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最後のクロコノマチョウ [チョウ目]

谷戸の片隅にあるジュズダマの群落。
本来刈られる予定だったが、ボランティアの方がここにクロコノマチョウの幼虫がいるので刈らないでと公園に要望して残された。
そのお蔭で幼虫たちは次々と蛹化、羽化していった。
今年はクロコノマチョウが多く見られる年だった。

そんな中、11月初めにこれが最後だろうと思った蛹。
色々なチョウの蛹を見てきたが、すぅっとジュズダマの中に溶け込む飾り気が無い蛍光色はいつ見てもとても美しい。
クロコノマチョウ1101_1_1.jpg



















一週間後、少し色付いてきたが翅先の淡い部分が気になった。
クロコノマチョウ1109_1.jpg



















これが最後の蛹かと思っていたら、色変わりした蛹を見つけた。
まだあったかとよく見ると、既に死んで変色した蛹だった。
寄生された感もなく、何らかの要因で死んでしまったのだろう。
クロコノマチョウ1109-1_1.jpg



















観察してきた蛹も成熟して色が変わり、前翅の白点が見えるようになった。
数日で羽化するだろうと楽しみにしていたのだが・・・。
クロコノマチョウ1113_1.jpg



















蛹を見つけておよそ20日後、この個体は残念ながら無事大空に羽ばたくことは出来なかった。
羽化には至ったようだが、何故か途中で息絶えていた。
垂れ下がった前翅のオレンジ色と白斑が無念に思えてならない。
このチョウにとって無事羽化できなかったことが全てだろう。
ただ羽化を楽しみにしていたものとしてあまりにも酷な結果だと思わずにはいられない。

この小さな命を見続けていた者がいたことを伝えることが出来ればと思うのだが・・・。
恐らく、ここで無念の最期を遂げたチョウがいたことを知るものはいないだろうから。
クロコノマチョウ1121_1.jpg





























2017年11月21日 東京都 チョウ目タテハチョウ科 クロコノマチョウ

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