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似た種がいるのでややこしい蛾たち [チョウ目]

チョウ目の中で日本のチョウ類はおおよそ250種おりfieldでコンスタントに見られるのは70種弱だが、ガは日本で6000種を超えとにかく多くて同定が大変だ。
まだ名の無い種や似た種も多く、写真に撮ってもそのまま放置しているものがたくさんある。
先月から放置していたのを重い腰を上げて調べてみた。

草地の葉にとまっていた小さな蛾は、特徴がはっきりしていてすぐにわかるだろうと思ったもののこれが難儀した。
結局ヤガ科の「ヒメオビウスイロヨトウ」に落ち着いた。
似た種にオビウスイロヨトウがおりその違いがいまいちよくわからないが、生息環境や翅の模様からこの種とした。
ヒメオビウスイロヨトウ0425.JPG





























トイレの壁にとまっていたのは「オレクギエダシャク」。
この種もニセオレクギエダシャクというそっくりさんがいるのだが、いくつかの特徴からたぶんニセではないと思う。
オレクギエダシャク0501.JPG



















職場の壁にとまっていた「ウスバミスジエダシャク」。
そっくりさんはオオバナミガタエダシャクだ。
シャクガ科の仲間は特に似た種が多く、探しあてるのにかなり苦労する。
ウスバミスジエダシャク0515.JPG



















ウスバミスジエダシャクのすぐ近くの壁にとまっていた「ナカジロアツバ」。
こちらは似た種が見当たらずすぐにわかった。
有難い!

形で概ね科の判別は付くが、先の3種のように似た種がいて詳細を確認しないと同定できないのが多く苦労はするもののそれが面白い。
と思わねば続けられないだろう・・・。
ナカジロアツバ0515.JPG



















2021年4月25日、5月1.15日 東京都 チョウ目ヤガ科 ヒメオビウスイロヨトウ、シャクガ科 オレクギエダシャク、ウスバミエダシャク、ヤガ科 ナカジロアツバ

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葉上や花で [季節]

ノイバラはたくさんの虫たちが集まるちょっとした虫たちのレストラン。
中でも見たいノイバラの枝そっくりのキエダシャクの幼虫やヒメクロオトシブミがいないか探していると、見たことの無い小さな虫が。
形からカスミカメムシの仲間。
調べると、主にノイバラに付く「セダカマルカスミカメ」だ。
赤い眼がちょっとチャーミングに思うのは僕だけだろうか?
セダカマルカスミカメ0501.JPG



















こちらの葉上ではジョウカイボンの仲間がいた。
一見、カミキリムシやカミキリモドキにも見えるが、分類上はホタルに近く翅や体は柔らかい。
小さな虫や花粉などを食べるようだ。
最もよく見られるのはジョウカイボンだが、これは前胸背(胸)が丸い「マルムネジョウカイ」という種。
マルムネジョウカイ0428.JPG





























咲いていた通称オカタツ、オカタツナミソウの花を訪れていた「トラマルハナバチ」。
蜜があるのは花の奥でそこに届く長いストローや舌を持つ虫しか蜜にありつけない。
トラちゃんはさぞかし長い舌の持ち主なのだろう。
トラマルハナバチ0509.JPG



















2021年4月28日、5月1,9日 東京都 カメムシ目カスミカメムシ科 セダカマルカスミカメ、コウチュウ目ジョウカイボン科 マルムネジョウカイ、ハチ目ミツバチ科 トラマルハナバチ

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今年の新成虫たち [チョウ目]

毎年ヒオドシチョウの幼虫たちが見られるエノキ。
今年もいくつかの枝先に孵化したたくさんの幼虫たちが群がり蛹化するのを楽しみにしていた。
終齢幼虫がいなくなって皆既に蛹になったかと、辺りで蛹を探したが全く見つからなかった。
昨年はクロカタビロオサムシたちに食い尽くされたが、今年はそんな光景も見られなかったのでどうしたのだろうか?

小雨の中、エノキのすぐそばの草で「テングチョウ」を見つけた。
翅に傷みが無く奇麗なので、越冬成虫が春に産んだ卵から生まれた新成虫だろう。
時にテングチョウが大発生する年があるが、今年はどうだろう?
テングチョウ0516.JPG



















林縁の葉上では「アカボシゴマダラ」の新成虫が一休み。
こちらは幼虫で越冬して春に蛹になり羽化した個体。
名の由来の後翅外縁に赤い斑がない春型だ。
アカボシゴマダラ0516-1.JPG



















丘陵で見られるのは中国大陸産の個体が人為的に放蝶されたのが分布を拡大しているもので、日本における本来の分布は奄美群島以南で春に現れる個体も後翅外縁に赤い斑がある。
ここ数年理由はわからないが、ここで見られる春型にも後翅外縁に赤い斑のある個体が見られるようになってきた。
アカボシゴマダラ0516-2.JPG



















近くのトイレ脇の植栽のツバキでは毒のある「チャドクガ」の幼虫たちが並んでお食事中だった。
ツバキ、サザンカ、チャノキでは注意が必要だ!
チャドクガ0516.JPG



















2021年5月16日 東京都 チョウ目タテハチョウ科 テングチョウ、アカボシゴマダラ、ドクガ科 チャドクガ

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水筒にキスジトラカミキリ [コウチュウ目]

林縁の丸太の上に置いていた水筒を取ろうと手を伸ばすと何かが止まっていた。
数週間前のこの場所では、今が盛りに飛び交っているキアシドクガの幼虫たちが木を降りて地面を歩き回り上の木からも落ちてきて水筒にも這いまわっていたのでちょっとビクッとした。

よく見ると「キスジトラカミキリ」でホッとしたのだった。
このラインの上が気に入ったのか、かなりの間とどまっていた。
キスジトラカミキリ0514-1.JPG



















普通に見られるトラカミキリの仲間だが今年は初見。
背中の2本の黄色い筋からキスジなのだろう。
キスジトラカミキリ0514-2.JPG



















姿形や色などからハチに擬態しているといわれるが、正面顔も確かにハチのようだ。
キスジトラカミキリ0514-3.JPG



















2021年5月14日 埼玉県(丘陵外) コウチュウ目カミキリムシ科 キスジトラカミキリ

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西風の神 アカシジミ [チョウ目]

トイレの床で見つけたカッコイイ蛾。
見たことがあるような無いような?
過去に見たことがあって調べていてもちょくちょく会っていないと当然覚えていないので、検索してみると名前は「ツマジロシャチホコ」だった。
この辺りにある幼虫の食草は、コナラ、クヌギ、イヌシデ、アカシデなどだ。
過去の写真を見ると3年前にやはり撮っていた。
覚えていないものだ・・・。
ツマジロシャチホコ0510-2.JPG



















先週あたりからちらほらと飛ぶのを目にしていたが撮れずにいた「アカシジミ」。
ようやく3日前、小雨が降る中草の上にとまっていた。
年に1回初夏から現れるゼフィルスと呼ばれる樹上性のシジミチョウの仲間で、ゼフィルスはギリシャ神話の西風の神のこと。このチョウが現れるといよいよ虫のシーズンかとちょっとワクワクする。
今日の夕方、雨がぽつぽつ降っていたが、コナラの樹冠では多くのアカシジミたちが飛び交っていた。
アカシジミ0513.JPG



















2021年5月10、13日 東京都 チョウ目シャチホコガ科 ツマジロシャチホコ、シジミチョウ科 アカシジミ

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ヤマトシロアリの群飛 [ゴキブリ目]

今日、林縁近くに立っていると風に流されてたくさんのシロアリたちが飛んで来た。
これはたまらないと移動して、飛んで来た場所を探してみた。
公園の園路脇に置かれた朽ちた伐採木で発生しているようだった。
昨日雨が降り晴れた今日の午前中は、シロアリたちが繁殖のために群飛する絶好の日和だ。
ヤマトシロアリ0514-1.JPG



















見るとたくさんの羽蟻たちが朽ち木の上でうごめいていた。
見つけた時には端から次々と飛び立っていたが、すぐに皆朽ちた木の穴に戻っていった。
何故飛ばずに穴に戻るのか不思議な行動だった。

この状態の時にはいつも周りで見られる兵隊アリたちがこの時は見られなかった。
種の特定にはこの兵隊アリを見なければならないが、10日ほど前にすぐ近くで群飛を見た時の兵隊アリから恐らく「ヤマトシロアリ」だと思われた。
自然界では倒れた木々を土に戻す過程で重要な役割を担っているが、これが人が暮らす家に入り込めば害虫となってしまう。
ヤマトシロアリ0514-2.JPG



















シロアリたちがいた朽ち木を見ていると、アリを好んで捕食する「アオオビハエトリ」がシロアリを捕まえていた。
これだけいれば取りたい放題だろう。
シロアリはアリと名に付くが、分類上はアリとは異なりゴキブリに近い仲間。
分類は違えど彼らにとってはそんなことはどうでも良いのだろう。
アオオビハエトリ0514.JPG



















2021年5月14日 埼玉県(丘陵外) ゴキブリ目ミゾガシラシロアリ目 ヤマトシロアリ、クモ目ハエトリグモ科 アオオビハエトリ

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鋭い鳴き声にビックリ コチドリ [鳥類]

3月から埼玉県丘陵外のとある場所に通っている。
先月、畑にキッキッキッ♪と鋭い声で鳥が飛んで来たので、声だけ聞けばケリかと思ったが「コチドリ」だった。
コチドリはユーラシア大陸から渡ってくる夏鳥で、小石や砂の上に巣を構えて繁殖する。
この日は畑に隣接した駐車場に舞い降りた。
目の周りの黄色い輪が特徴だが、ちょっと遠くてはっきりしない写真になった。
コチドリ0511-1.JPG



















渡り鳥だけあって飛ぶとその立派な翅がとてもカッコイイ!
ペアでいたのでつがいと思われ、近くで営巣しているのだろうか。
My fieldでも湖畔の石垣で毎年繁殖しているが、なかなか見る機会がない。
コチドリ0511-2.JPG



















足元に飛んで来たのは「ヒメアカタテハ」。
どうやら水分補給が目的らしく、あちこちを飛び回っては地面に降りてストローを伸ばしていた。
今年初めての撮影だった。
ヒメアカタテハ0511.JPG



















2021年5月11日 埼玉県(丘陵外) チドリ目チドリ科 コチドリ、チョウ目タテハチョウ科 ヒメアカタテハ

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樹液にゴマダラチョウ [チョウ目]

濃いピンクが奇麗なオニグルミの雌花が咲き始めた。
かなり前に雄花の花序がぶら下がっているのを見たが、今頃?えらく間が空くものだなぁ。
どこかにまさに今雄花の咲いている木があるのかもしれない。
オニグルミ0509.JPG



















コナラの樹液にチョウが舞い降りた。
アカボシゴマダラかと近寄ったら、何と嬉しい「ゴマダラチョウ」だった。
fieldで観察していてもゴマダラチョウに出会える機会はそうそうない。
年に2回発生するが、エノキの高所を飛んでいてアカボシゴマダラのようにはなかなか目にとまらない。
冬、根元の落ち葉の神経衰弱では多くの幼虫が見られるが、成虫にお目にかかれないのはいささか不思議である。
ゴマダラチョウ0510.JPG



















職場のLED照明下の壁面に一年ぶりに見る「ヤマトクロスジヘビトンボ」がいた。
毎年この時期、この照明にやって来て大きいので存在感がありよく目に付く。
LEDに替えても来てくれたのでgood!
しかし、職場の同僚たちのほとんどがこの存在に気付いていなかった。
まぁ、壁を見ることは普通まずないから当然かと思ったが、虫に特段興味のない方がここに朝からいるこれは何ですか?トンボの仲間ですか?と尋ねてこられた。
おおっ、気付いてくれる方がいたかと嬉しくなって、懇切丁寧にこの虫について説明をしたのだった。
ヤマトクロスジヘビトンボ0510.JPG
















2021年5月9-10日 東京都 ブナ目クルミ科 オニグルミ、チョウ目タテハチョウ科 ゴマダラチョウ、アミメカゲロウ目ヘビトンボ科  ヤマトクロスジヘビトンボ

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朝のススキにヤブキリ幼虫 [バッタ目]

仕事前にススキの株を眺めていると、少し大きくなった「ヤブキリ」の幼虫がいた。
既に小さな産卵する管がお尻の先に見えるのでメスだ。
植物の種を背中に付けているが食べた時に付いたのだろうか?
後ろ脚の付け根に付いているのは自分の糞か?
ヤブキリ0509-1.JPG



















近くのイタドリの葉の上にもいた。
腹ばいになって日の暖かさを全身に浴びているように見えた。
ヤブキリ0509-2.JPG



















少しすると触角を舐めてお掃除。
こちらには目もくれずかなりリラックスしている様子だった。
まぁ、何かするつもりもないので・・・。
ヤブキリ0509-3.JPG



















同じススキの株に「ナナホシテントウ」がいた。
なんか豚鼻のように見えて面白い。
ナナホシテントウ0509.JPG



















近くにはカメムシの仲間が。
ん~、いったい誰だっけ?
カメムシ0509.JPG



















2021年5月9日 東京都 バッタ目キリギリス科 ヤブキリ、コウチュウ目テントウムシ科 ナナホシテントウ、カメムシ目 ?

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ミドリシジミもいよいよ蛹化 [チョウ目]

湿地のハンノキ林のひこばえに、葉を綴った餃子を見つけた。
これは「ミドリシジミ」の幼虫の巣。
葉を折って綴られた巣は本当に餃子みたい!
ミドリシジミ巣0503.JPG



















幼虫には申し訳なかったが、そっと葉を開いてみた。
すると、ぷりぷり、むちむちの幼虫が現れた。
もう終齢だろう。
ミドリシジミ幼虫0503-1.JPG



















この後様子を見ていると、他の葉で巣を作るでもなく枝を伝って降りて行った。
ミドリシジミは木を降りて根元の落ち葉などで蛹化するようなので、邪魔してしまった手前無事に蛹化してくれればと切に願う!
この日見つけた幼虫の巣は、この巣を含めて2つだけだった。
もう少しするとハンノキの梢を飛ぶ美しい姿が見られることを期待したい!
ミドリシジミ幼虫0503-2.JPG





























2021年5月3日 チョウ目シジミチョウ科 ミドリシジミ

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