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エゴノキのゆりかご エゴツルクビオトシブミ [コウチュウ目]

雑木林を歩いていると、ふと甘い香りが漂ってきた。
見上げるとエゴノキの花が咲き始めていた。

その枝先にぶら下がったゆりかご一つ。
葉を切り巧みに巻いた、まさしく匠の技!
このゆりかごは揺籃(ようらん)と呼ばれ、中にはオトシブミの卵が産み付けられている。

孵化した幼虫はこのゆりかごの葉を食べて育つのだ。

昔の人は想いを直接伝えることがはばかられ、巻紙にしたためて意中の人の傍らに落としたという。
それが落とし文。
オトシブミの仲間の中には作った揺籃を切り落とすことから、それが名の由来になったそうだ。
エゴツルクビオトシブミ0511-1_1.jpg



















オトシブミは種によって揺籃を作る植物が決まっておりエゴノキの揺籃の主は「エゴツルクビオトシブミ」。
この種は作った揺籃を切り落とさない。
名前の通り、オスの首はツルのように長いのだが、探せど残念ながらオスは見つからなかった。
ということで写真は揺籃近くで見つけたメス。
エゴツルクビオトシブミ0511-2_1.jpg



















よく見ると左前脚の関節から先がない。
これであの重労働な巻物作りが出来るのだろうか?と心配してしまう。
エゴツルクビオトシブミ0511-3_1.jpg



















2017年5月11日 東京都
コウチュウ目オトシブミ科 エゴツルクビオトシブミ    CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX