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大きく存在感のある シロシタバ

先日、多くのナラ枯れが発生して伐採し立ち入り禁止になっている谷戸を仕事で見に行った。
以前は一年中様々な稀少な野草が見られる豊かな谷戸だったが、木が伐採され風景が一変していた。
谷戸中央部は木が無くなったことで日向となり、オオブタクサやダンドボロギクなどが目立ち植生もすっかり変わってしまった。残念だがどうしようもない。

まだ枯れずに残っているクヌギの幹にナラ枯れの原因であるナラ菌を媒介するカシノナガキクイムシの拡散を防ぐ目の細かなネットが巻かれており、そのネットにハタケノウマオイがいたが撮る前に気付かれ逃げられてしまった。
他に何かいないと探していると、コナラ幹の高所にいたのは「シロシタバ」。
ヤガ科シタガバ亜科に属する蛾でこの仲間は黄色、紫、白など後翅が美しい事から人気があり、シロシタバは白いのでこの名がある。
シロシタバ0813-1.JPG



















翅を開くと約10㎝もあり閉じていても大きくてよく目立つが、翅の模様は地衣類に似ていて地衣類の付いた樹皮にとまっているとわかりにくい。
東京都のこの地域では準絶滅危惧に指定されていて、出会うことはそう多くはない。
シロシタバ0813-2.JPG



















2023年8月13日 東京都 チョウ目 ヤガ科 シロシタバ

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ノイバラの枝? 超擬態のキエダシャクの幼虫

今日、ノイバラの枝を探してみると いたー!と小躍りした「キエダシャク」の幼虫。
前に見たのは8年前、それ以降ちょくちょくいないかなぁとノイバラを見ていたが見つけられなかったのだった。
キエダシャク0417-1.JPG



















体の色といい棘といい、この虫を知らなければまず存在には気付かない。
何と素晴らしいピカ一の擬態。
進化の過程で食樹のノイバラの枝そっくりに似せて体を変化させたことは本当に驚きである。
顔と脚の側面の黒線も何らかの意味があるのだろう。
キエダシャク0417-2.JPG



















周辺にノイバラは沢山あったが、この株で5個体を確認した以外他では見つからなかった。
キエダシャク0417-3.JPG



















まだ成虫には出会ったことが無い。
一度は見てみたいなぁ!
キエダシャク0417-4.JPG



















2023年4月17日 東京都 チョウ目シャクガ科 キエダシャク

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自然界は厳しい!

先日、池にカモが死んでいると職場に連絡があった。
鳥インフルエンザが流行っているので連絡したとのことだった。
行ってみると岸辺に1羽が浮いていた。
岸にあげて見ると「カルガモ」のメス。
あちこちよく見たが外傷はない。腹部1か所に僅かなへこみがあったが特に傷があるわけではなかった。
なのでなぜ死んだのかわからない。
この後、数日同所で死んだ水鳥はいなかったので職場の同僚が丁重に葬ったようだ。
カルガモ0319.JPG



















カモを見ていると岸辺でガサガサ音がした。
見ると水を飲みに来た2頭の「ホンドタヌキ」だった。
1頭はまるまるとした成獣でもう1頭は毛が抜けて疥癬症を罹っていた。
小さく見えたが、今の時期子供は既に一人立ちしていると思われおそらく成獣で毛が抜けたことで小さく見えたのかもしれない。
疥癬症はヒゼンダニというダニによる皮膚病で毛が抜け落ち免疫力が低下して死に至る可能性が高い。
毛が無い状態で冬の寒さは堪えただろう、何とか冬は乗り越えられたようだがこの先も気掛かりな事と、疥癬症は感染するので見た目健康そうな行動を共にしているもう1頭も罹患している可能性が高い。
こういった毛の抜けたタヌキを毎年見るたびに、何とかしてあげられないものかと思うのだが・・・

人と違って、具合が悪くても自分の免疫力だけで生き抜かなければならない。
自然界は本当に厳しいものだと改めて感じさせられた1日だった。
ホンドタヌキ0319.JPG



















2023年3月19日 東京都 カモ目カモ科 カルガモ、食肉目イヌ科 ホンドタヌキ

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翅がボロボロ シロフフユエダシャク

今朝、職場の掃除をしていたら玄関の風除室から出てきた「シロフフユエダシャク」のオス。
一瞬、今シーズン初見のヒロバフユエダシャクかと期待したのだが、既に確認済みのシロフ。
左の前翅の先端は鱗粉が取れ後翅も途中から欠損していた。
一体何があったのだろうか?
踏まれないよう移動させたら、何とか飛べるようだった。
既にお相手に出会えたのか、まだなら頑張って!
シロフフユエダシャク0224.JPG



















今日は植物調査で、歩いていたら足元にノウサギの糞があった。
たまに糞は見つかるが、夜行性のためその姿はなかなか見られない。
ノウサギ0224.JPG






















日本に生息するノウサギはニホンノウサギで地域によって亜種があると言われている。
雪国の東北や日本海側で見られるトウホクノウサギ、佐渡島で見られるサドノウサギは冬に毛が白くなる。
狭山丘陵で見られるのは東北以南の本州、四国、九州に生息するキュウシュウノウサギで隠岐島のオキノウサギと共に冬にも毛色は褐色のままで変わらない。
アマミノクロウサギやペットで飼われているアナウサギの仲間は巣穴を掘って子育てをするが、ニホンノウサギは穴を掘らない。

以前この近くで子ウサギに出会った。
警戒心が薄く近寄ると逃げるが走っては止まりを繰り返していた。
そのうち何処からかタヌキが現れ追いかけまわして子ウサギがとまったところに襲い掛かり咥えて持ち去ってしまった。
止まってじっとしていたのが命取りとなったようだ。
まさかタヌキがと、かなり衝撃的で驚いたことを思い出した。

お題はフユシャクだったが、ノウサギの話の方が長かった・・・
キュウシュウノウサギ.JPG



















2023年2月24日 東京都 チョウ目シャクガ科 シロフフユエダシャク、ウサギ目ウサギ科 ニホンノウサギ(キュウシュウノウサギ)

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冬の身近な鳥たち

先日、埼玉県中央部に仕事で行った際、見つけた鳥たち。
休耕田の小川沿いの伐られた株をテリトリーとしていたのは冬鳥の「ジョウビタキ」のオス。
時折やって来ては、地面に降りて餌を捕っていた。
ジョウビタキ0117.JPG



















ここは宅地の周りに屋敷林や社寺林が点在している場所で、そういった林を小さな群れで移動していた「オナガ」。埼玉県ではレッドリストには載っていないが、東京都では準絶滅危惧種に指定されている。
黒い頭に水色の尾が奇麗な鳥だが、鳴き声がギューイギューイギュイギュイギュイ♪などと鋭く暗いイメージで、よくサスペンスドラマの殺人事件が起こったシーンなどで使われていてTVで聞いたことがある方も多いのではないだろうか?
オナガ0117.JPG



















ジョウビタキがいた休耕田の川沿いちょくちょくやって来ては、セグロセキレイに追い出されてていた「キセキレイ」。セグロセキレイの縄張りだったのだろうか?
黄色が美しいセキレイの仲間で、fieldでも夏は姿が見ないのだが冬になるとあちこちで見かける。
fieldを含めこの辺りでは、夏は山地で子育てをし寒い冬には低地へ降りてくる漂鳥なのだろう。
キセキレイ0117.JPG



















2023年1月17日 埼玉県(丘陵外) スズメ目ヒタキ科 ジョウビタキ、カラス科 オナガ、セキレイ科 キセキレイ

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オオムラサキの蛹殻?

道脇にあるエノキの実生の枝先に何かいないか見ていた。
このエノキはここで観察を始めた頃はまだ小さかったが、今では高さは6mほどまで大きくなった。
目の高さくらいの枝にチョウの蛹の殻があった。
アカボシゴマダラかと思ったが、普段見るそれよりも大きい。
腹部背面とその突起の形状を見ると「オオムラサキ」のように見える。
ゴマダラチョウも似ているが、腹部の背面形状が奇麗な円弧を描いているのでやはりオオムラサキではないだろうか?
オオムラサキは普通大きなエノキを好むのだが・・・。
蛹殻は中央で裂けている事から鳥に襲われたのだろう。
オオムラサキ蛹1202-1.JPG



















蛹の殻は今年のものだと思われるが、葉が繁っているとなかなか見付けるのは難しい。
エノキの成長は早いなぁとつくづく思うのであった。
オオムラサキ蛹1202-2.JPG





























2022年12月2日 東京都 チョウ目タテハチョウ科 オオムラサキ? バラ目アサ科 エノキ

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秋の赤い実

秋は先のコブシをはじめ様々な植物が赤い実をつける。
鳥に食べてもらって種を散布してもらう作戦なのだろう。
「コバノガマズミ」もそんな赤い実。
オトコヨウゾメだと思って撮ったがこのblogを書いていて、ん~、これオトコヨウゾメではなくコバノガマズミだったと訂正。
コバノガマズミ1020.JPG



















実の美しさがピカ一と思うのが「ゾクズ」。
小さいが艶のあるオレンジ色はとても存在感がある。
まるで小さなドラゴンボールみたい!
ソクズ1020.JPG



















葉の下に産み付けられた「オオカマキリ」の卵鞘を見つけた。
ここなら雨がかからなくていいねぇ。
オオカマキリ卵鞘1020.JPG



















この日のお目当ての一つの「セスジツユムシ」のメスがいた。
この濃い葉に鮮やかな黄緑色が目立っていた。
右下の赤は、ミズヒキ。
セスジツユムシ1020.JPG





























淡いピンク色の外皮が割れて中の赤い種が顔を覗かせていた「マユミ」。
今年は久しぶりにたくさんの実がついた。
実の上にいたのはお腹の黄色が鮮やかな「キバラヘリカメムシ」。
成虫越冬だそうだが、どこで冬を越しているのだろうか?
その姿を見たことが無い。
キバリヘリカメムシ1020_1.jpg



















2022年10月20日 東京都 マツムシソウ目レンプクソウ科 コバノガマズミ、ソクズ、カマキリ目カマキリ科 オオカマキリ、バッタ目ツユムシ科 セスジツユムシ、カメムシ目ヘリカメムシ科 キバラヘリカメムシ

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初めて見た ムネアカハラビロカマキリのオス

数年前から職場の公園で外来種の「ムネアカハラビロカマキリ」が見られるようになり、これはえらいこっちゃ!とスタッフや利用者の方にもご協力をいただいて成虫、卵を駆除してきた。
昨年、今年とすっかり見られる数が減ってかなり効果があった。

今月初めに公園のスタッフが交尾していた個体を捕まえてきた。
ケースに一緒に入れていたら、思った通りメスがオスを食べ始めた。
ムネアカハラビロカマキリ1003-2.JPG



















ふと思ったのが、今までたくさんの個体を見てきたがすべてがメスでオスを見たのは初めてではないかと。
体はメスより小さくて細く、前翅も後翅も翅脈が黄緑色で透明。
こうなる前に全体の写真を撮っておくべきだったと後悔したが後の祭り・・・、だった。
ムネアカハラビロカマキリ1003-1.JPG



















2022年10月3日 東京都 カマキリ目カマキリ科 ムネアカハラビロカマキリ

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幻のスズメバチではない チャイロスズメバチ

昨日、モンスズメバチの巣から少し離れたところのサクラの幹に作られたチャイロスズメバチの巣も見に行った。
チャイロスズメバチは以前幻のスズメバチと言われていたが、毎年のようにその姿や巣を確認しているので今は特にレアな存在ではないようだ。
このスズメバチは社会寄生性で女王バチはモンスズメバチやキイロスズメバチの巣の女王を殺して他種の働きバチに自分の子供を育てさせ働きバチが育つと元の種の働きバチを殺して巣を乗っ取るのだ。
モンやキイロの女王を駆逐するほどその体は堅く毒性も他種とは異なるようだ。

サクラの洞に作られた巣は元は恐らくモンスズメバチの巣だったに違いない。
昨年だったか、ここにモンスズメバチが営巣し駆除されその時に巣に詰めたビニールが今も残っている。
そこに再び営巣したようだ。駆除時に殺虫剤が洞の中に塗布されたがもう薬剤は残っていないのだろうか?
チャイロスズメバチ0815-1.JPG



















このサクラはかなり傷んでいて、幹に大きな亀裂が走っている。
洞からこの亀裂の中に空洞があると思われその中に巣を作っている様で、亀裂にはスズメバチたちが作った壁が見られる。
チャイロスズメバチ0815-2.JPG



















働きバチたちの数は多く、中にはかなり大きな巣盤があるに違いない。
同じ場所に営巣したり昨日のモンスズメバチの狭小住宅もそうだが、営巣に適した場所が少ないのだろう。
チャイロスズメバチ0815-3.JPG



















2022年8月15日 東京都 ハチ目スズメバチ科 チャイロスズメバチ

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今がピーク? ヤマトシジミ

今日は久しぶりに太陽が隠れて気温も下がり過ごしやすい気候だった。
草はらを見るとちらちらと飛ぶ小さなチョウがいた。
カタバミの周りを飛び交うのは「ヤマトシジミ」たち。
交尾している者たちも複数見られた。
ヤマトシジミ0804.JPG



















普段はあまり気に留めない普通種だが、これだけ数がいると気になるものだ。
どれも翅に傷みの無い新鮮な個体ばかり。
ヤマトシジミ0804-2.JPG



















メスを横取りしようとやって来るオスがいるが、まぁそううまくはいかないようだ。
ヤマトシジミ0804-1.JPG



















あちこちでオスたちが翅を開いていた。
陽射しが無いのでその輝きは鈍いが、しっとりした草色の上で落ち着いたいい色に見えた。
ヤマトシジミ0804-3.JPG



















2022年8月4日 埼玉県 チョウ目シジミチョウ科 ヤマトシジミ

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