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チガヤの食痕を探せ! カヤコオロギ [バッタ目]

先日訪れた場所でスズメバチたちの巣の撮影の他に2種の希少種を見ることが目的だった。
生息しているススキ、チガヤの草地で時間をかけて探した。
メドハギにしがみついていた「ツチイナゴ」の幼虫。
夏の幼虫時期は緑に紛れるためほとんどが緑色だが、この個体は褐色を帯びていた。
越冬する成虫が褐色なのは、冬枯れの草に紛れるためだろう。
ツチイナゴ0815.JPG





























足元からは飛び出したのは「トノサマバッタ」の幼虫。
目とその後ろにかけてある白線と盛り上がった背中が特徴だ。
トノサマバッタ0815.JPG



















草の中からは「モンキチョウ」。
傷みの無い奇麗な翅、ここには幼虫の食草がある事から羽化したばかりの個体もしれない。
モンキチョウ0815.JPG



















お目当ての一つがようやく見つかった。
チガヤの草地で見られる大きさ1㎝ほどのマツムシ科に属する「カヤコオロギ」だ。
これはお尻の先に長い産卵器があるのでメス。
カヤコオロギ0815-1.JPG



















メスばかりが目についたがやっと見つけたオス。
短い翅があるが発音器が無いので鳴かないコオロギだ。
葉の中央寄りを食べる食痕が特徴的で、この食痕があればいる証拠。
写真の右上、葉が交差した下側の葉にその食痕が僅かに見えている。
チガヤ草地の減少により東京都のこの地域では絶滅危惧Ⅱ類、埼玉県の全県評価では絶滅危惧ⅠB類と種の存続が危惧されている。
ここで探していたもう1種の希少種は残念ながら見つからなかった。
カヤコオロギ0815-2.JPG



















2022年8月15日 東京都 バッタ目バッタ科 ツチイナゴ、トノサマバッタ、マツムシ科 カヤコオロギ、チョウ目シロチョウ科 モンキチョウ



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ショウリョウバッタとショウリョウバッタモドキ [バッタ目]

スズメバチの巣を見に行った際にススキの草地で見つけた「ショウリョウバッタ」のメス。
日本で見られるバッタの仲間でタイワンツチイナゴ、トノサマバッタと共に最大級の大きさだ。
ショウリョウバッタ0815-1.JPG



















近くでオスも発見。
体の大きさはメスの半分くらいで、飛ぶときに翅と脚をこすり合わせてキチキチ♪と音を出すことからキチキチバッタとも言われる。メスに比べて体が小さく軽いため良く飛ぶ。
ショウリョウバッタ0815-2.JPG



















近くにショウリョウバッタによく似た「ショウリョウバッタモドキ」がいた。
似ているからモドキだが、モドキとは可哀想な名前だといつも思う。
ススキやチガヤなどのイネ科の草地で見られ、メスでもショウリョウバッタのオスほどでオスはさらに小さい。
こちらは大きさから恐らくメスと思われた。
ショウリョウバッタモドキ0815-1.JPG



















メスに比べてスリムなオス。
生息場所が局所的で、近年ススキやチガヤが減っている事から以前東京都レッドデータブックで絶滅危惧種に指定されていたが、2020年版では見直されて指定から外れた。
埼玉県レッドデータブック2018では同様の理由で全県評価で準絶滅危惧2型に指定されている。
ショウリョウバッタモドキ0815-2.JPG



















2022年8月15日 東京都 バッタ目バッタ科 ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ

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幻のスズメバチではない チャイロスズメバチ

昨日、モンスズメバチの巣から少し離れたところのサクラの幹に作られたチャイロスズメバチの巣も見に行った。
チャイロスズメバチは以前幻のスズメバチと言われていたが、毎年のようにその姿や巣を確認しているので今は特にレアな存在ではないようだ。
このスズメバチは社会寄生性で女王バチはモンスズメバチやキイロスズメバチの巣の女王を殺して他種の働きバチに自分の子供を育てさせ働きバチが育つと元の種の働きバチを殺して巣を乗っ取るのだ。
モンやキイロの女王を駆逐するほどその体は堅く毒性も他種とは異なるようだ。

サクラの洞に作られた巣は元は恐らくモンスズメバチの巣だったに違いない。
昨年だったか、ここにモンスズメバチが営巣し駆除されその時に巣に詰めたビニールが今も残っている。
そこに再び営巣したようだ。駆除時に殺虫剤が洞の中に塗布されたがもう薬剤は残っていないのだろうか?
チャイロスズメバチ0815-1.JPG



















このサクラはかなり傷んでいて、幹に大きな亀裂が走っている。
洞からこの亀裂の中に空洞があると思われその中に巣を作っている様で、亀裂にはスズメバチたちが作った壁が見られる。
チャイロスズメバチ0815-2.JPG



















働きバチたちの数は多く、中にはかなり大きな巣盤があるに違いない。
同じ場所に営巣したり昨日のモンスズメバチの狭小住宅もそうだが、営巣に適した場所が少ないのだろう。
チャイロスズメバチ0815-3.JPG



















2022年8月15日 東京都 ハチ目スズメバチ科 チャイロスズメバチ

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石垣の水抜きパイプに営巣したモンスズメバチ [ハチ目]

昨日、複数のスズメバチが飛んでいたので近くに巣があるに違いないと探してみた。
何と橋のたもとの石垣の水抜きパイプに巣を作っていたのにびっくり。
モンスズメバチ0815-1.JPG



















巣の主は「モンスズメバチ」でパイプの口には壁が作られていた。
測っていないがパイプの直径は恐らく10㎝もないと思われるが奥行きはかなり長いのだろう。
この中の巣はいったいどんな状態なのだろうかとても気になる。
出入りしている数から巣はかなりの大きさになっていると思われた。
モンスズメバチは木の洞などに営巣するが、狭い洞もあるだろうからこんなところでも代用できるのか。
モンスズメバチ0815-2.JPG



















昨年、確かこのパイプにはニホンミツバチが営巣していた。
どうしてここがハチたちに人気なのか?
不思議だ。
モンスズメバチ0815-3.JPG



















2022年8月15日 東京都 ハチ目スズメバチ科 モンスズメバチ

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セスジツユムシのオスはどこに? [バッタ目]

このところfieldに出ていないので、4年前にさかのぼって「セスジツユムシ」のメス。
なぜ4年前か?きりがいい所で5年前の写真を探したが、14日前後に写真を撮っていなかったので。
fieldの林縁で良く見られるのが「セスジツユムシ」なのだが、いつもばメスばかりが見つかりオスをなかなか見ることが出来ないでいる。

オスはどこにと思っていたが夏早々に成虫になり、メスが目立つ頃には姿を消しているのではないだろうか。
今年は是非探してみたい。
今なら間に合うに違いない!
ツユムシ♀.JPG





























2022年8月(記載日) 東京都 バッタ目ツユムシ科 セスジツユムシ

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そろそろ秋の気配が [季節]

8月7日は暦の上で立秋だった。
暑さはまだまだ続いているが、昼のセミに続いて夜はコオロギの声が聞かれるようになってきた。
クリの実も気付いたらまん丸イガイガでとても大きい!
クリ0811.JPG



















fieldの小さな谷戸に以前から1株だけ「アギナシ」があるのだが、増えもせず無くならず。
先日も花を咲かせていてほっと一息。
ここしか知る限り見当たらないので、無くなってしまえば丘陵の東京都側からは絶滅ということになるのかもしれない。と思っていたら、昨年別の谷戸を歩いていて湿地で目に入った特徴のある葉。調べてもらったところやはりアギナシでそこには小さな群落があった。
今年も見るといくつもの大きな株が花を咲かせていて、嬉しい限り!
まぁ、知らないだけでどこか他にも生息場所があるのかもしれないが。
ちなみにアギナシは東京都レッドデータブックでこの地区CR=絶滅危惧ⅠA類と厳しい状況なのだ。
アギナシ0811.JPG



















水辺から離れた林縁でこのところ時折見られる「ミヤマアカネ」。
この日もメスを見つけたが、コンデジで撮った写真がうまくないので、少し前に一眼で撮った写真。
見掛けるのはメスばかりだが、そろそろ赤く色付いたオスも見たいなぁ。
生き物たちを見ていると、季節が秋に。
ミヤマアカネ0802.JPG



















2022年8月12日 東京都 ブナ目ブナ科 クリ、オモダカ目オモダカ科 アギナシ、トンボ目トンボ科 ミヤマアカネ

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ガビチョウの巣立ちびな [鳥類]

谷戸を歩いていると、右林縁でガビチョウが何やらうるさい!
どうもこちらに対して威嚇している様子。
こちらもガァーとかコラとか対抗して見たが一向に止まない。
近くに巣があるのかと思ったが、巣があるような場所ではなかった。
何気に左の湿地側を見ると、枝に小さな鳥がとまっていた。
なるほどそういう事かと理解した。
ガビチョウ0811-1.JPG



















そこにいたのは騒いでいたガビチョウの子供、巣立って間もないヒナだった。
まん丸で黄色い口元に可愛い尾羽。
親はこのヒナを守るために、自分の方に気を引き付けていたのだ。
ガビチョウ0811-2.JPG



















ヒナを撮っていると他にもいることがわかった。
見えるところに全部で3羽、まだ他にもいたかもしれない。
こちらは近くにいた別の兄弟。
ガビチョウの特徴の目の後方の白い線がうっすらと。
特定外来生物に指定されているガビチョウだが、巣立って間もないヒナたちはやはり可愛い。

生態系に影響を与える外来種とされているが、人の手によって持ち込まれたのがその原因でガビチョウには何の罪もない。人が持ち込んだのだから人が何とかしなければだが、自由に飛び回る鳥に対しては手立てがないのが実情だろう。
ヒナを必死で守る親鳥やこのヒナたちを見て、そんな様々なことを改めて考えさせられたのだった。
ガビチョウ0811-3.JPG



















2022年8月11日 東京都 スズメ目チメドリ科 ガビチョウ

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玄関にコクワガタのメス いらっしゃい! [コウチュウ目]

先日陽が沈みかけた頃仕事から帰ると、玄関に小さな黒い影が。
これはなかなかちっちゃいが、ゴミムシか?

いやいや、今年初めての可愛い「コクワガタ」のメスだった。
いつ飛んで来たのだろうかと。
とりあえず、家にお越しいただいて、お腹が空いたでしょうと昆虫ゼリーのオモテナシ。
初めは緊張して微動だにしなかったが、少ししてみると食べてくれていた。
コクワガタ0808.JPG



















さて翌日は朝が早いので、一番近い神社の雑木林に放しに行く時間が無い。
連泊も考えたがどこからかわからないがここまで飛んでこれたので、お腹いっぱい食べて朝になったらまた飛んでいけるだろうと食べ終わった深夜に玄関脇に。
翌朝見ると姿が無かったので、いつの時間か飛んで行ったのだろう。
無事、どこか棲みかとなる雑木林にたどり着いている事を願う。
コクワガタ0808-1.JPG



















2022年8月8日 埼玉県 コウチュウ目クワガタムシ科 コクワガタ

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この日の虫や花 [季節]

8月4日 Fieldで見つけた虫たち。
小川沿いのヤナギの実生の葉を食い尽くす勢いの「アオドウガネ」たちがいた。
葉を食べるために首を傾げたら真っ赤な色が。
普段見えないところはこんな色をしてたのか!
アオドウガネ0804.JPG



















薄暗い林縁のススキの葉が食われていた。
さてはいるな!と探してみると、いたいたうさ耳の大きな「クロコノマチョウ」の幼虫。
そろそろ蛹になりそうな。
クロコノマチョウ0805.JPG



















広い草地のイネ科の葉上では、Loveryな「ツマグロヒョウモン」のカップル。
さて、どちらがオスでどちらがメスか?
翅表を見ると名前の通りメスは翅先が黒いので一目瞭然だが、翅裏の違いがどうだったか認識が無かった。
調べるとメスの前翅裏に白帯があるが後翅で隠れて見えない。
はて、どちらがどちらか結局わからない・・・ツマグロヒョウモン0805.JPG



















林縁で記憶にある蔓植物の葉を見つけ、見ると小さな花が咲いていた。
花の大きさは5mmほどで裸眼ではほとんど見えないが、こんな感じと写真を撮ったら花は向こうを向きピン甘だった。やはりよく見て撮らないとと反省!
「オオカモメヅル」の花
オオカモメヅル0805.JPG



















2022年8月4日 東京都 コウチュウ目コガネムシ科 アオドウガネ、チョウ目タテハチョウ科 クロコノマチョウ、ツマグロヒョウモン、リンドウ目キョウチクトウ科 オオカモメヅル

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いよいよヤママユ [チョウ目]

足の指の骨折から45日、レントゲンを見て仕事に行って大丈夫ですと医者からOKが出たので8月から出勤。
が、今月一杯は連日の勤務はダメで休ませながら無理しないようにとの事。
今日は3日目、朝寄った峠のコンビニの壁に「ヤママユ」たちが集合していた。
写真の4頭に加え正面に1頭の全部で5頭。
ヤママユ0807-1.JPG



















ヤママユの仲間、ヤママユ、ヒメヤママユ、クスサン、ウスタビガは昔、秋から初冬のイメージを持っていたのだが、この4種のトップバッターのヤママユは実は夏真っ盛りの8月頃から現れるのだった。
ここに集まったオス4個体を1つづつ。
壁の筋でどれがどこにいるものか当ててみよう!なぁんて

少しピンクがかった個体。
ヤママユ0807-5.JPG






















これもちょっとピンクっぽく翅が細長で眼状紋が小さいかな。
ヤママユ0807-4.JPG






















これも1番目に比べると翅が細目で翅色はくすんだ褐色。
ヤママユ0807-3.JPG



















こちらは少し明るい黄色みが買った褐色。
それぞれに個性があって面白い!
ヤママユ0807-2.JPG



















2022年8月7日 埼玉県 チョウ目ヤママユガ科 ヤママユ

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