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葉っぱに丸い切り抜き しわざの主はヤマトハキリバチ [ハチ目]

いよいよエゴノキの蕾が目立つようになってきた。
既にミズキは開花し初夏の白い花も終盤だ。
そんなエゴノキを見ていると葉をくるくると巻いた小さなゆりかごがいくつもぶら下がっていた。
おっ、いるなと探してみるといたいた!
「エゴツルクビオトシブミ」のオスだ。
いつもは近づくと警戒してか長い首をすっと立て触角を寝かせてお得意のポーズをとるが、この個体はごく普通だった。
エゴツルクビオトシブミ0428.JPG



















さて、何の木だろうか?
いくつも葉っぱが丸く奇麗に切り取られていた。
こんな葉を見たことが無いだろうか?
ヤマトハキリバチ0428-1.JPG



















今までもよく見掛けてこのしわざの主は誰?と気になっていた。
この日はその主を見たくてしばらくの間待ってみた。
するとブーンと羽音を立ててやって来たのは小さなハチ。
やはり・・・、ハキリバチであることはわかっていたが実際にその場を見るのは初めてだった。
止まるやいなや、すぐに顎で葉を切り始めた。
ヤマトハキリバチ0428-2.JPG



















お尻のオレンジ色の毛(スコパと言うらしい)からこれは「ヤマトハキリバチ」と思われた。
ヤマトハキリバチは地面に穴を掘って切り取った葉を筒状にして穴にいれその中に集めた花粉と卵を産むそうだ。
何という早業!
あっという間に葉を切り取ってそれを持って飛んで行ってしまった。

なのでまた待っていたら少ししてやって来た。
ヤマトハキリバチ0428-3.JPG



















脚も使いながら丸く切り抜く匠の技は素晴らしい!
もちろん切った葉は子孫を残すために使うのだから本能なのだろうが、僕たちが目にする切り取られた葉はまるで芸術作品だ。
葉を切るハチは他にもいるだろうが、この種は今の時期にのみ現れる。
新鮮な作品を見られるのは今だけで、林縁で真新しい作品を見つけたならしばらく待ってみるとひょっとしたら匠の技が見られるかも・・・。
ヤマトハキリバチ0428-4.JPG



















2021年4月28日 東京都 コウチュウ目オトシブミ科 エゴツルクビオトシブミ、ハチ目ハキリバチ科 ヤマトハキリバチ

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