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赤いススキに赤いショウリョウバッタモドキ [バッタ目]

朝陽が当たったススキでショウリョウバッタモドキを見つけた。
ショウリョウバッタモドキはススキやオギなどのイネ科に依存していて、東京都ではこれらが減っていることから絶滅危惧種に指定されている。
昨年ここのススキが夏に誤って全て刈られて姿が見られなくなり心配していたのだが、今年は刈られなかったので復活してくれたようだ。
街中のススキが生えるちょっとした空き地でその姿を見ることもあり、意外とたくましいなぁと思うこともあるのだ。
ショウリョウバッタモドキ1107-1_1.jpg



















いくつもあるススキの中で茎や葉が赤く染まった株がある。
恐らくこの茎を切ってみるとその随まで赤いと思われる。
この赤色はススキ本来の色ではなく、フザリウムという赤カビによるものと言われている。
一方のショウリョウバッタモドキは成虫になった頃には赤い筋が入るものもいるが緑色の体色で、このような色のものを見かけないことから恐らく秋が深まると体色が赤く変化すると思われる。
コバネイナゴなどでもこの色の変化は見られる。
まさか赤いススキを食べたことで赤カビによって赤くなるって事はないよなぁ・・・
それにしてもこの色の組み合わせは見事な保護色だ!
ショウリョウバッタモドキ1107-2_1.jpg



















2020年11月7日 東京都 バッタ目バッタ科 ショウリョウバッタモドキ

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晩秋の虫たち [季節]

いよいよ朝晩の冷え込みが厳しくなり虫たちの姿も減ってきた。
柵にとまる「アキアカネ」。
遅くは12月末まで見られるが、いまだ年越しのアキアカネにはお目にかかっていない。
さて、今年はどうだろうか?
アキアカネ1031.JPG



















ふとロープ柵に目をやると「アオクチブトカメムシ」と「ハラビロカマキリ」のツーショット。
ハラビロカマキリは耐寒性が高いのか、カマキリの仲間の中では最も遅くまで見られる種だ。
ハラビロ&アオクチブト1101.JPG



















アオクチブトカメムシもけっこう遅くまで見られ紅葉するように体が赤くなる。
既に少し色付き始めているようだ。
クヌギカメムシなども赤くなるが、そのわけは何?
アオクチブトカメムシ1101.JPG



















林縁を歩けば飛び出すのが「クロコノマチョウ」。
成虫越冬なのだがこのいでたちなので落ち葉に紛れればまず見つけられない。
前翅が鍵状になった秋型だ。

これらの虫たちはまだもう少し楽しませてくれるだろう!
クロコノマチョウ0327_1.jpg



















2020年10月31日、11月1日 東京都 トンボ目トンボ科 アキアカネ、カメムシ目カメムシ科 アオクチブトカメムシ、カマキリ目カマキリ科 ハラビロカマキリ、チョウ目タテハチョウ科 クロコノマチョウ

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飛び交うスズメバチのオスバチたち [ハチ目]

田んぼ脇の溜池の横を歩いていると小さな黒いハエのようなものがぶんぶん羽音を立てて飛んでいた。
ハエがたくさん飛んでいる時は何かが近くで死んでいる可能性があるので、大元を探していたらどうやら草の中のようだった。
クロスズメバチ1101-1.JPG



















これはひょっとしてと飛んでいるのを落としてみたら、やっぱり「クロスズメバチ」。
じっくり見ると触角が黒くて長いのでオスバチだ。
クロスズメバチ1101-2.JPG



















ここの巣の新女王が旅立つのを待ち構えて巣の周りを飛び交っているようだった。
よく似た種にシダクロスズメバチがいるが、顔の中心にある下向きの矢印のような黒斑が下の黒線につながっていればシダクロ、つながっていなければクロ。
したがってこの巣はクロスズメバチだ。
クロスズメバチ1101.JPG



















この前日、歩いているとスズメバチが低空飛行で飛び交っていた。
止まったところを見てみるとこちらは「モンスズメバチ」のオスバチ。
腹部の黒い横じまに波模様があるが、肩が赤いのもこの種の特徴だ。
モンスズメバチ1030-0.JPG



















恐らく近くに巣があるのだろう。
今の時期、スズメバチの巣からオスバチが出て、新女王に交尾しようと巣の周りを飛び回る。
この数日後、オオスズメバチのオスバチたちにも遭遇した。
オスバチが活発に活動するのはなぜか午前中で、午後には飛ぶ姿が見られなくなってしまう。
不思議だ!
ちなみにハチの毒針はメスの産卵管が変化したものなので、産卵管の無いオスは毒針を持たず掴んでもさされることは無い。
モンスズメバチ1030.JPG



















2020年10月30日、11月1日 ハチ目スズメバチ科 クロスズメバチ、モンスズメバチ

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少し赤いアオオサムシ [コウチュウ目]

道脇の排水溝を覗いていると「アオオサムシ」が落ちていた。
いつも見るものとは違い鞘翅が赤い。
写真で撮ってみると肉眼で見たより赤味が少ないのは光の加減のせいだろうか?
アオオサムシ1102-1_1.jpg



















前胸背や鞘翅の縁は緑色。
それでもこれだけ赤いのはここではそれほど多くは見られない。
南房総には赤いアオオサムシがいるらしい。
この種は後翅が退化して飛べないことから長距離の移動が出来ず、各地で独自の進化をとげているようだ。
色の変化もその一つ。
アオオサムシ1102-2.JPG



















よく見掛けるアオオサムシはこの緑色。
昔、自然界の緑色を青と呼んだことからアオと名付けられたのだろう。
探せばもっと赤い個体がいるかもしれない。
アオオサムシ.JPG



















2020年11月2日 東京都 コウチュウ目オサムシ科 アオオサムシ

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秋の蛾たち2 [チョウ目]

蛾の仲間は今や日本だけで6000種を超えるという。
一方の同じチョウ目に属するチョウの仲間はおおよそ240種しかいない。
チョウは昼に活動し目にとまる機会が多く、昔から童謡などで歌われ身近な存在だ。
しかしこの種数の違いは明らかに蛾の多様性を物語っており、チョウにひけを取らない美しい種も多く存在する。
子供の頃はほとんど蛾に興味を持たなかったが、この年になってさて今晩の灯りには何が来るのだろうか?朝何が居残っているのだろうか?と興味津々だ。
11月に入って職場の灯りに来るものが増えたように思う。

これはなかなか秀逸なデザイン!
と思ったがさて誰だったか?
初見かと調べると恐らく「ハスモンヨトウ」。
幼虫は広食性で農業害虫とされている。
不明種1101.JPG
















こちらは毎年この時期常連の今見られる蛾の中では大きいサイズの「ウスキトガリキリガ」。
蛾の翅の模様で丸いのは眼状紋、そら豆の形は腎状紋と呼ばれる。
ウスキトガリキリガ1101.JPG



















先の種より少し小さい「クロクモヤガ」。
幼虫はハルジオンやギシギシなどを食べるので、この辺りでは多く見られる常連だ。
クロクモヤガ1101.JPG



















階段にいたのは「エゾギクキンウワバ」。
この仲間は似たものが多いのだが、翅の白い帯が特徴でわかりやすい!
幼虫はキク科の植物を食べる。

どれも地色が褐色系で地味なのだが、デザインがそれぞれ個性があって面白く興味深い。
もちろんオオミズアオやウスタビガなど見た目が美しい種もいるが、翅の模様の多様性を楽しめることが蛾の魅力の一つだろう。
エゾギクキンウワバ1102.JPG



















2020年11月1-2日 東京都 チョウ目ヤガ科 ハスモンヨトウ、ウスキトガリキリガ、クロクモヤガ、エゾギクキンウワバ

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秋の蛾たち1 [チョウ目]

9月末、朝の職場のガラスにいた交尾中の地味な蛾。
調べると「ヨトウガ」だった。
漢字で書くと夜盗蛾。
幼虫は様々な植物の葉を食害するため害虫とされ、夜に活動することから夜に盗む蛾とされる。
普通種だが初めて見た。
ヨトウガ0926.JPG



















同じ日、雨の雑木林のコナラにふさふさの蛾。
「バイバラシロシャチホコ」だ。
似た種にシロシャチホコがいるが山地性なのでバイバラでいいだろう。
幼虫はオニグルミなどの葉を食べる。
バイバラシロシャチホコ0926.JPG



















10月末の朝の職場のガラスには「ウスチャヤガ」がいた。
明るい赤茶色でなかなかお洒落なデザイン。
ウスチャヤガ1025.JPG





























2020年9月26日、10月25日 東京都 チョウ目ヤガ科 ヨトウガ、ウスチャヤガ、シャチホコガ科 バイバラシロシャチホコ

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黒いセンチコガネ [コウチュウ目]

今の時期、歩いていると足元できらりと光る紫色、そうセンチコガネをよく見かける。
この日も危うく踏みそうになったが留まった。
見ると踏まれたどんぐりを食べていた。
樹液に来ていたりどんぐり食べたり死骸にいたりとなかなかの雑食性だ。
センチコガネ1026-1.JPG



















近縁のオオセンチコガネは地域によって紫や青、緑など体色に多様性があるが、センチコガネはこの紫色しか見たことが無い。※九州にはレインボーセンチと呼ばれるものがいるらしい
ところが先日、曇りの薄暗い林内の道に黒いセンチコガネがいた。

最初はコカブトムシかと思ったのだが、よく見ると何とセンチ。
薄暗いから黒く見えるのかと思ったがそうでもないようだ。
センチコガネ1020-1.JPG



















よく見ると光の加減で鞘翅は僅かに紫色がかっているが、頭部や前胸背は真っ黒だった。
センチコガネ1020-2.JPG



















一昨日も別の場所でやはり黒い個体を見つけた。
今まで見たことが無かったが、案外いるのだろうか?
センチコガネ1030.JPG



















2020年10月20、27、30日 東京都 コウチュウ目センチコガネ科 センチコガネ

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