昨年も今年も越冬したヒオドシチョウが春先エノキの枝先に産卵してたくさんの幼虫たちが見られた。
枝先の葉を食いつくし、終齢になるとこぞって木を降りて近くで蛹になる。





















これだけの数の幼虫が羽化すると、どれだけの蝶が舞うのだろうと楽しみにしていたが、そこは自然界の摂理、1つの種が増え過ぎないよう数量調整システムが働くようだ。
昨年は、木から降りてきたところを子育て中のムクドリたちが待ち構えて何匹も咥えて飛び去る姿があちこちで見られた。
しかし今年この場所ではムクドリたちの姿が見られず、幼虫たちはエノキの隣のイヌツゲの木に移って蛹化を始めた。
一昨日、その光景はまるでヒオドシチョウたちのクリスマスオーナメントのよう。
1つの枝に無数の前蛹や蛹、これから蛹にという幼虫たちで賑やかだ。






































ところが今日、見に行ってびっくり。
幼虫も前蛹も蛹もすべて跡形もなく無くなり、見られたのはイヌツゲの木から飛び出来たのはムクドリとスズメたち。
さらには木の周りを飛び回るキイロスズメバチの姿だった。
上の写真を撮っていた時にも、幼虫や蛹にまとわりつく寄生蜂が見られ、すべてが蝶になることはないとは思っていたが、まさかの展開だった。
食べられたものたちも他の命につながり無駄になってはいないのはわかるのだが、この結果にはちょっとたじろぐ。

それでもどこかでこの難から逃れたものが、夏に大空を羽ばたくのだろう。
さらに夏から秋を過ごして厳しい冬を乗り越えたものたちだけが子孫を残せる、自然界の厳しさをまざまざと見せ付けられた出来事だった。



















2015年5月4、14、16日 東京都
チョウ目タテハチョウ科 ヒオドシチョウ 
CANON EOS7D SIGMA17-70mm EOS70D EF100mm F2.8L IS USM