SSブログ

ヒヨドリ コブシの種子を食べる [鳥類]

今の時期、ごつごつしたピンク色のコブシの実が裂開して中から赤い種子が顔を覗かせている。
コブシの種子は実と白い糸でつながっていてぶら下がるのだが、つい先日そんな場面を見つけた。
なぜこんな糸でぶら下がっているのか?
ぶらぶらして鳥の目を惹き食べられる確率を高めるためとかも言われるが、それ以前にこの赤い色が鳥たちの目を惹くのでぶらぶらする必要はないのではと思われる。
多くの鳥たちが赤い実を好んで食べるのだから。
コブシ0929.JPG



















ただ、今まで鳥がこのコブシの種子を食べるのを見たことが無かった。
昨日、たくさん実をつけたコブシの木の枝にヒヨドリがいた。
ひょっとして種子を食べるのかと興味津々で見たいたら、おおっ!
実に嘴を!
ヒヨドリ1017-1.JPG



















上げた嘴が種子を掴んでいて食べた。
この後数回食べたところで仲間がやって来て追い出されてしまった。
やはりヒヨドリはコブシの種子を食べていた。
大きいので小さな鳥は食べられないだろうから、これを食べられるのはヒヨドリやアオゲラ、キジバト、カラスくらいかと思っていた。
こうしてみるとやはり糸でぶら下がらなくても鳥を呼び寄せる色の効果は抜群だと思うのだが、ぶら下がる理由が他に何かあるのだろうか?
ヒヨドリ1017-2.JPG



















2022年9月29日、10月17日 東京都 モクレン目モクレン科 コブシ、スズメ目ヒヨドリ科 ヒヨドリ

nice!(0) 

ハチかハエか? ムツボシハチモドキハナアブ [ハエ目]

先日の休みは溜まりに溜まった写真の整理をしていた。
ようやく昨年の6月21日まで終わったが、なかなか追いつくのは難しい。

概ね撮った日に同定をして初見のものや珍しいものはblogにアップするのだが、昨年5月1日のファイルに職場で撮った見たことの無いのが残されていた。

一見ハチのようだがハチの翅は4枚で、この虫は2枚しかなく後翅のところに平均棍と呼ばれる後翅が退化した白っぽいものがあるので双翅類、ハエの仲間ということになる。
図鑑やネットで探してみたが見つからず、虫仲間に尋ねたところ「ムツボシハチモドキハナアブ」だった。
腹部の黄色い6つの斑から名付けられたのだろう。
メスは斑が6つだがオスは4つしかないようで、複眼が離れていて斑が6つなのでこの個体はメス。
胸と腹部の境がくびれているので一見ハチに見えるのは、名の通りハチ擬態でアシナガバチかトックリバチあたりに似せているのだろう!
朽ち木に産卵し幼虫はその中の虫などを食べて育つらしい。
ムツボシハチモドキハナアブ210501_1.jpg



















2022年10月16日 東京都 ハエ目ハナアブ科  ムツボシハチモドキハナアブ

nice!(0) 

飛びながら食べる チョウゲンボウ [鳥類]

今日は荒川河川敷にいたのだが、朝小雨がぱらつく中林縁を飛ぶ小鳥の群れがあった。
何の鳥かと見ていると、「ヒヨドリ」たちだった。
ヒヨドリと言えば普段街中でも年中見掛けるが、秋に群れになり渡りをするものがいるようだ。
確かに以前テレビで大きな群れが海を渡り、ハヤブサに追われ海面すれすれを飛んでいくシーン見たことがあった。まるで海の中のイワシの群れを彷彿させた。
ヒヨドリの群れ1014-1.JPG



















このような群れがいくつもあり、皆いったいどこに向かうのだろうか?
とても興味深い!
ヒヨドリの群れ1014-2.JPG



















今日よく出会ったのが「チョウゲンボウ」だった。
河川敷上空をホバリングして降下、恐らくバッタを捕っていたのだろう。
時折カラスに追われることも。
こうしてみるとハシブトガラスに比べるとかなり小さいことがわかる。
チョウゲンボウ1014-1.JPG



















追われた個体を撮った写真を見ていると、足に何か掴んでいた。
どうやら捕まえたトノサマバッタのようだ。
チョウゲンボウ1014-2.JPG



















撮った写真の続きを見ると、なんと食べながら飛んでいた。
現場で双眼鏡で見ていてもここまでの詳細まではわからない。
捕まえたら電柱などにとまって食べているのはよく見かけるが、飛びながら食べるのは知らなかった。
こんなことをしているから、カラスに追われるのではないだろうか(-.-)
チョウゲンボウ1014-3.JPG



















2022年10月14日 埼玉県(丘陵外) スズメ目ヒヨドリ科 ヒヨドリ、ハヤブサ目ハヤブサ科 チョウゲンボウ

nice!(1) 

このところ見つけた蛾 [チョウ目]

先月末、小雨が降る草の上にいた赤茶色の蛾。
印象的なデザインで見たことがあるが思い出せず。
帰って調べると「ウスチャヤガ」だった。
過去に何度も灯りの居残りで見ていたが、なかなか覚えられない。
ウスチャヤガ1010.JPG



















職場で昼を食べるのに野外のテーブルに行くとそこにいた蛾。
これも見た覚えがあるがさて誰だっけ?
ヤガ科であることは間違いないが・・・。
「オオシマカラスヨトウ」だった。
よく似たナンカイカラスヨトウとは腹部の白と黒の縞模様があるかないかで識別されお腹を見ないとわからないので難儀していたが、近年前翅の環状紋の中に黒点があればオオシマ、無ければナンカイとの知見がありそれならわかりやすい。※一部例外アリ
オオシマカラスヨトウ0929.JPG



















トイレの灯りの居残り蛾。
これは見たことがあるような無いような。
わからないので調べると、初見の「クロズウスキエダシャク」だった。
ブナ科、バラ科が幼虫の食草のようだ。
クロズウスキエダシャク1010.JPG



















2022年9月29日~10月10日 チョウ目ヤガ科 ウスチャヤガ、オオシマカラスヨトウ、シャクガ科 クロズウスキエダシャク

nice!(0) 

今日の空に [季節]

このところの天気予報は期待してもはずれが多く、今日は晴れると言っていたが果たしてどうかと疑っていた。
朝は濃い霧だったが次第に晴れて青空が広がった。
が、それもつかの間雲が多くなり陰ると肌寒かった。

上空もかなり冷えている様で、ぎゅーんとひこうき雲がくっきりと。
横の黒っぽい線は後ろの雲に映るひこうき雲の陰だろうか?
ひこうき雲1011.JPG



















高い空を北から南へチョウが飛んでいった。
渡りの途中だろうか?
傷みの無い奇麗な翅の「アサギマダラ」だった。
アサギマダラ1011.JPG



















山に陽が落ちる間際、太陽の両側に虹が出た。
幻日という現象。
光が空気中の小さな氷の粒によって屈折してでき太陽高度が低い時に現れやすく、朝日や夕日の両側に見られるようだ。
今日も無事一日が終わった。
幻日1011.JPG



















2022年10月11日 埼玉県(丘陵外)

nice!(1) 

トケン類は難しい [鳥類]

毎年今頃、オニグルミの木にやって来るトケン類の鳥たち。
来るのは渡り途中の、ホトトギス、カッコウ、ツツドリやジュウイチだ。
毛虫好みでオニグルミに付くトサカフトメイガやサクラのモンクロシャチホコあたりを狙って訪れるようだ。
トケン類とは?
トケンとは杜鵑と書きホトトギスのことで、以前この仲間はホトトギス科に属していたからトケン類と呼ばれた。今はカッコウ科に変わったが昔ながらにこう呼ばれる。

先日、オニグルミでこの仲間を見つけた。
ホトトギス、カッコウ、ツツドリはよく似ていて、鳴かないとわからないとも言われる。
識別点はあるが、これがなかなか難しい。
虹彩の色、腹部の横縞の太さや数、下尾筒と呼ばれる尾羽の下側の羽の色や横縞の有無など。

この個体は下尾筒に横縞が見えるのでツツドリではないかと思うのだがどうだろう。
ツツドリ0929.JPG



















昨日は幼鳥だったが、腹部が見えずさて・・・。
ホトトギス1008.JPG



















カッコウの幼鳥は後頭部に白斑があるそうで、ちょっと薄い色の部分があるがこれが白斑とは言えないだろう。
そうであればツツドリかホトトギスだが、どちらか?
下尾筒の色からホトトギスではないかと思ったり、ん~やはり難しい。

どれもコンデジで撮ったので、暗いとISOが上がってセンサーサイズが小さいので画質が悪く証拠写真程度なのはご愛敬と。
ホトトギス1008-1.JPG



















2022年9月29日、10月8日 東京都

nice!(0) 

ジュズダマとクロコノマチョウ [チョウ目]

池のほとりに生えているジュズダマ。
昔、実に小さな穴をあけて糸を通して数珠にした。
そんな馴染みのジュズダマを幼虫の食草にしているチョウがいる。
ヨシ、オギ、ススキなどのイネ科にも付く。
このところ、幼虫やメスが産卵に来ていないかと気にしていたら、今日葉の上にいたお目当ての「クロコノマチョウ」。
緑の中にこの褐色はとても目立っていた。
前翅先が鍵状となる秋型で、傷みの無い翅と濃い色の翅はピッカピカだった。
クロコノマチョウ1008-1.JPG



















写真を撮っていったん通り過ぎたものの、あまりに奇麗だったのでひょっとしてと戻ってとまっていた葉の裏を見た。やはりそこには羽化した蛹殻があった。
クロコノマチョウは成虫越冬なので、この個体もこれから寒い冬を乗り越えなければならない。
クロコノマチョウ1008-2.JPG



















すぐ近くに「ツチイナゴ」の成虫もいた。
こちらも成虫越冬、共に冬枯れの草地や雑木林では目立たない保護色を纏っている。
これから寒い冬がやって来るがみんな暖かい春まで頑張れ~!
ツチイナゴ1008.JPG



















2022年10月8日 東京都 チョウ目タテハチョウ科 クロコノマチョウ、バッタ目バッタ科 ツチイナゴ

nice!(1) 

ヒメセアカケバエ [ハエ目]

低山の山頂に立っていると胸の赤い黒い虫が飛んで来た。
ホタルのようだが時期も異なりこんなところにいるはずもなく、とまるのを待って確認した。
ヒメセアカケバエ0915-1.JPG






























見るとケバエの仲間で一見セアカケバエに似ているが、セアカは初夏に発生するので時期が違う。
前胸背頭側が黒い事から、初夏と今の時期に2回発生する「ヒメセアカケバエ」のメスだった。

ケバエは初夏というイメージだが、種によっては秋に見られる種もいくつかいるようだ。
ケバエはハエと名に付くが科に近い仲間と言われている。
この仲間の幼虫は林内で腐植質を食べ、秋に集団で園路に現れ気持ち悪がられることがある。
ケバエについて以前職場のblogに書いたのでご参考に。
ヒメセアカケバエ0915-2.JPG





























2022年9月15日 埼玉県(丘陵外) ハエ目ケバエ科 ヒメセアカケバエ

nice!(1) 

産卵かと思ったら・・・ アシグロツユムシ [バッタ目]

山で舗装路を歩いているとあしもとのわずかな草からバッタが飛んだ。
その姿からツユムシの仲間だなとわかった。
道路に設置されたキャッツアイにとまったので見ると、今年初の「アシグロツユムシ」成虫のメスだった。
fieldでも見られ、このところ探していたが見つからずにいた。
アシグロツユムシ0930-1.JPG






















撮っていると産卵器の先から何か出している様で、おっ、こんなところに産卵しているのかと。
でも色が黒っぽく、卵は普通白いのでは、いやいや、同じツユムシ科のヒメクダマキモドキは褐色だったなぁなどと思い興味深く見ていた。
アシグロツユムシ0930-3.JPG






















撮った写真を見返していると、一つ前の写真にこの黒いものがお尻の先から出ているのがあった。
これは見落としていたのだが、ここから出ているということは卵ではなくうんちだ。
ではうんちに産卵器を突き付けて何をしているのかと色々考えたが、ひょっとしたら出したうんちを産卵器で取って擦り付けていたのではないか。
アシグロツユムシ0930-2.JPG






















でもうんちが落下した場面やうんちを産卵器で取った場面を見ていないので何とも言えない。
卵かとちょっとドキドキしたが、拍子抜けでそれは大きな間違いだったことは確かである!
アシグロツユムシ0930-5.JPG






















2022年9月30日 埼玉県(丘陵外) バッタ目ツユムシ科 アシグロツユムシ

nice!(0) 

カエンタケとサンコタケ [菌類]

ここ数年、ナラ枯れが凄い勢いで広がり大径木のコナラやクヌギ、シラカシなどにも被害が出ている。
原因はカシノナガキクイムシが媒介するナラ菌が感染し細胞が死ぬことで水を吸い上げる通水障害が起こり枯れ死に至る。
枯れ死した木の根元周辺に生えるのが猛毒の「カエンタケ」で、丘陵でもあちこちで発生している。
ナラ枯れとカエンタケの関係についてはよくわかってはいないようだ。

この日、被害木の根元で大小合わせて10個近くのカエンタケを見つけた。
カエンタケ0927-1.JPG



















近くにあった枝を折った箸でつまんで引き抜くとこんな感じ。
枝が短かったせいか、しばらくすると枝を持っていた指がヒリヒリと痛み出した。
カエンタケは食べると消化器系や脳神経系に症状が出て最悪の場合死に至ることもあるという。
そういえば2年前、カエンタケが発生していると聞いて、撮りに行って近付いて広角レンズで這いつくばって撮っていたら今回と同じように顔がヒリヒリ痛みだした。近くのトイレに駆け込んで洗ったら痛みが取れたのを思い出した。
触っても何ともないという話も聞くが、実際触れていなくても痛みを感じるのは体質もあるだろうがやはり恐ろしい!
カエンタケ0927-2.JPG



















2年前に初めて撮ったカエンタケ。
カエンタケ.JPG



















この後、歩いていた道脇でまた赤いキノコを見つけた。
これは「サンコタケ」。
三鈷という仏具に似ている事から名が付いたそうで、有毒とは言われていないが悪臭を放つ事で知られている。
発生した時は腕のような先に黒褐色のグレバと呼ばれる胞子を作る組織と胞子の集合体があり異臭を放ってハエなどを引き寄せて胞子を拡散させる。今回見つけたのは既にこのグレバが取れたもののようだった。

カエンタケのような赤いキノコはいくつかあり見慣れると形や発生場所などから違いは一目瞭然だが、自信が無ければ触らぬ神に祟りなしである。
サンコタケ0927.JPG



















2022年9月27日 東京都 ボタンタケ目ボタンタケ科 カエンタケ、スッポンタケ目アカカゴタケ科

nice!(0)