真冬の赤、青、黄色 [季節]
雑木林を歩いていると、足元で赤い色が目に入った。
褐色の落ち葉の上に、目立つ赤色は「ヤブコウジ」の実。
縁起木で十両の別名がある。
一両はアリドオシ、百両はカラタチバナ、千両はセンリョウ、万両はマンリョウでどれも赤い実。
赤い実は鳥たちも好物で、いつの間にかなくなっている。
丘陵で多く見られるのは、十両と万両、鳥たちが種を運んでいるのだろう。
こちらも鳥たちに人気の青い実、群生する「ジャノヒゲ」。
葉の根元にあるのでなかなか気付かないが気を付けてみると結構見つかる。
ジャノヒゲの実はスーパーボール!
青い実を剥いた白い球はよく弾むのでついつい。
似たものに葉が長く株立ちのナガバジャノヒゲ、葉幅が広いオオバジャノヒゲがある。
気が付けば、ソシンロウバイの黄色い花が咲いていた。
今年もあと数日、今に思えば一年はあっという間、早いものである。
2014年12月21日 埼玉県
ツツジ目サクラソウ科 ヤブコウジ
クサスギカズラ目クサスギカズラ科 ジャノヒゲ
クスノキ目ロウバイ科 ソシンロウバイ CANON EOS70D EF-S60mm F2.8 マクロ USM/内臓ストロボ
衰弱したノスリの若 [鳥類]
歩いているとご夫婦が何やら木の上を撮影していた。
通りかかると、鳥わかりますか?と言われて見ると、少し離れた枝に猛禽がとまっていた。
双眼鏡をお借りしてみると、「ノスリ」のようだ。
よく見るノスリにしては小さく羽も短いことから若鳥と思われる。
そこに公園のスタッフがきて、数時間前に来園者が園路脇でヘビを捕らえて食べているのを見つけたが、近づいても全く逃げないので心配して連絡してきたとのこと。
スタッフ2人が近づいても威嚇する程度で逃げる様子はなく、ぐったりしていたそうだ。
その後飛んで行ったようだが、その時食べていたヘビの残骸を見せていただいた。
シマヘビだったが頭と少し食べただけだった。
それにしてもこの時期、よくヘビを見つけたものだ。
そのノスリが残したヘビが気になって再び戻ってきたのかもしれない。
写真を撮った後、低空で少し離れたコナラの枝にとまったのを確認してその場を後にした。
いくつか写真を撮って気になって、とまった枝のところに行ってみるとまだそこにいた。
たまたま小さな子供を連れたご家族がスタッフから聞いてやってきて見上げていたところ、突然糞をしたのにおばあちゃんが驚いて声を上げたので、ノスリもびっくりして少し離れた電柱に飛んで行った。
普段なら、こんな近くでノスリを見ることはできない。
お兄ちゃんと妹の子供たちはいい経験をしたと思う。
それにしても、スタッフの話や近寄っても逃げないところを見ると、餌が採れなかったのかかなり衰弱しているようだ。
車に戻ったところ頭の上もまたもや低空飛行で雑木林の奥へ消えて行った。
何とか厳しい冬を乗り越えて生き延びて欲しいものだ。
今日は60mmマクロしかもっていなかった。
距離はあるもののトリミングはしているがそのシャープさには驚いた。
改めてなかなかいいレンズだと思う。
2014年12月26日 東京都
タカ目タカ科 ノスリ CANON EOS70D EF-S60mm F2.8 マクロ USM
クヌギカメムシ [カメムシ目]
翅からはみ出るほどお腹が卵で膨れている。
これから産卵するのか産卵中なのか?
裏から見ると気門が黒いので「クヌギカメムシ」。
クヌギカメムシの仲間は他にヘラクヌギカメムシとサジクヌギカメムシがいるが、気門が黒いのはクヌギカメムシだけ。
他の2種のオスは生殖器の形状で判別可能だが、メスは判別できないそうだ。
先日のヨモギハムシ同様、無事産卵できるといいな。
2014年12月23日 埼玉県
カメムシ目クヌギカメムシ科 クヌギカメムシ CANON EOS70D EF-S60mm F2.8 マクロ USM/内臓ストロボ
きのうのキノカワガ [チョウ目]
田んぼの畔は小春日和 [コウチュウ目]
12月も終盤となり寒さが一層増してきたが、日差しは暖かく田んぼの畔では「ホトケノザ」やナズナなど春の花たちが咲いていた。
春には黄色の花をたくさん咲かせる「オオジシバリ」、陽の光に葉や水滴が輝いてとてもきれいだった。
風は冷たいものの、これらを見ているととても温まる。
虫を探せどなかなか見つからない中、ヨモギの葉にお腹の大きなハムシがいた。
ヨモギを食草とする「ヨモギハムシ」だろう。
近づくとポロリと落ちてしまった。
卵越冬のようだが、朝晩の冷え込みは厳しいので無事産卵できるか心配だ。
2014年12月21日 埼玉県
シソ目シソ科 ホトケノザ
キク目キク科 オオジシバリ
コウチュウ目ハムシ科 ヨモギハムシ EOS70D,EF-S60mm F2.8 マクロ USM/内蔵ストロボ
巨大なナナフシ ツダナナフシ [ナナフシ目]
伊丹市昆虫館の生態展示で見た「ツダナナフシ」。
何より太くでかい!
八重山諸島から台湾、東南アジアにかけて分布しているようで、こちらで見られるナナフシモドキやニホントビナナフシなどに比べるとすごい貫禄だ。
南国の虫らしく色も緑、黄、青、ピンクとカラフル。
ちょっとエビっぽい。
特別に見せていただいた。
触ると首のあたりから白色の液体を四方八方に飛ばした。
わかってはいたものの、実際に手につくと ひぇ~ とビビった。
外敵から身を守るためだそうだが、触るとミントのよい香りがした。
匂いを嗅ぐ以前に、こんな液体が飛んでくるのにびっくりしてしまう。
毒液とも言われているが、手についたくらいでは何ともなさそうだが、目に入ったらちょっと心配だな。
2014年12月17日 兵庫県
ナナフシ目ナナフシ科 ツダナナフシ RICOH WG-4
林床を飛び回る白っぽい蛾 [チョウ目]
雑木林で虫を探していたら、林床を無数の白っぽい蛾が猛スピードでジグザグに飛び交っていた。
アズマネザサやコウヤボウキなどにバシバシ翅をぶつけながらなかなか荒っぽい。
冬の昼間に雑木林で飛ぶ蛾といえば、クロスジフユエダシャクがいるが飛び方やそのスピードが全く違ううえクロスジの出現期はすでに終わっている。
今までもこの時期によく見かけたのだが、種を確認できずにいた。
今日こそ突き止めてやろうとじっくり観察していると、1頭が落ち葉の中に降りた。
そっと葉をめくってみるといたのはキリガの仲間だった。
さらに見ているとまた1頭が葉上にとまった。
先ほどと同じ種のようだ。
帰って調べると「フサヒゲオビキリガ」だと思われる。
蛾の仲間のオスの触覚はメスのフェロモンを感知するためブラシ状や櫛状など立派だが、この種もキリガの中ではフサフサとした触角を持っていることからこの名があるのだろう。
飛んでいるのはほとんどこの蛾のようだが、昼行性なのだろうか?
確認した2頭はどちらもオスであったことから、メスを探して飛んでいるように思う。
数年来の疑問が一つ解けてちょっとすっきり。
2014年12月21日 埼玉県
チョウ目ヤガ科 フサヒゲオビキリガ EOS70D,EF-S60mm F2.8 マクロ USM/内蔵ストロボ
伊丹市昆虫館 再び [告知]
伊丹市昆虫館で開催されているプチ展示「オズのはやにえ展」を見に行ってきた。
兵庫県伊丹市の昆陽池公園内にある。昆陽池は野鳥観察でも有名な場所だ。
この日もオナガガモやキンクロハジロなどが目の前で餌をとっていた。
小学校から高校までを尼崎市で過ごしたが伊丹市との境に近く、この昆陽池公園は家から比較的近い場所だった。
ただ、その頃にはまだ昆虫館がなかったのが残念だ。
モズのはやにえの写真を提供させていただいたことで学芸員の野本氏にお忙しい中館内を案内していただいた。
この日から、新しい展示「特別展 いたみの自然~身近な生物多様性~」もお披露目されていた。
伊丹市にもツマグロキチョウやルーミスシジミが生息しているのには驚いた。
床に貼られた伊丹市の航空写真には、実家や通った小、中、高校も写っていて思わずうれしくなってしまった。
お目当ての「モズのはやにえ展」はやにえ200連発は想像通り、様々なはやにえの実物や写真が展示され目を見張るものであった。集めることの苦労話も聞いてより一層その貴重さを感じたのだった。
入口を入ると奥からモズがこちらを見ていた。
左の壁にはイナゴのはやにえが。
モズは入口とはやにえの両方を睨んでいるとのことだ。
どうやらこのスペースはこのモズのテリトリーのようだ。
展示には、モズの解説やはやにえの不思議、モズがはやにえする映像、宮本武蔵が描いたモズの掛け軸など、モズという鳥のことがよくわかって一層身近に思えるに違いない。
さらには「人間の善意のはやにえ」といった面白いものが見られるのも必見だ!
2014年12月17日 兵庫県
CANON EOS70D EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM
ムーアシロホシテントウ いい場所ないなぁ [コウチュウ目]
冬越ししているキイロテントウはよく見かけるが、それよりちょっと大きくてオレンジ色に白斑がある。
前胸背に2対あるので「ムーアシロホシテントウ」。
キイロテントウとともに植物につく菌類を食べる。
見ているとゆっくり歩きまわっているが止まってはくれない。
落ち着くいい場所を探しているようだが、なかなか見つからないようだ。
「ん~ もうお手上げ!」。
この後も散々歩き回り、ようやくお気に入りの場所を見つけた。
ちょっとくぼんだこの場所でじっと動かなくなった。
何がいいのかわからないが、ここがいいのだろう。
2014年12月10日 東京都
コウチュウ目テントウムシ科 ムーアシロホシテントウ EOS70D,EF100mm F2.8L IS内部ストロボ
続・モズのはやにえ レパートリー [鳥類]
ただここにきて、いくつか見つかった。
高さ約3mのヤナギの枝には、お尻だけが残っているコバネイナゴだろう。
先日のカエルに続きさらに少し古いミイラのカエル。
カエルのすぐ脇にあった頭のないケラのはやにえ。
頭だけ食べたのだろうか?
ここで一番大物が見つかった。
通常は土の中にいるはずだが、何かの理由で地上に出てきて見つかったのだろう。
低い柳の枝に刺さっていた。
何とカブトムシの幼虫だった。
なかなかグロテスクだ。
モズが里山の鳥なら、カブトムシは里山の昆虫の代表格。
今まで見たはやにえの中で最も印象に残るものの一つだった。
2014年12月10日 東京都 EOS70D,EF100mm F2.8L IS内部ストロボ