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四国昆虫巡り コフキヒメイトトンボ他 [昆虫観察ツアー]

四万十市にあるトンボ王国を久しぶりに訪れた。
前に来たのは20年以上前、まだ中村市だった頃にバイクのツーリングで立ち寄ったと思うが当時の記憶はほとんど残っておらず、その時買ったステッカーと絵葉書が頼り。

池にはギンヤンマ、小川沿いではハグロトンボと狭山丘陵でも見られる種が最初に目に付いた。
湿地をじっと眺めていると、胸の白色が目立つ小さなイトトンボがあちこちにいた。
これは見たことが無いぞ!
調べると「コフキヒメイトトンボ」で分布は四国、九州以南のようだ。
似た種にヒメイトトンボがいるが分布が徳之島以南の南西諸島なのでコフキでいいのだろう。
コフキヒメイトトンボ0823-1_1.jpg



















同じ場所でお尻の先が赤いのもいた。
別種かと思ったが、これは未成熟のオス。
コフキヒメイトトンボ0823-2_1.jpg




















さらに体が赤いものもいた。
何とこれも同種の未成熟のメスらしい。成熟すると緑色になる。
成熟未成熟でこれだけ色が変わるのも珍しくもややこしいな。
コフキヒメイトトンボ0823-3_1.jpg



















同じ場所に少し赤色が薄い個体がいた。
こちらは「ベニイトトンボ」のオスのようだ。
似た種にリュウキュウベニイトトンボがいるが、分布が九州南部以南で複眼の色が緑色と異なる。
ベニイトトンボ0823-1_1.jpg



















連結して産卵している個体を見つけた。
メスはよく見るキイトトンボかと思ったが、これがベニイトトンボのメスだった。
キイトトンボも見かけたので単独で見ればとてもややこしい。
ベニイトトンボ0823-2_1.jpg



















少し大きめの青いイトトンボも発見。
これも初見の「オオイトトンボ」のオス。
この種は関東にもいるが、いつものfieldでは見られない。
オオイトトンボ0823-1_1.jpg



















湿地を離れた林縁で見つけたオオイトトンボかと思ったら「モノサシトンボ」だった。
名前だけは知っていたが、見たのは始めて。
腹部の環状紋がものさしの目盛に見立てて名付けられたので知られている。
関東にも分布しているが、残念ながらfieldでは見られない種だ。
モノサシトンボ0823_1.jpg



















水辺の環境は放置するとどんどん遷移が進んで陸地化していくうえ流れ込む水量の減少なども大きく影響する。
王国の環境を見させていただいたが、様々な種のトンボたちが好む環境を維持していくのにさぞかし御苦労されているだろうと。

間もなく夕暮れという頃に若い二人の女性が、谷戸を歩いていた。
特にトンボに興味があるようでもなく楽しげに話しながら。

トンボ王国 バンザイ!
トンボ王国0823_1.jpg



















2019年8月23日 高知県四万十市 イトトンボ科 コフキヒメイトトンボ、ベニイトトンボ、オオイトトンボ、モノサシトンボ科 モノサシトンボ

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