暑さでトンボも逆立ち [トンボ目]
梅雨が明けてから、暑さが猛威を振るっている。
じめじめしていても比較的涼しかった梅雨の時期から一転、この暑さにはなかなか体がついて行かない。
久しぶりに丘陵に出かけたが、情けないことに虫を見つける集中力が続かない。
暑さのせいか、普段は見られるチョウたちもすっかり姿をひそめている様子だ。
開けた林縁でようやく見つけた「ミヤマアカネ」。
まだ、翅も傷んでいない美しい個体だった。
見ていると暑さのせいで、お尻を高く上げて逆立ち状態。
こうして太陽光が当たる面積を少なくして体温上昇を抑えているのだ。
湿地でも「ウスバキトンボ」が逆立ち。
人もばてばてだが、体温を調整できない虫たちはさらに人以上に大変だろうなぁ。
それでもいつもと変わらず姿勢で止まっているトンボたちもいた。
真っ赤で見るからに暑そうな「ショウジョウトンボ」のオス。
湿地脇の林縁では「ハラビロトンボ」のメス。
たまたまのタイミングなのだろうか?
トンボの暑さ対策も気になるが、こちらも早くこの暑さに慣れなければ!
2015年7月21日 東京都
トンボ目トンボ科 ミヤマアカネ、ウスバキトンボ、ショウジョウトンボ、ハラビロトンボ
CANON EOS50D EF70-200 F2.8 L IS USM/EXTENDER EF 1.4×Ⅱ EOS70D EF100mm F2.8L IS USM
獲物を見つめるGreen Eyeのハンター [ハエ目]
草はらを歩くとブーンと足元から飛び去る虫がいる。
この場所で注目される主役はバッタたち。
大きなトノサマバッタやショウリョウバッタをはじめたくさんの種類が見られる中で、それらを狩るもの。
その名も「アオメアブ」。
特徴は名前の通り、緑や赤に輝く大きな目。
信号の緑が青と呼ばれるように、虫の名もアオバセセリやアオオサムシ、アオドウガネなど青と付いていても実際は緑色のものが多い。この虫も青目と呼ばれるが、緑色に輝く目をしているのだ。
アブの中ではムシヒキアブ科に属し、知られた仲間にシオヤアブやオオイシアブがいる。
共に他の虫の体液を吸う恐るべきハンターだ。
毛むくじゃらの脚に尖った口がそれを物語る。
自分の体よりも大きな獲物も捕えてしまう獰猛さとその俊敏さは、草原の虫たちにおそれらている存在に違いない。
2015年7月19日 東京都
ハエ目ムシヒキアブ科 アオメアブ
CANON EOS7D SIGMA 17-70mmDC MACRO OS HCM、EOS70D EF100mm F2.8L IS USM
深緑の葉の上 死と生と [自然]
ゼフィルスと呼ばれるシジミチョウの仲間、丘陵ではアカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミドリシジミ、オオミドリシジミ、ウラゴマダラシジミなどが美しさを堪能させてくれる。
例年見られるのは5月末から。
遅かれ早かれ見られる時期はおおむね1か月ほどだろう。
ただ7月に入ってからも時折見られることがある。
この日出逢ったのは、翅が傷んだ「ウラナミアカシジミ」。
間もなく寿命が尽きるだろうに、無事役目を終えたのだろうか?
きっとそうだと思いたい、お疲れ様!
湿地や田んぼの周りでは、たくさんのカエルたちが水中生活から陸へと上がっていた。
まだオタマジャクシの名残、尻尾の残った「シュレーゲルアオガエル」の若。
顔の下に両手を入れるのは、このカエルのお決まりのポーズなのか?
大人になったシュレがよくこのポーズをしているのを見かける。
なるほど、若い頃からの習慣なのね。
厳しい水中生活を乗り越えたが、これからさらに厳しい陸上の生活が待っている。
頑張って!
2015年7月10日 東京都
チョウ目シジミチョウ科 ウラナミアカシジミ 無尾目アオガエル科 シュレーゲルアオガエル
EOS70D EF100mm F2.8L IS USM
間もなく梅雨明け! [季節]
前回の休みに撮りためたものから。
今湿地脇で見ごろを迎えているのが「イヌゴマ」。
種がゴマに似ているが、利用価値がないのでイヌゴマだとか。
ちょっとかわいそうな命名。
草はらを歩くと大きなバッタが飛んだ。
ここにはトノサマバッタもいるが、最近わかったこと。
トノサマバッタは飛んだ時に、大きな羽音を立てる。
羽音がしなかったのでトノサマバッタではない、ということはこのバッタしかいない。
想像通りの「ツチイナゴ」だった。
草はらでこのところよく見かけるようになった「シオヤアブ」。
お尻に白いぼんぼりがないのでメス。
食べることに夢中で、警戒心無し!
食べることに夢中といえばこの初見のハムシ。
エノキの葉を食べていることから、その名もズバリ「エノキハムシ」だった。
普通種なのだろうが、まだまだ見たことのない虫がいる。
前回の休み以降、仕事中に出会った最もうれしかったチョウ。
ガマズミの種を見ていたら何かが飛び出た。
ガかと思って着地したところを見たら、なんと「スミナガシ」だった。
幼虫は見ていたが、成虫を見るのは初めて。
翅表より翅裏の色模様から名前が付けられたのだと個人的には思っているのだが、翅表もシックに美しい!
毎年、一度は見たいと思うチョウの一つだ。
2015年7月10日 東京都
シソ目シソ科 イヌゴマ
バッタ目バッタ科 ツチイナゴ
ハエ目ムシヒキアブ科 シオヤアブ
コウチュウ目ハムシ科 エノキハムシ
チョウ目タテハチョウ科 スミナガシ
CANON EOS50D EF70-200 F2.8 L IS USM/EXTENDER EF 1.4×Ⅱ EOS70D EF100mm F2.8L IS USM
毒を取り込んでも上には上が ジャコウアゲハ [チョウ目]
終齢にまで育った幼虫がいくつか確認できた。
この造形と色彩はまさに自然美!
色の個体差はあるが、素晴らしいデザインだ。
正面から見るとどこが顔なのか老眼の目には全くわからないが、ファインダーを覗くとしっかり見えるのでありがたい。
このところさらに進んだ感があり、ビタミン入りの目薬をつい買ってしまったが恐らく効かないであろう・・・。
蛹はないかと探してみると、目線よりかなり高く遠い場所に一つ見つけた。
オレンジと綺麗な黄色だが、何やら真ん中に黒い点が見て取れた。
近くは見えないが、遠くの視力は抜群にいいのだ。
小さな小さなハチが蛹の上を徘徊していた。
よく見ると、さらに一部が黒色化している。
とても残念だがこの蛹からチョウが羽化することはなさそうだ。
さらに、先ほどの幼虫の周りにも寄生蜂が飛び交っていた。
前途多難、厳しい状況。
ウマノスズクサの毒を体内に蓄えてもこのハチたちには効かないらしい。
僕の買った目薬と同じ・・・・。
それでもメスは卵を産んでいく。
この中の一つでも多くが、立派に大空に羽ばたくことを期待したい!
2015年7月10日 東京都
チョウ目アゲハチョウ科 ジャコウアゲハ
ハチ目アシブトコバチ科 キアシブトコバチ
CANON EOS50D EF70-200 F2.8 L IS USM/EXTENDER EF 1.4×Ⅱ EOS70D EF100mm F2.8L IS USM
草むらの煌めき [コウチュウ目]
おやっ そこを見てみると、いたのは「ジンガサハムシ」。
そういえばこのあたりには食草のヒルガオがあったっけ。
カメノコハムシの仲間はたくさんいるが、最も美麗種ではないか。
透明な傘の下に光る金色が光を浴びて煌めいて、それはたいそう美しい。
個体差もありそれほどでないものもいるが、この日出逢ったのはなかなかのイケメン?イケジョ?だ。
何とか上から撮りたいと思ったところで飛ばれてしまった。
いやはや、残念。
また、近いうちに逢えるといいなぁ。
2015年7月10日 東京都
コウチュウ目ハムシ科 ジンガサハムシ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM
ハイイロヤハズカミキリ 産卵する [コウチュウ目]
そろそろジャコウアゲハの蛹が見られるかと見に行ったところ、ウマノスズクサを這わせているアズマネザサに何かがいた。
よく見るとカミキリムシのよう。
目線より高い位置なのでどんな穴を掘っているのかは残念ながら見えない。
恐らく「ハイイロヤハズカミキリ」。
竹やササなどに産卵し、幼虫はその材を食べるそうだ。
顎で枯れたササに穴をあけていた。
産卵するために違いないとちょっと観察。
しかし30分経っても相変わらず穴を掘っている。
今日は久しぶりに晴れ気温も上がったため、じっとしているだけでも汗が滴る。
ちょっと目を離した隙に、体を反転させてお尻をあけた穴に突っ込んでいたようだったがすぐにまた穴掘りを続行。
掘った穴の塩梅がよくなかったのだろうか?
30分後、ようやくまた反転してお尻を穴に突っ込んだ。
今度は、しっかりと卵を産んでいたようだ。
しばらくの間、産卵行動をとっていたが、再び穴を掘り始めた。
どうやら掘っては産んで掘っては産んでを繰り返している様子。
さすがにこれ以上は付き合えないとここでこの場を後にした。
このカミキリ、一昨日別の場所で初めて見つけて図鑑で調べたところだった。
東京都の2010年版レッドリストでは北多摩VU・絶滅危惧Ⅱ類に指定されている希少種のようだ。
背中のコブがかっこいい!
今まで見たことのない種に立て続けに会えるというのはたいそう不思議なものだ。
2015年7月10日 東京都
コウチュウ目カミキリムシ科 ハイイロヤハズカミキリ
CANON EOS50D EF70-200 F2.8 L IS USM/EXTENDER EF 1.4×Ⅱ EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM RICOH WG-4
雨の田んぼは羽化ラッシュ! [トンボ目]
数日雨が続いているが梅雨なのでしょうがない。
当分は田んぼの水も心配なさそうだ。
田んぼの周りを歩いてみると、小川沿いのクワやカラムシにたくさんのトンボがとまっていた。
この日が今シーズン初見の「ナツアカネ」。
すぐ隣には、「マユタテアカネ」。
ブタ鼻の正面顔を撮り忘れた。
みな新鮮な個体で羽化して間もないのだろうと田んぼを見ると、あちこちのイネに抜け殻が見つかった。
抜け殻のそばにとまっているものも。
翅の先の黒斑がポイントの「コノシメトンボ」。
最も多かったのがこの「アキアカネ」。
ほとんどの赤とんぼが羽化後この場所にいるのに、アキアカネだけは夏の間涼しい山で過ごして赤く色付いて戻ってくる。
ここで羽化した個体が鮭のようにまた同じ場所に戻ってくるのかはわからないが、この秋にたくさんのアキアカネが見られるのを期待している。
小雨が降る朝の11時ごろ、羽化真っ最中の個体もいた。
種はわからないが、無事羽化して大空を羽ばたいて欲しい。
不思議なことに田んぼは何面もあるのに、これらトンボの羽化が集中しているのは1面だけ。
何らかの要因があるに違いない。
それがわかればこの谷戸でのトンボの発生数は飛躍的に増えると思われる。
2015年7月7日 七夕 東京都
トンボ目トンボ科 ナツアカネ、アキアカネ、コノシメトンボ、マユタテアカネ RICOH WG-4
今日も雨 [季節]
今日も一日雨でfieldには出なかった。
雨も情緒があってよいと言われるが、なかなか足が動かない。
昨日、雨が上がった湿地脇で見つけた葉の鋸歯についた水滴。
「ワレモコウ」の葉。
水滴の写真を撮る為に、この葉を探す方もいる。
鋸歯の先が尖っているが、これが水滴を留める要因なのだろうか?
クズにはいろいろな虫が見られるのでチェックしているが、さすがに雨だとなかなか見つからない。
小雨の中、交尾中の「コフキゾウムシ」のカップルがいた。
少々の雨なら見られるチョウたちも、この日はほとんど姿を見せず。
それでも目を凝らしていると、カラフルな衣装が目にとまった。
好きな蛾の一つ、小さな「マドガ」だった。
ちょっと犬顔だと思っているのだが、この角度で見ると意地悪な悪魔に見えないこともない。
歩いていると足元から「ショウリョウバッタ」が跳ねた。
まだ翅も小さな幼虫だが、あと半月もすれば立派な成虫が見られるに違いない。
早く梅雨 明けないかなぁ!
2015年7月2日 埼玉県
バラ目バラ科 ワレモコウ
コウチュウ目ゾウムシ科 コフキゾウムシ
チョウ目マドガ科 マドガ
バッタ目バッタ科 ショウリョウバッタ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM
ここで見られるとは!ルリボシカミキリ [コウチュウ目]
着いた時には小雨がぱらぱら降り始めた。
これはちょっと厳しいなぁと思いながらも、歩いていると大きなクワの木があった。
おぉ、何かいないかと木を見上げふと足元を見ると、草の上のきれいな水色が目に入った。
今年初めて見る「ルリボシカミキリ」。
いやいや、上ばかり見ているときっと気付かずにいたかもしれないが何ともラッキーだった。
一昨年から東京都側の谷戸では確認していたが、個人的に埼玉側では初確認。
こちら側にもいたのね。
水色の地に黒い星に見えるが、なぜか名前はルリボシ。
まぁ、名がどうあれいつ見ても美しいカミキリムシだ。
いつもあわただしく動き回るのだが、この個体は珍しくあまり動かないでいてくれたのでじっくり観察ができた。
美麗な見た目のイメージとは異なり、大きな顎がなかなかいかついのであった。
2015年7月2日 埼玉県
コウチュウ目カミキリムシ科 ルリボシカミキリ CANON EOS70D,EF100mm F2.8L IS USM