先日、公園内のクスノキを見ていると高さ3m弱の枝に白いカマキリの卵鞘を見つけた。
形からハラビロカマキリかと思ったがちょっと違っていた。
ハラビロカマキリの卵鞘は枝にぴたっとくっついているのだが、これは片側が浮いていた。
この形はもしや・・・。
そう、中国原産の外来種「ムネアカハラビロカマキリ」のものだった。

この公園では今年の1月に複数の卵鞘が見つかり警戒していた。
まだ真新しいものでひょっとして母親がいるのではと周りの枝を叩いて見たが落ちてこない。
既に移動したかと卵鞘をよく見ると、んん・・・。























クスノキの葉に紛れて気付かなかったが、何と卵鞘にお尻をくっ付けたカマキリがいるではないか!
向こうもこちらに気付いてカメラ目線。























念のために捕まえて成虫の同定ポイントをチェック。
まず1つ目は名前の通り胸が赤いか?
確かに赤いとまではいかないが、在来のハラビロカマキリには無い色味だ。























上の写真はカマに隠れて胸が見えにくいのでよくわかる写真を追加した。
























続いて2つ目は前脚カマの根元の突起だ。
在来のハラビロは黄色の大きな突起が4つほど並んでいるが、ムネアカは白い小さな突起がたくさんある。
この個体、確かに後者だ。























大きさも普段見るハラビロカマキリの1.5倍ほどと大きいことから間違いなくムネアカであることがわかった。
在来ハラビロにある前翅の1対の白斑は白いとは言えないがこの個体にもあるのでこの点は差異に非ずだ。
狭山丘陵で昨年来卵鞘が見つかっていたことからその存在は想定されていたが、成体を見たのは初めてだった。
他県の地域で在来ハラビロからこの種に置き換わった例を鑑みると脅威であり、もはや予断許されない状況だ。























2018年10月19日 東京都 カマキリ目カマキリ科 ムネアカハラビロカマキリ