ヤマアカガエル 産卵する [両生類]
先月降った日陰の雪もようやく融けて車でも歩くのにも一安心だ。
ただ、ここの園路だけはまだ雪が残っている。
この先の小さな池で、2月2日薄氷の中にヤマアカガエルの卵塊が見つかったというので見に行った。
岸近くに産み付けられた比較的大きな卵塊だった。
よく成熟した個体が産んだと思われる。
例年に比べるとかなり早い産卵だが他ではまだ確認されていない。
果たしてオスを伴った受精卵だろうか?
2月4日、別の湿地で複数のヤマアカガエルが鳴きあうのを聞いた。
間もなく宴が始まるのは間違いなさそうだ。
他にないかと探してみたら、池への流れ込みでこの卵を産んだ母ガエルではないかと思われる死体を見つけた。
頭以外の皮が剥がれて進撃の巨人を彷彿させる無残な姿だ。
何者かが皮と内蔵を食べたと思われる。
岸の石の上に載って写真を撮り、撮り終えて下がるとその石の上にエビのようなものが。
全く気付かなかったのだが、それはこのカエルの右足だった。
犯人はいったい誰だ?
卵塊を見ている時に気付いていた池の中の足跡。
よく見てみると、岸伝いに歩いた跡があるが卵塊の場所はスルーしている。
ほとんどの足跡が泥で埋まってしまっているが、いくつか決定的なものが見つかった。
人間の手のような足跡といえば、おそらくアライグマ。
とすれば、カエルを襲ったのもアライグマと考えられるがこういった食べ方をするのだろうか?
2016年2月6日 東京都
無尾目アカガエル科 ヤマアカガエル
CANON EOS50D SIGMA 17-70mmDC MACRO HCM 、EOS70D EF100mm F2.8L IS USM
こんばんは
カエル捕食の犯人かどうかは別にしても
アライグマの定着は恐ろしいですね。
地元でも5年くらい?前1回市街地を歩く姿を
見たことがあります。
20代の頃、外注企業の社長が飼っていた
アライグマが檻の中から牙を剥く姿を見て
ラスカルのアニメはまずかったなあと思いました。
作者は子供たちを喜ばそうと作ったのでしょうが、
動物の本質を良く見ないで安易に作品化すると
こういう事も起こるという教訓ですね。
by つばさ2号 (2016-02-06 20:37)
はじめまして
多摩西部で両生類の調査保全活動の一環として、アライグマの駆除をしています。
獲物を食いちぎって放り出すような捕食は、アライグマの特徴ですね。
こちらのフィールドでは食害で、トウキョウサンショウウオがひとシーズンで30%減少しました。
これから産卵が本格化すると被害も拡大する可能性があります。
by yamakaji (2016-02-07 09:30)
つばさ2号さん コメントありがとうございます。
こちらでもかなり前から、あちこちの湿地や田んぼで足跡が確認されています。
私もラスカルを見ていましたが、おっしゃる通りアライグマという生き物の本質を知ってか知らずかあんなにかわいく描いてしまったのはまずかったですね。誰もがアライグマがかわいい人懐っこい生き物だと思いますよね!
by hirokou (2016-02-07 18:31)
yamakajiさん 初めまして。
コメントありがとうございます。
狭山丘陵でも埼玉側では捕獲駆除しているようですが、東京都側ではまだ継続した実施は行っていません。
丘陵の中心部、水道局の水源林は以前から人の活動から生きものたちを守るバッファとしての役割を担ってきたと思いますが、アライグマなどの外来種にとってはそのことが裏目に出ているのでしょうね。
貴fieldでのアライグマ対策は、大変参考になる先進事例だと思います。こちらでは埼玉県、東京都の水道局・建設局・環境局が一体となって取り組まなければ解決できない課題だと思っています。
by hirokou (2016-02-07 18:42)
石膏で作った標本のようなアライグマの足跡ですね。両生類って地球の環境(紫外線など)の中では微妙な位置にあるだけでなく、自らの病気や他の生き物からの危険もたくさんあるんですね。
by 森のキョロちゃん (2016-02-19 14:34)
森のキョロちゃんさん コメントありがとうございます。
アライグマの足跡、水底にくっきりと付いていました。
埼玉側より出現が少ないように思いますが、トウキョウサンショウウオやアカガエルたちを脅かす存在、その動向には注視しなければなりませんね。
カエルたちは、湿地や谷戸の米といわれるほど生態系を支えている基盤です。カエルがいるいないでその場所の生態系は大きく異なります。この存在は大切にしたいですね!
by hirokou (2016-02-19 22:11)