真っ黒なホタル クロハナボタル [コウチュウ目]
TVでもホタルの話題がちらほら聞かれる。
谷戸を歩いているとホタルの仲間が見られるようになってきた。
足元の草の上にとまっている黒い虫、当初ゴミムシの仲間かと思ったが取りあえず撮ってみた。
が、よく見るとホタルの仲間のようだ。
全身真っ黒なホタルはここにはクロマドボタルがいるが、前胸背に窓がないのでそれとは違う。
これは、「クロハナボタル」というらしい。
赤くはないがベニボタルの仲間、前翅の目立つ筋に網目のような模様が特徴的だ。
立派な触角からオスだろうか。
似た種にヒメクロハナボタル、ニセクロハナボタルなどがいるそうだが、手持ちに記載の図鑑がないためとりあえずクロハナボタルとしておこう。
2016年6月4日 東京都
コウチュウ目ベニボタル科 クロハナボタル CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM
アカタテハ 無事羽化する [チョウ目]
アカタテハ チョウになるのは厳しい! [チョウ目]
道際にカラムシが生育している。
葉の裏が白いのがこの植物の特徴。
見ると葉裏の白いのが目立つが、これは「アカタテハ」のしわざだ。
幼虫は葉を糸で綴って巣をつくりその中に潜む。
いくつか綴られた葉を開いて見るが、幼虫の姿はない。
白い葉に黒いシミが付いた葉を開くと、そこには死んだ幼虫がいた。
外から襲われたのか原因は不明。
葉を渡り歩き何かを探す「キアシナガバチ」の姿があった。
いくつかの幼虫は、このハチに肉団子にされたのは容易に想像できる。
味を占めて再び訪れていると思われた。
下の方に、少しは先が開いて綴られた葉をいくつか見つけた。
覗いてみると、まだ白いアカタテハの蛹が見つかった。
葉の上に尻を付けた垂蛹。
幼虫の巣は葉の縁をほとんど綴るが、蛹になる葉は一部綴られていない。
これは成虫になった時に外に出る為なのだろう。
この蛹を撮っていると、脇でぶるぶると大きな音がした。
見ると、他の蛹の葉が揺れている。
何もしていないのに何故蛹が動いているのかと見るとすぐにその訳がわかった。
葉の上に寄生蜂がとまっていたからだ。
見ていると蜂が飛んでくると葉にとまる前にすでに蛹が動いて威嚇している。
羽音?匂い?いったい何を感じているのだろうか?
この後、蜂は葉の中に入り蛹に近づいて行った。
この局面に、つい手を出してハチを追い払ってしまった。
まぁ、私がいなくなったらまたやって来るのだろう。
幼虫時アシナガバチや寄生バエ、寄生蜂などの敵から逃れ、蛹になってまでまだ敵に襲われるとは本当に厳しい世界だ。
果たして、3頭の蛹は無事羽化できるだろうか?
今日、この場所を訪れてみたら3頭のうち1頭は無事羽化していた。
上記寄生蜂の来ていた蛹は大丈夫か?
継続して観察したい。
2016年5月31日 東京都
チョウ目タテハチョウ科 アカタテハ
ハチ目スズメバチ科 キアシナガバチ
CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/内臓ストロボ、EOS50D SIGMA17-70F2.8-4.5 DC MACRO
切り株にノコギリヒラタカメムシ [カメムシ目]
小さく裸眼では見えなかったので無視していたのだが、気になってレンズを向けた。
その風貌は、ノコギリカメムシのようだが妙に平べったい。
幼虫か?
調べたところ、「ノコギリヒラタカメムシ」なるものに行き当たった。
確かにノコギリカメムシに似てさらに平たい、まさしく名前の通りだ。
ノコギリカメムシから名を取ったのか、それとは別にこの形から名付けられたのかはわからないがよく似たものがいるものだ。
ノコギリ、ヒラタとくればクワガタなのだが・・・。
このカメムシはきのこ類を食べるとのことなので、切り株に生えたきのこに集まって来たのだろう。
まだまだ見たことのない虫たちがいることが、何とも楽しくたまらない!
2016年6月1日 埼玉県
カメムシ目ヒラタカメムシ科 ノコギリヒラタカメムシ CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/内臓ストロボ
伐採した切り株にクロナガタマムシ [コウチュウ目]
高く伸びたコナラが枝を張り夏は暗い林床だったが、さてどんな変化が訪れるかと楽しみにしていた。
久しぶりにその場所に行ってみると、光が注ぐ林床にはアケビやドクダミ、ノイバラなどが生育していた。
切り株を見て歩いていると、「クロナガタマムシ」の交尾ペアを見つけた。
コナラなどの新しい伐採木や倒木に産卵に集まる地味だがなかなか美麗な小型のタマムシ。
下の青い色がメスで上の赤い色がオス。
オスメスでこういう色なのかと思ったが、調べると地域によって色の変異は多彩のようだ。
それぞれの色の輝きも素晴らしく、ほっそりとしたスタイルは全くもって羨ましい!
単独の個体がいたが敏感で、近寄るとすぐに飛んで行ってしまう。
他にもペアが見られたが、このペアが最も撮り易かったのでかなりひつこく付きまとってしまった。
そのせいでしまいには交尾を解きそれぞれ飛んで行ってしまった。
申し訳ないことをしたが、オスの腹の綺麗な色を撮ることが出来たのは個人的に収穫だった!
60~70年経ったコナラやクヌギの2次林は、先に述べたように暗くて林床の植物相も貧相だ。
こうして伐採することで、明るい環境を好む植物が入りそれを食草とする昆虫、さらにその虫を食べる上位の種も増える。
この場所でこの種が見られたのもそのお蔭だ。
しかしこれだけ年を経た木々では萌芽更新はなかなか望めないが、ここでは雑木林の若返りの為に実生を育てていた。
木を切ることをよく思わない方もいるが、元来2次林の雑木林は人の生活と密着して手を入れることで多くの生き物たちが棲む豊かな雑木林として保たれてきた。
現在雑木林は、人の生活と離れさらに金銭的な面で更新出来ない場所がほとんどで多くの問題を引き起こしている。
以前のような人と雑木林の良い関係を取り戻すことは、よほどの強い思いと人の繋がりがない限りもはや難しいのだろうと改めて思う。
2016年6月1日 埼玉県
コウチュウ目タマムシ科 クロナガタマムシ CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/内臓ストロボ