SSブログ

白い粉を帯びる アオイトトンボのオス [トンボ目]

いよいよイネの穂が実って首を垂れ、秋の陽射しに田んぼは黄金色に輝いていた。
もうすぐ稲刈りで賑わうだろう。
田んぼ0919_1.jpg



















田んぼ脇の小川のほとりに「アオイトトンボ」のオスがいた。
夏の間、雑木林の林内で時折見かけたが、成熟して水辺に戻ってきたようだ。
アオイトトンボ0919-1_1.jpg



















オスは成熟すると複眼が青くなり胸部と腹端に白い粉を帯びる。
この個体はまさしくその通りだった。
アオイトトンボ0919-2_1.jpg





























頭胸部を撮って見ると複眼は青い水晶玉のようでとても神秘的。
胸部には白い粉が付着しているのがわかる。
この粉、触ればとれるだろうか?

やってみたいが、これは成熟した証しだろうからちょっと可哀想か・・・。
アオイトトンボ0919-3_1.jpg



















2018年9月19日 東京都 トンボ目アオイトトンボ科 アオイトトンボ

nice!(1)  コメント(2) 

カマキリたちの秋 [カマキリ目]

イタドリの花が咲いて虫が集まっていた。
何が来ているか覗いて見ると、葉影から花を見つめる「ハラビロカマキリ」を見つけた。
ここなら花にも近く、目の前に訪れた虫は一撃で捉えることができるだろう。
ハラビロカマキリ0919_1.jpg



















チカラシバの穂を見つめているのは「コカマキリ」。
といっても目の黒い点は人の瞳とは異なる偽瞳孔というもので、特にそこを見ているわけではないのだ。
コカマキリ0919-1_1.jpg



















成虫になった「オオカマキリ」が最も多く見られた。
オオカマキリ0919_2.jpg



















昨年ここで外来種のムネアカハラビロカマキリの卵鞘が複数見つかったので樹上をチェックしていると、エノキの高さ3mほどの枝に大きなお腹のオオカマキリがいた。
腹端で丹念に枝の状況を確認しているように見え産卵するのではと見ていると、大きなお尻の動きがまるで何か別の生き物のように見え何ともグロテスクだった。
少しすると他の枝へ移動して残念ながら産卵は見られなかったが、きっとこのあたりに産卵するに違いない。
オオカマキリ0919_1.jpg



















2018年9月19日 東京都 カマキリ目カマキリ科 ハラビロカマキリ、コカマキリ、オオカマキリ

nice!(1)  コメント(0) 

いよいよ秋! ヤママユもそろそろ [季節]

今日午前中は秋晴れ!
朝、草地の上を無数のトンボたちが飛び交っていた。
ウスバキトンボ?と思ったがようく見るとすべて「アキアカネ」。
夏を山地で過ごし成熟していよいよ里に下りてきたようだ。
古いコンデジなので飛び交う写真は思うように撮れなかった。
アキアカネ0917_1.jpg






















出勤すると玄関のシャッターに大きい蛾がいると開けるのを待っていてくれていた。
見るとオスの「ヤママユ」だった。
オートでピントを合して数枚撮ったが、全てピンボケで残念
それでも眼状紋が透けて見えた。
ヤママユ0917-1_1.jpg






















シャッターを開けるため降りてもらった。
とても綺麗な色だった。
ヤママユ0917_1.jpg






















そういえば、昨日出勤中に寄った峠のコンビニでも1個体がガラスにとまっていた。
写真を撮っていると何を撮っているのかと覗き込む人もいた。
ヤママユもそろそろ次の種にバトンタッチだろう。

そうそう、今日モズの姿と高鳴きを聞いた。
いよいよ、秋ですねぇ!
ヤママユ0916_1.jpg






















2018年9月16,17日 東京都 トンボ目トンボ科 アキアカネ、チョウ目ヤママユガ科 ヤママユ

nice!(1)  コメント(4) 

近頃であった擬態した虫たち [自然]

擬態とは自分の体を他のものに似せることで、忍者の如く回りに似せて隠れる事を隠蔽的擬態、逆に目立たせて敵を脅す事を標識的擬態という。

隠蔽的擬態は字の如く周りの環境に体を似せて敵を欺く。
保護色や隠蔽色を纏うことがこれに当たる。

一方、標識的擬態にはベイツ型、ミューラー型、ベッカム型などがある。
ベイツ型は無毒のものが有毒のものの形態を真似る事で敵を欺く。
身近な例では毒のあるジャコウアゲハに毒のないオナガアゲハやクロアゲハ、ガの仲間のアゲハモドキが似ることで鳥などの天敵から逃れ身を守ることが出来る。

ミューラー型は有毒のものが皆同じような形態をすることで敵に有毒であることを認識させ身を守る擬態だ。
例えば有毒なスズメバチやアシナガバチはよく似た色や形で認知度を高め捕食される可能性を減らしているのだそうだ。


そんな前置きをして擬態した虫たちを見てみよう。

コナラの周りを飛び回っていたスズメバチか?
一見キイロスズメバチに見えるが、正体は蛾の仲間の「コシアカスカシバ」だ。
今の時期、樹皮に産卵するためにコナラの根元でよく見られる。
もちろんこの蛾に毒はないが、毒のあるスズメバチに似せていることから標識的擬態の中のベイツ型擬態だ。
この例は、毒でなくても嫌な匂いを出すテントウムシやホタルのそっくりさんが多く見られるなど昆虫の中では多い擬態なのだろう。
コシアカスカシバ0831_1.jpg























葉上で見掛けたのはナナフシの仲間の「ヤスマツトビナナフシ」。
ナナフシの仲間は、前脚を伸ばして葉脈や枝に擬態する隠蔽的擬態。
この個体は葉脈に直角にとまっていたので見つけやすかった。
ヤスマツトビナナフシ0911_1.jpg






















こちらの葉上でもアリかと思いきや、アリに擬態した「ホソヘリカメムシ」の幼虫。
アリは蟻酸を出す事から嫌がられる存在だ。
そういった事から標識的擬態の中のベイツ型擬態だろう。
カメムシなのでもちろん襲われれば臭気を出すだろうが、外見で襲われなければそれにこしたことはないということか。
成虫は飛んでいると一見アシナガバチにも見えることから、幼虫と成虫で擬態する対象を替えていると思われる。

擬態といっても人が見てそう思っているだけなので本当のところはどうなのかわからないが、そう見える進化をしてきた虫たち、凄いではないか!
これら以外の擬態についてはまたの機会に。
ホソヘリカメムシ0911_1.jpg






















2018年9月 東京都 チョウ目スカシバガ科 コシアカスカシバ、ナナフシ目ナナフシムシ科 ヤスマツトビナナフシ、カメムシ目ホソヘリカメムシ科 ホソヘリカメムシ

nice!(2)  コメント(2) 

久しぶりの野川 [自然]

今日は休みで久しぶりにちょっと訳あって野川へ。

野川は古多摩川が削ってできた河岸段丘からの湧水の流れを集めた川で、東京都国分寺市に端を発し国分寺崖線に沿って約20km流れて多摩川にそそぐ。
崖線は名の通り崖となっていて、高度成長期時代から開発を免れ今でも周辺には多くの自然が残っている。
今日は平日なので川に人の姿は見られなかったが、休みには子供たちが川に入って遊ぶ姿があちこちで見られる。
野川0913-0_1.jpg



















湧水が起源なので、水は透き通って水底が見える。
下水道が整備された今でも、時折石鹸のような泡が流れているのでどこからか排水が流れ込んでいるのだろう。
今日はそんな光景は見られなかった。
オイカワあたりか、あちこちで影が。
野川0913-1_1.jpg



















川岸にフジバカマの群落がる。
昔ここで仕事をしていた頃には簡易にスズランテープで囲まれていたのだが、今日見たらロープの保護柵で囲われていて以前より群落も大きくなっていた。ある方がこの群落の保護に尽力されていたのが今につながっている。
フジバカマの花にはアサギマダラが集まるので、いないか見ていると変な姿勢の「キタテハ」がいた。
思った通り「アズチグモ」に捕まっていた。
キタテハはまだしきりに動いていたので捕まったばかりのようだった。
アズチグモ0913_1.jpg



















ここの常連「コサギ」に会うことが出来た。

野川0913_1.jpg





























都立野川公園の自然観察園を歩いてみた。
数年前に入り口は見違えるようにきれいに改修された。
元来、武蔵野で見られる野草を展示することで作られたが、今では様々な野草の見本園のようになっている。
わざわざ遠くへ行かなくても、ここに来れば見ることが出来る希少な植物が多く植えられている。
野川公園自然観察園0913_1.jpg



















この日見られた花は、キツリフネ、カリガネソウ、フジバカマ、アキカラマツ、シュウカイドウ他、これから見頃がヒガンバナ。
ちょうど今が見頃なのが「シロバナマンジュシャゲ」だ。
ヒガンバナとショウキズイセンの自然交雑種と言われている。
例年開花はヒガンバナより少し早い。
シロバナマンジュシャゲ0913_1.jpg



















一方のヒガンバナは開花している花も少しあるがまだこれから。
これから多くの方がヒガンバナ目当に訪れる。
ヒガンバナ0913_1.jpg





























ここで見られるクツワムシやヒメクダマキモドキを探したが、残念ながら見つからず。
今年初見のササキリの成虫を見つけた。
つぶらな瞳が可愛かった。
ササキリ0913_1.jpg



















2018年9月13日 東京都 クモ目カニグモ科 アズチグモ、チョウ目タテハチョウ科 キタテハ、キジカクシ目ヒガンバナ科シロバナマンジュシャゲ、ヒガンバナ、バッタ目キリギリス科 ササキリ

nice!(1)  コメント(2) 

秋はバッタたちの季節 [バッタ目]

田んぼ脇にあるハス池の縁を歩いていると、葉上から覗く顔が。
おぉっ、仮面ライダー!
ハネナガイナゴ0908-1_1.jpg



















正体は「ハネナガイナゴ」だった。
隣の田んぼは稲穂がたわわに実っていた。
稲の子と呼ばれるだけあって、田んぼが大好き。
農家の方たちには嫌われ者ですが・・・。
ハネナガイナゴ0908-2_1.jpg



















ハスの葉に虫食いの穴が開いていた。
誰のしわざかと探していたら、君たちか?
褐色のメスの上に緑色のオスが乗った「オンブバッタ」。
交尾もしていないのにこうしてメスをキープしているのをよく見かけるのが名の由来。
似たショウリョウバッタよりも遅れて孵化し、夏の終わり頃に成虫になるようだ。
オンブバッタ0908_1.jpg



















畔を歩けば足元から飛ぶ「ヒナバッタ」のメス。
卵越冬のバッタの中ではいち早く初夏には成虫が見られ、最も遅くまで姿が見られる。
よく見るとなかなかお洒落なデザインだ。
ヒナバッタ0908_1.jpg



















2018年9月8日 埼玉県 バッタ目バッタ科 ハネナガイナゴ、ヒナバッタ、オンブバッタ科 オンブバッタ

nice!(1)  コメント(0) 

田んぼにいたトンボたち [トンボ目]

久しぶりの田んぼを眺めていたら、トンボたちが縄張り争いに忙しそうだった。
最も多かったのは水色の眼が印象的な「シオカラトンボ」のオス。
縄張りを張って飛び回るのはオスばかり、時折交尾したのを見掛けたが田んぼの真ん中に降り立ってじっくり姿を見ることが出来なかった。
シオカラトンボ0907_1.jpg





























少数見られた「ショウジョウトンボ」のオス。
一般的に赤トンボと呼ばれるトンボ科アカネ属には属さない、初夏から真っ赤に色付くトンボだ。
右の前翅が欠損しているのは、激しいバトルの勲章だろうか?
ショウジョウトンボ0907_1.jpg



















2面の田んぼ上で2頭の「ギンヤンマ」のオスたちがテリトリーを巡り激しい争いを繰り返していた。
見る限りメスは見られなかったのだが、来るべき時を思っての行動だろうか。
近づくと離れ、離れると近づく、この日はマクロレンズのみだったのでこの敏感さにはお手上げだった。
ギンヤンマ0907_1.jpg



















2018年9月7日 埼玉県 トンボ目トンボ科 シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ヤンマ科 ギンヤンマ

nice!(1)  コメント(2) 

オオトリノフンダマシの卵のう [クモ目]

よくトリノフンダマシが見つかる谷戸の湿地に見に行った。
園路のすぐ脇ですぐにヨシの葉に「オオトリノフンダマシ」の卵のうを見つけた。
特徴のある形の卵のうが全部で3つ。
オオトリノフンダマシ0908-1_1.jpg



















よく見ると一番上の葉で母さんが卵のうを見守っていた。
今まで見たもので一番多い数は、トリノフンダマシの4つ
さて、この母さんまだふっくらしている、さらに頑張るのか?
継続観察してみよう!
オオトリノフンダマシ0908-2_1.jpg



















別の場所で「トリノフンダマシ」の丸い卵のうを1つ見つけた。
探して見たが近くに母さんはいなかった。
トリノフンダマシ0908_1.jpg



















2018年9月8日 埼玉県 クモ目ナゲナワグモ科 オオトリノフンダマシ、トリノフンダマシ

nice!(0)  コメント(2) 

ツリフネソウとオオアオイトトンボ [季節]

谷戸の湿地では「ツリフネソウ」が咲き始めていた。
まだまだ昼間は蒸し暑く秋とは言えないが、季節は進んでいるようだ。
花の形が吊り下げられた帆掛け船にや花器の釣船に似ていることから名付けられたそうな。
ツリフネソウ0908-1_1.jpg





























横から見ると、くるっと巻いたお尻が可愛い!
サザエかヤドカリか、イイダコか・・・。
ツリフネソウ0908-2_1.jpg



















すぐ脇で何かがふわりと飛んでまた降りた。
久しぶりに見る「オオアオイトトンボ」のメスだった。
林内や林縁で成熟するのを待っていたトンボたちもそろそろ水辺へ。
オオアオイトトンボ0908_1.jpg



















2018年9月8日 埼玉県 フウロソウ目ツリフネソウ科 ツリフネソウ、トンボ目アオイトトンボ科 オオアオイトトンボ

nice!(1)  コメント(0) 

カレハが窓に アカエグリバ [チョウ目]

昼食を買いに峠のコンビニを訪れた。
あさ、通勤ですぐ脇を車で通った時に、ヤママユガいるのが見えたのでちょっと期待していた。
朝に見つけた場所を探したが既にいなくなっていた。
昨日は台風の影響で凄い風が吹き荒れてていたが、よく灯りに来たものだと驚いた。

代りに窓ガラスにへばりつく落ち葉を見つけた。
よく見ると、実にすばらしく落ち葉に擬態した「アカエグリバ」だった。
似た種にヒメエグリバがいるが、本種でいいだろう。
幼虫の食草はアオツヅラフジ、このあたりには普通に見られる。
アカエグリバ0905_1.jpg



















2018年9月5日 埼玉県 チョウ目ヤガ科 アカエグリバ

nice!(1)  コメント(2)