いよいよヤママユの仲間の出現が最終章に入って来た。
灯りを求めてやって来る蛾が多く見られるトイレの壁面で今シーズン初めての「ヒメヤママユ」を見つけた。
この仲間の中では小ぶりだが、褐色、えんじ、淡いピンクの色合いが美しい。























数日前の仕事中に道の真ん中にウスタビガの繭が落ちていて踏みそうになった。
恐らく木枯らし1号で落とされたと思われた。
持ってみるとずっしりと重みを感じ、まだ入っているのではと職場に持ち帰った。
じっくり見ているとぶるぶる震えまだ生きているのがわかった。
落ちた衝撃で無事羽化できるか不安はあったが見守ることにした。

ヒメヤママユを見つけたこの日、夕方何気に繭を見るとびっくり、すでに羽化していた。
ぽっかり空いた繭の口、ここから顔を出す様をぜひ見たかったのだが・・・。























翌日、すっかり翅が伸びきったメスの「ウスタビガ」。
今の時期に出現するにふさわしく、黄葉した木々とに紛れると見つけにくい保護色となる体色。
外に出て黄葉を背景に撮って見た。




















このぽっちゃりした熊のプーさん的なお腹もとても愛らしい。
少ししてお尻から排泄して翅をプルプル振るわせだした。
おぉっ、いよいよ飛ぶか?




















一旦、短い距離を飛んで空に舞い上がった。
たどたどしくも近くのシラカシに向かって飛んで行った。
あと僅かというところで、後ろからホオジロが飛んで来て咥えシラカシの茂みへ消え去った。
あっという間の出来事だった。

自然界で生き抜くのは厳しいとよく言われるが、寄生される確率が高い幼虫時代を無事生き抜き、繭が落下しても耐えてようやく大空に羽ばたいたその瞬間に命を落とすのはあまりにも見ていて耐えがたい。
鳥にとって生きるためというのは理解できるが、どの立場で物事を見るかで大きく思いは変わってくる。
ウスタビガとしては、通常もう少し体がしっかりして飛べる力が付くまでじっとしているか、外敵から身を守るため夜に羽ばたくのか。
今回、こちらの都合でこの蛾にとって危機感を募らせた状況で明るい場所に持ち出したことで、本来準備が出来ていなかった状態で飛ばざる得なかったのかもしれない。
かなり落ち込み考えさせられる出来事だった。




















2016年11月14,15日 東京都
チョウ目ヤママユガ科 ヒメヤママユ、ウスタビガ
RICOH WG-4、CANON EOS7D SIGMA DC17-70mm