過程では、不完全変態から一部が完全変態に進化したと考えられているようだ。
蛹のステージがない不完全変態のトンボの仲間は、幼虫と成虫では食べ物は共に肉食だが飛翔能力が高く棲む場所が異なるという点で合致しないし、紙を食べるシミなどは幼虫と成虫の姿が全く変わらない無変態と呼ばれる種もいて色々面白い。

と気付けば長々と書いてしまったが、最後は不完全変態の「エビイロカメムシ」の若齢幼虫を見つけたので貼っておく。今までにも何度も書いているが、幼虫の時はこの色、形、とても愛らしいが、成虫になると全く普通のカメムシになってしまうところが残念で仕方がない・・・。まぁ、あくまで個人的な好みなのだが。
成虫の姿をご存じない方は是非検索して欲しい。
エビイロカメムシ0712_1.jpg



















東京都 バッタ目キリギリス科 ヤブキリ、カマキリ目カマキリ科 オオカマキリ、カメムシ目エビイロカメムシ科 エビイロカメムシ

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今年の田んぼは・・・ [季節]

公園の谷戸では毎年春から秋にかけてたくさんの方の力を借りてお米を作っている。
でも今年は新型コロナウィルス拡大の影響でコメ作りを止めた。
早春、荒おこしまでやったもののそのままだ。
田んぼ0702-1.jpg



















そんな田んぼでは田んぼ雑草の天下となっていた。
コナギにセリにヨシ、そのほか詳しくは見ていないが希少種も色々出ていると思われる。
田んぼ0702-2.JPG



















希少種の中で一見してわかりやすいのが田んぼの中に普通の草のように生えている「ミズニラ」だ。
いくつかある田んぼの中でここだけに30株以上あった。
水生シダの1種で環境省のレッドリストで準絶滅危惧、東京都のレッドリストではここ北多摩では絶滅、西多摩で絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
田んぼ0702-3.jpg



















この田んぼで優勢なのは「ヤノネグサ」のよう。
牛の額で知られるミゾソバの仲間で結構マイナーだが好きな種だ。
夏の終わりから秋にかけて葉が赤く染まりいわゆる草紅葉が楽しめる。
田んぼ0702-4.jpg



















田んぼの隅には風に流されて「ウキクサ」たちが寄り添っていた。
田んぼ0702-5.jpg



















ウキクサを見ると子供の頃によく遊んだ田んぼを思い出す。
カブトエビやホウネンエビ、トノサマガエルにタイコウチなどを捕まえたものだが、残念ながらここでは見られない。
この後の田んぼは、時折耕耘して雑草を抑えたりイベントなどにも使われるようだ。
さて、いつもと違う田んぼではこれからどんな生きものたちが見られるか期待したい。
田んぼ0702-6.jpg



















畔ではまだ「ネジバナ」が咲いていた。
右ねじれ、左ねじれ、どちらが多いか?
どちらも同じくらいあるとの事だ。
花をよく見るとまさしくランの仲間だとわかるのだが、どれだけの方がそのことを知っているだろう・・・。
田んぼ0702-7.jpg





























2020年7月2日 東京都 ラン目ラン科 ネジバナ

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お見事!タマゴタケ [菌類]

今年の梅雨は雨ばかりでほとんど梅雨の晴れ間がない。
雨量も半端なく九州や岐阜などでは大雨による災害が起こり多くの方が亡くなっている。
昔はこんなことは本当に稀であったが、ここ数年は毎年のようにどこかで起こっていて大変恐ろしいことだ。

雑木林では雨と多湿であちこちにキノコが生えている。
握りこぶしほどの大きさの「ノウタケ」がでていた。
一見、名の如しである。
ノウタケ0710_1.jpg



















そろそろかと探していた「タマゴタケ」が2本並んですっかり傘を開いていた。
共に同じくらいの高さ、傘の大きさでそっくり。
ほぼ同じところから出ているので二卵性双生児なのか?
開く前も見たかったが残念だ。
タマゴタケ0710-1_1.jpg



















手前のが良い角度で伸びたおかげで開いた傘がそれほど重ならずにすんでいた。
お見事!
タマゴタケ0710-2_1.jpg



















2020年7月10日 東京都 ハラタケ目テングタケ科 タマゴタケ

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ササを綴って コチャバネセセリ幼虫 [チョウ目]

林縁のアズマネザサの中に葉の先が糸で綴られたものがあった。
中に何かいるに違いない。
よく見ると黒いものが少し見えていた。
コチャバネセセリ0702-1_1.jpg





























申し訳ないが綴られた葉を開いてみた。
中から出てきたのは想像通り、セセリチョウの丸々太った幼虫だった。
コチャバネセセリ0702-2_1.jpg





























セセリチョウの幼虫であることはわかるが、さて誰?
セセリチョウの仲間の幼虫は姿がよく似ているが、決め手はいる植物の種類や巣の形、頭部の色と模様など。
幼虫図鑑で調べると頭が真っ黒で首のところに黒い線があることから「コチャバネセセリ」の幼虫だ。
恐らく終齢で、間もなくこの巣の中で蛹室を作って切り落とし地上で蛹になるようだ。
コチャバネセセリ0702-3_1.jpg



















成虫はこちらで都市部でも見られる。
コチャバネセセリ_1.jpg



















2020年7月10日 東京都 チョウ目セセリチョウ科 コチャバネセセリ

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続々上陸 シュレーゲルアオガエル [両生類]

田んぼ周りを歩いていると畔のヨシの葉に影が。
さて正体は・・・
シュレーゲルアオガエル0704.JPG



















あたりを見渡すともうあちらこちらの草の葉上にまだ尻尾が残っている小さなカエルたちがいた。
影の主は田んぼから上陸したばかりの「シュレーゲルアオガエル」だった。
この個体は手足が無ければまるでオタマジャクシ、水から上がって間もないのだろう。
シュレーゲルアオガエル0704-3_1.jpg





























こちらは前の写真より少しお兄さんだろうか、尻尾はまだあるが姿はすっかりカエルだ。
シュレーゲルアオガエル0704-2.JPG



















2020年7月4日 東京都 無尾目アオガエル科 シュレーゲルアオガエル

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