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キアシドクガの大量発生とヤマトシリアゲ [シリアゲムシ目]

昨年大量発生した「キアシドクガ」がミズキに卵を産んで、今年多くの幼虫が孵化して葉を食い尽くし丸坊主になった木もあちこちで見られる。
ドクガと名に付くが毒はない。
例年蛹化のために終令幼虫が木を降りてくるが、今年は食糧難で餌を求めて終令に満たない小さな幼虫までもが木を降りてきているようだ。
ミズキの下の木柵上には無数の幼虫たちが右往左往。
近くの草はらの足元にも見られ異常な数。
これが数年続けばミズキの木は枯れてしまうが、そこは自然の力、淘汰されてまたいつもの通りに落ち着く。
確かに、ガの幼虫を捕食するクロカタビロオサムシやヨツボシヒラタシデムシも今年は例年以上に多く見かける。
キアシドクガ0509_1.jpg



















木柵の上で見られる幼虫たちの無残な骸はクロカタビロオサムシのしわざ。
そのおこぼれをいただいているのが「ヤマトシリアゲ」だ。
今まで見ている限りでは生きている虫を捕食することは無く、弱っていたり死んだ虫、クモの巣の食べかすなどに集まっている。
食事中のメスがいた。
キアシドクガの幼虫が近寄ってくると後ずさりしてさらに近づくと飛び去ってしまった。
ヤマトシリアゲ0509-1_1.jpg



















オスも食事中だったが、近づくと危険を察知して離れてしまった。
さすがに敏感だ。
ヤマトシリアゲ0509-2_1.jpg



















メスのお尻はすっと尖っているが、オスは先端にはサソリのようなハサミがある。
英名はスコーピオンフライ (scorpionfly)、空飛ぶサソリだ。
このハサミ、交尾の際に使うようだ。
今の時期に現れる個体は黒色だが、夏に現れる2化目は黒い部分が褐色でベッコウシリアゲとも呼ばれる。
ヤマトシリアゲ0509-3_1.jpg



















2019年5月9日 東京都 チョウ目ドクガ科 キアシドクガ、シリアゲムシ目シリアゲムシ科 ヤマトシリアゲ

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