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4月末の虫たち [季節]

雑木林の林縁の高さ3mほどの葉上にいた「オオヒラタシデムシ」。
オサムシやシデムシの仲間は後翅が無く飛べない種がいるが、この種は飛ぶことが出来るのでこんなところにいるのだろう。この地で初夏にエノキの高い枝先のヒオドシチョウの幼虫たちを捕食するクロカタビロオサムシは後翅があり飛ぶことが出来るが木登りも得意で幹や細い枝も難無く登っていく。
オオヒラタシデムシの腹部背面は美しいblueだが、前胸背にもわずかにその輝きが見られた。
オオヒラタシデムシ0428.JPG





























湿地のビオトープの水面には「オオミズアオ」の翅が浮かんでいた。
鳥にやられたのだろう。
翅の根元には肉が付いていてアメンボがいた。
オオミズアオは毎年生きている個体になかなか出会えず、こうした死体ばかり見つかるのが残念だ。
オオミズアオ0428.JPG



















エノキの実生では越冬した特定外来生物の「アカボシゴマダラ」が蛹になっていた。
越冬した幼虫たちを観察してきたが、やはり鳥にやられたのだろうほとんどがいなくなっていてこうして蛹になったのは数少ない。
アカボシゴマダラ蛹0428.JPG



















「ウスバアゲハ」が林縁のタンポポの花に来ていた。
本来毎春数個体見られるかどうかだったのが、数年前にある場所を中心に爆発的に発生した。
それがようやく沈静化してかなり数が減った。
人為的な大発生だと考えているが、数が増えれば天敵などが増え食草も減るなどして発生数は減少する。
自然のメカニズムはうまくできているものだ。
数年前からカシノナガキクイムシが菌を媒介し広がったナラ枯れもようやく終焉が見えてきたように感じる。
ウスバアゲハ0428.JPG



















2024年4月28日 東京都 コウチュウ目シデムシ科 オオヒラタシデムシ、チョウ目ヤママユガ科 オオミズアオ、タテハチョウ科 アカボシゴマダラ、アゲハチョウ科 ウスバアゲハ

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ヒゲブトハナムグリのメス

ハルジオンの花にいたコガネムシの仲間。
ん~、何か見たことが無いなぁと思いながらとりあえずコンデジで写真を撮っておいた。
ヒゲブトハナムグリメス0505.JPG



















今の時期ハルジオンで見られるのはコアオハナムグリやクロハナムグリばかり。
この色や形はやはり見たことが無い。
ヒゲブトハナムグリメス0505-1.JPG



















帰って調べるとどうやら「ヒゲブトハナムグリ」のメスのようだ。
オスは今まで時折見かけたがメスを見たのは初めて。
頭や前胸背は緑色で鞘翅は濃い紫色。
コンデジしか持っておらず、一眼マクロで撮れなかったのが残念だった。
ヒゲブトハナムグリメス0505-2.JPG



















過去に撮ったオス。
トナカイのような立派な角が印象的なハナムグリだ。
ヒゲブトハナムグリオス.JPG



















2024年5月5日 東京都 コウチュウ目コガネムシ科 ヒゲブトハナムグリ

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トイレの壁の不思議な距離感 ホリカワクシヒゲガガンボ [ハエ目]

今日仕事の休憩中小雨が降る中屋外のトイレに行ったら、トイレの入り口壁面の端両側に何かがとまっていた。
ん~、誰だろう?
ホリカワクシヒゲガガンボ0513.JPG



















まず、左側のを確認。
とまっていたのは立派な櫛状の触角の「ホリカワクシヒゲガガンボ」のオスだった。
クシヒゲという名の由来はまさにこのオスの触角からだろう。
ホリカワクシヒゲガガンボオスー10513.JPG



















この種は朽ち木などに産卵し幼虫はそれを食べて育つという。
ホリカワクシヒゲガガンボオスー20513.JPG



















それではもう一方は ひょっとしてと見てみると、やはり同種のメスだった。
ホリカワクシヒゲガガンボメスー10513.JPG



















メスの触角は短い棒状でお尻の先は産卵器で尖っているのでオスとは区別がしやすい。
この周辺に産卵するような朽ち木などはない。
何故ここにオスメスがいるのだろうか?
と不思議に思うと共に、オスメスがとまっているこの距離がとても面白い!
何で・・・?
ホリカワクシヒゲガガンボメスー20513.JPG



















2024年5月13日 東京都 ハエ目ガガンボ科 ホリカワクシヒゲガガンボ



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そろそろ危険生物も [季節]

歩いていると林内のロープ柵の杭の上にスズメバチがいた。
先月くらいからナラ枯れの影響で樹液が出ているコナラにオオスズメバチが集まっているのがよく見られた。
刺されると人によってはアレルギーによるアナフィラキシーショックで重篤な症状になることもあるので注意が必要だ。
スズメバチの仲間は女王バチのみが越冬し越冬から目覚めると樹液などに集まって体力をつけ巣作りを始める。
※ワーカー(働きバチ)でもスズメバチネジレバネに寄生されると越冬するようだ。
女王はこの先子孫を残す使命があるので無駄な争いは好まない。見つけてもこちらが攻撃をせず遠巻きに迂回すればまず襲ってくることはないと思っている。

このスズメバチは両肩が赤く腹部の黒い横斑の下部が波打っておりこの時期まだワーカーは出ていないと思われるので「モンスズメバチ」の女王バチ。

色々な図鑑でモンスズメバチの特徴に腹部の波打つ横斑を記しているが、赤い肩についての記述はあまり見られない。
モンスズメバチ0508.JPG



















同じ日の別の林内では目の前にニョロニョロとした長いものが道の上にいた。
事前に気付いたのでじっくり観察することが出来た。
この個体の体が太い細いと波打っているのは何故なんだろうと気になった。
アオダイショウ0508_1.jpg



















長さ1mちょっとの「アオダイショウ」。
毒は無いが噛まれると血を見るので捕まえたりせずやり過ごすに越したことは無い。
近付くと林内に逃げて行った。
アオダイショウ0508-1.JPG



















この数日前、道脇のほぼ垂直に近い法面で久しぶりに見たシーン。
「ヤマカガシ」が「アズマヒキガエル」を捕食していた。
襲った場面を見ていないのだが、ヤマカガシは腹を見せアズマヒキガエルは足に食いつかれている。
どういう経緯でこういう状態になったのか気になる。
この後、スタッフからアズマヒキガエルは呑み込まれてしまったと報告があった。
ヤマカガシが好んでこのカエルを捕食するのは、カエルの毒を自らの毒として用いると言われている。
ヤマカガシには口の奥の毒牙と首の背面からの2種類の毒がある。
毒牙からの毒はマムシを超える猛毒で、カエルから得た毒は首の背面から噴出する毒に利用されているといわれている。

アオダイショウやヤマカガシも本来臆病な生き物でこちらが危害を加えなければ襲ってくることはまずない。
この先ハチやヘビなどに出会う機会が増えるが、相手のことをよく知りこちらから手出しをしなければ危険はないと思っている。
ハチもヘビも生態系の中では重要な役割を担っている存在なので嫌わずうまく付き合っていきたいものだ。
ヤマカガシ0504.JPG





























2024年5月4、8日 東京都 ハチ目スズメバチ科 モンスズメバチ、有隣目ナミヘビ科 アオダイショウ、ヤマカガシ、無尾目ヒキガエル科 アズマヒキガエル

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産卵していたクロスジギンヤンマ [トンボ目]

とある谷戸の気になる小さな湿地。
早春にはアカガエルが産卵し初夏からトンボたちの姿が見られる。
ただ毎年台風や大雨により流れてくる土砂で埋まってしまう。
この冬は公園の若いスタッフ2名が土砂を除去してくれたおかげでアカガエルは無事産卵できたようだ。

オタマジャクシの様子を見にいったら水面がキラキラしていた。
何かと覗き込むとトンボが凄い勢いで飛び去っていった。
戻ってくるのを待っていたら帰って来たのは「クロスジギンヤンマ」のメスで産卵を始めた。
キラキラの原因はこれだった。
左上には交尾中のアメンボの仲間もいた。
クロスジギンヤンマ0508-1.JPG



















池の縁から長く伸びたスギナに掴まってこれに産卵しているのか?。
クロスジギンヤンマ0508-2.JPG



















ジーッと見ていたらまた飛んで行ってしまった。
でもしばらくすると再び戻ってきた。
クロスジギンヤンマ0508-3.JPG



















クロスジギンヤンマは年1化だと思うので、ここで産卵しても冬場に土砂で埋まって水が無くなると厳しいだろう。
何とか良い方法はないだろうか?考えてみよう!
クロスジギンヤンマ0508-4.JPG



















2024年5月8日 東京都 トンボ目ヤンマ科 クロスジギンヤンマ

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この日はヤマサナエデー [トンボ目]

芝生の広場を歩いていると目の前を大きめのトンボが横切った。
後を追っていくとサクラの木にとまった。
サナエトンボの仲間の「ヤマサナエ」のメスだった。
ヤマサナエ0504-1.JPG



















オオシマザクラの実が赤く色付き始めてなかなかいい組み合わせ。
この場所周りで3個体を確認した。
近くに小さな川が流れているのでそこで発生しているのだろう。
ヤマサナエ0504-2.JPG



















さらに離れた場所の雑木林の林縁でも。
今度はオスだった。
この地域でヤマサナエは絶滅危惧Ⅱ類に指定されており確かに例年見る機会が多くはないのだが、今年はこの日以外、丘陵の他の場所でもよく見掛けていて当たり年なのだろうか?
何が要因かわからないが嬉しいことだ!
ヤマサナエ0504.JPG



















2024年5月4日 東京都 トンボ目サナエトンボ科 ヤマサナエ

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恐るべし! クルミハムシ母さんのお腹 [コウチュウ目]

今日、オニグルミに何かいないかなぁと葉を念入りに見ていた。
少し遠めから白い丸いものが目に付いた。
何?
陸生貝の仲間かと近くでよく見ると、何とハムシ。
オニグルミに付くハムシと言えば「クルミハムシ」 だろうか?
クルミハムシ0508-1.JPG



















角度を変えてみると、確かに前胸背がオレンジ色で間違いなくクルミハムシ。
白いのは卵でパンパンに膨れたお腹だった。
いやぁ、これは凄いなぁ!
通常の腹部は鞘翅に隠れているのだが、翅の何倍にも膨れ上がっている。
僕は身籠ったことが無いのでわからないが、このハムシはいったいどんな思いなのだろう?

見た目通りパンパンに膨らんだお腹が苦しいのか、それとも何のことも無いのか。
あまりもの膨らみにこちらが気になってしょうがない!
大丈夫・・・?
クルミハムシ0508-2.JPG



















2024年5月8日 東京都 コウチュウ目ハムシ科 クルミハムシ

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5月5日に出会ったみなさん [季節]

足元のミミズに集まっていた「オオヒラタシデムシ」。
雑木林の掃除屋さん。
オオヒラタシデムシ0505.JPG



















イネ科のカモジグサの葉には「キマダラヤマカミキリ」がいた。
他にキマダラミヤマカミキリ、キマダラカミキリなどの名があり、どれが正式和名だか・・・
キマダラヤマカミキリ0505.JPG



















この日いくつかの林縁で結婚飛行を行っていたシロアリ。
大きさから恐らく「ヤマトシロアリ」かと思うが、特徴ある兵隊アリを見ていないので何とも言えない。
これからの時期、雨後の晴れてじめじめした日によく見られる光景だ。
シロアリ0505.JPG



















あちこちで咲き出したエゴノキの枝先に「エゴツルクビオトシブミ」の揺籃がぶら下がっていた。
数日前他の場所で、これから揺籃を作ろうとするカップルが葉の上にいた。
見ているとメスが葉の端に移動して巻き始めたが、首の長いオスは揺籃作りに全く関与せずでそのうちどこかへ行ってしまった。何と役に立たない(^^
エゴツルクビオトシブミ揺籃0505.JPG



















林縁で見つけた鮮やかでグロテスク、カニの爪のようなキノコ「サンコタケ」。
いつも見るものより腕の数が少ないなぁと思ったが、調べると数は許容範囲内だった。
まだグレバ(腕の内側の胞子の入った黒い部分)が落ちていないので、発生してそれほどたってはいないのだろう。
サンコタケ0505.JPG




















fieldの一角で群生開花していた「モモイロヒルザキツキミソウ」。
北米原産の外来種だが、淡いピンクの花弁と中央の黄色のコントラストが美しく好きな花の一つだ。
外来種なのが悩ましい!
ヒルザキツキミソウ0505.JPG



















2024年5月5日 東京都 コウチュウ目シデムシ科 オオヒラタシデムシ、カミキリムシ科 キマダラヤマカミキリ、ゴキブリ目ミゾガシラシロアリ科 ヤマトシロアリ、オトシブミ科 エゴツルクビオトシブミ、 スッポンタケ目アカカゴタケ科 サンコタケ、フトモモ目アカバナ科 モモイロヒルザキツキミソウ

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初夏の湿地 [季節]

5月になって草木も緑濃い季節になった。
それでもまだスプリングエフェメラルの「ツマキチョウ」が飛んでいた。
ツマキチョウ0503 (2).jpg





















水辺では「シオカラトンボ」が見られるようになってきた。
虫で感じる春と夏のはざま
シオカラトンボ0503.jpg



















2024年5月3日 東京都 チョウ目シロチョウ科 ツマキチョウ、トンボ目トンボ科 シオカラトンボ

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パトロールするクロスジギンヤンマ [トンボ目]

ゴールデンウィークは例年仕事だが、珍しく今日は休み。
午前中はようやく花粉、黄砂、花殻で汚れた車の洗車。
昼からも車内やホイール洗浄で時間を費やした。
すっかり汚れが落ちて気持ち良くなったが、明日木々の下の職場の駐車場でまた汚れるのだろうなぁ(*_*;
そこだけ考えると、いっそ電車通勤したい気分である!

せっかく天気も良いので湿地へ行ってみた。
湿地脇の小さな浅い池には「ニホンアカガエル」のオタマジャクシがうじゃうじゃと。
既に大きなオタマもいることから、小さなオタマたちは遅くに産んだ卵塊から孵化したのだろう。
ニホンアカガエル0503.jpg



















東京都では絶滅危惧種の日本最大のアメンボ、「オオアメンボ」が数個体いて、小さなアメンボたちを追い回していた。オオというだけあって体がでかいがそれ以上に脚が長い。
オオアメンボ0503.jpg



















池を眺めていると「クロスジギンヤンマ」が縄張りのパトロール。
小さな池を一巡するとスッとどこかへ飛んで行って、少しするとまた戻ってくる。
ここは普段ほとんど人が来ないのだが、たまたまウォーキングの方が来られてはちあわせでどこかへ飛んで行ってしまった。
クロスジギンヤンマ0503-1.jpg



















この後なかなか戻ってこないのでもうだめかと思った矢先に来てくれた。
この後再び姿を見せることは無く、残念ながらこの場を後にした。
ギンヤンマも奇麗だが、名の通りの胸の黒い筋と腹部の斑模様がギンヤンマ以上に魅力的に思う。
クロスジギンヤンマ0503-2.jpg



















2024年5月3日 東京都 無尾目アカガエル科 ニホンアカガエル、カメムシ目アメンボ科 オオアメンボ、トンボ目ヤンマ科 クロスジギンヤンマ

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