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幻 チャイロスズメバチの巣 [ハチ目]

ここ数日、朝晩気温が下がり昼間もカラッとした気候でようやく秋を感じるようになってきた。
谷戸の田んぼでは稲穂がこうべを垂れている。
田んぼ0925_1.jpg



















畔では「シロバナマンジュシャゲ」がいち早く開花し、遅れることようやく「ヒガンバナ」も開花した。
今年は各地でヒガンバナの開花が遅れていると言われていたが、何とか彼岸に間に合ったようだ。

シロバナマンジュシャゲはショウキズイセンとヒガンバナの自然混雑種と言われている。
今の時期、様々な場所でヒガンバナが見られるが日本のヒガンバナは三倍体で種を付けることが出来ないため、そのほとんどが人によって植栽されたものであろう。

シロバナマンジュシャゲ0925_1.jpg



















秋に話題に上がるのがスズメバチだ。
この時期、巣が最大級の大きさとなり働き蜂たちの数も最も多く、刺されたとテレビや新聞で報道される。
そんなスズメバチの中で以前幻と言われていたのが「チャイロスズメバチ」。
が、丘陵では夏の樹液で毎年見られどこが幻と思っていたのだが、そういえばこのハチの巣を見たことが無かった。オオスズメバチ、キイロ、モン、コガタ、ヒメ、クロスズメバチの巣にはこの10年でかなり出会い仕事柄多く駆除もしてきたが、チャイロスズメバチの巣だけは見たことが無かった。
ハチより巣の方が幻だったのだ。


先日、あるところにスズメバチの巣がありチャイロスズメバチではないかと職場の同僚から聞いて案内してもらったのだが、見るとヒノキかサワラの幹の高さおおよそ8mのキツツキが開けたと思われる穴にその巣があった。
チャイロスズメバチ巣0925_1.jpg



















望遠レンズでファインダーをのぞくと出入りしているのはまさしくチャイロスズメバチ。
この日はさほど気温が高くなかったのだが、木の根元にいてもものすごい羽音が聞こえてきた。
巣の入り口にいるハチを見ても翅を動かしてはいないので、中にいる働き蜂たちの羽音と思われた。
このハチの女王は、キイロスズメバチやモンスズメバチの巣を乗っ取り働き蜂を奴隷化してそのうち自分の働き蜂にとって替わるという社会性寄生蜂として知られている。
こういった場所に営巣するのはモンスズメバチなのでもとはモンスズメバチの巣だった可能性が高い。
チャイロスズメバチ巣0925-1_1.jpg



















巣のすぐ近くにあるクヌギの高所の酒場にいつもこのハチの姿があったのに合点がいった。
根本にもわずかに樹液が出ていてこの日そこにも働き蜂の姿があった。
樹液を舐めるでもなく、ただじっとしていて時折触覚などの手入れをしていた。
まるで、仕事をサボっているサラリーマンのようだった。
おいおい!
この巣も間もなくオス蜂や新女王が旅立ち、終焉を迎えるのだろう。
チャイロスズメバチ0925_1.jpg



















2019年9月25日 東京都 キジカクシ目ヒガンバナ科 シロバナマンジュシャゲ、ヒガンバナ ハチ目スズメバチ科 チャイロスズメバチ

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ぜふ

さすがの観察眼ですね。
モンスズメバチもターゲットとは知りませんてした。
ハチもアリのように2割はサボっているのでしょうか・・
by ぜふ (2019-09-29 21:39) 

hirokou

ぜふさん コメントありがとうございます。
僕もこの頃サボりたい気分です(T_T)
by hirokou (2019-09-29 23:55) 

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