田んぼの畔を歩くと目の前から次々とバッタが飛ぶ。飛翔距離はかなりのもの。
「ハネナガイナゴ」だ。

私が初めてこの田んぼに来た時に、ここで見られたのはほとんどがコバネイナゴだった。
たまに見られる翅の長い個体は、コバネイナゴの長翅型だと思っていた。

昨年、あまりにも翅の長い個体が多いので図鑑で調べると、どうもハネナガイナゴのよう。
標本を直翅類に詳しい専門家に送ったところ、やはりハネナガイナゴだという見解をいただいた。

全国的にもコバネイナゴは多く見られるが、ハネナガイナゴは局地的に分布する稀な種だ。
戦後、農薬の使用でほとんどのイナゴたちは田んぼから姿を消したが、その後強い農薬が規制されるにつれて復活したのがコバネイナゴ。コバネより農薬に対する耐性が弱いハネナガイナゴは局地的に見られる程度だったようだ。
ここの田んぼは無農薬、どこからかやって来たのだろうか?

今年も見ると多くが翅の長いハネナガイナゴ。
勢力図はコバネからハネナガにとってかわったようだ。






























2016年8月25日 東京都
バッタ目バッタ科 ハネナガイナゴ EOS70D EF100mm F2.8L IS USM