先週あたりから陽が暮れると職場周りでジー♪という声が聞かれるようになった。
早速鳴いているところを探してみると、見つかったのは「シブイロカヤキリ」。
成虫越冬し春暖かくなると夜に鳴いて繁殖活動を始めるキリギリスの仲間。
以前はシブイロカヤキリモドキという名前だったが改名されてモドキが取れた。
意外と知られていない種だろう。

同じように成虫越冬して春に鳴きだすキリギリスの仲間で知られているのが「クビキリギス」だ。
赤い口から血吸いバッタとも言われ、噛みついたら首が切れるまで離さないという恐ろしい名前もポピュラーな理由なのだろうか。
シブイロの方が生息範囲が局地的なのかもしれない。

数日前、鳴き声が聞こえたので外に出てみると窓ガラスにクビキリギスがいた。
しかし鳴いているのは皆、シブイロカヤキリ。
シブイロカヤキリの方が、声が濁って低い感じで聞きなれれば区別は容易だ。
いい機会なので両者を捕まえて並べてみた。

まず正面顔。
シブイロは顔が黒く、クビキリは口が赤い。



















身体はシブイロの方がずんぐりしている印象で黒い部分が多い。
シブイロの顔つきはどちらかというと同じ仲間のクサキリに似ているが、クサキリは卵越冬で鳴き始めるのは夏以降なので生態は異なるのだ。



















並んでみると頭の尖り具合、翅の長さ、後脚の長さの違いがよくわかる。
シブイロの体色は褐色のみだが、クビキリギスは褐色と緑色がいる。
そっくりさんだがよく見るとここまで違うとは。
やはりじっくり観察することは大事だとつくづく思う。



















2016年4月14日 東京都
バッタ目キリギリス科 シブイロカヤキリ、クビキリギス 
CANON EOS70D EF100mm F2.8L IS USM/MT-24EX/430EXⅡ