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アカボシゴマダラ幼虫 いよいよ始動か! [チョウ目]

いつも気にしているエノキの実生木だが、以前は背丈ほどで観察しやすかったのだが、気が付けば背丈の1.5倍はゆうに超えて大きくなった。
エノキの成長は早く、こうなるとなかなか目が行き届かない。

そのエノキの幹の枝分かれで「アカボシゴマダラ」の幼虫を見つけた。
アカボシゴマダラと言えば元来奄美大島で見られる種だが、1990年代神奈川県で人為的に放された個体が広がり、狭山丘陵で僕が初確認したのが2008年7月に成虫、8月に終齢近い幼虫だった。
丘陵で虫を観察し始めたのがこの頃なので、その前に既に入っていたのかもしれない。
その後数年は爆発的に増えてシーズンには成虫も多く見られ、とにかく小さなエノキの実生を見ればほとんどの木に幼虫が付いている状態が続いた。
以降、だんだん数が減り、ここ数年は成虫も以前ほど見掛けることは無くなり、実生を探しても幼虫が見つかるのは稀となった。
寄生バチなどの天敵もあり、勢いは落ち着いたと思われる。
今ではこの移入個体群が環境省の外来生物法による特定外来生物に指定され、飼育や運搬などが禁止されている。

エノキを食樹とするオオムラサキやゴマダラチョウとの競合が心配されたが、今のところそれほど影響がないようにも思える。アカボシは幼木を好む傾向があるが、冬に高木の根元で越冬幼虫調査を行うとオオムラサキやゴマダラチョウに交じって見付かるが数が少ない事からとりあえずは棲み分けが出来ているようにも思うのだが実際のところはわからない。
アカボシゴマダラ0409-1.JPG



















温暖な神奈川などでは幼虫は樹上越冬するようだが、こちらではほとんどが落ち葉の下で越冬する。
過去に樹上越冬を見たのは数個体で、みな春までには姿を消した。
春暖かくなってくると落ち葉から幹を上りこういった幹の二股で、芽吹きを待つようだ。
昨日別の場所で見たエノキの幼木は既に葉を展開していたが、幼虫は二股で待機状態だった。
一体、何のタイミングで活動を始めるのだろうか?
アカボシゴマダラ0409-2.JPG



















エノキの幹の二股にはこのような模様があり、遠目で見ると幼虫と見間違う。
これはアカボシの計算づくの擬態なのだろうか?
アカボシゴマダラ0409-3.JPG



















2022年4月9日 東京都 チョウ目タテハチョウ科 アカボシゴマダラ

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