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冬の林床の青と赤 [季節]

この日は丘陵の埼玉県側の小さな谷戸を訪れた。
久しぶりに来てみると、田んぼ脇に3台のエアロバイクが設置されていた。
何々?
バイクベンチと書かれた看板にはここ三ケ島地域が誇る技術要素を取り入れた東弘一朗さんによる立体作品との事だった。
埼玉の谷戸0123.jpg



















林縁を歩くと高い枝先に「ハラビロカマキリ」の卵鞘があった。
カマキリたちの卵鞘は冬の観察対象だ。
ハラビロカマキリ卵鞘0123.jpg



















雑木林内であちこち探したがお目当ての虫たちは見つからない。
この冬はまだキノカワガもコミミズク幼虫も見つけられないでいる。
コナラの幹には「ギンシャチホコ」と思われる空繭があった。
ギンシャチホコ繭殻0123.jpg



















頭上の木々の枝ではカラ類が賑やかだったがあっという間に移動して、「コゲラ」のオスだけ何とか撮ることが出来た。この写真には写っていないが、オスの目印は頭の赤い羽。
コゲラ0123.jpg



















その他の虫やその痕跡を探すも全く見つからないので、目先を変えて林床の実を探した。
まずは青い実。
小さな株が群生する「ジャノヒゲ」の青い実。
青い皮を剥いた白い種はスーパーボール。
コンクリートの地面ではよく弾むのだ!
ジャノヒゲ0123.jpg




















こちらはジャノヒゲと似ているが葉が長くて株単独で群れずに生えている「ナガバジャノヒゲ」。
同じような青い実だ。
そういえば試したことが無かったが、この実もスーパーボールだろうか?
ナガバジャノヒゲ0123.jpg



















探してもなかなか見つからずようやく見つけた「ヤブラン」の黒っぽい実。
先の2種は実が葉の中に隠れていて探さないと見つからないが、ヤブランは茎をのばした先に実を付けるので目立つからか早くに鳥たちに食べられてしまうようだ。
ヤブラン0123.jpg



















こちらは赤い実の「マンリョウ」。
ヤブラン同様伸ばした茎に赤い実を付けるが結構遅くまで残っている。

鳥たちにとっての食べ頃が遅いのだろうか?
マンリョウ0123.jpg



















とある一角に大きな群落をつくっていたのは「ヤブコウジ」。
あちこちの林床で小さな群落でよく見られるが、これだけ大きな群落は久しぶりに見た。
先日、ピンク色の可愛い花をつけている株をいくつか見つけた。
おや今頃?と思って調べたら7~8月のようでかなりのフライングだ!
ヤブコウジ0123.jpg



















ここでは「カラタチバナ」の赤い実も見つかった。
カラタチバナはどこにでもあるわけでは無いが、あるところにはあるという印象。
今日の植物の中では出会う機会が一番少ない。
青い実、黒い実はみなキジカクシ科、赤い実はみなサクラソウ科なんだなぁ、面白い!
カラタチバナ0123.jpg



















2025年1月23日 埼玉県 カマキリ目カマキリ科 ハラビロカマキリ、チョウ目シャチホコガ科 ギンシャチホコ、キツツキ目キツツキ科 コゲラ、キジカクシ目キジカクシ科 ジャノヒゲ、ナガバジャノヒゲ、ヤブラン、ツツジ目サクラソウ科 マンリョウ、ヤブコウジ、カラタチバナ

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今年初めてのタカたち [鳥類]

今年も埼玉県の荒川河川敷へ。
まず最初に飛んだのは「ハイタカ」の奇麗なメスだった。
この後もこんなにいるのかと思うくらいハイタカばかりが空を舞った。
ハイタカメス0122.JPG



















その合間に「チョウゲンボウ」のオスが現れた。
昨年はメスばかりだったので何だかラッキー。
と言っても写真で確認しなければオスだとわからない状況だった。
チョウゲンボウオス0122.JPG



















相変わらずカラスに追われていた「ノスリ」。
ノスリ0122-1.JPG



















と思ったら一転攻勢になりカラスを追っていた。
何ともたくましくもそうでなければと思うのだった!
ノスリ0122-2.JPG



















カラスに追われて樹冠から林内に入ったのはまたハイタカかとと思って撮った写真を見たら胸に縦斑のある「オオタカ」の若だった。
そういえば昨年近くで2羽が巣立ったのでそのどちらかではないだろうか?
年と共に視力も動体視力も衰える中、写真はそれを補ってくれてとても有難い!
オオタカ若0112.JPG



















2025年1月12日 埼玉県(丘陵外) タカ目タカ科 ハイタカ、ノスリ、ハヤブサ目ハヤブサ科 チョウゲンボウ 

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この冬もヒゲナガサシガメの幼虫 [カメムシ目]

虫がなかなか見つからない冬はヤツデを見かけるとついつい葉をめくりたい衝動に駆られる。
めくった葉裏の期待している虫 越冬中の「ヒゲナガサシガメ」の幼虫だ。
この日3枚目をめくったら ビンゴ!
ヒゲナガサシガメ幼虫0112.JPG





























触覚と脚が長いので写真に全部入れようとすると体が小さく写ってしまう。

ので。
上が頭で下がお尻。お尻の方にある1対の目の様なものはただの模様だ。
背中には小さな翅(翅芽)が見える。
黄色にオレンジ色の模様がまるでセルロイドのおもちゃのようだ。
ヒゲナガサシガメ幼虫0112-2.JPG





























2025年1月12日 東京都 カメムシ目サシガメ科 ヒゲナガサシガメ幼虫

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今シーズンの冬鳥 [鳥類]

年が明けていよいよ冬もなかほどにになってきた。
今シーズンfieldの冬鳥たちは全般的に種や数が少ない印象だ。
昨年12月に確認した「シメ」はその後も数が増えず見る機会は少ないまま。
シメ1222.JPG



















12月に20羽ほどの「イカル」の群れがやってきてムクノキの実を啄んでいるのを確認した。
が暫くすると姿が見られなくなったが、今年に入ってエノキの実を音を立てながら食べる群れを見つけた。
数はさらに増えていた。
イカル0107.JPG



















例年並みかそれ以上と感じる「ルリビタキ」。
例年見られる場所に加えてその他でも姿を見ることが出来る。
ルリビタキ0111.JPG






















少し距離があったがようやくじっくり見ることが出来た「トラツグミ」。
地面で餌を捕っていたところこちらに気付いて切り株の上に飛び上がった。
トラツグミ0107.JPG



















「シロハラ」は数が増えて来て、林内を歩くとよく声を耳にするようになった。
ただツグミは数が少なくまだ数個体しか見ていない。
これから数が増えてくるのを期待しているのだが。
シロハラ0107.JPG



















2024年12月-2025年1月11日 東京都 スズメ目アトリ科 シメ、イカル、ヒタキ科 ルリビタキ、ツグミ科 トラツグミ、シロハラ

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ソウシチョウ 現る [鳥類]

雑木林を歩いていると遠くからキョキョキョ♪という声が聞こえてきた。
ん~、これはアカゲラだろう。
アオゲラと似ているが少し控えめという感じ。
ここではアカゲラは冬の間しか見られないので出会う機会は多くはない。
声がだんだん近づいてきて探すとやはり「アカゲラ」だった。
ここ数年でようやくアオゲラとアカゲラの声を識別できるようになったのは有り難い。
残念ながらこちらを向かずに飛び去ってしまった。
アカゲラ0112.JPG



















谷地形の道を歩いていると、アオキやヒサカキが繁った林内から小声でひそひそ話をしているような普段聞きなれない声がした。
この声は久しぶりのソウシチョウではないかと目を凝らすと、藪の中を飛ぶオレンジ色が一瞬目に入った。
やはり!netで地鳴きを調べると結構賑やかな声だが、今までそういった印象はないのだが・・・。
観察していると小さな群れで移動して、少し伸びたアオキの茂みに入るのが見えしばらくして枝の上に出てきた。
ソウシチョウ0112-1.JPG



















「ソウシチョウ」は東アジアや東南アジア原産の外来種で、日本では山地で繁殖し冬季は低地へ降りてくる。
黄色やオレンジ、赤が美しく漢字で書くと相思鳥となんかいい感じだが、特定外来生物に指定されている。
狭山丘陵でも冬に稀に見られ、以前写真を撮ったのは10年ほど前でその間写真は撮れずとも姿を数回見た程度だ。
ソウシチョウ0112-2.JPG



















2025年1月12日 東京都 キツツキ目キツツキ科 アカゲラ、スズメ目ソウシチョウ科 ソウシチョウ

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ナミスジフユナミシャクのオスが来た! [チョウ目]

出勤して入口付近をチェックしていると、風除室の床に蛾がいた。
メガネをかけてよく見ると、今年初見の「ナミスジフユナミシャク」のオス、いつ中に入ったのだろう?
今シーズンまだ3種目のフユシャクで、確認種としてはかなり遅いペース。
ただこの種としては過去のフユシャクの出現時期を見てもまぁ妥当な頃合いだ。
ここでは踏まれてしまうので、外のクマザサにとまらせたらあっという間に飛んで見失ってしまった。
ナミスジフユナミシャク0111.JPG



















その後、入り口近くにある3本のサクラを見て回った。
ひょっとして飛び去ったナミスジのオスやメスがいないかと思ったのだ。
舐めるように念入りに見たがフユシャクは全く見つからなかった。
代わりに樹皮で越冬していた「ヤマトクサカゲロウ」を見つけた。
ヤマトクサカゲロウ0111-1.JPG



















成虫越冬で夏は緑色の体色をしているが、越冬時は褐色に変身する。
近付いても微動だもしないので散々撮らせてもらった!
か細い体に透明な翅、体と翅脈の淡い褐色が何とも儚さを感じるのだが、真冬の寒さを乗り切る強さがあるのは凄いなぁと思うのだった。
ヤマトクサカゲロウ0111-2.JPG



















2025年1月11日 東京都 チョウ目シャクガ科 ナミスジフユナミシャク、アミメカゲロウ目 クサカゲロウ科 ヤマトクサカゲロウ

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越冬ウラギンシジミ [チョウ目]

毎冬、越冬している虫を探している。

昨年はクヌギカメムシがあちこちで産卵するのが見られて久し振りに大発生と思ったのだが今年は一転、各所の昨年人気のクヌギも全くその姿も卵塊も見られなかった。
あれだけ産んだ卵から孵化したカメムシたちはいったいどうしたのだろう?不思議だ。

一方こちらもチェックしている「ウラギンシジミ」。
昨年12月中旬に、民家の植栽で見つけた越冬個体。高さおおよそ1.5mの常緑の葉裏にいた。
横から見ると丸見えで大丈夫かなと思ったが、年が明けた1月4日に見に行ったら健在だった。
ウラギンシジミ_0104.JPG




















ウラギンシジミ_0104-1.JPG



















こちらも毎年ウラギンシジミが越冬している場所で昨年12月中旬に見つけた。
いつもはこの横のネズミモチの葉裏で越冬する複数個体を過去数年見てきたが、今年は枝ぶりが変わったせいかネズミモチでは見られずシラカシの葉裏に一個体だけ。
高さは1m弱で葉が重なり合っていた場所。
毎年ここをチェックしていなければまずわからなかっただろう。
写真は昨年12月17日に撮ったものだが、年明け4日にも無事を確認した。
ウラギンシジミ_1217.JPG



















この場所のネズミモチは毎年必ず越冬する個体が見られ、2021年には同じ枝で5個体が越冬していた。
今年は1個体だけだったが、越冬に適している場所のようだ。
ウラギンシジミ_211127.JPG



















2024年12月17日、2025年1月4日 東京都 チョウ目シジミチョウ科 ウラギンシジミ

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久しぶりのフユシャク [チョウ目]

昨日、例年フユシャクをよく見掛ける公園のトイレに行った。
昨年末期待していたが全く見られなかった。
この日ようやく、「チャバネフユエダシャク」のオスを壁に見つけた。
今まで早ければ11月、遅くとも12月末には確認していたのだが、この冬は年が明けてからの再会だった。
チャバネフユエダシャク0106-1.JPG



















向かいの壁の木の桟にももう一つ。こちらは見落とすところだった。
先のものより色が薄く少し翅が傷んでいた。
チャバネフユエダシャク0106-2.JPG



















桟の下床に近い壁には「イチモジフユナミシャク」のオス。
この種も今まで12月末までには確認していたので今シーズンは少し遅い。
観察場所のトイレが夜間灯りを消していたり、LED照明に替わったりで出会う機会が年々減っているのが残念だ。
イチモジフユナミシャク0106.JPG



















2025年1月7日 東京都 チョウ目シャクガ科 チャバネフユエダシャク、イチモジフユナミシャク

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年明けの田んぼで [季節]

田んぼの畔を歩いていると「セグロセキレイ」がいた。
いつもは2羽で餌を捕っているが、この日は1羽のみ。いつもの相方はどうしたのか?
セグロセキレイ0102-1.jpg



















茅場を過ぎて北側の草地に行くと、おやおや、もう1羽はここにいた。
時折上空を見上げていたので、猛禽でも来るのかとこちらも空を。
この後特に何もなく。しばらくすると先のもう一羽が飛んで来て、いつものように2羽で田んぼに。
セグロセキレイ0102-2.jpg



















林縁の樹皮に「ハラビロカマキリ」の卵鞘があった。
丘陵のあちこちで外来のムネアカハラビロカマキリが確認されているので注視しているが、この谷戸にはまだ侵入していないようだ。今後も気を付けなければ!
ハラビロカマキリ卵鞘0102.jpg



















ジャヤナギの幹の窪みには今年も「ヨコヅナサシガメ」の幼虫たちが越冬中。
このヤナギではもう何年も越冬する姿が見られる。
この種も外来種だがすっかり定着している。種皮で越冬する幼虫やフユシャクの仲間などからすれば恐ろしい敵だ。
ヨコヅナサシガメ幼虫0102.jpg



















セグロセキレイのようにたまに空を見上げていたら、かなりの高さにタカが舞っていた。
「ハイタカ」のメスだろう。
この谷戸周辺では数年前までオオタカが営巣していたが、このところすっかり姿が見られなくなっている。
オオタカだったら嬉しかったのだが・・・・
ハイタカ0102.jpg























2025年1月2日 東京都 スズメ目セキレイ科 セグロセキレイ、タカ目タカ科 ハイタカ、カマキリ目カマキリ科 ハラビロカマキリ、カメムシ目サシガメ科 ヨコヅナサシガメ

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フユアカネ 探索 [季節]

年末から年明けまで雨や積もるような雪もなく比較的暖かな日が続いたのでひょっとしたらと元日の午後アキアカネを探しにfieldの田んぼへ行って来た。
陽射しはあったが北風が吹いて肌寒く、残念ながら見つからなかった。
昨日より暖かそうな今日、もう一度訪れた。
途中、昨日も出会った「ジョウビタキ」のメスがいた。昨日は込み入った枝の中や常緑の中で撮れなかったが、今日は見通しの良い枝先で種を啄んでいた。
ジョウビタキ0102-1.jpg





























大きな種を楽々呑み込んでいた。
ジョウビタキ0102-2.jpg





























伐採した竹を積んでいた脇を歩くと飛んで常緑の枝にとまったのは「シロハラ」かな。
昨年から声は聞いていたが、姿を見るのはこの冬初めてだった。
シロハラ250102.jpg



















昨年12月中旬にアキアカネを複数見た田んぼの畔を歩き回った。
昨日より風がおさまり陽射しが暖かく越冬チョウもいくつか姿を見せていたので期待していたが、2時間ほどを費やしたが残念ながら全く見つからなかった。畔の小川は氷が張っておりやはり厳しかったのだろう。
昨年別の谷戸で12月24日に、この谷戸では21日が最後となった。
21日に見た「アキアカネ」。
アキアカネ1221.JPG



















田んぼ脇のヒノキ林で越冬している虫を探したが、見つかったのはサクラのひこばえにいたシャクガの仲間の小さな幼虫だけだった。見つけた時は小さな芽に頭をつけていたが、気配を感じて体を伸ばして枝のふり。
シャクガ幼虫0102.jpg



















ヒノキの枝先にはカメムシではないかと思われる既に孵化した卵があった。
卵0102.jpg



















2025年1月2日 東京都 スズメ目ヒタキ科 ジョウビタキ、ツグミ科 シロハラ

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