埼玉県側の丘陵をうろっとしていると、「ヒメザゼンソウ」の小さな案内があった。
もうそんな時期だったかと見るとあったあった!
葉もなく直接地面から出ている紫色のドームはサトイモ科の仲間に見られる仏炎苞(ぶつえんほう)、その中にある球体が肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれるものでそこに突出しているのが花のようだ。




















花は雌雄異熟の両性花で先にメスの花が咲いてそのあとにオスの花が咲く。
この株のほうが黄色が鮮やかで花が新鮮なようだった。
この仲間で誰もが知っているであろうと思われるのがミズバショウ。
色は違えど確かに花の構造は似ている。




















近くに薪を積んでいる場所があり、カミキリムシやハチなどがいないかと時折立ち寄る。
この日は残念ながらそれらのお目当ては見つからなかったが「キマワリ」がいた。
キマワリはゴミムシダマシの仲間で木の幹や倒木、枯れ木などで見られ、近付くと長い脚を使って素早く移動する。
木の幹を歩き回っていることから名付けられたようだが、確かにその通りだ。
カブトムシやクワガタなどを探しているとかなりの確率で出会うメジャーだが地味な虫である。
似た種に体に艶があり前胸背が丸く後端に窪みがあるクロツヤキマワリや体の大きさが1㎝ほどのヒメキマワリがいる。




















視覚の隅のシラカシで黒っぽい何かが幹を駆け下り落ち葉に潜った。
見逃せない大きさだったので落ち葉をどけてみると出てきたのは「ノコギリクワガタ」のメスだった。
一瞬だったので黒く見えたのだろうが、実は赤みが強かった。

今年はカブトムシをまだ見ていないが、昨日ニイニイゼミの鳴き声を初めて聞き、職場の草地ではトノサマバッタが羽音を立てて飛んでキリギリスたちもチョン・ギース♪と賑やか。
間もなく7月、虫のシーズンもいよいよピークに突入だ!




















2020年6月24日 埼玉県 オモダカ目サトイモ科 ヒメザゼンソウ、コウチュウ目ゴミムシダマシ科 キマワリ、クワガタムシ科 ノコギリクワガタ