歩いていると大きなクワの木の根元が白くなっていた。
おおっ、これは!




















近付いてみると、思った通り「クワゴマダラヒトリ」の幼虫たちの越冬巣だった。
クワゴマダラヒトリはヒトリガ科の蛾で、幼虫はクワをはじめ様々な植物の葉を食べる。
木の根元などに糸を張ってその中で若齢幼虫で越冬するが、これだけ大きな越冬巣は初めて見た。




















落ち葉の上に張られた糸を見てみると、糸の上にたくさんの幼虫たちがうごめいていた。
耳を傾けるとカサカサと音も聞こえてきた。




















糸は何層にも張られていてまるで寒さから身を守るシェルターのようだ。




















幹のシェルターの中にも多くが身を寄せ合っていた。
見えないが恐らく糸の中の落ち葉の下にもすごい数がいると思われる。
この大きな越冬巣の中にはいったい何匹の幼虫がいるのだろうか?
数百、数千、もっとだろうか?
ただこれだけいても鳥などの外敵や病気などで成虫になるのは限られるに違いない。
さもなければ来年ここではすごい数のクワゴマダラヒトリの成虫が発生することになるだろう。
成虫の発生時期は9月頃なので、それまでの幼虫の状況や成虫の発生も注目してみたい。




















2020年12月9日 東京都 チョウ目ヒトリガ科 クワゴマダラヒトリ