田んぼの稲がいよいよ穂を垂れ実ってきた。
畔を歩くとそれはそれはたくさんのイナゴたちが右に左に飛んで田んぼにダイブする。
この光景を是非撮りたいと思いながらもまだ納得いくものが撮れないでいる。

イナゴは稲子とも書くようにまさに田んぼと共に生きてきたバッタだ。
一見同じようでもコバネイナゴとハネナガイナゴの2種がいる。
昔どこの田んぼでも農薬が使われイナゴたちは激減。
その後、早くに復活したコバネイナゴに対してハネナガイナゴはなかなか見られず、埼玉県のように今でも絶滅危惧種に指定されているところがある。

丘陵の無農薬の田んぼでも10年ほど前はほとんどがコバネイナゴだったが、5~6年前くらいだろうか翅の長いイナゴが目立つようになり同定するとハネナガイナゴだった。
今は2種とも共に同じくらいの数が見られ、ハネナガの方が早く成虫になり少し遅れてコバネが現れ初冬まで見られる。
識別は名の通り腹端より翅が短いのがコバネイナゴで長いのがハネナガだが、コバネにも翅の長い長翅型がいて厄介だ。他にも識別方法は色々あるが、捕まえて細部を見なければならず面倒くさい というより捕まえた時に口から出す茶色い汁が苦手なのだ。


これは翅が短いので「コバネイナゴ」で良さそうだ。




















茎や葉に団子状態であちこちの葉が食べられまくっているが、稲はちゃんと実っているので心配はないのだろう。




















カップルや交尾を探したが案外見つからない。
ようやく見つけたカップルはこれまた微妙な翅の長さだがこちらも恐らくコバネ。
仕事で種を特定しなければならない時はシビアだが、まぁ普段はイナゴとひとくくりでいいだろう。
両種を見慣れた方なら、見ただけでわかるのだろうな。




















2021年9月16日 埼玉県 バッタ目バッタ科 コバネイナゴ