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ようやくウラゴマダラシジミ [チョウ目]

今日も晴れて朝からグングン気温が上がり、蒸し暑い真夏日となった。
明日から雨が続き晴れが当面期待できないことから、午前中にスカシバの調査を行ったが残念ながらターゲットは現れなかった。

調査後、里山をゆっくりと歩いてみた。
アズマネザサの陰で白いものが目立っていた。
何だろうと近寄ると、オオカマキリの幼虫に捕食されている蛾の白い翅だった。
オオカマキリ0610_1.jpg



















足元から飛び立ちヤブジラミの種子にとまった白いチョウ。
ルリシジミ?と思ったら、小さめの「ウラゴマダラシジミ」だった。
かなり翅が傷んでおり発生してから日が経っているのだろう。
ウラゴマを見たとだいぶ前から聞いていたが、ようやくの初見だった。
ウラゴマダラシジミ0610_1.jpg





























このところアカシジミやウラナミアカシジミも時折見られるが、今年は発生数がかなり少ないように思う。
まだこれからなのか?

それともこのままなら寂しい初夏になりそうだ。
アカシジミ0610_1.jpg



















2020年6月10日 東京都 カマキリ目カマキリ科 オオカマキリ、チョウ目シジミチョウ科 ウラゴマダラシジミ、アカシジミ

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ゴミ屋敷の住人 ゴミグモ [クモ目]

湿地や田んぼの小川沿いで群生して花を咲かせている「クサヨシ」。
1本1本は地味だが、これだけ集まるとなかなかいい景色だ。
撮っている時に何かいるなと思ったが、写真を見ると赤いナナホシテントウが小さなアクセントとなった。
クサヨシ0528_1_1.jpg



















クワの葉上には「シロコブゾウムシ」がいた。
クワで見ることはあまりないので、ここにいるのにちょっと驚いた。
少しして再び見ると、すでに姿を消していた。
シロコブゾウムシ0528_1.jpg



















ヒイラギモクセイの生垣で、「ゴミグモ」の巣を見つけた。
名前の通り張った網の中央縦に食べかすや脱皮殻、枯葉片などをくっつけていて、人間界でいえばまるでゴミ屋敷といったところか。
懐の深い自然界ではゴミ屋敷は問題にならない。まぁ、ゴミの量が違いすぎるが・・・。

さて、この巣のどこにゴミグモ本体がいるかお分かりだろうか?
目を凝らして探して欲しい。
ゴミグモ0604-1_1.jpg



















ゴミとそっくりの体の色と突起のある腹部が景色に体を溶け込ませている。
正解は網の糸が放射線状に出ている中心。
頭を下、腹部を上に向けて脚を揃えてひたすら掛かる獲物を待っていた。
アリに擬態したアリグモに負けず劣らず、ゴミと一体化した見事な技だ。
ゴミグモ0604-2_1.jpg



















2020年5月28日、6月4日 東京都 イネ目イネ科 クサヨシ、コウチュウ目ゾウムシ科 シロコブゾウムシ、クモ目コガネグモ科 ゴミグモ



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アリか? いやアリグモだ [クモ目]

先日見つけたビワの葉裏のゲホウグモの卵嚢の周りで成体を探していて見つけた「アリグモ」のオス。
一瞬アリかとも思ったが、オスの持つ大きな牙はまさにアリグモ!
騙されはしない、が一瞬アリと思ったことがとても悔やまれる。
アリグモ0604-1_1.jpg



















一番前の脚を触角のように浮かして歩く姿は、体の形といい仕草といいアリを真似ているとしか思えない。
アリは昆虫なので頭と胸と腹部が分かれていて、クモは頭胸部と腹部の2分割なので体の構造を見れば識別できるのだが、とにかく小さいのでそこまでは残念ながら今の眼では見えない。
職場などでもたまに見られ、こんなところにアリがと払おうとするとぴょんと飛んでツツツッーと糸を引いて降りていくのを見てなんだアリグモだったかと思う。
ハエトリグモ科なので動きとしてはまさにハエトリグモそっくりでもある。
アリグモ0604-2_1.jpg



















アリグモにはクワガタ、ヤサ、ヤガタ、タイリクなどがいるが、これはご本家アリグモでいいだろう。
アリグモ0604-3_1.jpg



















2020年6月4日 東京都 クモ目ハエトリグモ科 アリグモ

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黄色鮮やか キイロトラカミキリ [コウチュウ目]

谷戸の入り口の舗装路の上を素早く動く黄色い虫がいた。
とにかく素早いが後を追うと、カンゾウの葉上に上ってきた。
鮮やかな黄色が目を惹く「キイロトラカミキリ」。
今の時期クリの花などでも見られ、広葉樹の朽ち木に集まるようだ。
キイロトラカミキリ0604-1_1.jpg



















脚が汚れていたのか時間をかけて念入りに掃除していた。
キイロトラカミキリ0604-2_1.jpg



















地色の黄色も美しいが、前翅の黒い模様もなかなか素晴らしいデザイン。
黄色と黒はアシナガバチに擬態しているのだろうか?
キイロトラカミキリ0604-3_1.jpg



















2020年6月4日 東京都 コウチュウ目カミキリムシ科 キイロトラカミキリ

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このカタツムリは? [有肺目]

先日、見かけぬカタツムリを見つけたが何の種類だろうかと尋ねられた。
殻に毛が生えているという。
殻の径は13mm、高さは5mmと小さく、裸眼ではもちろん老眼鏡をかけても毛が見えない。
なので持ち帰ってマクロレンズで撮ってみた。
ビロウドマイマイの仲間?0602-1_1.jpg



















なるほど、短い毛が規則正しく並んで生えている。
裏側はこんな感じで真ん中の穴、臍孔(さいこう)は開く、閉じるという表現で識別されるがこれは開くだろうか?殻口の縁が反り返っているのでこれで成体か?
ビロウドマイマイの仲間?0602-3.JPG



















武田晋一さんのカタツムリハンドブックを見てみたが、該当するものが見当たらない。
毛があることからビロウドマイマイの仲間かとも思ったが、どうも毛の感じや殻の高さなどが違う。
ケースに湿らせたミズゴケとレタスの切れ端を入れて待っていると、ようやく体が出てきた。
ビロウドマイマイの仲間?0602-4_1.jpg



















少しするとビヨ~ンと伸びた!
ネットで検索していると、大きさ、毛の雰囲気、形からフリイデルマイマイというのにとてもよく似ているが、その種は九州と四国の一部にのみ分布するようだ。
ん~、ますますわからない・・・・
どなたかわかる方がいらっしゃればご教示願いたい。
ビロウドマイマイの仲間?0602-4_2.jpg



















2020年6月2日 東京都 有肺目 

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東京都瑞穂町 みずほの蝶 企画展 [告知]

狭山丘陵西部にある東京都西多摩郡瑞穂町の郷土資料館けやき館で、6月1日(月)から7月26日(日)まで企画展「みずほの蝶」が開催されている。
6月1日から14日までを前期、6月16日から7月26日までを後期と2回に分け展示内容を入れ替えて、瑞穂町で見られるチョウの写真と標本を展示している。6月20日(土)にはギャラリートークもあるようだ。
虫目でお世話になっている絵本作家の伊藤知紗さんの蝶を描いた原画も展示されているということで、今日の休みに行ってみた。
入場、駐車場利用は無料。
ここは職場でも毎年利用している施設だが、なかなか立派だ。
みずほの蝶0604-1_1.jpg



















昼過ぎに行ったが、マスク着用を義務付けて無ければ受付で寄付金を払っていただけるようだ。
受付簿に名前と連絡先を記入し館内へ。
来場者は私だけだった。これなら密を心配することはない!
みずほの蝶0604-2_1.jpg



















瑞穂町周辺では約70種の蝶が生息しているということで、現在見られるチョウや見られなくなったチョウの写真や標本が展示されていた。
過去にはクロシジミやホソバセセリ、ギンイチモンジセセリ、ツマグロキチョウ、アサマイチモンジなども見られたそうだ。
2008年から私が丘陵で確認した種は70種だが、上記5種は残念ながら見たことがない。ただ、ツマグロキチョウとアサマイチモンジは近年知人が丘陵の隣市で撮影および捕獲確認している。
みずほの蝶0604-3_1.jpg



















絵本作家 伊藤知紗さんの原画は広いスペースで展示されていた。
出版された絵本の原画が並べられて私が好きな絵本、こどものとも「キリギリスくんとよるのおんがくたい」のツバメシジミがあった!

企画展は前期、後期あわせて2ヶ月あるので、チョウ好きの方をはじめぜひ行ってみてはいかがだろうか!
みずほの蝶0604-4_1.jpg



















2020年6月4日 東京都瑞穂町

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アカボシゴマダラとゴマダラチョウ [チョウ目]

朝、林縁の足元の草に後翅の赤斑が目を惹く「アカボシゴマダラ」がとまっていた。
この春は小さなエノキの実生で越冬を終えた幼虫たちが例年になく多く見られ、このところはやはり飛んでいる成虫も多い。
ところでこの日見つけたアカボシゴマダラだが、翅の黒い部分が目立ち後翅に赤斑がある。
この地域で見られるアカボシゴマダラは中国大陸産が人為的に放蝶された外来種で、今の時期見られる春型は翅の白い部分が多く赤斑はないかあってもほんの色付く程度だが、この日見つけたのは夏に現れる夏型の翅模様だった。
数年前から春にも夏型の翅模様の個体が見られるようになった。

ちなみに在来種のアカボシゴマダラは奄美群島に生息し、春夏共に外来種の夏型の翅模様だ。
アカボシゴマダラ0531_1.jpg



















外来種のアカボシゴマダラの白っぽい春型がこちら。
アカボシゴマダラ春型_1.jpg



















目の前をかすめて林縁のクサギの葉にとまったチョウ。
イチモンジチョウかと思ったがなんか大きい。
よく見ると、おおっ!今年初見の「ゴマダラチョウ」だった。
ゴマダラチョウ0602-0_1.jpg



















冬にエノキの根元の葉をひっくり返すと越冬しているゴマダラチョウの幼虫がたくさん見つかるのだが、こうして成虫の姿を見たり写真に撮れる機会は年に数回しかないのでラッキーだ。
コナラなどの樹液でも姿を見ることはほとんどなく成虫になる数が少ないのか、エノキの樹冠を飛んでいるから目にとまらないのだろうか?
ゴマダラチョウ0602_1.jpg



















2020年5月 東京都 チョウ目タテハチョウ科 アカボシゴマダラ、ゴマダラチョウ

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美しい色のガビチョウの卵 [鳥類]

林内を歩いていると、目の前に美しく淡いターコイズブルーが目に入った。
このシチュエーションでこの色は・・・。
ガビチョウ0602-1_1.jpg



















恐らく「ガビチョウ」の卵でカラスにでも巣が襲われたのだろうか。
殻の表面が少し剥がれていたが、内部の薄皮のお陰で中身は出ていなかった。
だが、こうなってしまえばこの卵はここまで。
コマドリやコルリも同じような色だが、この2種の営巣はここでは聞いたことがないので環境的にガビチョウとした。

ガビチョウは中国原産の外来種で、外来生物法で特定外来生物、さらには日本の侵略的外来種ワースト100に指定され、ササ藪などに巣を作ることから在来のウグイスなどとの競合が心配されている。
巣を見つけて卵を偽物とすり替えるなどの駆除も行われているが、決定的な方法は見出されていない。

ただ卵は何度見てもその色は本当に美しい!
ガビチョウ0602-2_1.jpg



















2020年6月2日 東京都 スズメ目チメドリ科 ガビチョウ

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この仲間、ややこしいぞ! ウスキツバメエダシャク [チョウ目]

これからの時期、よく見かける尾状突起のある真っ白な蛾がいる。
翅には薄い褐色の筋があり後翅外縁に黒とオレンジの斑がある。
図鑑で探すとウスキツバメエダシャクの記載がある。
しかし騙されてはいけない。
そっくりさんがたくさんいるのだ。

なので今までは遠慮してきた仲間なのだが、先日見かけてよし!チャレンジと撮ってみた。

薄暗い林内で目立っていたのは「コガタツバメエダシャク」。
大きさは小さく、あるかないかの小さな尾状突起、顔の額あたりに褐色の細い線があるのが特徴。
コガタツバメエダシャク0530_1.jpg



















翌日、コガタより明らかに大きいツバメを見つけた。
こちらは尾状突起が長めで、顔が褐色の「ウスキツバメエダシャク」。
他にもシロ、ヒメ、フトスジ、ノムラというのがいるようだ。
識別のポイントは、大きさ、触覚の形状、翅の褐色の筋、尾状突起の長さ、顔の色と額の線の有無などのよう。
この辺りを押さえておけば後で識別が出来そうだ。
ウスキツバメエダシャク0531_1.jpg



















確かに顔全体が褐色だ。
ウスキツバメエダシャク0531-2_1.jpg





























2020年5月30-31日 東京都 チョウ目シャクガ科 コガタツバメエダシャク、ウスキツバメエダシャク

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