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朽木からこちらを見る得体の知れないもの ホリカワクシヒゲガガンボ [ハエ目]

仕事をしていてふと横にあった朽木に目がいった。
ん~? 何かと目が合ったのだが、一瞬何だかわからない奇妙な姿。
黒い目、頭の上には櫛状のもの、その後ろに伸びるオレンジ色のアンテナ。
悪魔というのを見たことが無いが、まさにこんな感じなのか・・・。
ホリカワクシヒゲガガンボ-1_1.jpg






















その正体は「ホリカワクシヒゲガガンボ」のオスだった。
メスは見たことがあったがオスは初めてでその触覚は名の通りクシヒゲ。
触角から左右に出た枝が、前方のものを感知するように見えるが指向性はどうなのだろうか?
アンテナのように見えたのは脚だった。
ホリカワクシヒゲガガンボ0910-2_1.jpg






















朽木に産卵するようなので、メスを求めてやって来たのか。
偶然ながらも不思議な虫と出会えてラッキーだった!
ホリカワクシヒゲガガンボ0910-3_1.jpg






















2017年9月10日 東京都 ハエ目ガガンボ科 ホリカワクシヒゲガガンボ

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ハチか?アブだろう・・・なんとハエだった オオハチモドキバエ [ハエ目]

足元でヒグラシがひっくり返ってばたついていた。
拾い上げると翅がボロボロのメス。ボロボロの理由はわからないが、可愛そうで脇のコナラにとまらせた。

ふと横を見ると、ハチのような虫が幹にとまっていた。

ファインダーをのぞくとハチではなく、ハチに擬態した見たことのないアブだと思った。

オオハチモドキバエ0721-1_1.jpg



















調べるとびっくりアブではなく、ハエだった。
名前もそのまま「オオハチモドキバエ」のメス。
確かにこの色合いはムモンホソアシナガバチあたりにそっくり。
似た種にフトハチモドキバエがいるが脚が黒く、体や翅も黒い部分が多いそうで本種とした。
ハチに似せて身を守るものはカミキリムシやガ、アブなど色々いるが、ハエの中にもいるとは驚いた。
オオハチモドキバエ0721-2_1.jpg



















2017年7月21日 東京都 ハエ目デガシラバエ科 オオハチモドキバエ

ムシヒキアブたちは大忙し! [ハエ目]

まだ梅雨なのだが、このところ雨らしい雨が降っていない。
だいぶ前に降った雨がまだ田んぼを潤しているが、もう時間の問題だ。

今この記事を書いていると、台所から大きな音がしてビックリ。見ると開いた窓からの強風で置いていたコップが落ちていた。外を見ると真っ黒な雲が立ち込め、稲光が走っている。
まだ雨は落ちてこないが、期待したい!
田んぼ0715_1.jpg



















話を戻して田んぼ脇を歩いていると後から凄い羽音が通り過ぎた。
おぉっ、スズメバチかと見るとシオヤアブが獲物を抱えていた。
一瞬見えた獲物はその形や色からセアカツノカメムシだった。
老眼で近くは見えなくなってしまったが、まだ動体視力はかろうじて大丈夫そうだ!
次の羽音はヒゲジイことオオイシアブ。こちらも撮る暇もなく消え去った。
ようやく、目の前の草にとまったのは、何かを抱えたお尻の先が黒いので「サキグロムシヒキ」だろうか。
この仲間の同定も難しい・・・。
サキグロムシヒキ0715-1_1.jpg



















抱えていたのは小さなガのようだが逆光で見えにくかったので少しストロボを光らせると、その姿がはっきり浮かび上がった。
一見、愛らしいぬいぐるみかマスコットを大事そうに抱えているようにも見えるが、実は獲物を捕らえて体液を吸っているという恐ろしい光景。毛むくじゃらの体に割れた胸の筋肉が半端じゃない。
捉えられたガの目についつい悲哀を感じたのだった。

記事を書き終わった途端、凄い大粒の雨が屋根を叩き出した。
サキグロムシヒキ0715-2_1.jpg



















2017年7月15日 東京都 ハエ目ムシヒキアブ科 サキグロムシヒキ

泥の上の狩人 カマバエ [ハエ目]

時間があったので、田んぼをじっくりと見て回った。
すると1か所で真っ赤な膜が水面を覆っていた。
まるで田んぼの宇宙の真っ赤な銀河、もしくは吸い込まれそうなレッドホール?
恐らく鉄バクテリアによる酸化被膜だろう。
田んぼの中の赤い銀河1027_1.jpg





























そんな赤い宇宙空間の脇で、大きなサングラスをかけ、手にカマを持った小さな宇宙生物?
その恐ろしい姿を影が写し取っていた。
カマバエ1027-1_1.jpg



















宇宙生物の正体は、「カマバエ」の1種。
カマを持つ昆虫はカマキリ、カマキリモドキ、ミズカマキリなどがいるが、これはカマを持ったハエである。
カマで何かを捕まえて食べているものもいた。
大きさは5mmに満たないくらいだろう。
小さいので近づいても等倍のマクロレンズでは厳しいところに、この日は這いつくばれる服装ではなく思う絵面が撮れなかった。これでもかなりトリミングしている。
見られるうちに改めて撮りなおしたいと思う。
カマバエ1027-2_1.jpg



















2016年10月27日 埼玉県
ハエ目ミギワバエ科 カマバエの1種         CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/内蔵ストロボ

足元注意! [ハエ目]

林縁の園路を歩いていると、園路上に褐色の塊が目に入った。
何かの糞かと思い見ると「ケバエ」の仲間の幼虫だった。
ほぅ、またこの季節がやって来たかとの実感だ。
特に毒などはないが、知らずに踏むと非常に不快。
ケバエ1021_1.jpg



















ケバエだけではなく、「センチコガネ」もやたらと路上を歩いている。
人が歩く場所にいると踏まれることになるが、何故かそこにいる。
死んだ仲間にたかっていたのは、共食いか?

当分の間、足元注意が続きそうだ!
センチコガネ1018_1.jpg






















2016年10月18,21日 東京都
ハエ目ケバエ科 ケバエ.sp
コウチュウ目センチコガネ科 センチコガネ    RICOH WG-4


お洒落なデザイン シロスジナガハナアブ [ハエ目]

アカハナカミキリの飛来を待っていると、足元にハチがとまった。
ハチと思ったが、よく見ると翅が2枚。
先述したムネグロメバエもハチそっくりだったが、こちらもなかなかだ。
体の色合いが靴の色と似ているからここを選んだのか?
シロスジナガハナアブ0707-1_1.jpg



















黒とオレンジ色は自然界の危険色だが、ハチにはないこのデザインが何と素晴らしい!
シロスジナガハナアブ0707-2_1.jpg



















2016年7月7日 東京都
ハエ目ハナアブ科 シロスジナガハナアブ       CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/430EXⅡ

髭ジイは忙しい [ハエ目]

歩いていると脇からブ~ンとなかなかの高速で飛び去る黒い虫。
毛むくじゃらな顔から愛称「髭ジイ」、本名「オオイシアブ」の姿をよく見るようになってきた。
林縁や草原の見通しの良い場所に陣取って、目の前を飛ぶ獲物を狙っている。
狙いを定めると、スクランブル発進して捕獲する恐ろしいハンターだ。
獲物はコメツキムシやテントウムシ、コガネムシなどの甲虫類が多い。

この日も、葉上で獲物を狙っているのを見つけた。
オオイシアブスタンダード0510_1.jpg


















見ていると獲物が目の前を通過するたびにその方向に頭を向ける。
左前方視界に何かが写ったのだろう。
オオイシアブ前0510_1.jpg


















今度は上を向いた。
上方で何かが飛んだか?
とにかくすごい動体視力の上に獲物よりも早く飛んで捕獲する。
このアブに狙われたら最後、まず逃げ切ることは出来ないのではないか!

時折顔や胸の毛が金髪の色気を出したヤンキージジイも見掛ける。
数は少ないので見つけたらラッキー!
オオイシアブ上0510_1.jpg


















2016年5月10日 東京都
ハエ目ムシヒキアブ科 オオイシアブ CANON EOS50D EF70-200mm F2.8 L IS USM/EXTENDER EF 1.4×Ⅱ


アオメアブ 食事中 [ハエ目]

草地に生えた数本のケヤキの梢で、ヤマトタマムシのオスがメスを求めて飛び交っていた。
エノキではよく見かける光景だが、ケヤキも同じニレ科なのでこの葉も食べるのだろう。
立秋あたりから朝夕少し暑さは和らいだものの、昼は相変わらず暑い。
見上げて飛翔を追っていたが、たまらず木陰へ。

歩いた草地から飛び出したのは何かを咥えた草はらのハンター「アオメアブ」だった。
とまった場所を確認すると獲物はマメコガネ。
何とマメコガネのお尻に口吻を突き刺している。
ん~、そこは・・・。
見ていてくすぐったくなってくる。
この時点でまだマメコガネは生きており、こちらに気付いたアオメアブが飛び上がろうとするがマメコガネが前脚で草をつかんでなかなか飛び上がれないでいたのは滑稽だった。
アオメアブ0809-1_1.jpg


















ようやく飛んで近くにとまった。
少し時間をおいて近寄ると食事に熱中、かなり近寄っても全く逃げなかった。
じっくりと見たその顔は、毛むくじゃら。
仲間のオオイシアブなどとそっくりだが、名前の通り緑や赤の目の輝きはやはりピカイチだった。
アオメアブ0809_1.jpg


















2015年8月9日 東京都
ハエ目ムシヒキアブ科 アオメアブ     CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/内臓ストロボ

獲物を見つめるGreen Eyeのハンター [ハエ目]

草はらを歩くとブーンと足元から飛び去る虫がいる。
この場所で注目される主役はバッタたち。
大きなトノサマバッタやショウリョウバッタをはじめたくさんの種類が見られる中で、それらを狩るもの。
その名も「アオメアブ」。
特徴は名前の通り、緑や赤に輝く大きな目。
信号の緑が青と呼ばれるように、虫の名もアオバセセリやアオオサムシ、アオドウガネなど青と付いていても実際は緑色のものが多い。この虫も青目と呼ばれるが、緑色に輝く目をしているのだ。
アオメアブ0719_1.jpg


















アブの中ではムシヒキアブ科に属し、知られた仲間にシオヤアブやオオイシアブがいる。
共に他の虫の体液を吸う恐るべきハンターだ。
毛むくじゃらの脚に尖った口がそれを物語る。
自分の体よりも大きな獲物も捕えてしまう獰猛さとその俊敏さは、草原の虫たちにおそれらている存在に違いない。
アオメアブ-1_1.jpg


















2015年7月19日 東京都
ハエ目ムシヒキアブ科 アオメアブ
CANON EOS7D SIGMA 17-70mmDC MACRO OS HCM、EOS70D EF100mm F2.8L IS USM