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クワゴマダラヒトリ幼虫の集団越冬巣その後 ウサギの糞 [チョウ目]

先日見つけた「クワゴマダラヒトリ」の集団越冬巣を見に行った。
出遅れすっかり日が傾いて日陰になったクワの木だが、根元の幼虫たちが吐いた白い糸が目立っていた。
前回見た時より糸のシェルターはその面積を広げているようだった。
クワゴマ1217-1.JPG



















日本海側は大雪で多くの車が立ち往生しているニュースが流れ、こちらも雪は降らないものの厳しい寒さだ。
糸のシェルターの中は暖かいだろうに、見ていると出てきて歩いている幼虫がいくつか見られた。
この寒さの中食べる葉もないのにいったい何をしているのだろうか?
クワゴマ1217-2.JPG



















もう一つの不思議、なぜ?
シェルターの上のあちこちにたくさんのウサギのまん丸い糞があった。
新しいものもあれば古いものも。
ここで見られる野ウサギは冬でも体毛が白くならないので分布からキュウシュウノウサギ。
草食性なのでクワゴマダラヒトリの幼虫を食べに来てそこで糞をしたのではない。
現にシェルターには全く傷みがない。
ここがトイレとして心地良く、使っているのだろうか?
確かに張られた糸のお陰でふかふかと心地よいのだが・・・
クワゴマ1217-3.JPG



















2020年12月17日 東京都 チョウ目ヒトリガ科 クワゴマダラヒトリ、ウサギ目ウサギ科 キュウシュウノウサギ

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あぁ 冬が来た! 命を落とすもの、つなぐもの [季節]

昨日、今日ととにかく寒い。
今朝起きたら部屋の温度は4℃だった。
各地の状況を見ていると、雪が降らなかっただけ有難い。
まぁ、12月半ばなのだから当然かもしれないが心構えが・・・。

午前中は完治に4年を費やし8月でようやく治療を終えた歯の定期健診だった。
それ以外、出掛けるのは明日にして寒いので今日は家に引きこもり。

fieldの生き物たちもいよいよ厳しい季節だ。
3日前、この谷戸ではまだコナラのオレンジ色の黄葉が見頃だった。
里山の黄葉1213.JPG



















黄葉が見頃を過ぎると葉は陽を透かしても鮮やかに輝かないのだが、まだ命があると目を見張る美しさ。
コナラ1215.JPG





























寒さから命を落とすもの、つなぐもの 厳しい季節がやって来た。

田んぼの脇のオギの茎にしがみつく「セスジツユムシ」のメスがいた。
寒さでほとんど動くことが出来ず、鮮やかな黄緑色がモズの標的になりはしないかと気になった。
セスジツユムシ1213.JPG



















コナラの幹で「ハラビロカマキリ」を見つけた。
カマキリの中では遅くまで見られる種で、まだ頑張ってるなと近づくと残念ながらすでに息絶えていた。
まだお腹はふっくらしていたが、卵を産んだだろうか?
ハラビロカマキリ1214.JPG



















林縁では群生している「クロヤツシロラン」の実を見つけた。
ランの仲間、葉緑素を持たない菌従属栄養植物で、9月頃に開花し花は褐色で高さは2~3㎝ととても小さいようだがまだ花を見たことが無い。
花の後、実をつけるとグングン茎をのばして裂開して細く白い糸のような種子を飛ばす。
写真の実の高さを測ったら、びっくり40㎝もあった。
近似種にアキザキヤツシロランがあり、どちらか花を見るとわかるようなのでとりあえずクロとしておく。
来年開花期に確認したい。
クロヤツシロラン1215.JPG





























湿地のビオトープでも「オオニガナ」が結実して冠毛の付いた種子をたくさんつけていた。
東京都では絶滅危惧種に指定されている希少種で、fieldではその自生地を保護し増殖を試みてきた。
無事順調に数を増やしているようだ。
オオニガナ1213.JPG



















谷戸入口にあるエノキで毎年国蝶であるオオムラサキの幼虫の生息状況をチェックしている。
ここのエノキは根元の周りに下草が無いので、今まで冬の間に幼虫が越冬している落ち葉が風で飛ばされてしまっていた。一昨年だったか、ボランティアさんが飛ばされないように囲いを作ってくれた。
その囲いの中の落ち葉をひっくり返していくと、間もなく現れた「オオムラサキ」と「ゴマダラチョウ」の幼虫たち。ツーショットを撮って見たらゴマダラチョウの幼虫は頭にクモの巣が。
まぁ、どちらも今年も見られてホッ!
例年見つかる外来種のアカボシゴマダラは見られなかった。
シーズンにゴマダラチョウの成虫を見る機会は少ないのだが、越冬幼虫は各所で多く見られることから減少することなく単に樹冠を飛ぶ姿を見逃しているということだろう。
来年、オオムラサキの出現が多いのか少ないのかは気になるところだ。
オオムラサキとゴマダラチョウ1213.JPG



















2020年 東京都

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今年もまたあの場所で 越冬ウラギンシジミ [チョウ目]

毎年越冬ウラギンシジミを探す場所がある。
そろそろかなと少し前から見ていたが見つからなかった。
曇って気温が下がり雨がぽつぽつ降ってきた薄暗い午後、覗いてみたらネズミモチの葉裏にいたいた。
ほぼ同じ場所に何と4個体も!

そういえば昨年も4個体、確かこのネズミモチだった。
ぜひ見たいという方にわざわざお越しいただいたのだが、当日全て姿を消していた。
前日までいるのを確認していたのだが・・・。
ウラギンシジミ1214-1.JPG



















この場所はウラギンシジミにとってさぞかし寒い冬を過ごしやすい場所なのだろう。
さて、今年はいつまで見られるだろうか?
出来れば春までここで無事越冬してくれればよいのだが。
ウラギンシジミ1214-2.JPG





























2020年12月14日 東京都 チョウ目シジミチョウ科 ウラギンシジミ

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灯りに来たマエアカスカシノメイガ [チョウ目]

毎朝、職場の窓ガラスの居残り蛾を楽しみにしているが全くいない日が多い。
この朝はガラスの高い場所にいたのを落としてみるとたぶん「カラスヨトウ」。
カラスヨトウにしてはちょっと小さいかなと思ったが、他には思い浮かばない。
カラスヨトウ1208.JPG



















目の高さのガラスにいたのは「マエアカスカシノメイガ」。
真冬でも灯りにやって来るので成虫越冬だろう。
フラッシュの光に真っ白だと思っていた翅が青や赤に輝いて美しい!
マエアカスカシノメイガ1208.JPG



















マエアカよりもっと小さな茶色の地味な蛾。
黒斑が特徴的なのでわかるかと思ったのだが、調べても該当するものが見つからなかった。
ツトガ科、キバガ科他色々探したが・・・。
Sさんから教えていただきヤガ科のクロスジヒメアツバと判明しました。
不明種1208.JPG



















2020年12月8日 チョウ目ヤガ科 カラスヨトウ、ツトガ科 マエアカスカシノメイガ、ヤガ科 クロスジヒメアツバ

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かいぼり 2020 [季節]

今日は職場の池の4年ぶりのかいぼりだった。
すっかり水が抜かれた作業前の池。
かいぼり1212-1.JPG



















水を抜く人、最前線で採る人、採った生き物が入ったタライを順送り運んでくれる人、生きものを同定する人、この日のために準備をしてくれた人、万が一怪我人が出た時の看護師さん、たくさんの人たちのお陰でかいぼり2020年を無事終えることが出来た。
かいぼり1212-2.JPG



















水の抜けた池底の水の流れ、光、人の姿。
普段見れない美しい景色が見られるのもかいぼりの愉しみの一つだ。
かいぼり1212-3.JPG



















2020年12月12日 東京都

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この冬もモズのはやにえ [季節]

先月末、毎年この時期にモズのはやにえが見つかるウメの枝を探してみると、コバネイナゴのはやにえがあった。
モズの声があちこちで聞かれるがこの冬は個体数が少ないようだ。
今年は田んぼが休耕なのでイナゴの数もめっきり減った。
このコバネイナゴは数日後にはなくなっていた。
食べたか?
はやにえ1128.JPG



















例年コミミズクの越冬幼虫が見つかるコナラの枝を探していたらはやにえを見つけた。
こちらはニホンカナヘビの幼体だ。
はやにえにされてから少し経っている様で頭部が干からび始めていた。
コミミズク幼虫は、葉が落ちてからの方が探しやすい。
はやにえ1209-1.JPG



















コバネイナゴとは別の梅の枝先にはヒトリガの仲間の幼虫。
大きさは1cm強くらいでよく見つけたなとモズの視力の良さには感心しきりだ。
はやにえ1209-2_1.jpg



















2020年11月28日、12月9日 東京都 バッタ目バッタ科 コバネイナゴ、有隣目カナヘビ科 ニホンカナヘビ、チョウ目ヒトリガ科 ヒトリガの仲間

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クワゴマダラヒトリ幼虫の集団越冬巣 [チョウ目]

歩いていると大きなクワの木の根元が白くなっていた。
おおっ、これは!
クワ1209.JPG



















近付いてみると、思った通り「クワゴマダラヒトリ」の幼虫たちの越冬巣だった。
クワゴマダラヒトリはヒトリガ科の蛾で、幼虫はクワをはじめ様々な植物の葉を食べる。
木の根元などに糸を張ってその中で若齢幼虫で越冬するが、これだけ大きな越冬巣は初めて見た。
クワゴマダラヒトリ1209-1.JPG



















落ち葉の上に張られた糸を見てみると、糸の上にたくさんの幼虫たちがうごめいていた。
耳を傾けるとカサカサと音も聞こえてきた。
クワゴマダラヒトリ1209-2.JPG



















糸は何層にも張られていてまるで寒さから身を守るシェルターのようだ。
クワゴマダラヒトリ1209-3.JPG



















幹のシェルターの中にも多くが身を寄せ合っていた。
見えないが恐らく糸の中の落ち葉の下にもすごい数がいると思われる。
この大きな越冬巣の中にはいったい何匹の幼虫がいるのだろうか?
数百、数千、もっとだろうか?
ただこれだけいても鳥などの外敵や病気などで成虫になるのは限られるに違いない。
さもなければ来年ここではすごい数のクワゴマダラヒトリの成虫が発生することになるだろう。
成虫の発生時期は9月頃なので、それまでの幼虫の状況や成虫の発生も注目してみたい。
クワゴマダラヒトリ1209-4.JPG



















2020年12月9日 東京都 チョウ目ヒトリガ科 クワゴマダラヒトリ

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コカマキリも少し紅葉? [カマキリ目]

ショウリョウバッタモドキがいたススキの株、まだいるかなぁと探してみたが見つからない。
ここ数日朝晩の寒さが厳しかったので星になってしまったか?

いたのは「コカマキリ」だった。
ひょっとしたら・・・

少し離れた場所にはオオカマキリのメスもいた。
カマキリたちもそろそろ終わり。

赤みを帯びたこのコカマキリのメスは子孫を残せたのだろうか?
まだなら早くしないと、残された時間はあと僅か。

今年はコカマキリに良く出会えた一年だった。
コカマキリ1208.JPG



















2020年12月8日 東京都 カマキリ目カマキリ科 コカマキリ

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紅葉と共に色付く ショウリョウバッタモドキ [バッタ目]

fieldのコナラやイロハモミジはいよいよ紅葉のクライマックスに。
ススキの株を見ていると葉の裏に渋く赤い「ショウリョウバッタモドキ」のメスがいた。
今の時期見られるのは成虫越冬のツチイナゴやクビキリギス以外それほどはいない。
そういえば寒さに強いヒナバッタやオンブバッタをこのところ見ていない。
そんな種でもここまで赤くなることは無いだろう。
ショウリョウバッタモドキ1205_1.jpg





























2020年12月5日 東京都 バッタ目バッタ科 ショウリョウバッタモドキ

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今シーズン3種目のフユシャクはクロオビフユナミシャク [チョウ目]

毎朝職場の灯りの居残り蛾を楽しみにしているが、お目当てのウスタビガはまだ来ない。
昨日の朝の居残りは、11月1日にも見られた少し翅の痛んだ「ウスキトガリキリガ」。
幼虫の食草はツバキやサクラなどのようだ。
ウスキトガリキリガ1201.JPG



















朝、同僚が階段の掃除をしていて箒で掃いて落ちてきた蛾。
おっ、フユシャクじゃあないかと捕まえてデッキでじっくり見てみた。
翅を閉じて死んだふりをしていたので、誰だかわからない。
クロオビフユナミシャク1201-1.JPG



















少しそっとしておいてから触ってみると翅を開いてくれた。
なるほど、今シーズン3種目の「クロオビフユナミシャク」だった。
ここ数年を見るとチャバネフユエダシャク、クロスジフユエダシャク、クロオビフユナミシャクの3種が多少の入れ替わりがあるもののシーズン出現のTOP3だ。
クロオビの初見も例年通りといったところ。
虫の姿がすっかり見られなくなる冬、フユシャクの仲間が何種見られるかは楽しみの一つだ。
クロオビフユナミシャク1201-2.JPG



















2020年12月1日 東京都 チョウ目ヤガ科 ウスキトガリキリガ、シャクガ科 クロオビフユナミシャク

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