秋も深まり以前の記事で書いたようにカマキリの姿が目立つようになってきた。
先日もレアな緑色型のコカマキリを見つけたところだが、好まざる外来のカマキリも多く見つかるようになってきた。
外来のカマキリとは中国原産の「ムネアカハラビロカマキリ」だ。
中国で作られた卵しょうのついた竹ぼうきから国内に侵入したとの説が有力で、狭山丘陵でも一部の地域で数年前から成虫や卵しょうが確認されていた。
ムネアカは愛知県や静岡県、神奈川県などのある地域ではすでに在来のハラビロカマキリを駆逐して置き換わり、見つかるのはすべてこの種ばかりという非常事態となっている。

今月に入ってから成虫や卵しょうが見つかり、このところ連日のように成虫も捕獲されここ数年で最も多く確認されている。
以前に白バックで撮ったのは埼玉で見つかった弱り切った個体だったが、今回元気な個体を入手した。
見た目は在来のハラビロとそっくりで翅にも一対の白斑(黄色)もある。
だが体は一回り以上大きい。




















一番の特徴は名前の通り、胸が赤い事。
ハラビロも一部赤い部分があるがほとんどが黄色でこれほど赤くはない。
また脚の付け根から裏側にも赤い色が目立つ。




















最も識別がはっきりする特徴は前脚内側の突起の色と数だ。

ムネアカは白色や乳白色の小さな突起がたくさんある。
一方のハラビロは突起が大きく黄色くて3~4個。
この部分が確認できればまず間違えることはない。




















この日、ムネアカを探しているとサクラの枝でそれらしきものを見つけた(下の写真)。
さてどっちかと上記2つの特徴を確認すると、在来のハラビロカマキリでホッと胸をなでおろした。

先にも書いた通り、侵入経路は中国から輸入された竹ぼうきの可能性が高い。
この場所でも竹ぼうきを購入して使用している周りで見つかっている。
皆さんのところでも竹ぼうきを使用している場所の近くでハラビロカマキリを見つけたら上記の特徴を確認して欲しい。
手遅れにならないうちに・・・!




















2019年10月28日 東京都 カマキリ目カマキリ科 ムネアカハラビロカマキリ、ハラビロカマキリ